【感想・ネタバレ】ささら さやのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年12月05日

半年前、読み友さんに教えてもらった加納朋子さんの「ささらさや」、漸く読めた。表紙絵があまり好きではなかったので若干の敬遠気味。しかし早く読むべきだった。日本版「ゴースト N.Y.のまぼろし」、デミ・ムーアが頭にちらつく。夫とデパ地下で鰹を買い、帰る途中夫が交通事故で亡くなる。しかし、夫は妻(サヤ)を...続きを読む心配し幽霊となり出現。佐々良市でお節介婆さん3人組+1人のヤンキー女性に助けられ1人息子を育てていくサヤの成長譚。夫の妻への愛情が切なく温かい。最後の場面は久しぶりにウルウル。加納さんの心に訴える描写が秀逸。⑤

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Posted by ブクログ 2020年04月05日

「モノレールねこ」がとても面白かったので、この人の書く長編はどうだろうかと手ににしたのがこの本でした。

事故で夫を亡くしたサヤは生まれて間もないユウスケを連れて、生前親しくしていた伯母の住んでいた「佐々良(ささら)」という街に移住します。
気弱でお人良しで頼りないサヤの周りには数々の事件が起こりま...続きを読むすがその度に亡くなった夫が他人の姿を借り助けてくれます。
それに加えて気の良い「佐々良」の街の人たちの支えもあり、サヤが人間的に成長していくというお話です。

ひとつの事件を乗り越えるたびに強くなっていくサヤを見て「子を想う母の強さ」というものを感じました。

涙腺が弱くなったためか、5章目「ダイヤモンド・キッズ」でぐっときて涙し、最終章「トワイライト・メッセンジャー」では夫からの成長したサヤへ対する愛情を感じてまた涙しました。

心の奥がぽかぽかするようなそんなお話、読んでみませんか。

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Posted by ブクログ 2017年11月24日

すごくいいタイミングで出会えた本。夫を失くした主人公が乳児を育てるんだけど、夜泣き対応で途方にくれたり、離乳食に手こずる描写が育児あるあるで愛おしい。主人公を何かと助けてくれる町の人たちもみんな魅力的だった。何度も読み返したいやつ。

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Posted by ブクログ 2017年06月05日

両親のいない孤独なサヤが手にした小さな幸せは
ある日突然夫の事故死で失われます。
残されたのはまだ小さな赤ん坊のユウ坊。
サヤはユウ坊と伯母の残してくれた家で暮らし始めます。

幸薄そうだ・・・
少々世間ズレもしてそうだ。
危なっかしくてほっておけない、って事で
死んだ夫が幽霊になって見守っているの...続きを読むだ。

日常の中に起こる小さなミステリーと言えるのかどうか
わかんない程度のミステリーが優しい。

馬鹿っサヤ
幽霊夫が心配して現れる。

そのうち近所に住むおばあちゃんたちや
ヤンキー母の友達もできる。

最後は悲しいお別れもあるけれど
とても読後感の良いお話。

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Posted by ブクログ 2016年11月09日

「はるひのの」を先に読んだから順番が前後したけど、それはたいした問題じゃなかったです。本作の赤ん坊が、件の作品の主人公だった、ってのは後から気付きましたが、その関係性を知らなくても十分に楽しめました。少しずつ謎解きみたいなことも出てくるけど、自分的には極上のヒューマンドラマ。使者を絡めても、それが陳...続きを読む腐な仕上がりだと”冒涜やん”って腹立たしく感じるけど、ここではすこぶる効果的に使われています。ほのぼの温かい気持ちに浸れる素敵短編集。

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Posted by ブクログ 2015年03月22日

ささらさやの音とともに、現れる交通事故で亡くなった夫。それは、泣き虫のさやが困ったときに他人の体を使って起きる軌跡。

ささらとい言う町ののどかさとさ。赤ん坊のユウ坊を気にかける三人組のおばあちゃん、そしてヤンママぽいけど、優しいエリカの存在が気持ちを優しくしてくれます。

死んでもひとの気持ちは残...続きを読むるとしたら、自分は今そこにいるひとだけじゃなく、過去からも生かされているんだなとおもいました。

てるてるあしたをさき先に読みましたが、久代おばあちゃんはやっぱり頼りになりますね。

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Posted by ブクログ 2015年01月25日

映画「Twilight ささらさや」を観た後、書店でコブクロの「Twilight」と映画のプロモーション映像をエンドレスでかけている中、文庫を平積みしていたこともあり、手にとって購入した作品です。

