加納朋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は、著者自身による白血病闘病記です。
病名発覚までの経緯→化学療法→骨髄移植と、過酷な入院生活の内容は、ともすると気が重い読書体験になるかも、と思いながら読み進めました。
ところが、意外にもそういう感覚になりませんでした。ここが著者のねらいであり、本書の肝であると思います。
例えば、教授の他を引き連れた回診を、「大名行列」「白い巨塔」、一時退院を「仮出所」などと揶揄したり、抗癌剤による抜け毛のため、我が家の法律として「ハゲ」禁止等の言葉狩りを実施したりと、真面目で懸命な軽口がポンポン出てくるのです。また、加納さんのアニメ好きオタ主婦(自称)ぶりも垣間見え、クスッと笑える箇所満載です。
前向きな病への姿勢は、読み手に勇気を与えてくれるはずで、当事者だからこその体験に裏打ちされた言葉の重みがあります。
これらは、数多の病気に関する知識、全て公開している自身のデータ、あれば便利なグッズ等々、当事者の方にとっては大変参考になるであろう情報につながります。
追記として、血縁ドナーとなった加納さんの弟によるドナー日記。〝すごい〟の一言です。冷静で詳細な記録に、「最強の弟さんですね」と言いたくなります。
「白血病患者へのエール」に満ちあふれた、温かい闘病記でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ二度読み。
登場人物全員が人形に様々な形で翻弄される。
人形を作った本人でさえも。
男性たちがもっと、周りに目を向けられていたらと何度も思うような展開で、はがゆい。
了も創也も人形のことが第一で周りが見えていないがために大事なものを見失い、壊れてゆく。
人形の魅力にとりつかれた男たち。
愛情、嫉妬、憎しみ…紙一重。
人形を中心に様々な感情が入り乱れる。
好きな表現などもろもろ。
p41-3
人間と人形の差などないと思う了の考え
p68-10
了の人形に対する思い
p140-13
聖に対しての彼の望み
p163
聖に対しての渇望
p194-12
まゆらが思う子供の本質
p215
p244-12
p250-16
p251
p259-8(p195)
愛しかたの齟齬、乖離
p256~p257
女性側から見た男性の姿
何故感じとれないか…。
p260~p261
人形について
p265
見る角度によって景色は変わる
p291の後ろ3~p292
了が初めて知る人付き合いのルールについて
p309
まゆらという人間
創也にはずっとわからないであろうこと
p322-3
人形を見るときの人間の勝手な願望、心のうち
p345
聖の思いと了という人間について
p346-11
歪な関係の例え
p346-12~p347-1
聖の感情が強く出ているところ
p350
子供から大人へ
p360
成長
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Posted by ブクログ
ネタバレ「マルク・シャガールの<魔法の飛行>に描かれているように、軽々と飛び越えていけるよ、きっと」このセリフ、駒子さんの年齢の時に出会いたかった。でも、その頃、意味がわかったでしょうか。
解説にあるように、男性は「魔法を見せて、と望まれていることを忘れてはならない」。女性は、「愛する男性の魔法を信じて欲しい」きっと、その通りだと思う。それが、私たちは、魔法使いになれる自信を過信してしまったり、「魔法」を最後まで演じきれなかったりする。そして、最後に「魔法」を信じ切れなかったり、時計の鐘が「魔法」を解いてしまったりすることに気づく。
大人になることは、めんどくさいことを抱えることかもしれない。
きっと、<魔法の飛行>は、悩んだり考えたりしなくても…、若いっていいなぁ。くよくよしてもダメ。思い切って、エイヤッ。
ミステリというより、駒子さんの成長物語でしょうか。心の動きや感情、恋愛情緒が綴られている、群像劇。危うさや愚かさ、切なさやあどけなさが哀しい。魔法にかかっているだけ…、かもと。 -
