加納朋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短編月~日まで分の詰め合わせ。
結構長い時間読み続けてた。最近時間がなくて……。
加納朋子さんの御本は、これまでに二冊? 読んでいるけれども、その二冊とちょい毛色が違って、最初は戸惑った。
が、途中から「ああ、やっぱりそうだ」と思える程に特徴がある。
そうだな……前の二冊よりは、こちらの方がしっくりくる。スピード感があって面白かった。ってか、好きなんだろうな、こういうのが。
まぁ、何かちょっと物足りないな、と思うところがあるのも事実。
謎が提起されてから、それが解決するまで、その中間が、殆ど存在しないから、なのかもしれない。
謎解きの時点でその中間部が語られることもあるけれども、それじゃ遅いんだ、と思う部分がなきにしも。
でも好きだな。この本。
もう一度読もうと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレスペース。
確かに今までも星や宇宙を二人でみる場面が何度かあったこのシリーズ、でもこのタイトルって?
いつもの駒ちゃんのトボけたような日常に急に挟み込まれた「はるちゃん」宛の手紙。
「本を読んでいると、物語を書く人の頭の中って、まるで混沌とした宇宙みたいだってよく思います。完成稿に辿りつくまでに、どれほどたくさんの空白が埋められ、言葉が選ばれ捨てられていくのかしらね。考えるとめまいがしそう。
私ね、ちょっと思ったの。今の私って、まるで選ばれなかった場面みたいだって。
最近、どうして自分は今、ここにいるんだろうって、ふと思ったりします。間違った場所にいるような気がしてならないの。」
前作でもこんな台詞があったな。
でも、所々に違和感。
そしてこの手紙が瀬尾さんと駒ちゃんの間のスペースをちゅっと縮める。
最後のシーンにヤキモキしながらも駒ちゃん、ガンバッタ!とガッツポーズしてしまった。
そのまま二人に新たな展開?と期待して開いた「バックスペース」は駒ちゃんと瀬尾さんはほとんど出てこない。
でも、第三者からみた駒ちゃん達が新鮮。前章でも出てきたみる事ができるのは人の一部分という言葉がここでも生きる。
瀬尾さんの名前にニヤニヤし、二人のお話と並行にあった物語を堪能した。
「生きていればきっと、逃げ出すよりほかに道がないときだってある。遮二無二突進していって、その結果無惨に衝突するよりは、回れ右して逃げ出す方がずっといい。
一度打ち込んだ文字を、バックスペースキーでなかったことにしたっていいじゃないか?
少しくらい、後戻りしたっていい。やりなおしたっていい。まったく別な、新たな文字を打ち込むことだってできる。」
今までのシリーズではほんのり、ぼんやりとしてきたテーマが今回はくどいくらいガッツリ前面でちょっと戸惑う。
相変わらず読後の余韻も最初から読み直したくなるつながりっぷりも好きだけど。 -
Posted by ブクログ
文庫の帯に書いてある「かつて子どもだった人へ。」という言葉のとおり、子どもだった頃を思い出させる温かい物語でした。
“父の転勤で北九州の社宅へ引っ越して来た高見森。同じ社宅に住む子どもたちと仲良くなるにつれ、彼らがある秘密を共有していることに気づく。そして「パック」と呼ばれる謎の少年には、ある役割があったー。理不尽な想いを抱える仲間を守り、仲間に守られながら生きる少年少女たちの、清々しく明るい物語。”(「BOOK」データベースより)
物語は主人公の高見森(たかみ しん)が幼稚園児の頃の出来事から始まります。幼い頃から無鉄砲でやんちゃだった森は、ある日ボールが転がり込んだ団地の庭に潜り込んで、一人の可愛い女の子と出会います。
1階のベランダから脱出するための縄梯子を作ってあげて、家を抜け出して一緒に遊ぶ森と女の子。乱暴者だったおかげで友達がいなかった森にとって、生まれて初めて友達と呼べる女の子との出会いも、ある日の事件で二度と合えなくなってしまいます。
そこから物語は森が小学5年生になり、父親の転勤で北九州に引っ越してくる場面に転換します。慣れない転校生活の中で徐々に増えてくる友達。そして、パックと呼ばれる謎の同級生。無鉄砲な森の心に残っていた幼い頃からのわだかまりが、周囲の仲間と過ごすことによって徐々にほどけてきます。
温かい物が足りながらミステリーの要素もあって、ラストには思いがけないクライマックスを迎えることになるのですが、それも加納朋子さんらしい「フワッとしたカフェラテのような、温かくて優しい」結末を迎えます。 -
Posted by ブクログ
大人のための童話というようなジャンルの作品です。加納朋子さんの小説はそれにミステリーの要素も含まれているので、さらになぜだろうと先を読みたくなります。主人公の高見森(タカミ シン)は小学5年生。東京から遠い北九州の地に引っ越してきたばかりの向こう見ずな男の子。転校した学校で彼は新しい友だちに囲まれます。飛び切り美人な女の子がいきなり九州弁丸出しでしゃべり出したりするので愉快です。彼は転校早々に体育館の屋根に登って先生から大目玉をくらったりしています。子どもの世界は秘密に満ちています。一見やんちゃで悩みなどないように見える彼も、幼稚園の時代の謎に満ちた体験や転校する前の年の思い出したくない嫌な体験を心に抱えています。彼らの仲間に謎に満ちた「パック」と呼ばれる男の子がいます。どこに住んでいるのか・・家族はいるのか・・?
シンはパックと行動を共にするうちに彼がどういう境遇の子なのか知るようになります。パックの存在が彼らのむすびつきを強めていたのでした。
大人の世界の理不尽な出来事にまきこまれながらも彼らなりの抵抗を試みます。そして、シンの幼稚園時代の体験や、1年前の嫌な体験はいつのまにか解決していたのでした。今の社会が抱える深刻な問題をさりげなく織り込みながらも、爽やかなお話に仕上がっています。 -
Posted by ブクログ
間もなく子供が小学校に入学するので、人ごとではないな~と思いながら読みました。
とにかく「ブルドーザー陽子」の言動が痛快です。
こういう、人を正論で追い詰める人は実在すれば確実に苦手なタイプですが、すべてに筋が通っているから結局納得してしまうんですよね。
私は専業主婦ですが、「二人一緒ならいいですけど、知らない人とお仕事なんてできません」などと言い切る『ママ友』同士に陽子が嫌悪感を示す気持ちはよく分かります。
でもこの主人公、いくらなんでも強すぎますね。
陽子のようにバリキャリではなく知性も気の強さもないけれど、群れを成して井戸端会議に興じるママ友仲間に入りたいとも思えない私は、実際にPTAで作中のようなトラブルが起こったとしたらどのように対処できるだろう?と首をかしげてしまいました。
ラストも陽子だからこその展開で、急にリアリティが損なわれて非常に残念でした。