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瀬尾さんじゃないもう一つの感想文がイレギュラーで違和感で、どんな効果があるのかと思ったら、4章で完結されて、出だしの茜さんも存在がわかるとか、飽きないで読み終える。出てくる人みんな優しい気持ちを持つ、嫌味のない、気に入ったのです。愛ちゃんも全然性格違うけど似た者同士の、瀬尾さんとの距離感も、恋人の前みたいな、将来を不安に思い、1番楽しいであろう学生生活を見れて良かった。チョイチョイ小話出てくるのもいいです。南十字星とか
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『ななつのこ』に続く〈駒子〉シリーズ第二弾。広がる女子短大生の世界がリアル。ただし1990年代前半だが……。
駒子を中心とした女子短大生たちの日常描写が心地よい。舞台が1990年代前半ごろなので、登場する固有名詞が懐かしかったり。いくつかの短篇が最後につながって長編になるという構造が今回は前作以上に強化され、ラストの驚きがすごい。各短篇ごとの謎解きの楽しさ、さらにその裏で密かに進行しているより大きな物語を推理する楽しさ。少女時代に別れを告げようとする、大人になる一歩手前の切なさを感じさせるラストシーンには見とれてしまった。さらに有栖川有栖さんの解説が感動的で、これも含めて作品の一部といっていいかも。
シリーズものの2作目というのは、名作である前作を順当に拡張発展させて、さらに優れた傑作になることが多いものだ。本作はそこにとどまらず、変化球を加えながらも、やはり前作を超えてきたシリーズ最高傑作ではあるまいか。いやはや、最高だった!
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駒子シリーズの第2作、「ななつのこ」の続編となる連作短編ミステリ。短大生駒子が身近に起きた話を手紙に書くことで、その謎が解かれていく。
タイトルにもなった「魔法飛行」は学園祭の話で、とにかく暖かく、そして少し幻想的なシーンがとても印象的で、昔も今もお気に入りの話です。
アメリカのチャレンジャー号のことが過去の事実として書かれており、もうそんなに経つのかと感慨深かったです。
作品全体の構成も前作に比べ、ミステリ要素よりが強いものとなっています。
有栖川有栖氏のあとがきがとてもわかりやすく、よく比較される北村薫作品との違いも丁寧に描かれています。
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駒子シリーズの続編。今度は自分で物語を書いてみることに。とてもいきいきとした日常を描いた物語。でもその物語の間に割り込む謎の手紙。最後までモヤモヤ──からのスッキリでメルヘン。駒ちゃんに惚れる。
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デビュー作「ななつのこ」の続編。
加納朋子さんの作品の中でも、指折りのお気に入りです。
ありふれた日常と、そこに潜む小さな謎。何気ない風景がこの方(というのは駒子なのか加納さんなのか)の手にかかると実に鮮やかな色彩をまとって読者の眼前に描き出されます。ラストに至る流れも圧巻ですが、それよりも日々のやり取りに共感したり切なくなったりできるのが、このミステリの魅力なのではと思います。
あと、表紙と解説が素晴らしいです。
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『ななつのこ』の続編。駒子の身の回りに起こる日常とそこにある謎を解いていく連作長編。
駒子の日常生活の描写の穏やかさ、細やかさ、優しい語り口は、やっぱり「これぞ加納作品」だと感じさせられます。読んでいて徐々に自分の精神が落ち着いてくるかのように感じます。
一日の自分の精神状態の上がり下がりを折れ線グラフ化されているとしたら、この本を読んでいる時間は間違いなくグラフは低いところで安定していたと思います。それだけ読者の心を穏やかにさせてくれる作品です。
駒子と瀬尾さん手紙のやりとりの間に挟み込まれる不穏な雰囲気の手紙、それが、各章とつながり最終章につながってくるのですが、そのあたりの書き方も見事! 文章の優しさだけでなく、こうしたミステリの構成でも見せてくれるのが、さすが加納さん! それまでの章の穏やかさに対して、クライマックスはしっかりと盛り上げてくれます。
そして、ストーリーはもちろんなのですが、有栖川有栖さんの解説もかなりの名文だと思います! 有栖川さんの解説を読んでいて、本当に人に愛される小説を加納さんは書かれるなあ、と強く思いました。
1994年版このミステリーがすごい!6位
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「ななつのこ」続編。今作は駒子が物語を綴っている設定のためか最初は文章に引っかかるところもあったもののやっぱり面白い。前作から続く駒子と瀬尾さんのやりとりに第三者からの不穏な手紙が加わり引きつけられる。
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「ななつのこ」続編。
1 秋、りん・りん・りん
茜さん、とあだ名をつけた謎の女性の話。授業の出席表にいろいろな名前を使っている。彼女は誰?
