加納朋子のレビュー一覧
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ネタバレ二度読み。
登場人物全員が人形に様々な形で翻弄される。
人形を作った本人でさえも。
男性たちがもっと、周りに目を向けられていたらと何度も思うような展開で、はがゆい。
了も創也も人形のことが第一で周りが見えていないがために大事なものを見失い、壊れてゆく。
人形の魅力にとりつかれた男たち。
愛情、嫉妬、憎しみ…紙一重。
人形を中心に様々な感情が入り乱れる。
好きな表現などもろもろ。
p41-3
人間と人形の差などないと思う了の考え
p68-10
了の人形に対する思い
p140-13
聖に対しての彼の望み
p163
聖に対しての渇望
p194-12
まゆらが思う子供の本質
p21 -
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ネタバレ「マルク・シャガールの<魔法の飛行>に描かれているように、軽々と飛び越えていけるよ、きっと」このセリフ、駒子さんの年齢の時に出会いたかった。でも、その頃、意味がわかったでしょうか。
解説にあるように、男性は「魔法を見せて、と望まれていることを忘れてはならない」。女性は、「愛する男性の魔法を信じて欲しい」きっと、その通りだと思う。それが、私たちは、魔法使いになれる自信を過信してしまったり、「魔法」を最後まで演じきれなかったりする。そして、最後に「魔法」を信じ切れなかったり、時計の鐘が「魔法」を解いてしまったりすることに気づく。
大人になることは、めんどくさいことを抱えることかもしれない。
きっ -
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愉快痛快なんて書くと、怪物くんみたいだが、実際そうなのであって、更に、奇妙キテレツまで加わり、まるで藤子先生を讃える文章みたいになってしまった。が、あながちテイストは間違っていない、と思う。多分。
冒頭の飛行クラブのヤバ・・いや、夢に溢れる内容を読んで、これはどういう方向に話がいくのか、逆に好奇心が芽生えたと思ったら、今度はバカ・・いや、個性的な登場人物たちに釘付け。そして、なぜかキラキラネームっぽいのが多い。
巻きこまれ型主人公。くーちゃんこと、佐田海月(みづき)
普段はくーちゃん任せで前に出ないが、恋は別の、ジュジュこと、大森樹絵里(じゅえり)
高所平気症の怖いもの知らず。仲居朋(るな -
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『毎日、毎日、乗り降りを繰り返す通勤電車の中で出会う、数百、数千の人達。彼らの一人一人はいったいどういう暮らしをし、何を考え、どこへ向かっているのだろう?』
このレビューを読んでくださっている方の多くは毎日の通勤・通学に電車を利用されているのではないかと思います。もちろん、お住まいの地域によってもその事情は異なるとは思いますが、その時間を”痛勤”と捉えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか?そんな”痛勤”で、あなたの”あるある”を当ててみましょうか?
『毎朝乗る電車も車両もおおよそは決まってくる。すると当然、乗客にもなんとなくお馴染みの顔ぶれが出てきたりする』。
どうでしょう?人の習 -
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前作同様、一つ一つの短編が物語として独立しており、最後に一冊を貫くストーリーが完結する。
ただ、前作は本当に最終話で目を見張らされたけど、今回は意味深な手紙を接着剤にしてあって、ラストにくるまでがぐらぐら不安定な感じ。まあそうなるよね、だって前作読んでたら、また最後来るぞ、来るぞって思って読んじゃうもん。
三部目は、今度は三冊を貫くストーリーが露になるぞ~って期待して読みます。
その意味深な手紙に駆り立てられて行動するのが駒子さんの素敵なところ。わたしだったら「知らんがな」で終わる。だからわたしの日常には駒子さんみたいな素敵な謎が散りばめられないんだよね。
MGAの「StaRt」だね。
幸せな -
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数年寝かせてあったかも。ようやく読んだ。なんか、自分で買いはしたものの、タイトルがあまり心惹かれなくて。
でも何よ〜面白いじゃないの! 途中からはすっかり夢中になって一気に読んじゃった。
私が読んだことのある加納朋子さんの作品同様、小さな謎を解いていくし、ゆったりとした感じもある。それに加えて、先がとっても気になる展開。後半はぐいぐい読まされてしまった。
彼らの日常の中には、嫌な過去、悲しい状況、未来への不安などが横たわっていて、脳天気なだけの毎日ではない。最後にはひと通りいろいろ解決するものの、どうにもならない部分もある。それでも悲壮感はなく、全体を通じて感じるのは、楽しい雰囲気。
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駒子ちゃんシリーズ3作目。
毎回異なる趣向で驚かされるこのシリーズだが、今回、前半の話の殆どが駒子ちゃんが書いたと思しき十数通の手紙を読むのに費やされる。
これらを読むと、遡って駒子ちゃんの入学仕立てのキャンパスライフがよく分かるが、何故相手からの返信はなく出した手紙ばかりとか、いつものようにプチ謎が入っているけど手紙の中で解けているようでないようでとか、こんなに親しい駒井はるかって友達これまで出てきていたかなとか、そう言えば愛ちゃんとかふみさんはどうしたのみたいな、微妙な違和感。
勿論、瀬尾さんの手によってこの違和感の訳は明かされるのだが、手紙ばかり読まされたことには、今回はちょっと策に走 -
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駒子ちゃんシリーズの2作目。
今回は『私も、物語を書いてみようかな』と口をすべらした駒子が、『手紙で近況報告するくらいでの気持ちでね』と言う瀬尾さんに後押しされて書き連ねる、身近に起こった奇妙な出来事の数々。
いくつも名前を持つ不可思議な魅力の女子学生、美容院で耳にした噂に端を発する幽霊騒動の顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭での〈魔法の飛行〉のエピソード…。
前作は駒子の物語の中に「ななつのこ」の物語が入れ子になった作りだったが、今作では、駒子の物語の中の謎に瀬尾さんの絵解きが届けられるところまでは同じでも、その後ろに誰かから届いた意味が分からない手紙が付け加えられたのが新しい興趣。
その -
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○ ぼくは人の顔が識別できない
あなたはそんな事を言われたらどう思うでしょうか?
○ コンタクトレンズを入れたら、また、〈声〉が聞こえるようになった
あなたはそんな事を言われたら聞き間違いだとは思わないでしょうか?
では、小さなお子さんにこんな風に話しかけられたらどうでしょうか?
○ やさしかったおかあさんは、おそろしいバケモノにたべられてしまった。ほんもののおかあさんはたべられてしまって、いまうちにいるのは、おかあさんのふりをしたバケモノなんだよ
この作品は、これらのえっ?という文章に続く物語がまとめられた短編集です。それにしても『人の顔が識別できない』とはどういうことなのでしょうか? -
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○ 動かしたいのになぜか身体が動かせない恐怖。
○ 声を出したいのになぜか声が出せない恐怖。
○ 誰かが自分の上に乗っているような恐怖。
さて、あなたは、このような体験をしたことはないでしょうか?“金縛り”。そう、そんな恐怖な体験を”金縛り”と呼びます。私はかつてこの体験に悩まされていた時代がありました。当時住んでいたマンション。その隣が墓地だったこともあり、きっとこれは何かある、何かが影響している、まあそれだけの理由ではないですが、家庭環境に変化があったこともあって、そんな何かがあると思ったマンションから引っ越したところ、それまでが嘘のように、そんな”金縛り”がピタリと止まりまし