加納朋子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ有栖川有栖氏解説。
続編。4つの短編から。
前作とは違い、実際瀬尾さんと会う仲だけれど、物語→手紙、の手法は変わらず。
今回はさらに差出人不明の手紙を挟んでいるが
ラストに全ての謎が解ける。
最近名短篇シリーズを読んで、解釈や他の人の感想を読むとこうも見える風景が変わるのかと驚いたが
このシリーズではそれが物語として読めるのが面白い。
瀬尾さんの思考の深さには驚くが。
(正直、交通事故の壁絵の少年2人の行動に非難めいた感情を持ってしまった。。。)
ラストの兄妹、彼等との関係はどうなるのだろうか。
個人的に兄と主人公、この関係に瀬尾さんはどんな感情をもつのだろう、と思ってしまったところ -
Posted by ブクログ
ネタバレ加納さんの本は5冊目。
久々に読みました。
大阪の本屋さんで手にした本。
新刊コーナーで見つけたのですが、初版は2001年でした。
文庫が2004年発刊で、私が購入したのは12版。
本の帯に『亡き夫が、ゴーストとなって事件を解決!?』と。
ライトミステリーだろうと読み始めてみたら、あの映画「ゴースト ニューヨークの幻」が思い出される…
さやとユウスケを残し、事故で亡くなった夫。
途方に暮れるさやの周りに起こる事件。
ゴーストとなってさやを見守る夫。
読み終えて、解説を読んでみると、そこには「加納朋子版ゴースト」と書かれていました。
納得!
連絡短編集。
最後の「トワイライト・メッセン -
Posted by ブクログ
ささらさやシリーズ完結編。
ささらさやではまだ赤ちゃんだったユウスケがすっかり大きくなって、今回の主人公となる。
大ちゃんとか、照ちゃんとか、さりげなく前シリーズの登場人物が現れて、おぉ~大きくなったなぁとちょっと感慨深くなる。
赤ちゃんの時から幽霊が見えていたユウスケだが、小学校前に、はるひと名乗る女の子に手伝ってほしいと頼まれる。
その目的も彼女の素性も知らないまま、たまに現れるはるひのお手伝いをしながら大きくなったユウスケの高校入学から物語は動き出す。
霊関係というよりタイムトラベルが主軸で、パズルのピースが最後にカタリとはまる感じで小気味よい。
そして、このささらさやシリーズのポ -
Posted by ブクログ
ささらシリーズ3作目で完結
シリーズとはいっても別に前の作品を読んでなくてもまったく問題なし
でも、さやさんも相変わらず元気そうだし、てるちゃんも幸せなようでよかった
で、今回はユウスケが主人公のストーリー
日常系ミステリだけど解決には少し不思議な力も使ったりするお話しを期待していたわけだけれども、まったくのファンタジー寄りだった
やはり加納朋子の書く連作短編の構造は好きだ
各編の繋がりが実はありましたってやつ
結末としては、「自分の経験の結果こんな話を書いたのかな?」とか思ったけど
あとがきで即その感想を否定されて笑った
ま、作家さんが全て自分の経験を元に書くわけじゃないものね
こ -
Posted by ブクログ
突然の事故で夫を失い、生まれて間もない赤ん坊のゆう坊とともに取り残されたサヤ。しかし、成仏しきれなかった夫は一定の人間に対し一度だけ乗り移る力を持ち、サヤのピンチには、必ず力を貸してくれるようになる。
一方でサヤは、夫の家族からゆう坊を養子としてゆずるよう圧力をかけられ、逃げるように自身の亡くなった叔母の家が残っている佐佐良の街へ移住するのだが……。
序盤はちょっと読むのが辛い……。入りが辛いということもあるのですが、夫の葬儀の日に、息子を養子に渡すように言う夫の家族だとか、それに対し、気弱な拒否の返事しかできないサヤの頼りない感じだとかが、もどかしかったり、イライラしたりということ -
Posted by ブクログ
ミステリが好きで、球体関節人形に魅せられていて、といえば、読むしかない! とブックガイドを見てからずっと気になっていた本。
正直、少し肩すかしの感。
人形に関する哲学でおおきくはずれているものは見受けられない。
(ただし少女人形を家族の文脈でとらえるのは、
人形の見た目に流された結果だと思う。
人形は家族ではなく他者である。)
しかし人形哲学に対し、ミステリ部分がやや卑俗にすぎる。
この種の叙述トリックも感心しない。
決して悪い作家ではないと思うのだが。
合わなかっただけか、自分の見方が偏向しているせいか。
他の作品も読んでから判断しなおしたい。