加納朋子のレビュー一覧

  • 猫が見ていた

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    現代を代表する作家さんたちの猫アンソロジー。

    湊さんのはご自身の事だろうし、有栖川さんのは偶然?って感じで面白かったし、柚月さんのは猫の名前にそうきたかだったし、加納さんのはハッチが生まれ変わったんだよって感じで、この4篇が気に入りました。

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    2018年03月23日
  • 魔法飛行

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    ネタバレ

    有栖川有栖氏解説。
    続編。4つの短編から。

    前作とは違い、実際瀬尾さんと会う仲だけれど、物語→手紙、の手法は変わらず。

    今回はさらに差出人不明の手紙を挟んでいるが
    ラストに全ての謎が解ける。

    最近名短篇シリーズを読んで、解釈や他の人の感想を読むとこうも見える風景が変わるのかと驚いたが
    このシリーズではそれが物語として読めるのが面白い。

    瀬尾さんの思考の深さには驚くが。
    (正直、交通事故の壁絵の少年2人の行動に非難めいた感情を持ってしまった。。。)

    ラストの兄妹、彼等との関係はどうなるのだろうか。
    個人的に兄と主人公、この関係に瀬尾さんはどんな感情をもつのだろう、と思ってしまったところ

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    2018年03月23日
  • てるてるあした

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    「ささらさや」に続く「ささらシリーズ」第2作目で、2006年に黒川智花×木村多江でドラマ化されてます。私的には前作の、優しく温かいささらの雰囲気をまた楽しめると期待して手に取りました。でも両親の借金による夜逃げでささら村に来る事になった今作の主人公照代の境遇のせいで、棘のある世界観になっていました。感動する場面もありますが、序盤から中盤にかけて照代の自己中の荒波に圧倒され、心温まったのは最後のほんの一瞬でした。もっと違う目線でサヤさん達に会いたかったな。

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    2018年03月19日
  • ななつのこものがたり

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    小説ななつのこの劇中本(?)。
    幻想的なおとぎ話のようであり、一方でどこまでも現実的な物語。
    子供に読み聞かせする母の語りを描いた絵本だが、この本を本当に子供に読み聞かせたりなんかすると、そのあまりのリアルさに寝てた子が飛び起きるレベルだと思う。まぁ言い過ぎだが。ただでも絵本って得てしてリアルなものなのかも?!

    一つ確実なのは、駒子シリーズ三部作を読んだ後から読むべき本です。

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    2018年02月08日
  • 魔法飛行

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    駒子シリーズ第二段。
    前作、ななつの子からの続編。
    日常で起こる謎をななつのこの作者が解いていくのはおなじみ。
    主人公を監視しているような妙な文章が挟まれていて、ちょっと怖い印象を与える。
    ほんの少し言葉が足りなくて、勘違いしたところからとんでもない方向へ話が進む。
    ちょっと怖くてちょっと切ない、家族や人を大切に思うが故のお話。

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    2018年01月15日
  • ささら さや

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    ネタバレ

    加納さんの本は5冊目。
    久々に読みました。

    大阪の本屋さんで手にした本。
    新刊コーナーで見つけたのですが、初版は2001年でした。
    文庫が2004年発刊で、私が購入したのは12版。

    本の帯に『亡き夫が、ゴーストとなって事件を解決!?』と。
    ライトミステリーだろうと読み始めてみたら、あの映画「ゴースト ニューヨークの幻」が思い出される…

    さやとユウスケを残し、事故で亡くなった夫。
    途方に暮れるさやの周りに起こる事件。
    ゴーストとなってさやを見守る夫。

    読み終えて、解説を読んでみると、そこには「加納朋子版ゴースト」と書かれていました。
    納得!

    連絡短編集。
    最後の「トワイライト・メッセン

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    2017年12月27日
  • はるひのの、はる

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    加納朋子のはるひのの、はるを読みました。

    ささらさやシリーズの3作目でした。
    ささらさやでは赤ちゃんだったユウスケが少年から大人に成長していくときに、ときどきはるひという少女が現れてユウスケにお願い事をしていきます。
    ユウスケは幽霊を見ることができて、その幽霊と話をすることもできることがあります。
    それぞれの短編で起きた事件が最後のエピソードに収束していきます。

    それぞれの短編は面白く読みましたが、時間を超えた物語であることでちょっと全体が分かりにくかったのが残念です。

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    2017年12月08日
  • 七人の敵がいる

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    小説すばる、2009.4〜2010.4隔月連載、痛快PTAエンターテイメント小説。多忙な編集者が息子の小学校入学で直面する役員決めや保護者参加イベントの嵐。義母家族、男、夫、我が子、先生、会長様と7人の敵。されど8人の仲間有り。

    元気にパワーを持って突き進む。普通は、触らぬ神に祟りなし、ですもんね。

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    2017年11月25日
  • モノレールねこ

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    ザリガニの話が意外とおもしろかった。まさか泣けるとは。
    小学校の時に身近なモチーフを主人公にお話を書きなさいという授業があったけど、こんな風に自分も面白い話をかけたらよかったのにと思い出した。

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    2017年09月02日
  • コッペリア

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    「ドール」の世界への理解や、「○○トリックがフェアかアンフェアか」とう読者の捉え方により評価が変わるかもしれません。