2 クロス・ロード
ひき逃げで死んでしまった小学生の男の子。その子の父が描いた少年の絵が、骸骨の絵になってしまう話。
3 魔法飛行
文化祭の受付を友人の野枝としていた駒子。野枝の幼馴染が離れた場所での意思の疎通(テレパシー)をやってのける、という。子供達の協力を得て、野枝にその意思の疎通を納得させる話。
4 ハロー・エンデバー
1で登場した茜さんが再登場。駒子に意味深な手紙を送ってきていた人は誰なのか。その人、坂口亮は駒子とどういう関係か?
再読になるのだが、「ななつのこ」より覚えていなかった。
クロス・ロードのトリックだけは何となく覚えていたけれど、他はいまいち覚えていない。すこしぼんやりとした印象しかなかったかなあ。
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連作短編4篇でもあり最後1篇は全編を通じての謎の手紙を纏める物語。出席簿、十字路の幽霊、風船とUFOなどの謎をいとも簡単に解く瀬尾さんの名探偵ぶりも駒子のおっとりしつつも行動力のあるところも好ましい。
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「マルク・シャガールの<魔法の飛行>に描かれているように、軽々と飛び越えていけるよ、きっと」このセリフ、駒子さんの年齢の時に出会いたかった。でも、その頃、意味がわかったでしょうか。
解説にあるように、男性は「魔法を見せて、と望まれていることを忘れてはならない」。女性は、「愛する男性の魔法を信じて欲しい」きっと、その通りだと思う。それが、私たちは、魔法使いになれる自信を過信してしまったり、「魔法」を最後まで演じきれなかったりする。そして、最後に「魔法」を信じ切れなかったり、時計の鐘が「魔法」を解いてしまったりすることに気づく。
大人になることは、めんどくさいことを抱えることかもしれない。
きっと、<魔法の飛行>は、悩んだり考えたりしなくても…、若いっていいなぁ。くよくよしてもダメ。思い切って、エイヤッ。
ミステリというより、駒子さんの成長物語でしょうか。心の動きや感情、恋愛情緒が綴られている、群像劇。危うさや愚かさ、切なさやあどけなさが哀しい。魔法にかかっているだけ…、かもと。
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前作同様、一つ一つの短編が物語として独立しており、最後に一冊を貫くストーリーが完結する。
ただ、前作は本当に最終話で目を見張らされたけど、今回は意味深な手紙を接着剤にしてあって、ラストにくるまでがぐらぐら不安定な感じ。まあそうなるよね、だって前作読んでたら、また最後来るぞ、来るぞって思って読んじゃうもん。
三部目は、今度は三冊を貫くストーリーが露になるぞ~って期待して読みます。
その意味深な手紙に駆り立てられて行動するのが駒子さんの素敵なところ。わたしだったら「知らんがな」で終わる。だからわたしの日常には駒子さんみたいな素敵な謎が散りばめられないんだよね。
MGAの「StaRt」だね。
幸せな時間をどれだけ過ごせるかは微々たるものでも愛に気づけるか さあ試されよう
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駒子ちゃんシリーズの2作目。
今回は『私も、物語を書いてみようかな』と口をすべらした駒子が、『手紙で近況報告するくらいでの気持ちでね』と言う瀬尾さんに後押しされて書き連ねる、身近に起こった奇妙な出来事の数々。
いくつも名前を持つ不可思議な魅力の女子学生、美容院で耳にした噂に端を発する幽霊騒動の顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭での〈魔法の飛行〉のエピソード…。
前作は駒子の物語の中に「ななつのこ」の物語が入れ子になった作りだったが、今作では、駒子の物語の中の謎に瀬尾さんの絵解きが届けられるところまでは同じでも、その後ろに誰かから届いた意味が分からない手紙が付け加えられたのが新しい興趣。
その手紙の意図が全く分からなかったが、最後の話になって急展開。それまで読んだ3つの話の印象もガラリと変わる見事な構成。
今回も駒子ちゃんは自分のあり方に正直で浮いたり沈んだりしながらもしっかり答えを見つけ出す。もう子供じゃない、でも大人でもない年頃の心の機微が何ともいい感じ。ラストの『ハロー、ハロー、ハロー、ハロー……』には切なくなるね。
シャガールの絵に象徴される卓見くんと野枝さんの関係も微笑まし。有栖川有栖さんの解説が秀逸。
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日常でのちょっとした不思議を解いていく、という感じもありつつも、ない、これはそうそうない。ないわー、と思ったけど、実はけっこうこういう不思議が自分の周りにも潜んでるかもしれない。チコちゃんに言わせるならば、まさにボーッと生きてるわけじゃないかと。
