加納朋子のレビュー一覧
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ネタバレスペース。
確かに今までも星や宇宙を二人でみる場面が何度かあったこのシリーズ、でもこのタイトルって?
いつもの駒ちゃんのトボけたような日常に急に挟み込まれた「はるちゃん」宛の手紙。
「本を読んでいると、物語を書く人の頭の中って、まるで混沌とした宇宙みたいだってよく思います。完成稿に辿りつくまでに、どれほどたくさんの空白が埋められ、言葉が選ばれ捨てられていくのかしらね。考えるとめまいがしそう。
私ね、ちょっと思ったの。今の私って、まるで選ばれなかった場面みたいだって。
最近、どうして自分は今、ここにいるんだろうって、ふと思ったりします。間違った場所にいるような気がしてならないの。」
前作でもこん -
Posted by ブクログ
文庫の帯に書いてある「かつて子どもだった人へ。」という言葉のとおり、子どもだった頃を思い出させる温かい物語でした。
“父の転勤で北九州の社宅へ引っ越して来た高見森。同じ社宅に住む子どもたちと仲良くなるにつれ、彼らがある秘密を共有していることに気づく。そして「パック」と呼ばれる謎の少年には、ある役割があったー。理不尽な想いを抱える仲間を守り、仲間に守られながら生きる少年少女たちの、清々しく明るい物語。”(「BOOK」データベースより)
物語は主人公の高見森(たかみ しん)が幼稚園児の頃の出来事から始まります。幼い頃から無鉄砲でやんちゃだった森は、ある日ボールが転がり込んだ団地の庭に潜り込ん -
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大人のための童話というようなジャンルの作品です。加納朋子さんの小説はそれにミステリーの要素も含まれているので、さらになぜだろうと先を読みたくなります。主人公の高見森(タカミ シン)は小学5年生。東京から遠い北九州の地に引っ越してきたばかりの向こう見ずな男の子。転校した学校で彼は新しい友だちに囲まれます。飛び切り美人な女の子がいきなり九州弁丸出しでしゃべり出したりするので愉快です。彼は転校早々に体育館の屋根に登って先生から大目玉をくらったりしています。子どもの世界は秘密に満ちています。一見やんちゃで悩みなどないように見える彼も、幼稚園の時代の謎に満ちた体験や転校する前の年の思い出したくない嫌な体
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Posted by ブクログ
間もなく子供が小学校に入学するので、人ごとではないな~と思いながら読みました。
とにかく「ブルドーザー陽子」の言動が痛快です。
こういう、人を正論で追い詰める人は実在すれば確実に苦手なタイプですが、すべてに筋が通っているから結局納得してしまうんですよね。
私は専業主婦ですが、「二人一緒ならいいですけど、知らない人とお仕事なんてできません」などと言い切る『ママ友』同士に陽子が嫌悪感を示す気持ちはよく分かります。
でもこの主人公、いくらなんでも強すぎますね。
陽子のようにバリキャリではなく知性も気の強さもないけれど、群れを成して井戸端会議に興じるママ友仲間に入りたいとも思えない私は、実際にPT