あらすじ
前作『魔法飛行』で生涯最大の冒険を経験した入江駒子は、その余波で風邪をひきクリスマスを寝て過ごすことに。けれど日頃の精進ゆえか間もなく軽快し、買い物に出かけた大晦日のデパートで思いがけない人と再会を果たす。勢いで「読んでいただきたい手紙があるんです」と告げる駒子。十数通の手紙に秘められた謎、そして書かれなかった“ある物語”とは? 手紙をめぐる《不思議》にラブストーリーの彩りが花を添える連作長編ミステリ。伸びやかなデビュー作『ななつのこ』に始まる、駒子シリーズ第三作。/解説=光原百合
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さすが北村薫好きを公言する作家。出だしのお節の話が本当に北村薫っぽい。フードプロセッサーの描写が北村薫のテフロンのフライパンに関する描写(「私」シリーズの「夜の蝉」だったか?)に共通するものを感じる。
これから、いよいよ謎解き、と分かるときは一気に読みたい。だからその雰囲気が分かるのは本当にありがたい。
2章は瀬尾さんに駒子が出した、手紙。はるちゃんへの手紙である。
瀬尾さんへの謎の提示のためミスリードがある。
はるちゃんへの手紙を書いたのが駒子だと思わせている。
ウサギさんが愛ちゃんだと思わせている。実際には愛ちゃんはクジャクさん。
ふみさんがネコさん。けっきょくウサギさんが誰なのか、私には分からなかった。
しかし愛ちゃん、結構えげつないことをする。
まどかさんを置いてきぼりにしたのは愛ちゃんが主犯だ。駒子はそれを知っても大丈夫なのだろうか。ふみさんが入ることによって、落ち着いた、とはあったが。
そして瀬尾さんはじれったい。
手紙のやり取りだけだからかもしれないけれど、じれったい。
このような進み具合だから、いいのかもしれない、とも思うけれど。
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過去作との繋がりが見えたとたんに景色変わる!
仕掛けもすごいし、いい映画を見た後のような読後感。
ネット公開されている著者本人のインタビューだと全4部作という証言がある。
ななつのこ
単行本:1992年9月 東京創元社 ISBN 4488023347
魔法飛行
単行本:1993年7月 東京創元社 ISBN 4488012507
スペース
単行本:2004年5月 東京創元社 ISBN 4488012981
2作目までのインターバルが1年、
3作目までのインターバルが11年、
4作目までのインターバル、、、、、、。
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駒子シリーズ3作目。駒子と瀬尾さんが一歩進展。でも今回は「はるか」と「まどか」という双子の物語でもある。でもラストではそれまでそっと控えていた駒子と瀬尾さんが再び浮き上がる見事な構成。駒ちゃんに惚れる。
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この人は、すごい(^ ^ 日本の宝だ(^o^
いわゆる「駒子シリーズ」の一冊だが、
これまでとはちょっと毛色が変わっている。
というのも、一冊が大きく前後半に別れていて、
前半は駒子目線、後半は駒子の友人目線で進む。
そして、主観が違う前後半が、基本的には
同じ時間・場所を多く共有しているのが特徴で。
そのおかげで、一つの事件、一人の登場人物も、
主観が変わるとこんなに評価が変わるのか、
ということに驚かされる。
さらに、裏に流れる「もう一つの視点の変換」が
大きな物語のキーとなっている。詳しくは書けないが(^ ^;
ともすると「ご都合主義」と言われかねない伏線を、
心暖まるエピソードに昇華しているのは、
作者の類い希なる筆力と緻密な構成力の賜(^o^
さらに、シリーズものなので、おなじみの登場人物も
数多く登場するのがうれしいところ。
のみならず、「おなじみの筈の人物」についても、
意外な展開が用意されていて(^ ^
思わず「えぇっ、そう来るのか!?」と驚かされた。
これ、シリーズの書き始めの時点では、
どこまで想定していたんだろうか(^ ^;
最初からここまでのキャラ付け...と言うか
「裏のストーリー」を作り上げていたのなら、
それはそれで驚きだし(^ ^
後から考えて編み込んでいったのだとすると、
それはまた驚嘆すべき構成力だ(^ ^
いや〜、とにかく面白いし感動できるし(^ ^
読後、思わずシリーズ最初の「ななつのこ」を
再度読み始めてしまいましたとさ(^ ^
