加納朋子のレビュー一覧

  • 猫が見ていた

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    ジャケットの猫の目にやられた猫アンソロジー。
    短編が7作並んでいるけど、気に入ったのは柚月裕子さんの「泣く猫」だな。猫が脇でいい仕事をする。
    あと、「100万回生きたねこ」が感動の書なのか、絶望の書なのかは深いテーマだ。
    最後の猫小説傑作選も、また読まなきゃいけない本を増やしてくれる。

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    2019年01月20日
  • 無菌病棟より愛をこめて

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    著者の白血病闘病記。
    読んでいて思わず自分も苦しくなるくらいの描写。
    リアルをそのまま書いているからかもしれない。

    もし自分が、、家族が、、そうなったら、、読み直したい著書です。

    今後も、著者の苦しみが少しでも和らぎ普通の日々を送り、少しでも元気でいられますようにと祈ります。

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    2018年05月21日
  • 無菌病棟より愛をこめて

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    急性白血病を発症し、化学治療を経てドナー(実弟)からの骨髄移植を受けた作家のノンフィクション。
    私はミステリーを好まないのでこの作家さんの本を読んだ記憶は無いが、筆力のある方の闘病記は読みごたえがあった。そして日常に近い生活に復帰できていることに勇気をもらえた。
    幸い今のところ癌とは無縁だが、人間いつ何がおこるかわからない。今の日常がいかに幸せなことかを改めて感じた。

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    2018年05月06日
  • てるてるあした

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    ネタバレ

    ささらさやの続編。主人公は不幸な星の下に生まれ育った15歳の照代。夜逃げ同然で久代さん宅に身を寄せて、たくましく生き抜く話。もちろんサヤにユウ坊、エリカにダイヤ、おばあちゃんズも再登場。でもスポットは久代、照代の2大ヒロイン。

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    2018年04月13日
  • てるてるあした

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    後書きにも書かれている通り、泣ける小説でした。加納朋子さんの作品は初めてでしたがふんわりと泣ける、人情深いファンタジーでした。最近はなかなかなく機会も少なくなっているので久しぶりにじんわり泣きたい人にもおすすめです。他の作品も読んでみたくなりました。

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    2018年04月10日
  • モノレールねこ

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    ネタバレ

    猫の日に因んで選んだ作品。
    なのに表題作の猫よりも、一匹のザリガニの話にやられてしまった。
    様々なものを失くした主人公達が再び本来の自分を取り戻す、心温まる8本の短編集。
    文通相手や幼い頃の記憶、家族…人は大切なものを失くしては途方にくれる。
    そんな主人公達を、愛嬌たっぷりのデブ猫やつぶらな瞳でじっと見つめる犬、毎年同じ日に宿泊する黄昏ホテルのスタッフ等、みんなが温かく見守っていてくれる。

    特にザリガニの「バルタン」の、のんびりしたお人好しのフータ一家を見守る眼差しには参った。
    体が小さいからと見くびってはだめ。
    体がどんなに小さくても家族に向ける愛情は、「バルタン」が生まれ育った公園の池よ

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    2018年02月22日
  • スペース

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    駒子シリーズ3作目。駒子と瀬尾さんが一歩進展。でも今回は「はるか」と「まどか」という双子の物語でもある。でもラストではそれまでそっと控えていた駒子と瀬尾さんが再び浮き上がる見事な構成。駒ちゃんに惚れる。

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    2018年02月13日
  • 魔法飛行

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    駒子シリーズの続編。今度は自分で物語を書いてみることに。とてもいきいきとした日常を描いた物語。でもその物語の間に割り込む謎の手紙。最後までモヤモヤ──からのスッキリでメルヘン。駒ちゃんに惚れる。

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    2018年02月13日
  • てるてるあした

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    あたたかくて少し笑える話が読みたかったので、ぴったりでした。むくれていた照代ちゃんが働きはじめて成長する姿に、千と千尋の神隠しを思い出したような。コンプレックスだらけの照代ちゃんが周りのひと全てに嫉妬するような気持ち、すごく共感できた。カツ丼がほんとうにおいしそうで泣けた。

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    2017年11月24日
  • ささら さや

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    すごくいいタイミングで出会えた本。夫を失くした主人公が乳児を育てるんだけど、夜泣き対応で途方にくれたり、離乳食に手こずる描写が育児あるあるで愛おしい。主人公を何かと助けてくれる町の人たちもみんな魅力的だった。何度も読み返したいやつ。

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    2017年11月24日
  • トオリヌケ キンシ

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    素晴らしかったです。
    短編集で、連作ではないけれど、最後の話でのみそれぞれのその後が垣間見える構成になっています。

    場面緘黙症や、共感覚、相貌失認など、最近少しずつ知名度の上がってきたものを取り入れながら、大仰にし過ぎず、かといって軽んじることなく、この作者らしい優しく温かな文章で物語を綴られています。

    どのお話も好きですが、『フー・アー・ユー?』が一番可愛らしくて好きかな。
    『空蝉』や『座敷童と兎と亀』とも好きです。

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    2017年10月30日
  • てるてるあした

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    ネタバレ

    評価は5.

