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Posted by ブクログ
「理解しよう」と思って読んではいけない。活字の中へ身を投じ、そこにあふれる光を愛で、風を感じ、聞こえる音に耳を澄ます。そして目の前に繰り広げられる出来事を見つめているうちに、暖かな感動の波にゆっくりと包み込まれていく、この本は、きっとそういう本だ。
最初から種明かしされている通り、本書は「ささら、さや」から始まる三部作の、最終章にあたる、と言っても、本書だけで独立した一冊として成立しているので、前作たちを読んでいなくても、きれいさっぱり忘れていても(^ ^; この本だけで楽しめる。
内容は...「壮大な、超個人的な事情」と言うか(^ ^; 章ごとに主人公が変わったり、幽霊が見えたり見えなかったり、殺人事件があったり無かったり、未来人と出会ったり、ドッペルゲンガー(?)と出会ったり... 時間も場所も人間関係も、かなりあちこち行き来しつつ進む。同じ話が、後から微妙に「ずれて」再登場したり...
...という訳で、脳が硬化しているおぢさんは「理解する」のを諦めました(^ ^; ゆったりと温かい活字の流れに身を委ねていれば、上流から「感動」がドンブラコ、と流れてきます(^ ^
分かってはいても、まんまと感動させられてしまうのは、これぞ「筆力」といふものなのでせう(^ ^ 結構なものを読ませていただきました(^o^
Posted by ブクログ
ここ数年、ちゃんと本を読んでおらず、しばらく前に買い込んだ本たちも積んだまま手にも取らずに放置してた。何か理由があるわけではなく、例えばようやく地元に帰れたり、それに伴って通勤時間が激減したり、そうこうしてるうちに疫病が蔓延し始めて在宅勤務が続いたり、といった色んな要素が積み重なった結果かなと思う。まあ、その前から、若い頃に比べて本を読まなくなっちゃった所はあるのだけど。歳のせいというより、スマートフォンでのゲームとか、まあそういう諸々のあれがあれで。
ということで、しばらく前に購入したまま積んでいた本書をふと手にとって、読み始めたら止まらなくなった。気がついたら最後まで一気読みして、満足のため息を一つ。
昔から、ほんと初期の頃から加納朋子の大ファンなのだけど、こんなに巧かったっけと思ってしまうくらい、物語に引き込まれた。
連作短編で紡がれていく大きな物語というのは著者の持ち味で、伏線という意味では本作は決して巧みではない部分もあったように思うのだけど、そういうギミックではないところが本当に巧いなと唸らされた。
決して派手な作品ではないし、驚天動地といった大掛かりな仕掛けがあるわけでもない。静かに優しく滑らかに紡がれていく物語の手触りが、なんとも言えず心地いい。
個人的には、「はるのひの、あき」が最高だった。この展開はちょっと想像してなかったし、そうくるかあと唸りつつ感動で胸が一杯になった。
やっぱり加納作品はいいなあ、としみじみ思わせてくれました。オススメ。
あと、解説で書かれていたエピソードを読んで思わず吹き出し、読後の感慨がどっか行きましたw
Posted by ブクログ
「ささらさや」から始まる佐々良シリーズの3作目にして最終巻。前2作で赤ん坊だったユウスケが成長して、主人公に"昇格"しています。「はるひの」って小田急線みたいだなあと思っていたら、本当にそこがネーミングの由来だそうで。そう言えば加納作品って、町田や相模大野辺りの風景が出てくる事が多々ありましたね。
さて、内容はと言えば、丁寧に散りばめられた伏線、ハートウォームなファンタジー、ちょっとした謎、パッチワークがはまっていく終盤の爽快さ、そして涙がホロリ。まったくもっていつもの加納先生です。大病から無事復帰をされて、またこんな素敵な作品に出会えた事を嬉しく思います。
ただ、正直に言ってしまうと、この作品は佐々良シリーズじゃなくても良かったような気がします。他作品の設定をあえて引きずらなくても、一からキャラクターを造形して生き生きとした物語を紡ぐ事が出来たのではないでしょうか。中学編のテンポ良いやり取りが大層お気に入りなのですが、前2作ってこんなノリだったっけ…?という疑念がかすめた事も確かです。個人的には、シリーズに組み入れた事で星ひとつ損した感が。うーん、贅沢な注文でしょうか。
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