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駒子シリーズ3作目。手紙が重要なアイテムなのはわかっているが今回は2話のうち1話は何通もの長い手紙がほとんどの「スペース」を埋めている。駒子から瀬尾さんに託された手紙と言う名の謎、よくわからないままながらも読み進めると駒子のいじらしい気持ちが見られる。2話目はその裏側、そして気になるその後にも触れている。期待した駒子の活躍はあまりなかったけど楽しかった。人の幸せってどこにあるかわからないものだ。置かれた場所で〜と言う本もあるけど自分から動き見つけ取りに行くことも大事だと思う。謎のようなあったかい恋愛もの。
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『ななつのこ』『魔法飛行』に続く〈駒子〉シリーズ第三弾。今回は中編二本の前後編によるラブ・ストーリー。
前作から少し時間が空いてからの刊行のせいもあるのか、三作目にしてさらに趣向を変えてきた。駒子と瀬尾さんの関係がどうなっていくのか?が気になりつつ、まったく別視点の物語が描かれていく。前半の手紙の部分が読みにくく、「何を読まされているんだろう?」となったのだが、他のレビューをみると多くの人が同じ感想を抱いたようだ。さらに、出来すぎた偶然が重なるのがやりすぎに思え、ミステリーとしての驚きはあるものの、今ひとつスッキリしないところはある。しかし読後感はほっこり、ラブ・ストーリーとしての完成度は高い。
単体の作品としては前作に劣るが、シリーズものとして考えると重要な通過点に思える。ぜひとも完結編を望むところだけれども、いかんせん一作目が30年前だし望み薄か……(泣)。
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駒子シリーズの「ななつのこ」「魔法飛行」に続く第3作目。
今回はロマンス要素が高めの中編2本。とはいえ、ちゃんと謎解きが入っています。是非、前2作を読んでから手に取って欲しい。そうでないと内容の説明が難しいんです(笑)
駒子達が俯瞰的に描かれるシーンなど、加納さんの奥深さを感じました。
ミステリマニアには少し消化不良のところがあるかもしれませんが、駒子という女性の成長譚として、楽しみながら読みました。
文庫版解説は、光原百合さん。
確かに、前2作への言及やネタバレ無しでの解説は難しかったと思います(笑) 光原さんらしい、丁寧で細やか、かつユーモアと愛情溢れる解説でした。
今年、まさか光原さんの訃報に接するとは思ってもいませんでした。そのことはとても残念です。
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前半の手紙の羅列がやはり苦手。
挫折しかかるも、なんとか我慢して後半まで読み進むと、そこからは一気に物語に入り込めた。
出来過ぎた話と言えばそう見えるけれど、駒子シリーズの完結編(?)として、スペース(空白)として残っていたパズルのピースが適切な位置に埋められていくような心地よさがある。
瀬尾さんの過去のつらい時が語られて、それもまたピースの一つとして見事に嵌るのが著者の手腕の凄みだと思われる。
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駒子ちゃんシリーズ3作目。
毎回異なる趣向で驚かされるこのシリーズだが、今回、前半の話の殆どが駒子ちゃんが書いたと思しき十数通の手紙を読むのに費やされる。
これらを読むと、遡って駒子ちゃんの入学仕立てのキャンパスライフがよく分かるが、何故相手からの返信はなく出した手紙ばかりとか、いつものようにプチ謎が入っているけど手紙の中で解けているようでないようでとか、こんなに親しい駒井はるかって友達これまで出てきていたかなとか、そう言えば愛ちゃんとかふみさんはどうしたのみたいな、微妙な違和感。
勿論、瀬尾さんの手によってこの違和感の訳は明かされるのだが、手紙ばかり読まされたことには、今回はちょっと策に走り過ぎたかという感じをそこでは抱いた。
ところが後半、今度は同級生のまどかという子が語る話になり、手紙で書かれていた時期のことが繰り返されるのだが、同じ出来事に対して手紙には書かれなかったことがその行間を埋めるように語られ、明かされたタネには更に別の仕掛けがあって、読み終えた時には全体の話の印象がまたもやガラリと変わってしまう。
いくら何でもこの出会いは出来過ぎだろうと思うのだが、それも許せちゃうくらいに自分の居場所を探す女の子たちの懸命さ切なさにしみじみ浸る佳い話に。