そういえばこの前どっかにいっちゃったように思うペンは?とか、最近よく会うあの人は?とか、じんわりと妄想を膨らませるのも楽しいのかも。いや、推理か。
ていうか坂口さんは単にストーカーであり、妹はブラコンであり、そこだけは、ハッキリさせておきたい。
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【あらすじ】
妙な振る舞いをする女の子、噂の幽霊を実地検証した顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭、クリスマス・イブの大事件……文章修業を始めた駒子が近況報告のように綴る物語は、謎めいた雰囲気に満ちている。ややあって届く返信には、物語が投げかける謎に対する明快な答えが! デビュー作『ななつのこ』に続く会心の連作長編ミステリ。
【感想】
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日常ミステリとしてもそうですが、どちらかといえば悲しい話が多いはずなのに、温かい気持ちになれる。
登場人物たちの周りを思いやる気持ちが伝わってくるからな気がします。
有栖川さんの解説も良かったです。
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20160128
あれっ
ななつのこ、読んだと思ってたのに読んでなかったみたいでしたわ…
みたいな続編でした。
でもこれだけでも楽しめます。
解説もよかった。
ななつのこ、読まなきゃな。
うーん、読んでなかったのかー
おかしいなー
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ロマンチックなタイトルと表紙に惹かれて購読。
ミステリだけど殺人事件が起こるわけではなく、日常の中の謎を追う物語です。
短編4編から成り、各章の最後で主人公・駒子宛の手紙によって謎が解き明かされるという構成が新鮮でした。
全然関係ないと思い込んでいた前章のお話が終章の伏線になっていたりして、後でハッとして読み返したり。
短大の講義に学園祭、クリスマス……どこか懐かしい気分も味わえました。
可愛い表紙と挿絵もお気に入りです。
現在発行されている駒子シリーズは3作すべて読みましたが、これが最初に読んだぶん印象も強かったです。
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全5話なんだけど、4話とまとめの1話。いや、全体で1話。みたいなお話。淡々と読み進める、女子大生の、日常と非日常の間のようなミステリーは最後にすべてを包む大きなミステリーになった。
おー、素晴らしい。そうきますか。。
平均点のお話が、もんのすごい高得点になりました。魅せ方のうまさだなぁ。。
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いいわ。イリゴマちゃん。
最近、殺人事件とかおこったり、卒論にむけてチョット文学論くさい
(北村薫の)「私」にかわって、私のお気に入りの女の子になりつつある。
ただ、「私」と円紫師匠は、父と娘みたいな関係で安心だけど、
イリゴマちゃんと瀬尾さんの関係は、いつか我々の手を離れて
瀬尾さんだけのものになっちゃいそうだなぁ・・・・
(なにいっとんねん)
前作同様、連作短編集でありながら、最後まで読むとでっかい謎がとけるという
趣向もおもしろい。
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「ななつのこ」の続編。瀬尾さんにそそのかされ駒子は自分の日常における謎を物語にして書いてみた。瀬尾さんに宛てた手紙と駒子の日常を描いた物語。その後、届く差し出し人の名前のない不思議な手紙。最終章にて明かされる真実と謎解き。タイプライターやテレホンカード等、今では名前さえ聞かないような代物も出てくる時代、ストーカーなんて言葉もない時代、この作品が31年前と言うことを考えれば、ちょっとしたミステリ。今なら完全に犯罪になると思いますが。ラストは、駒子と瀬尾さんのほんわりとしたラブストリー的展開で終焉。
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【収録作品】一 秋、りん・りん・りん/誰かから届いた最初の手紙/二 クロス・ロード/誰かから届いた二番目の手紙/三 魔法飛行/誰かから届いた最後の手紙/四 ハロー、エンデバー
駒子シリーズ第2作。
一 出席した学生の名前を書く紙に違う名前が書かれている謎。
二 ひき逃げで死んだ小学生男児を描いた絵が残された交差点。その絵が変化した謎。
三 学園祭に訪れた小学生たち。その中にいた双子が離れた場所で意志疎通ができたように見えた謎。
四 これまでの各話のあとに挟まれていた、正体不明の差出人からの手紙の謎。切迫感を抱いた駒子は行動する。
