あらすじ
事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐々良の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。けれど、その度に亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。そんなサヤに、義姉がユウ坊を養子にしたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された! ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。連作ミステリ小説。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
素敵な話だった。
突然の事故で旦那さんを亡くしてしまうけど、新たな地で優しい人に囲まれながらユウ坊を育てるサヤがどんどん強くなっていて素敵だった。
ピンチの時は旦那さんが旦那さんらしく助けてくれるのが良かった。
Posted by ブクログ
半年前、読み友さんに教えてもらった加納朋子さんの「ささらさや」、漸く読めた。表紙絵があまり好きではなかったので若干の敬遠気味。しかし早く読むべきだった。日本版「ゴースト N.Y.のまぼろし」、デミ・ムーアが頭にちらつく。夫とデパ地下で鰹を買い、帰る途中夫が交通事故で亡くなる。しかし、夫は妻(サヤ)を心配し幽霊となり出現。佐々良市でお節介婆さん3人組+1人のヤンキー女性に助けられ1人息子を育てていくサヤの成長譚。夫の妻への愛情が切なく温かい。最後の場面は久しぶりにウルウル。加納さんの心に訴える描写が秀逸。⑤
Posted by ブクログ
加納作品では珍しく人死にが出ます。それも冒頭。亡くなったのは新生児が産まれたばかりの若い父親。この物語は残されたサヤとユウ坊が新たな地、佐々良で人の温もりを感じながら生きていく話。ミステリーなのは死んだ旦那もちょいちょい出現するところ。サヤのために幽霊としてあらゆる人に取り憑いて……。星4なのは、やっぱり人が死んじゃうのは悲しいことなので。
Posted by ブクログ
子供が生まれた直後に夫を亡くしたさや。
それを取り巻く、近所のばあさんたち、シングルマザーのえりか。
そして、無念を残して成仏できない夫。
ピンチになると成仏できない夫が誰かに乗り移って助けにくる物語ですが、最終的にはさやが成長していく過程が描かれています。
特に心に残るところはありませんでしたが、楽しく読めました。
Posted by ブクログ
シリーズ一作目を、あとから読みました。結婚し、子供が生まれ、幸せが溢れた毎日。その日常のさりげない一こまのなかで命を落としてしまう夫。遺されたサヤと、生まれて間もない赤ちゃん・・・。
そこに現れたのは・・・。なんと夫の幽霊!
奇跡の幽霊、といえばそうなのだけど、小説だからこそ、こんなこともあってほしい。サヤはいろいろなひとに出逢いながら子供を育て、自身も成長していく。
ただ・・・ほんとうに夫を亡くしたひとが読むと辛いかもしれない。こんな奇跡は誰にも訪れるものではないから。そんなことを、読後ふと思ってしまいました。
近々映画になるそうですが、原作とはかなり違った設定になるみたいですね。
Posted by ブクログ
サヤ
夫・俊彦の死後、伯母が遺してくれた佐々良の家に引っ越す。子供の頃に母を亡くし、成人してから父を亡くしている。俊彦に馬鹿ってサヤと呼ばれている。
俊彦
サヤの夫。買い物帰りに軽自動車にはねられ死んだ。成仏せず人に取り憑いてサヤを助ける。
ユウ坊
ユウスケ。サヤと俊彦の息子。
細貝
俊彦の高校時代の友人。俊彦の葬儀に坊さんとして参加した。
チエミ
俊彦をはねた加害者。市内の大学に通う学生で免許取り立て。アクセルとブレーキを踏み間違えた。
俊彦の父
まあまあ名の知れた映画会社の社長。
桂山太一郎
佐々良駅の駅長。
佐野
桂山の部下。
サヤの伯母
サヤが妊娠八ヶ月のときに亡くなった。数少ない身内の一人で、サヤの読書好きはこの人の影響。ずっと独身を通し、小さな出版社で定年まで働き続けた。サヤの母の年の離れた姉。
久保
サヤの伯母の家を管理している不動産屋。
鈴木久代
ユウ坊がお腹を空かせて泣いているところを助けた老婦人。
引越センターのアルバイト青年
勝子
旅館・笹乃屋の若女将。
やーやん
サヤと二卵性双生児として産まれるはずだった。
ナツ
お夏さん。宿の老婦人。サヤが旅館に泊まったときにベビーバスを持ってきた。サヤの家に嫁の愚痴を言いに来る。鈴木久代とは女学校時代の同級。
森尾
郵便配達員。
手嶋珠子
珠ちゃん。老婦人。サヤの隣人。
本間妙子
サヤの伯母に手紙を出した。
初老の男
サヤの義父の代理人の弁護士。
リーダー格の母親
ダイヤ
大也。
エリカ
ダイヤの母親。
マスター
佐々良付近で唯一の喫茶店〈ささら〉のマスター。
山野邉
隣の婆さん。
山野邉豊
アメリカで建築業界のノーベル賞と言われるプリッカー賞を受賞した。
ミオ
ユウスケが入院した病院にいた女の子。
Posted by ブクログ
主人公が自分とは真逆なので、前半にはちょっとイライラしてしまうところがあったが、これが他人を知る、そういう考えもあるよね~と受け流す練習なのかもと思った。
自分だったら、夫の事故の時なら弁護士雇うし、子供が取られたなら速攻警察に連絡して刑事事件にしてしまうだろう。。。
Posted by ブクログ
加納さんの本は5冊目。
久々に読みました。
大阪の本屋さんで手にした本。
新刊コーナーで見つけたのですが、初版は2001年でした。
文庫が2004年発刊で、私が購入したのは12版。
本の帯に『亡き夫が、ゴーストとなって事件を解決!?』と。
ライトミステリーだろうと読み始めてみたら、あの映画「ゴースト ニューヨークの幻」が思い出される…
さやとユウスケを残し、事故で亡くなった夫。
途方に暮れるさやの周りに起こる事件。
ゴーストとなってさやを見守る夫。
読み終えて、解説を読んでみると、そこには「加納朋子版ゴースト」と書かれていました。
納得!
連絡短編集。
最後の「トワイライト・メッセンジャー」は、涙がほろり。