駒子ちゃんや瀬尾さんは脇役みたいな扱いなのだが、終わってみればしっかりと印象を残すところも巧みで、今回もまた作者の思惑通りに楽しまされてしまった。
これまでも読んだ本の中に「宮沢賢治」や「銀河鉄道の夜」に触れた話が結構あったが、本作でもその存在感たるや大。
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前半は女の子に宛てた手紙。
後半は送り主の女の子目線のお話。
(間にまた、仕掛けが入るが。)
最初置いてけぼり感があって、もやもやしながら読み進めるが
再読すると、散りばめられた伏線にナルホド、と。
タイトルのスペース、余白 というキーワードも物語の核になっていて、
時系列を確認する為シリーズ1作目も読み返したくなる。
シリーズ1作目に恋バナ好きな方はきゅんきゅんするのでは、という感想を抱いたが、
今作もなかなかな運命的展開でした。
出会いが無い、とよく言うけれど、出会いは溢れているけれど、出会い方が重要なのかもしれない。。。
若しくは出会いを一瞬にするか、特別なものにするか、惚れやすい子がこの才能が特化しているのではないだろうか。。
またしても、やはり中高生の女の子に読ませたいな、と思った。
主人公の見え方は他人の目を通すとこうなるのか、と驚き。
友人も、やりすぎでは。。。
『同じとき、同じ場所にいて、同じ空気を吸っていても、やはりそれぞれの世界は全く違うのだと、何だか不思議な気持ちになる。』
また、手紙の送り主の子の 仲良かった子と疎遠になる水を足していったスープのたとえ話になるほど、と。
矢印の太さが違う、若しくは違って行ってしまう事を考えると、仲が続いている子がいることは奇跡なのかもしれないな、と。
4月で新生活を始める子にも読んで欲しい。
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まどかがはるかに送る手紙の淡々とした日常の様子、自分が学生時代に戻ったように引き込まれました。
徒然なるままに書き続けたような本当に些細な出来事なのに、作者の文章力でおもしろおかしい気分で読みすすめていました。
駒子ちゃんを客観的にまどかの目線から綴っているところも面白かったです。駒子ちゃんは他のお話ではものすごく頭の良い子というイメージがあるのですが、客観的にはとても天然っぽい天真爛漫な子という印象に見られているんですね。
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「ななつのこ」など入江駒子シリーズ未読だったため、瀬尾とヒロインの関係性がよく分からず、いきなり始まる手紙についても差出人の単なる近況報告のようで退屈に感じた。
が、手紙の謎と真相、そして結末を知ったら物語の色合いが変化し、伏線回収も小気味よく、なにより読後感が爽やかで清々しい。
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前半80ページ程延々と近況報告を綴った手紙が続くのにはちょっと退屈したけれど、思いがけない真相に再び読み返してしまいました。
前二作とはまた違った趣向の今作、第三者目線で見る駒子と瀬尾さんが新鮮。友人のお話がメインになるのでふたりの出番は少なめでさみしいですが今まで描かれなかった時間の姿が見られて良かった。
そして駒子の友人愛ちゃんの別の人から見た一面も描かれるのですが、あとがきの「どちらが正しいという問題ではなく、『駒子は世界をそんなふうに見ることを選ぶ人である』ということなのでしょう」という言葉が印象的。駒子のように良いところに惹きつけられるように世界に飛び込んでいけたらいいなあ。
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スペース、バック・スペース の2作。
駒子シリーズなんだけど、主役の話よりも2作目の方が印象に残った。手紙は結構退屈だったんだけど、読み進めて行くと、冴えない手紙の理由がわかる。
シリーズ一作目から少しずつ色んなことがリンクしていて、こう繋がるのかーと終盤一気に面白くなった。
誰にも嫌われてなくても、誰の一番でもない。たった一人の誰かにとっての一番になりたい。そうなんだよね。
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スペース。
確かに今までも星や宇宙を二人でみる場面が何度かあったこのシリーズ、でもこのタイトルって?