どうしても「バカっさや」というあのセリフを脳内で大泉洋さんの声で読んでしまったり、サヤのセリフを新垣...続きを読むゆいさんの声で読んでしまったり。と映画と照らし合わせながら読みつつ、作者の加納朋子さんの優しさをそのまま表している優しい言葉達に心洗われる気持ちになりながら読ませていただきました。

この作品の中で描かれているのは母親が子どもを思う時、この世界の何よりも強い存在になる事、母親の偉大さを加納さんらしい柔らかいタッチで書いている事もそうなのですが、子どもの事については、親が責任を持つのは当然の話としても、親に過剰な責任を負わせることがないように子育てに対して周囲の大人の理解と協力が必要という、昔は誰に教わることなく当たり前に出来ていたことが情報社会が進む現代では失われてしまっている現実を優しく突き付けられたようで、そういう意味でも自分自身の身に置き換えて考えても、自分が子どもの頃の大人のように子どもに対して優しい大人であるかどうかを問いかける、心が痛む作品でもありました。
厳しくはないからこそ現代社会の抱えている問題について深く考えさせられる作品でもあります。
(作者としてはそこまで考えてもいなかったのかもしれませんが)

またコブクロファンとして、私個人としては、それまで「母親に大切に育ててもらった息子として母親に対する思慕」を多く歌っていたコブクロがこの作品と出会ったとこで、父親としての子どもに対する愛情と母親として子どもと接してくれている妻に対する敬愛の情を歌った「Twilight」が誕生したのは、本当に人と人とが出会うことで、人は成長し変化するんだな。という事を理解できました。

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購入済み

匿名 2024年04月09日

サラさんは孤独だったけれど、周りの人達に愛され見守られて、もう孤独ではないですね。
これからは強い母親になってゆくのかな。

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Posted by ブクログ 2021年12月29日

加納さんお得意の、日常にある少しの謎とホッコリ&少しウルウルな感じの本です

加納朋子さんの本ってミステリィなのに、誰かが殺されたり恨まれたりみたいな事が無く、ほっこりするようなお話しが多くて安心して読めます(*^^*)

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Posted by ブクログ 2021年03月21日

心が暖かくなるような話。
母は強しだし、見守ってくれて、お節介してくれる人も周りにいる。子育ては孤独になることが多いけど、こんな人たちが周りにいたら心強いかな。

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Posted by ブクログ 2018年07月13日

久しぶりの読書。
久しぶりに読んだ本がこれで良かった。
少しだけ心が満たされた。

子供が生まれたばかりのサヤの旦那が、交通事故で突然亡くなってしまい、サヤは息子と2人で遠く離れたささら市に引っ越す。そこで3人のおばあちゃんやエリカと友達になり、ピンチの時は旦那が人に乗り移って助けに来る話。

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Posted by ブクログ 2018年04月19日

面白かったです。解説にも書いてある通り、加納朋子版ゴースト的なお話ですが、ミステリー的な要素を少し加えた感じで読み始めたら気になり、一気に読みたくなる本です。てるてるあしたという作品の前作となり、てるてるあしたに続いて行く物語です。一冊づつでも楽しめるし連作としても楽しめるし作品です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年04月07日

加納作品では珍しく人死にが出ます。それも冒頭。亡くなったのは新生児が産まれたばかりの若い父親。この物語は残されたサヤとユウ坊が新たな地、佐々良で人の温もりを感じながら生きていく話。ミステリーなのは死んだ旦那もちょいちょい出現するところ。サヤのために幽霊としてあらゆる人に取り憑いて……。星4なのは、や...続きを読むっぱり人が死んじゃうのは悲しいことなので。