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『ななつのこ』に続くシリーズ第ニ弾。
今作は、前作で知り合った瀬尾さん(前作はラストに○○さんとレビューしている)に駒子が、最初から身近で起こる話を小説として書き綴る。
そこに書かれた謎を瀬尾さんが解いて返事を寄越すのは前作と同様なのだが、新たに意味不明の手紙が出てくるのである。
それはラストまでわからないというのが、相当にもどかしい。
見事なクライマックスとなるのだが、最後にまた茜さんが見れるとは…ね。
ちょっと魔法めいたミステリーというのを楽しんだ。
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第2弾
主人公が好きになれないシリーズって、必ず素敵な子が周りにいる。このシリーズのふみさんとか、たまちゃんとか。 駒子が書く物語を読んでいく。感想と、手紙と、途中混乱もするのだけど、最終話でその伏線たちが回収されていく。 ちょっと無理やりで、最後がダッシュみたいだったのが残念。ひき逃げの謎と、お父さんの現状も欲しかった。
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有栖川有栖氏解説。
続編。4つの短編から。
前作とは違い、実際瀬尾さんと会う仲だけれど、物語→手紙、の手法は変わらず。
今回はさらに差出人不明の手紙を挟んでいるが
ラストに全ての謎が解ける。
最近名短篇シリーズを読んで、解釈や他の人の感想を読むとこうも見える風景が変わるのかと驚いたが
このシリーズではそれが物語として読めるのが面白い。
瀬尾さんの思考の深さには驚くが。
(正直、交通事故の壁絵の少年2人の行動に非難めいた感情を持ってしまった。。。)
ラストの兄妹、彼等との関係はどうなるのだろうか。
個人的に兄と主人公、この関係に瀬尾さんはどんな感情をもつのだろう、と思ってしまったところが
妻子持ちの円紫さんとは違う構成ならでは??
また続きがあるそうなので読み進めたい。
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駒子シリーズ第二段。
前作、ななつの子からの続編。
日常で起こる謎をななつのこの作者が解いていくのはおなじみ。
主人公を監視しているような妙な文章が挟まれていて、ちょっと怖い印象を与える。
ほんの少し言葉が足りなくて、勘違いしたところからとんでもない方向へ話が進む。
ちょっと怖くてちょっと切ない、家族や人を大切に思うが故のお話。
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ななつのこ の続編。前作の手紙のやりとりで謎を解いていく流れは踏襲しています。天真爛漫な駒子ちゃんは可愛らしく、読書家なのも相変わらず素敵。でも続篇は難しい。同じ流れで新味を出すのは至難の技としみじみ思いました。でもよかったですよ。
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通称『いりごま』こと入江駒子が主人公の「ななつのこ」の続編。
前作同様連作集でそれぞれ完結するが、最終章で共通の物語の謎解きをするパターン。
デビュー間もなくなので、出版社から同じパターンでと言われたのだろうなと想像。
これから別作品を読んでいくうちに同変わっていくか楽しみ。こういう楽しみ方があるから、話題作からではなく出版順に読みたい。
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2作目
瀬尾さんの勧めで小説を書き始めた駒子さん。
身の回りで起きた不思議なことを描いていく。
小説の感想と解説?を返信する瀬尾さんとは別に、駒子さんへ届く別のお手紙。
駒子さんの学生生活がとても懐かしい。
女の子ばかりの喧騒。学食。なんで選択しちゃったのかのドイツ語。
本と本が重なって、あちらの本の登場人物が目の前に現れる・・ってメアリー・ポピンズだったかな。
私もいまでも時々、この世は現実?と揺らぐことがある。
「空想力」は「空」を「想う」「力」。
「架空」の「空」ではなく、「天」の「空」。
駒子さんの瀬尾さんへの手紙、駒子さんの小説、瀬尾さんの手紙、謎の手紙がバラバラと出てきて最初は戸惑った。
どこに気持ちを着地させたらよいのかわからないような不安。
それが最後まで読むと綺麗な輪を描く。
また最初から読まなくては、という気持ちになる。
「今の子供たちの多くは、ひょっとしたらまるで空を見ないんじゃないかって気がすることがある。それはひどくつまらない、そして恐ろしい想像だ。空を見ようとしない人間に、進歩なんてないと僕は思うから。そして進歩のないところには、未来などないとも思うから。」
「傘が一本あって、人間が二人いて、それでどちらか片方が雨に濡れてるくらいなら、傘なんて畳んじゃった方がいいんです。違いますか?」