いつもの駒ちゃんのトボけたような日常に急に挟み込まれた「はるちゃん」宛の手紙。
「本を読んでいると、物語を書く人の頭の中って、まるで混沌とした宇宙みたいだってよく思います。完成稿に辿りつくまでに、どれほどたくさんの空白が埋められ、言葉が選ばれ捨てられていくのかしらね。考えるとめまいがしそう。
私ね、ちょっと思ったの。今の私って、まるで選ばれなかった場面みたいだって。
最近、どうして自分は今、ここにいるんだろうって、ふと思ったりします。間違った場所にいるような気がしてならないの。」
前作でもこんな台詞があったな。
でも、所々に違和感。
そしてこの手紙が瀬尾さんと駒ちゃんの間のスペースをちゅっと縮める。
最後のシーンにヤキモキしながらも駒ちゃん、ガンバッタ!とガッツポーズしてしまった。
そのまま二人に新たな展開?と期待して開いた「バックスペース」は駒ちゃんと瀬尾さんはほとんど出てこない。
でも、第三者からみた駒ちゃん達が新鮮。前章でも出てきたみる事ができるのは人の一部分という言葉がここでも生きる。
瀬尾さんの名前にニヤニヤし、二人のお話と並行にあった物語を堪能した。
「生きていればきっと、逃げ出すよりほかに道がないときだってある。遮二無二突進していって、その結果無惨に衝突するよりは、回れ右して逃げ出す方がずっといい。
一度打ち込んだ文字を、バックスペースキーでなかったことにしたっていいじゃないか?
少しくらい、後戻りしたっていい。やりなおしたっていい。まったく別な、新たな文字を打ち込むことだってできる。」
今までのシリーズではほんのり、ぼんやりとしてきたテーマが今回はくどいくらいガッツリ前面でちょっと戸惑う。
相変わらず読後の余韻も最初から読み直したくなるつながりっぷりも好きだけど。
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駒子シリーズではあるのだけど、前2作とは、ずいぶん趣きが違う感じ。
中編2作収録。
瀬尾さんが手紙の謎を解くのはあいかわらずなのだけど、思いがけない
展開にびっくり。
正直、前の2作と間を空けずに読んだせいか、ん?って思うところが
なきにしもあらずだったのだけど、そうくるか。
まさか、そこがそうなっているなんて思いもしなかった。
2編目のあれも、お見事。
気付かないってば、そりゃないよって感じ(笑)
3作でのきれいなラストに心の中で拍手。
でも、愛ちゃんのその後は、もうちょっと読みたかったかな。
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加納朋子は日常のミステリがうまいなぁ
人が死んだの事件が起こるだのではない、日常の断片をつなげるミステリ
シリーズものと気づかずに買ったので、今度は1作目から読んでみようと思う
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入江駒子
駒子の母
駒子の姉
駒子の妹
駒子の弟
瀬尾
はるか
マリモ
クジャク
ウサギ
多香子
工藤
駒井まどか
愛ちゃん
マホ
リエ
ミユキ
ハヤミ
アンナ
雅美
八重樫春一
宇佐美
高瀬
隼水
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駒子シリーズ、三作目。
見知らぬ子宛の手紙が延々と続くから興味が持てず、だいぶ読み飛ばしてしまった。
自分で謎を解いてやるぜという気概を持ち合わせていないので、最後まで読んでから改めて手紙部分を中心に読み返した。
再読だが、まるで覚えてなかった。
最後まで流し読みして終えてしまったのかもしれない。
垣間見るだけじゃなく、もっと瀬尾と駒子のことが読みたかった。
はるかとまどかのことも。
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駒子シリーズ3作目
前二作から間が空いているしどうかなと思ったがとにかく読みやすかった。読みやすいは褒め言葉ではないとする向きもあるようだが、するする気持ちよく文章が入ってきて物語に引き込まれた。正月支度という地味でかつ家の中の賑やかな雰囲気がわかるところから始まるのも良い。