    内容(ブックデーターより)
    親の夜逃げのため、ひとり「佐々良」という町を訪れた中学生の照代。そこで彼女が一緒に暮らすことになったのは、おせっかいなお婆さん、久代だった。久代は口うるさく家事や作法を教えるが、わがまま放題の照代は心を開かない。そんなある日、彼女の元に差出人不明のメールが届き始める。その謎が解ける時、照代を包む温かい真実が明らかになる。

    このシリーズはおばあちゃんの言葉が心に染みる。勉強しなさい!自分のために。
    最後まで照代のお母さんの考え方や行動は理解の域を超えたが…幼児虐待ってその位深い傷を負うものなんだろう。ファンタジーだけど心ほっこりで良い話だった。

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    2017年10月16日
  • 月曜日の水玉模様

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     加納さんの本はこれが初読みでした。
     日常ミステリーですね。人が死んだり、政府の野望に巻き込まれたりはしません。何気なく過ごしていく日々の中で、普段は気にも留めないようなこと。そんなことが気になる。そこからお話が始まります。
     自分は普段、人間観察をしたりしないのですが、周囲の人たちは人間観察がとても楽しいと言っていました。
     この人は今なにを考えて、何をしようとしているのか、そんあことを推理したり想像したりするのが楽しいのでしょうか。

     <以下引用>
     「陶子さんは電車に乗っていて、何か変わったことに気づいたりして、見知らぬ乗客についていってみたくなったりしたことはないですか?」

     こ

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    2017年09月19日
  • ささら さや

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    両親のいない孤独なサヤが手にした小さな幸せは
    ある日突然夫の事故死で失われます。
    残されたのはまだ小さな赤ん坊のユウ坊。
    サヤはユウ坊と伯母の残してくれた家で暮らし始めます。

    幸薄そうだ・・・
    少々世間ズレもしてそうだ。
    危なっかしくてほっておけない、って事で
    死んだ夫が幽霊になって見守っているのだ。

    日常の中に起こる小さなミステリーと言えるのかどうか
    わかんない程度のミステリーが優しい。

    馬鹿っサヤ
    幽霊夫が心配して現れる。

    そのうち近所に住むおばあちゃんたちや
    ヤンキー母の友達もできる。

    最後は悲しいお別れもあるけれど
    とても読後感の良いお話。

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    2017年06月05日
  • てるてるあした

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    ささらの町を舞台にした、連作短篇集の第2作。といっても、自分は3→1→2って順番できたので、現行ラインナップ中ではこれがラスト。これまで同様、ちょっと不思議な町における、自分発見が主なテーマ。共通する登場人物を上手い具合に配しつつ、本作だけでも成り立つように物語が組み立てられていく。ミステリの要素だけを考えると物足りないと思うし、正直途中で微妙に中弛み感を覚えてはしまうんだけど、そんなこんなは、最終章で雲散霧消します。この感動を味わえるだけで、一冊読み切る価値は十二分にあると思えちゃう。シリーズを通して素晴らしい読書体験になりました。ありがとうございます。

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    2017年05月23日
  • ささら さや

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    「はるひのの」を先に読んだから順番が前後したけど、それはたいした問題じゃなかったです。本作の赤ん坊が、件の作品の主人公だった、ってのは後から気付きましたが、その関係性を知らなくても十分に楽しめました。少しずつ謎解きみたいなことも出てくるけど、自分的には極上のヒューマンドラマ。使者を絡めても、それが陳腐な仕上がりだと”冒涜やん”って腹立たしく感じるけど、ここではすこぶる効果的に使われています。ほのぼの温かい気持ちに浸れる素敵短編集。

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    2016年11月09日
  • 魔法飛行

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    デビュー作「ななつのこ」の続編。
    加納朋子さんの作品の中でも、指折りのお気に入りです。

    ありふれた日常と、そこに潜む小さな謎。何気ない風景がこの方(というのは駒子なのか加納さんなのか)の手にかかると実に鮮やかな色彩をまとって読者の眼前に描き出されます。ラストに至る流れも圧巻ですが、それよりも日々のやり取りに共感したり切なくなったりできるのが、このミステリの魅力なのではと思います。

    あと、表紙と解説が素晴らしいです。

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    2016年11月05日
  • ぐるぐる猿と歌う鳥

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    できないことは多かったが友達と一生懸命遊んだり、他愛のない秘密を守ったりして過ごしていた子供の頃を思い出す良い本・・・というだけでは片付けられない、大人の事情や身勝手さ、汚さに翻弄される部分が描かれており、なんとも言えない読後感。できないことは多かったし、知らないことだらけだったけど、それでもこんな子供時代に戻りたいと思わせる本。夏休みの帰省前に一読をお勧めします。

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    2016年08月02日
  • はるひのの、はる

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    ネタバレ

    「ささら」シリーズの三作目にして、最終巻。
    赤ちゃんだったユウ坊が大きくなって遭遇する、不思議な頼まれ事。
    ばらばらに見える幾つもの出来事が、最後には綺麗に繋がります。

    さやもそうだけれど、この物語の鍵を握る女性の、わが子を想う母の強さに、心を打たれます。

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    2016年05月01日
  • はるひのの、はる

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    本作者は初トライ。従ってもちろん、シリーズの他作品も未読。でも全然問題なかったし、普通に存分に楽しめました。根っこの部分か繋がった、マルチ主人公の短編集が好物ってのもあって、かなり自分と相性良かったです。スーパーナチュラルも、温かい方面に上手く活かされてて、それもまたポイント高し。そういう意味では、夏目友人帳みたいな印象を受けました。色んな物語を経てのクライマックスも感動的で、謎めきと感動のバランスも絶妙でした。いや〜、充実の読書タイムを有難うございました。

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    2016年04月27日