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    2017年08月09日
  • 七人の敵がいる

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    陽子みたいなお母さんがクラスにいたら絶対イヤ!というのが読み始めての感想。陽介くんが成長するにつれ、何かと敵を作ってもPTAや自治会、学童保育、少スポと奮闘していく陽子を応援したくなった。最後のビジネスの話はちょっと現実的じゃないかなあ。同じようなことで悩んでる世のママさんたちがみんな、こういう解決策を取れる訳じゃないので、そこが残念でした。わが子の学校はここまでの活動はしてなかったですが、それだけPTAの問題は難しいんでしょうね。

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    2017年07月28日
  • トオリヌケ キンシ

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    物の声が聞こえたり人の顔を識別できなかったり、周りとは少し違う登場人物たちの物語。優しい世界観で読みやすいです。

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    2017年06月26日
  • てるてるあした

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    懐かしい、ささらのサヤさんが登場。主人公は中学を卒業したばかりの照代なんだけど。照代は大変な状況なんだから自分の事しか考えられなくて当然。だけど、そんな状況だからこそ色々な人の気遣いにも気づくようになったのかも。

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    2017年05月27日
  • はるひのの、はる

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    ささらさやシリーズ完結編。
    ささらさやではまだ赤ちゃんだったユウスケがすっかり大きくなって、今回の主人公となる。

    大ちゃんとか、照ちゃんとか、さりげなく前シリーズの登場人物が現れて、おぉ~大きくなったなぁとちょっと感慨深くなる。

    赤ちゃんの時から幽霊が見えていたユウスケだが、小学校前に、はるひと名乗る女の子に手伝ってほしいと頼まれる。
    その目的も彼女の素性も知らないまま、たまに現れるはるひのお手伝いをしながら大きくなったユウスケの高校入学から物語は動き出す。

    霊関係というよりタイムトラベルが主軸で、パズルのピースが最後にカタリとはまる感じで小気味よい。
    そして、このささらさやシリーズのポ

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    2017年05月06日
  • はるひのの、はる

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    シリーズ第三弾。本作はあの乳飲み子だったユウスケが主人公。そして過去のシリーズとは違いミステリ物になっている。だからだろうか、「ささら」のスピンオフのような印象を受けた。
    あらすじ(背表紙より)
    大きくなったユウスケの前に、「はるひ」という名の女の子が現れる。初対面のはずなのに、なぜか妙に親しげだ。その後も「肝試しがしたい」「殺人の相談にのって」と無理難題を押し付ける。だが、ただの気まぐれに思えた彼女の頼み事は、全て「ある人」を守る為のものだった。時を超えて明らかになる温かな真実。ベストセラー「ささら」シリーズ最終巻。

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    2017年01月22日
  • スペース

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    ネタバレ

    ミステリとしては、読後のそうきたか感はあるが、過去作の期待値からすると、それほど驚くこともなかった。

    正直、前半は長い日常シーンに飽きかけもした。

    後半、駒子を客観的視点から見ることになり、こんな子の本を今まで読んでいたんだな、と爽やかな気持ちになれました。
    少しの驚きと、今まで見守ってきた駒子がこんなに良い子だったんだ、と安心するストーリー、がこの本だと思う。

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    2016年11月21日
  • はるひのの、はる

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    ささらシリーズ3作目で完結
    シリーズとはいっても別に前の作品を読んでなくてもまったく問題なし
    でも、さやさんも相変わらず元気そうだし、てるちゃんも幸せなようでよかった

    で、今回はユウスケが主人公のストーリー

    日常系ミステリだけど解決には少し不思議な力も使ったりするお話しを期待していたわけだけれども、まったくのファンタジー寄りだった

    やはり加納朋子の書く連作短編の構造は好きだ
    各編の繋がりが実はありましたってやつ

    結末としては、「自分の経験の結果こんな話を書いたのかな?」とか思ったけど
    あとがきで即その感想を否定されて笑った
    ま、作家さんが全て自分の経験を元に書くわけじゃないものね

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    2016年09月28日
  • ささら さや

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     突然の事故で夫を失い、生まれて間もない赤ん坊のゆう坊とともに取り残されたサヤ。しかし、成仏しきれなかった夫は一定の人間に対し一度だけ乗り移る力を持ち、サヤのピンチには、必ず力を貸してくれるようになる。

     一方でサヤは、夫の家族からゆう坊を養子としてゆずるよう圧力をかけられ、逃げるように自身の亡くなった叔母の家が残っている佐佐良の街へ移住するのだが……。

     序盤はちょっと読むのが辛い……。入りが辛いということもあるのですが、夫の葬儀の日に、息子を養子に渡すように言う夫の家族だとか、それに対し、気弱な拒否の返事しかできないサヤの頼りない感じだとかが、もどかしかったり、イライラしたりということ

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    2016年08月13日
  • コッペリア

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    ミステリが好きで、球体関節人形に魅せられていて、といえば、読むしかない! とブックガイドを見てからずっと気になっていた本。
    正直、少し肩すかしの感。
    人形に関する哲学でおおきくはずれているものは見受けられない。
    (ただし少女人形を家族の文脈でとらえるのは、
     人形の見た目に流された結果だと思う。
     人形は家族ではなく他者である。)
    しかし人形哲学に対し、ミステリ部分がやや卑俗にすぎる。
    この種の叙述トリックも感心しない。
    決して悪い作家ではないと思うのだが。
    合わなかっただけか、自分の見方が偏向しているせいか。
    他の作品も読んでから判断しなおしたい。

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    2016年07月14日
  • コッペリア

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    加納朋子さんのイメージからは遠い、不気味さと美しさ、陶酔がつきまとう作品。結構、強烈な印象は残りました。

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    2016年06月25日