先に後半の話をするが、今まで駒子の友達として出てきていた愛ちゃんが怖い、めちゃくちゃ怖い。
自分が固執している友人(駒子)とこれから親しくなりそうなきざしのあるクラスメートに対して、大学のある神奈川から遥か離れた研修旅行先の岩手で集合時間をわざと遅く教える、点呼に間に合っていないのを知るとわざわざ居るように見せかけバスに乗り遅れさせる。携帯も無い時代の話でこれはものすごく怖い怖い…。展開的にこの乗り遅れ事件が「運命の出会い」となるのでスルーされてるけど、ここがほんとに怖かった。お金持ちでわがままだけど魅力的なかわいいこ、のはずだったんだけど…。
3作目なのでつくりはわかっている、その上で手紙が長い長い。これが駒子の書いた手紙ではないことはすぐわかるので、つまり誰とも知らない人が誰とも知らない人に出した手紙を延々読まされるのがしんどかった。内容から姉弟姉妹宛の手紙かなと推測したが双子のいれ代わりトリックにたどり着くとまでは思わなかった。しかしミステリの双子って大体入れ替わるか殺されるかしますね。
瀬尾さんと駒子もちょっと進展しそうでなにより。しかし前作の茜さんの時も感じたのですが、筆跡ってそんなに気にならないものだろうか。茜さんのときはともかく(名前だけを、しかも一瞬しか見ないだろうし)、瀬尾さんは駒子の手紙を何度も読み返しているだろうに、一瞬でこれを書いたのは駒子ではないとわかってしまうのでは…。照れ隠しの可能性?(無いと思う)
スペース、を受けてのバック・スペースは中編の種明かし編として面白かった。外から見た駒子がどう見えるかもわかったし。やはり天然不思議ちゃんか…。痴漢と本の話は嫌な気持ちを追体験できたし駒子もまどかもいい子だなと思った。
ところで、あんにゃ、は兄とか兄さんではなかろうか…。あと方言ってそんなにピンポイントで単語だけは出ない気がする。
次作では駒子の弟さんの進路が決まっているだろうか。無事に桜が咲くといいですね。
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最新刊の駒子シリーズのoneを読んで、本棚から引っ張り出して久しぶりに読んだ。
駒子シリーズとしては、これは3作目に当たるのだけどすっかり内容は忘れていて…
おかげで新鮮な気持ちで読むことができた。
そして、多分前もそうだったと思いますが、自分の思い込みの視点で読み進めていたことに気がつき、視点を変えてもう一度読み直すと、いろいろと腑に落ちることがあり、すっきりできた。
そう、視点を変えてもう一度読むと、またストーリーの違う側面が見えてきて面白かった。
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<再登録>「ななつのこ」シリーズ第三弾。表題作「スペース」と、関係するある人物の視点がら描いた「バック・スペース」を収録。
今作は変化球という感じで、駒子と瀬尾さんの活躍をもっと読みたかったという物足りなさも感じました。「バック・スペース」は、偶然が重なり過ぎてる感じでたが、こんな「はじまりかた」は加納さんらしいとも思えます。番外編に見えて、実は重要な転機でもある作品だったようです。
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駒子シリーズの第三弾、第二弾から11年。駒子が瀬尾さん読んでもらいたい手紙があると渡した手紙が延々と続いてゆく。前略はるか様となる手紙。淡々と日常が綴られただけの手紙。はるかさんて誰。誰がはるかさんに書いた手紙? 瀬尾さんの謎解きが始まると、あ~ なるほどとなる。人と人の縁、繋がり、どこでどうなるか解らないところが生きていくうえでの不思議。そして瀬尾さんの過去もちらほらと。柔らかい、青春系日常ミステリでした。そして第三弾から20年後の第四弾「1(ONE)」がどう続いてゆくのか読むのが楽しみです。