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Posted by ブクログ 2017年03月19日

短編集。
人生とは思いがけないことが起こるものだ。
ニュースを見ても他人事にしか思えなかった出来事が、ある日突然我が身にふりかかる。
サヤの夫も、まさかカツオのたたきを考えている最中に死ぬとは思っていなかっただろう。
サヤにとっては、夫はようやく巡り会えた特別な人だった。
この人なら…と思い、やっと...続きを読む心から安らげる家庭を持てたと思っていたのに。
運命って残酷だな、と思わずにはいられない。
そんなサヤを不憫に思ったからなのか、それとも現世に未練がありすぎたのか。
サヤの夫は幽霊?となってサヤを見守り続ける。
純粋で優しくて、馬鹿正直で口下手で、不器用な生き方しかできないサヤ。
でも、意外に頑固な一面もある。
実はサヤはとても強い人なのでは?と感じた。
何て言えばいいのかわからないけれど、柔らかな強さみたいな。
サヤとユウ坊をめぐって起こるいろいろな出来事。
母親として成長しながらも、周りの人たちにめぐまれ、夫に見守られながら日々を過ごす。
寂しさも、やがては薄れていくのだろう。
ユウ坊が、きっと寂しさも哀しみも、すべてをその笑顔で包み込んで消してくれるはずだ。
あたたかで、優しくて、ほんの少しの可笑しみもある物語だった。
それにしても、母親ってなんて強いんだろう。
電車内でのエリカとおじさんとの対決では、「お見事!」と思いながら「怖っ!」とも思った。
子供連れってそんなに冷遇されてないように感じるのは当事者じゃないから?
きっとおじさんのような人は、虫の居所が悪ければ誰にでも八つ当たりするんじゃないのかな。
エリカのあの切り返しは、もう身についた処世術のようなものなのだろう。
母親ってやっぱり強い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年02月19日

子供が生まれた直後に夫を亡くしたさや。
それを取り巻く、近所のばあさんたち、シングルマザーのえりか。
そして、無念を残して成仏できない夫。

ピンチになると成仏できない夫が誰かに乗り移って助けにくる物語ですが、最終的にはさやが成長していく過程が描かれています。

特に心に残るところはありませんでした...続きを読むが、楽しく読めました。

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Posted by ブクログ 2017年01月15日

和製ゴースト、との評をよく見かけます。僕の場合は映画の方を見てませんので、「へぇ、ゴーストってこんな話なんだ」と感心してしまうわけですが。

どこまでもどこまでも優しいお話。ただし、誰も悪意を持ってないぶん、"悪役"側の人達の怖さがいっそう際立っている気もします。いい話だねぇ、ホ...続きを読むロリとくるねぇ、で終わらせることの出来ない何かが潜んでいるようで、ちょっと評価の難しい1冊です。

いや、素直に読めばいいんですけどね(苦笑)。

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Posted by ブクログ 2016年05月05日

加納さんらしい作品だ。
優しくてちょっと謎があって。
お婆ちゃんたちとの距離感もほどよく優しい気持ちになる。

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Posted by ブクログ 2015年06月21日

事故で夫を失い、幼い赤ん坊を抱えて佐佐良の街に移り住んだサヤ。
そこに住む人たちとの出逢いと優しさがサヤを強く育てていく。
素朴だけど切なく、哀しい物語に温かい涙がこぼれる。

2015.6.21

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Posted by ブクログ 2015年03月22日

やっぱり好きだなぁ。最近映画になったのを観てまた読みたくなったのだけど、映画はかなり脚色されていたんだなぁ。一度読んだのがずいぶん昔で大まかなところしか覚えていなかったので、読み返してから観なくてよかったかも。

さやとおんなじ状況になったとき自分があれほど強くあれるだろうかと考えずにいられない。温...続きを読むかい話だとは思う。思うけども、旦那さんがいなくなってしまったのはつらすぎるよ……。さやとユウ坊には幸せになってほしいけど、やっぱりそれは"家族三人で"であってほしかった。それじゃあお話にならないのは百も承知ですがね。

久代さん、お夏さん、珠ちゃん、エリカさんがいてくれることの、心強いこと。さやの未来が明るいものでありますように。そう祈らずにはいられません。映画もまた観たくなっちゃった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年03月21日

