加納朋子のレビュー一覧
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ネタバレ猫の日に因んで選んだ作品。
なのに表題作の猫よりも、一匹のザリガニの話にやられてしまった。
様々なものを失くした主人公達が再び本来の自分を取り戻す、心温まる8本の短編集。
文通相手や幼い頃の記憶、家族…人は大切なものを失くしては途方にくれる。
そんな主人公達を、愛嬌たっぷりのデブ猫やつぶらな瞳でじっと見つめる犬、毎年同じ日に宿泊する黄昏ホテルのスタッフ等、みんなが温かく見守っていてくれる。
特にザリガニの「バルタン」の、のんびりしたお人好しのフータ一家を見守る眼差しには参った。
体が小さいからと見くびってはだめ。
体がどんなに小さくても家族に向ける愛情は、「バルタン」が生まれ育った公園の池よ -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価は5.
内容(ブックデーターより)
親の夜逃げのため、ひとり「佐々良」という町を訪れた中学生の照代。そこで彼女が一緒に暮らすことになったのは、おせっかいなお婆さん、久代だった。久代は口うるさく家事や作法を教えるが、わがまま放題の照代は心を開かない。そんなある日、彼女の元に差出人不明のメールが届き始める。その謎が解ける時、照代を包む温かい真実が明らかになる。
このシリーズはおばあちゃんの言葉が心に染みる。勉強しなさい!自分のために。
最後まで照代のお母さんの考え方や行動は理解の域を超えたが…幼児虐待ってその位深い傷を負うものなんだろう。ファンタジーだけど心ほっこりで良い話だった。 -
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加納さんの本はこれが初読みでした。
日常ミステリーですね。人が死んだり、政府の野望に巻き込まれたりはしません。何気なく過ごしていく日々の中で、普段は気にも留めないようなこと。そんなことが気になる。そこからお話が始まります。
自分は普段、人間観察をしたりしないのですが、周囲の人たちは人間観察がとても楽しいと言っていました。
この人は今なにを考えて、何をしようとしているのか、そんあことを推理したり想像したりするのが楽しいのでしょうか。
<以下引用>
「陶子さんは電車に乗っていて、何か変わったことに気づいたりして、見知らぬ乗客についていってみたくなったりしたことはないですか?」
こ -
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両親のいない孤独なサヤが手にした小さな幸せは
ある日突然夫の事故死で失われます。
残されたのはまだ小さな赤ん坊のユウ坊。
サヤはユウ坊と伯母の残してくれた家で暮らし始めます。
幸薄そうだ・・・
少々世間ズレもしてそうだ。
危なっかしくてほっておけない、って事で
死んだ夫が幽霊になって見守っているのだ。
日常の中に起こる小さなミステリーと言えるのかどうか
わかんない程度のミステリーが優しい。
馬鹿っサヤ
幽霊夫が心配して現れる。
そのうち近所に住むおばあちゃんたちや
ヤンキー母の友達もできる。
最後は悲しいお別れもあるけれど
とても読後感の良いお話。 -
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ささらの町を舞台にした、連作短篇集の第2作。といっても、自分は3→1→2って順番できたので、現行ラインナップ中ではこれがラスト。これまで同様、ちょっと不思議な町における、自分発見が主なテーマ。共通する登場人物を上手い具合に配しつつ、本作だけでも成り立つように物語が組み立てられていく。ミステリの要素だけを考えると物足りないと思うし、正直途中で微妙に中弛み感を覚えてはしまうんだけど、そんなこんなは、最終章で雲散霧消します。この感動を味わえるだけで、一冊読み切る価値は十二分にあると思えちゃう。シリーズを通して素晴らしい読書体験になりました。ありがとうございます。
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加納朋子さんの作品は他に読んだことがないのですが、お名前は存じ上げていましたので興味を持ち手に取ってみました。
この本を読む限りでは、ですが、とても明るく前向きな方のように思われました。もし自分だったら…絶対にもっとどろどろと落ち込んだことを書くだろうな。
先日、癌で亡くなった祖母のことも思い出しながら、意志の力って大事なんだろうなぁと改めて感じさせられました。決して亡くなった方の意志が弱かったとかではなく、加納さんが入院中もとにかく食べるようにしたり運動したり、そういう気力があるのとないのとでは少しは違ってくるのだろうなと。
こうやって患者さんが頑張っている間に、早く確実な治療法ができること -
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急性白血病と診断されたミステリ作家加納朋子の闘病記。
加納さんの小説を読むたびにその内容や文章から温かさと優しさを感じ、「加納さんっていい人なんだろうなあ」と感じるのですが、今回このノンフィクションを読んでその考えが間違っていなかったんだな、と実感しました。
白血病の症状はもちろん薬の副作用や、骨髄移植に向けて体内の白血球をゼロにしていく過程など、闘病の様子はサラッと書かれているのですが、それだけでも壮絶さが伝わってきます。
普通に生活ができ、普通に食事ができることがいかにありがたいことなのか、ということが改めて実感されました。
それでも、加納さん自身が書いた日記にはところどころ -
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白血病になった作者の闘病記
白血病は昔ながらの悲恋ものでは取り扱われてきたモチーフだけど、自分の認識と現在のリアルな治療とのギャップを感じた
そして何より、自分がなったら、家族がなったら、血縁者がなったら
あと、血縁者のドナーになるか、そもそもドナーになれるような健康状態か
もし自分の周りでそんな事態になったらと色々と仮定の話しで考えてしまった
妻とか子供がなるよりは自分がなった方がマシだと思った
ただ、そのことを妻に話したら「うちの生活はどうするの!」と怒られた
ま、あくまで仮定の話しですし、そもそも誰がなるか選べるものでも無いですし・・・
好きな作家さんだけに、今後の執筆活動はどうな