加納朋子のレビュー一覧
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ネタバレ駒子シリーズ第4弾
表紙や挿絵が可愛らしくて好き
駒子じゃない一人称から始まりますが駒子もきちんと出てきます、あ、この人が駒子かなと思った人でたぶん大体合ってます。そういう、期待にきっちり応えてくれる話で良かった。ハッピーエンドのその先やアナザーストーリーでわざわざ読者の希望を裏切ってくる話はしんどいので。作中の櫻さんのエピソードで続編についての読者の反応を先回りするような描写には萎えた。思ってもいいけど作者にわざわざ伝えてくるなよってことなんだろうけど、玲奈の感想が良しとされる世界なのでネガ感想はやめてねと念押しされたようでさすがに押し付けがましいかなと。心配なさらずとも大変楽しく読みま -
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ネタバレ駒子シリーズ3作目
前二作から間が空いているしどうかなと思ったがとにかく読みやすかった。読みやすいは褒め言葉ではないとする向きもあるようだが、するする気持ちよく文章が入ってきて物語に引き込まれた。正月支度という地味でかつ家の中の賑やかな雰囲気がわかるところから始まるのも良い。
先に後半の話をするが、今まで駒子の友達として出てきていた愛ちゃんが怖い、めちゃくちゃ怖い。
自分が固執している友人(駒子)とこれから親しくなりそうなきざしのあるクラスメートに対して、大学のある神奈川から遥か離れた研修旅行先の岩手で集合時間をわざと遅く教える、点呼に間に合っていないのを知るとわざわざ居るように見せかけ -
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ネタバレ少年少女飛行倶楽部
あとがきに”底抜けに明るい、青春物語が書きたくなりました。”と書いてあります。
まさにその通りです。加納さんなので、日常の謎を期待していたのですが、ほんとすなおな物語でした。
登場人物の個性以外は。
主人公のクーちゃんは中学一年生。友人のジュエリになんとなく引っ張り込まれた”飛行倶楽部”ですが、持ち前の強い責任感から、様々な試練を乗り越えていきます。いつも辛辣な部長の斉藤先輩、友人の中村先輩、なにごとにも天然キャラの美少女るなるなに、人のゴシップで生きているようなイライザ、いつも影が薄い球児君。そいうったばらばらのベクトルを持っている仲間を少しずつクーちゃんはまとめたり変 -
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父親の転勤で東京から北九州の社宅に引っ越した小学校5年で悪ガキの高見森(たかみしん)。隣に住む同級生の心と仲良くなり、学校のことを教わっていく。その地域にはパックという同級生くらいの男の子がいて、家などの詳細がわからない。転校して初登校の日、パックを追いかけて高見森は校庭の木に登ると…。
加納朋子の十八番である、子供だけの世界を描いた小説である。パックというわからない少年に、夜中に呼ばれて平屋の社宅の屋根を飛び回り、学校では体育館の屋根に登る。街の秘密を解き明かすが、大人たちの世界には干渉できない。
不満点としては、プロローグとインタールード的なモノローグが必要以上に重要な役割をしていて、 -
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大学生の玲奈は自分だけの仔犬•ゼロを飼い始める。ゼロのお目付役は先輩犬の「ONE」。可愛くて仕方ないゼロが登場する小説をネットに投稿しながらパン屋でアルバイトをする日々をおくる玲奈だったが、やがてストーカーの疑いのある不審人物が現れ…
前作「スペース」から20年、第一作「ななつのこ」から実に30年ぶりの《駒子シリーズ》完結編⁉︎いやあ。感慨深い。
「ななつのこ」では、英文タイプ部に所属していた短大生の駒子は、自ら体験した“日常の謎”を童話作家へ手紙で書き綴る。本書「1(ONE)」では、大学生の玲奈は愛犬ゼロを題材とした小説をネットに投稿し、コメントをくれた読者とやりとりするようになる。時代が -
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連作短編が手紙のやりとりの形式で進む。
女子大生の入江駒子は身の回りで起きた不思議な出来事を、「ななつのこ」で知り合った瀬尾さん宛てに小説仕立てで送信する。
短大で出会ったいくつもの名前を持つ女の子の話「秋りんりん」
轢き逃げがあった交差点に描かれた絵が、一夜にして変化する「クロス•ロード」
学園祭の受付を一緒にやることになった野枝の幼なじみ•卓見が行うテレパシー実験の顛末を描いた「魔法飛行」
それらを読んだ瀬尾さんが安楽椅子探偵よろしく謎を解いて返信する。さらには謎の人物からの手紙も駒子の元に舞い込んできて…
「ハロー•エンデバー」
「ななつのこ」に続く《駒子シリーズ》第二弾。
「ななつの -
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映画「朽ちない桜」つながりで、この作品に。
短編集の中で、気に入ったのはふたつ。
・泣く猫 柚月裕子
17年音信不通であった母が死んで、真紀は母の住処に訪れる。母の同僚サオリが弔問に訪れる。
母が大切にしていた猫・マキは母のために泣いたという。
P.76
(中略) あっけらかんとした人生じゃなかったと思うよい サオリは俯いたまま、自分のことのように語る。
「男に夢中になると、ほかが見えなくなっちゃう。男と別れたあと、自分がしでかしたことを後悔する。そんときは、もう男なんかいらないって思うけど、好きなやつができ ると、また突っ走る。そして別れて悔いての繰り返し、心底、自分で自分がいやに -
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ネタバレモノレールねこ
人と人(物語によっては人と生き物)の絆、思いやりの物語です。
表題作の「モノレールねこ」は、不細工で太っていて塀の上で寝そべっている際に両脇に腹の肉が垂れていることからモノレールねこの首輪を通じた文通をしている相手が付けた名前です。不細工な野良猫を通した接点で繋がっている二人ですが。。。ラストが予想できるところが今ひとつでしょうか?
他に、ダメ男が出てくる短編が2編ありますが、この落ちはいただけないと竹蔵は思います。
最後の「バルタン最後の日」は、ザリガニと家族の絆ではなく、いじめられている息子とそれを何とかしようとする両親の絆のお話です。でも、けなげなバルタンにも着目してあ