シリーズ一作目を、あとから読みました。結婚し、子供が生まれ、幸せが溢れた毎日。その日常のさりげない一こまのなかで命を落としてしまう夫。遺されたサヤと、生まれて間もない赤ちゃん・・・。
そこに現れたのは・・・。なんと夫の幽霊!
奇跡の幽霊、といえばそうなのだけど、小説だからこそ、こんなこともあってほし...続きを読むい。サヤはいろいろなひとに出逢いながら子供を育て、自身も成長していく。
ただ・・・ほんとうに夫を亡くしたひとが読むと辛いかもしれない。こんな奇跡は誰にも訪れるものではないから。そんなことを、読後ふと思ってしまいました。
近々映画になるそうですが、原作とはかなり違った設定になるみたいですね。

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Posted by ブクログ 2015年02月19日

優しげな女性が赤ちゃんをいとおしく抱いている表紙に、惹かれて購入しました。

夫が交通事故で亡くなり、産まれたばかりの赤ん坊を抱えて、これから生きていかなくてはならないサヤ。

頼りなくお人好しでか弱いサヤ。
そんな妻が心配でたまらなく、亡き夫はあの世に行く前の猶予期間に妻のピンチに登場します。

...続きを読むこの物語のような方法で、亡くなった人が登場するかはさておき、“猶予期間”は、やはり有るのではないかな??

孤独なサヤを取り巻く人々の人情味は、読み手の心を和ませてくれます。

最終章の「トワイライトメッセンジャー」は涙涙です。

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Posted by ブクログ 2022年01月13日

読みやすく、さらさら読める、ささらさや。

生まれたばかりの赤ちゃんを抱えて未亡人になってしまったさや。
事故で亡くなった夫は、押しに弱くお人好しでか弱いさやが心配で、成仏できずに近くで見守ることになり…。

温かいお話を楽しみました。

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Posted by ブクログ 2021年05月16日

若くして夫を亡くした妻サヤと、残された乳飲み子のユウスケの二人が、田舎に引っ越して様々な事件に巻き込まれるなか、元夫が色んな人にとりついてサヤを助けるという話。
元夫のキレキャラ?具合もなじめず、やたらと奥さんのことをバカバカ言うし、妻も妻でどんだけお人好しなのよって感じで、??といった感想でした。...続きを読む
おせっかいおばあさんが3人出てくる(なかなか区別付かない)のと、こどもの成長に懐かしみを感じたので、そういう世代向けの本なのかなと思いました。

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Posted by ブクログ 2021年03月30日

「馬鹿っサヤ」の一言に涙腺がゆるみます。
妻と生後3ヶ月の我が子を残して逝ってしまった夫と目の前で大切な人を亡くしたサヤ。どちらも辛い…
親もなくたった一人で頑張らなきゃと気負っているサヤの悲しみや心細さを思うと胸がぎゅっと締め付けられます。
だから、嬉々として何やかんやと世話を焼いてくれる三婆が側...続きを読むにいてくれて本当に良かった!癖が強いのは、まぁ愛嬌かな~♪
永遠の別れ、旦那さんのサヤへの溢れる愛にグッときました。
温かくてちょっとした謎解きもあって面白かったです。

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Posted by ブクログ 2020年12月16日

「ななつのこ」がまずまず良かったので、同じ作者の昔のものを読んでみることにした。
中古本屋の棚に「ななつのこ」の続編がなかったので、取り敢えず、この本ともう一冊購入。

交通事故で夫を亡くしたサヤは、赤ちゃんのユウ坊とともに佐々良という街へ引っ越す。
そこで色々な不思議なことが起こるが、サヤが困る度...続きを読むに、成仏しきれなかった夫が他人に取り憑いて彼女を助けに来る、みたいなお話。

主人公のサヤがなんとも頼りなくてすぐ泣くしお人好しも過ぎてイマイチなんだけど、まあ、それで色んな人が世話を焼きにやってくるわけで、そうして3人の婆さまたちやエリカといったお友達が徐々に増えるに従ってほのぼのとした感じがなかなか心地良くはなってくる。
しかし、ユウ坊のような赤ちゃんをダシに使うのはちょっとズルいな。プニプニとしておいしそうで、それだけで気持ちは緩んでくるものな。
カバーが映画化された時の写真付きのものになっていて、どうしても大泉洋の顔が浮かんでしまう。口調も『馬鹿っサヤ』って言いそうな感じだし。
謎解き要素もあるけれど、ミステリー感は薄い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年02月19日