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駒子の短大時代のクラスメイトの話。駒井まどかとはるかという双子が主人公とも言えるが、それを大きく包んで駒子と瀬尾さんの存在がある。劇中劇のような花巻置いてけぼり観光バス案内エピソードは面白かった。
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駒子シリーズ第三弾。
「スペース「バック・スペース」の中編二本の連作。
駒子が瀬尾さんに読んで頂きたい手紙があると言って渡す手紙は、前略はるか様で始まる長文。
「スペース」は、人と人との空白の物語で、これは誰が書いた手紙なんだろうと疑問に思いながら読み進め、「バック・スペース」でもやっとした頭の中が、冴え渡るような感覚になる。
なるほど、自分がいるべき場所を懸命に探そうとして辿り着いた居場所なんだとわかる。
バスに置いてけぼりを喰らったまどかが、バス運転士と結ばれるというのも運命的である。
今回は、駒子と瀬尾さんのやりとりは少なかったが、2人の気持ちがうっすらと感じられたような気がした。
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手紙長っ。
シリーズものではないみたいに前二作と趣が違って、ちょっと戸惑いました。手紙がなくて、無理に駒子も絡めず(あるいはスピンオフとして作られていて)、はるちゃん主人公のパートだけだったらよかったな。
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ミステリとしては、読後のそうきたか感はあるが、過去作の期待値からすると、それほど驚くこともなかった。
正直、前半は長い日常シーンに飽きかけもした。
後半、駒子を客観的視点から見ることになり、こんな子の本を今まで読んでいたんだな、と爽やかな気持ちになれました。
少しの驚きと、今まで見守ってきた駒子がこんなに良い子だったんだ、と安心するストーリー、がこの本だと思う。
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この本を手に取ってくださった皆様、どうもありがとうございます。本作品は、『ななつのこ』『魔法飛行』(共に創元推理文庫)に続くシリーズ第三作にあたります。私が『ななつのこ』でデビューしたのが一九九二年、その続編が出たのが翌九三年のことですから、「続きはまだ?」というありがたいお声を耳にしつつ、お待たせすること十年以上……もう誰一人待ってくださってなんかいないのでは、と怯えつつ、ようやく『スペース』を上梓することができました。スローテンポにも程があると、我ながら呆れてしまいます。
そういう、なんとも間延びした間抜けなシリーズなので、この上お願いするのはあまりに厚かましくて気が引けるのですが、できましたら『スペース』単体ではなく、『ななつのこ』『魔法飛行』と順番に読んでいただけたらなあ……と。 もちろん、本作品だけでも完結したひとつのお話としてお読みいただくことはできます。ですから私のこのお願いは作者の単なるわがまま、もしくは「冷めないうちに食べてね」という、おかあさんの台詞のようなものとして、お心に留め置いていただけましたら幸いです。 (著者からのコメント『スペース』巻頭より)
駒子さんシリーズ第3弾。
うわあ、うれしい!
と思ったんですが、第2弾の魔法飛行が2年半前、第1弾のななつのこは4年前に読んだので、さっぱり覚えていない。
駒子さんや瀬尾さんのことは記憶にありますが、どんな出来事があったのか忘れちゃってました。
読んでいて気になって仕方なかったいろんな矛盾に「うふふ、こんなコトに気づくなんて私って結構やるでしょ」なんていい気になっていたんですが、なんのこっちゃない、それは作者さんの計算された伏線でした。
あー恥ずかしい(笑)。
駒子さんシリーズは、最後の最後できれいにつながるところが醍醐味ですよね。
あーすっきり!って感じ。
ちょっと胸きゅんでした~。