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愉快痛快なんて書くと、怪物くんみたいだが、実際そうなのであって、更に、奇妙キテレツまで加わり、まるで藤子先生を讃える文章みたいになってしまった。が、あながちテイストは間違っていない、と思う。多分。
冒頭の飛行クラブのヤバ・・いや、夢に溢れる内容を読んで、これはどういう方向に話がいくのか、逆に好奇心が芽生えたと思ったら、今度はバカ・・いや、個性的な登場人物たちに釘付け。そして、なぜかキラキラネームっぽいのが多い。
巻きこまれ型主人公。くーちゃんこと、佐田海月(みづき)
普段はくーちゃん任せで前に出ないが、恋は別の、ジュジュこと、大森樹絵里(じゅえり)
高所平気症の怖いもの知らず。仲居朋(るなるな)
両親から野球を期待されているが本人は嫌がっている。餅田球児(キュージ)
いい人。中村海星(ヒトデ先輩)
飛行クラブ部長。尊大。何様?神様?でおなじみの、斎藤神(ジン)
人の悪口と噂話大好き。イライザこと、戸倉良子
読んでいて、やや現実感に乏しい感はあったが、軽い感じには思わなかった。その理由として、子供と大人の関係性の大切さを書いていることと、ユーモアたっぷりな文章の内に、何か、力技や強引さも厭わない、憑かれたような熱量を感じたこと(そして、加納さんのダジャレが絶好調なこと)。
ああ、これはもうテーマありきなんだなと思っていたら、あとがきで確信しました。意地でも飛びたいんだ。そう、私だって飛びたい。まあ、最後のエピソードは、本当に強引すぎるかなとも思ったが、それくらい何とかしたかった加納さんの思いを、私は感じ取りました。幼心に思ったことと馬鹿にするなかれ。子供は子供なりに、自分らの限界のようなものがある、もどかしさに気付いている。それにそっと手を差し伸べる大人の存在が、子供にとって素晴らしいものになることは、紛うことなき現実感。特に、くーちゃんの母は、その見本みたいな感じで、すごく印象的だった(働きアリのエピソードとか)。
ちなみに、飛ぶ以外でもちゃんと青春しております。恋や友情や親子関係といった大切な要素が。私としては、久々に明るく楽しい物語を読んだ気分ですが、部長やイライザの意外な心の内の思いなどに、それだけではないものも感じて、やっぱり青春っていいなあ、と思わせられるのです。読もうかどうしようか迷ってる方は、清水の舞台から飛び降りるつもりで、是非(飛び降りるじゃ飛んでないか)。 -
Posted by ブクログ
前作同様、一つ一つの短編が物語として独立しており、最後に一冊を貫くストーリーが完結する。
ただ、前作は本当に最終話で目を見張らされたけど、今回は意味深な手紙を接着剤にしてあって、ラストにくるまでがぐらぐら不安定な感じ。まあそうなるよね、だって前作読んでたら、また最後来るぞ、来るぞって思って読んじゃうもん。
三部目は、今度は三冊を貫くストーリーが露になるぞ~って期待して読みます。
その意味深な手紙に駆り立てられて行動するのが駒子さんの素敵なところ。わたしだったら「知らんがな」で終わる。だからわたしの日常には駒子さんみたいな素敵な謎が散りばめられないんだよね。
MGAの「StaRt」だね。
幸せな時間をどれだけ過ごせるかは微々たるものでも愛に気づけるか さあ試されよう -
Posted by ブクログ
数年寝かせてあったかも。ようやく読んだ。なんか、自分で買いはしたものの、タイトルがあまり心惹かれなくて。
でも何よ〜面白いじゃないの! 途中からはすっかり夢中になって一気に読んじゃった。
私が読んだことのある加納朋子さんの作品同様、小さな謎を解いていくし、ゆったりとした感じもある。それに加えて、先がとっても気になる展開。後半はぐいぐい読まされてしまった。
彼らの日常の中には、嫌な過去、悲しい状況、未来への不安などが横たわっていて、脳天気なだけの毎日ではない。最後にはひと通りいろいろ解決するものの、どうにもならない部分もある。それでも悲壮感はなく、全体を通じて感じるのは、楽しい雰囲気。
パックと心が通っていく様子は、読んでいて嬉しくなった。そして私には、あの親子を目一杯ギャフンと言わせたい気持ちが今もある!
続きは出ないのかな。みんなの今後をもっと読みたい。