加納朋子のレビュー一覧

  • ななつのこ
    古さを感じさせない/ 主人公の女の子が非常にかわいい/ 現代でも通用するレベル/ セリフまわし、単語のチョイスが抜群/ しかし謎とその解が抜群かと言えばそうでもない/ 
  • 猫が見ていた
    猫に纏わる短編やエッセイを集めたアンソロジー。
    豪華なメンバーと表紙の美しい猫に惹かれて手に取りました。
    どれも魅力的な作品でしたが、中でも東山彰良さんの「黒い白猫」が良かった。舞台は台北という物珍しさに、ニン姐さんという気骨のある彫物師(タトゥー)が素敵。浅はかに刺青を入れたがる若者を諭すセリフに...続きを読む
  • 猫が見ていた
    「猫がでてくる小説集」というだけで読んでみました。
    今まで読んだことのない作家さんの作品にも触れられて「猫関係なく読んでみたい」と思える出会いもあってよかったです。
    それにしても、登場する猫を速攻頭の中で3D化して触り心地や声、眼の色、肉球の具合なんかをついつい妄想してしまう…地の文を読むよりもそっ...続きを読む
  • 七人の敵がいる
    目次
    ・女は女の敵である
    ・義母義家族は敵である
    ・男もたいがい、敵である
    ・当然夫も敵である
    ・我が子だろうが敵になる
    ・先生が敵である
    ・会長さまは敵である
    ・エピローグ

    章立てにはなっているけれど、実質は連作短編と言っていいでしょう。

    さくさく読める…と思ったけれど、実は結構止まり止まり読...続きを読む
  • ささら さや
    久しぶりの読書。
    久しぶりに読んだ本がこれで良かった。
    少しだけ心が満たされた。

    子供が生まれたばかりのサヤの旦那が、交通事故で突然亡くなってしまい、サヤは息子と2人で遠く離れたささら市に引っ越す。そこで3人のおばあちゃんやエリカと友達になり、ピンチの時は旦那が人に乗り移って助けに来る話。
  • 螺旋階段のアリス
    加納朋子氏らしい、優しいミステリーです。私の中では主人公仁木は西島秀俊、亜梨沙は今田美桜が活躍してました。二人のキャラクターも愛されキャラで、読んでて心地がいいです。こういう誰も死なない、すぐそばに本当にありそうなさりげないミステリーって、いいな。
  • 七人の敵がいる
    編集者としてバリバリ仕事をこなす山田陽子。一人息子の陽介が小学校に入学し、少しは手が離れて楽になるかと思ったらーとんでもない!PTA、学童保育所父母会、自治会役員…次々と降りかかる「お勤め」に振り回される毎日が始まった。小学生の親になるって、こんなに大変だったの!?笑って泣けて、元気が湧いてくる。ワ...続きを読む
  • トオリヌケ キンシ
    きっと人は、自分が周りと違う部分を見つけては悩んで、苦しんでいるんだと、この小説を読んで思った。もちろん、私だってその一人だ。

    加納さんはそんな人たちを、持ち前の優しさで救い上げていく。
    タイトルのように、トオリヌケキンシの袋小路に迷いこんでしまったとしても、出口はあるのだと背中を押してくれる。
    ...続きを読む
  • 猫が見ていた
    どれもみんな面白かった。
    北村薫びいきの私は、やはり安心して読める北村薫が一番でした。この話はまだ、単行本に入ってないですよね。
    共通点は猫、ということで(だけで、かな?)筆致もストーリー展開も個性的なのだけれど、やはり、皆が名手。同じ素材で作ったフルコース料理をいただいたようで満足感でいっぱいです...続きを読む
  • はるひのの、はる
    タイムスリップもの。はるひでタイムスリップで、これまた憂鬱な……とは全然違うから大丈夫。たまたま、たまたま。ユウ君が良い子に育ってて、良い娘と出会って、「ささら」シリーズもまぁるくおさまって、めでたしめでたし。
  • 七人の敵がいる
    一言で言うと痛快!

    多分、子供を持つ母親が言いたいけど言えない事を言ってくれる山田陽子。

    賛否両論あるだろうけど、女性として気持ちいい生き方だなと思った。

    加納作品、他も読んでみたくなった。
  • ささら さや
    面白かったです。解説にも書いてある通り、加納朋子版ゴースト的なお話ですが、ミステリー的な要素を少し加えた感じで読み始めたら気になり、一気に読みたくなる本です。てるてるあしたという作品の前作となり、てるてるあしたに続いて行く物語です。一冊づつでも楽しめるし連作としても楽しめるし作品です。
  • ささら さや
    加納作品では珍しく人死にが出ます。それも冒頭。亡くなったのは新生児が産まれたばかりの若い父親。この物語は残されたサヤとユウ坊が新たな地、佐々良で人の温もりを感じながら生きていく話。ミステリーなのは死んだ旦那もちょいちょい出現するところ。サヤのために幽霊としてあらゆる人に取り憑いて……。星4なのは、や...続きを読む
  • スペース
    前半は女の子に宛てた手紙。
    後半は送り主の女の子目線のお話。
    (間にまた、仕掛けが入るが。)

    最初置いてけぼり感があって、もやもやしながら読み進めるが
    再読すると、散りばめられた伏線にナルホド、と。

    タイトルのスペース、余白 というキーワードも物語の核になっていて、
    時系列を確認する為シリーズ1...続きを読む
  • 猫が見ていた
    「マロンの話」は湊かなえ(おばやん)の飼い猫マロンへの優しい目線に溢れる作品で読後感がいい。猫を通して自分の過去と向き合う話でもある。
  • 無菌病棟より愛をこめて
    急性白血病と告知されるまでと、その後の闘病生活を綴られた作品。
    辛い中、前向きな日記を日々付けられていたこと、作家であることの熱意も感じられる。
    日々進歩している医療にも触れることができた気がする。

    2018.2.25
  • 猫が見ていた
    猫はそんなに好きではないのですが
    湊かなえの作品が入っていたので読んでみました。
    どの話も面白くて読み応えがありました。
    中でも「マロンの話」と「百万回生きた猫は絶望の書か」と
    「三べんまわってニャンと鳴く」が良かったです。
    家族愛的なところが描かれている作品が好きなのかもしれません。
    しかし猫と小...続きを読む
  • 七人の敵がいる
    ママ友から義母・義姉妹、夫までは、陽子の無鉄砲ぶりにハラハラし、でも「そうだよな~」という働く者としての共感もあった。ここまでは現実を少しだけ誇張した内容だったと思う。しかし、我が子からの物語りは急展開を見せる。陽子と陽平にそんな過去があったなんて……先生と対決するくだりは、まさに痛快エンターテイメ...続きを読む
  • 魔法飛行
    【あらすじ】
    妙な振る舞いをする女の子、噂の幽霊を実地検証した顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭、クリスマス・イブの大事件……文章修業を始めた駒子が近況報告のように綴る物語は、謎めいた雰囲気に満ちている。ややあって届く返信には、物語が投げかける謎に対する明快な答えが! デビュー作『ななつのこ』に続...続きを読む
  • トオリヌケ キンシ
    大好きな加納朋子さんの短編集。
    相変わらず安心して読める優しい話が多いです。

    幻想的な話かと思いきや、現実的な話で、だけど結末はファンタジーと言えなくもない。

    真面目な人が報われる、親切な人達が沢山いる、こんな優しい世界だったらいいなという希望と、そうなるかどうかは自分次第という叱咤激励と。

    ...続きを読む