危なっかしい子育ての雰囲気出てました。
ダイヤが生後6ヶ月でたい焼き食べたのはビックリした。
本当にたべれるものなのか。

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Posted by ブクログ 2018年06月01日

人間の弱さと力強さの両面を観察できる小説。

弱い部分を見せていいんだって思えるところと、時には自分を曲げずに信じている道を進む意志の強さが大事なんだって思えるところが良い。


頑張りすぎてる人、ちょっと疲れてるなと思ってる人にオススメです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年12月27日

加納さんの本は5冊目。
久々に読みました。

大阪の本屋さんで手にした本。
新刊コーナーで見つけたのですが、初版は2001年でした。
文庫が2004年発刊で、私が購入したのは12版。

本の帯に『亡き夫が、ゴーストとなって事件を解決!?』と。
ライトミステリーだろうと読み始めてみたら、あの映画「ゴー...続きを読むスト ニューヨークの幻」が思い出される…

さやとユウスケを残し、事故で亡くなった夫。
途方に暮れるさやの周りに起こる事件。
ゴーストとなってさやを見守る夫。

読み終えて、解説を読んでみると、そこには「加納朋子版ゴースト」と書かれていました。
納得!

連絡短編集。
最後の「トワイライト・メッセンジャー」は、涙がほろり。

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Posted by ブクログ 2016年08月13日

 突然の事故で夫を失い、生まれて間もない赤ん坊のゆう坊とともに取り残されたサヤ。しかし、成仏しきれなかった夫は一定の人間に対し一度だけ乗り移る力を持ち、サヤのピンチには、必ず力を貸してくれるようになる。

 一方でサヤは、夫の家族からゆう坊を養子としてゆずるよう圧力をかけられ、逃げるように自身の亡く...続きを読むなった叔母の家が残っている佐佐良の街へ移住するのだが……。

 序盤はちょっと読むのが辛い……。入りが辛いということもあるのですが、夫の葬儀の日に、息子を養子に渡すように言う夫の家族だとか、それに対し、気弱な拒否の返事しかできないサヤの頼りない感じだとかが、もどかしかったり、イライラしたりということがあったのも、その一因です。

 夫がサヤの前に現れるとき、だいたいまず言うセリフが「馬鹿ッサヤ」なのですが、これも最初は「そんな乱暴な」などと思っていたのですが、サヤの様子を見ていると、そういいたくなるのもわかるなあ、と思ったり。

 そんなサヤの周りに友人ができてくるあたりから、徐々にテンポよく読めてきました。ひょんなことから知り合いになる三人のおばあちゃんは、いずれも一癖があって個性的ですが、頼りがいがあります。幼馴染である三人の掛け合いも読んでいて面白いです。

 そして、もう一人がサヤと同じくシングルマザーのエリカ。ギャルっぽい感じながらも、彼女のキャラクターは何事も考え込むサヤと違い、いい意味で軽くて、話の雰囲気を中和してくれています。それでいて、子供への思いはまっすぐなのも、また好印象。

 そして、こうした出会いと、様々な謎を通して、サヤ自身も成長し、最終話の事件後の心情に至ります。序盤がとにかく頼りないサヤだったからこそ、一冊を通しての彼女の成長と再生は強く胸にしみました。

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Posted by ブクログ 2015年10月16日

赤ちゃんと奥さんを残して事故死した旦那さんが、霊になって2人を見守る物語。霊になった自分が見える人に一度だけ乗り移る事が出来るので、彼女がピンチのときに颯爽と現れるのだけど、おばあちゃんだったり子供だったり駅員だったりします。
この設定だとやたらと旦那さん出てきそうですが、さほどでしゃばってきません...続きを読む
頼りないけど心優しい奥さんと赤ちゃんを周囲の人が手厚く助けて、次第に彼女も強いお母さんに成長していく物語です。良い話でした。

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Posted by ブクログ 2015年07月16日

主人公のサヤのお人好しな性格に、心が温かくなったりもどかしくなったりしながら読んだ。
サヤが1人の母親として強くなっていく姿には本当に感動した。

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