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ファンレターとラブレターは、勢いで出すに限るのだ。――短大に通う十九歳の入江駒子は『ななつのこ』という本を衝動買いし、読了後すぐに作者へファンレターを書こうと思い立つ。先ごろ身辺を騒がせた〈スイカジュース事件〉をまじえて長い手紙を綴ったところ、思いがけなく「お手紙、楽しく拝読致しました」との返事が。さらには、件(くだん)の事件に対する、想像という名の“解決編”が添えられていた! 駒子が語る折節の出来事に打てば響くような絵解きを披露する作家佐伯綾乃、二人の文通めいたやりとりは次第に回を重ねて……。伸びやかな筆致で描かれた、第三回鮎川哲也賞受賞作。
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かぁらーす~なぜなくの からす…… 童謡「七つの子」を題材にした童話集「ななつのこ」を題材にした短篇集?
加納朋子のデビュー作。1992年刊、女子短大生が遭遇するほっこり不思議ミステリー。作中で登場する童話集「ななつのこ」の内容と、作中での現実が交錯する入れ子構造が面白い。謎解きミステリーでありながら、扱われるのは主に日常で遭遇する出来事であり、殺人などの殺伐した事件は起きない。一つ一つの物語における謎解きの鮮やかさに感嘆しつつ、7つの短篇が最後につながって長編になる、カタルシスを得たような清浄感にうっとり。読後感は見事で、本を手に取る前の予想を完全に超えた一作。こういう出会いがあるから読書はやめられない。
Posted by ブクログ
著者の作家デビュー作。
とても良くできた日常ミステリであるとともに純文学的な色彩が強烈な物語。
今読んでも会話のセンスがいいなーと思う。
個人的に好きなプラネタリウムや星座の話が多めで嬉しい。
ペルセウス座のアルゴルという星の明るさ(等級)が変化する仕組みを解明したグッドリックという人物が21歳で亡くなった早逝の天才だったが、彼は聴覚と発声に障害があったというエピソードがとても印象的。
この著者の本を色々な経緯で20年以上に渡ってチビチビと読んでいる。
きっかけがみんなバラバラで、子育てだったり白血病だったりミステリだったり青春ものだったり、それぞれ全く違う印象の本。
著者の幅広さを感じる。
米澤穂信氏のおすすめに従ってやっとデビュー作にたどり着いた。
Posted by ブクログ
【感想】すごく心地よい物語。そして駒子さんのキャラクタも。日常の謎系ミステリでもある。
【内容】佐伯綾乃著『ななつのこ』という短編集の愛読者である駒子さんは著者にファンレターを送るがその際作品の謎と微妙に似通っている身の回りで起きた不思議な出来事を書き添えていた。それに対する著者の推理は…>『ななつのこ』の各章は「すいかお化け」「金色鼠」「空の青」「水色の蝶」「竹やぶやけた」「ななつのこ」「明日咲く花」。>「一枚の写真」の章、『ななつのこ』で言えば「空の青」の章が好みです。
■駒子さんについての簡単な単語集
【愛ちゃん】駒子の友人。純和風のはかなげな外見。金持ちの娘。新しいもの好き。
【秋彦】『ななつのこ』の登場人物。優等生で絵も上手い。
【麻生美也子】『ななつのこ』の表紙絵を描いた画家。
【足立硝子店】ご近所さん。
【あやめ】『ななつのこ』のもう1人の主人公。
【エディ】愛ちゃんちの犬。
【尾崎炎:おざきえん】抽象画家。
【金色鼠】『ななつのこ』に収められている短編。
【駒子】入江駒子。主人公。佐伯綾乃の著書『ななつのこ』に運命を感じて購入。高校時代のあだ名は「イリゴマ」。
【佐伯綾乃】『ななつのこ』を書いた著者。
【瀬尾】自動車教習所に行くバスの停留所で出会った。その後デパート屋上のプラネタリウムでバイトしているところに出会い、次には歯痛で行った歯科医の下の階の書店の店員をしていた。駒子の運命の人?
【たまちゃん】紀美子。駒子の高校時代の友人。美術部員だった。《私の絵です》p.72
【ななつのこ】佐伯綾乃の著書。短編集。「すいかお化け」「金色鼠」「空の青」「水色の蝶」「竹やぶやけた」「ななつのこ」「明日咲く花」。
【猫の和尚さん】『ななつのこ』の登場人物。鼠の和尚さんの後釜。三毛、クロ、シロの3匹の猫を飼っている。シロが7匹の子を産んだのでさらに猫寺化が進んだ。
【はやて】『ななつのこ』の主人公。
【ふみさん】駒子の友人。キツめな感じの美人。遠からず結婚するらしい。教師になることが子供の頃からの夢。
【まゆちゃん】真雪。儚げな少女。区立第三小学校で夏休みの終わり頃毎年開かれている低学年を対象とした1泊のサマーキャンプにボランティアとして参加した駒子が出会った。
【吉田動物病院】ご近所さん。エディの主治医。妻がいる。娘は由香。
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