加納朋子のレビュー一覧
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うわーん!良かったよお。ラストは電車の中で泣いてしまった(T ^ T)感動の涙です。(本日、電車とカフェで一気読み)久しぶりの、加納さん、やっぱり好きだなあ。
俺ー森野護(もりのまもる)の側から語られる『フラット』と、
幼馴染の平石徹子(ひらいしてつこ)の側から語られる『レリーフ』
の2つの章からなるこの物語。
前半の『フラット』は、ある意味、微笑ましくもある、幼馴染の青春時代。
後半の『レリーフ』については、一言もネタバレ出来ません。ぶっとびます。
ぜひぜひ、読んで、驚いて、怖がって、応援して、悲しんで、喜んで・・・と感じて欲しい作品です。
上手いなあ、加納さん・・いろいろ予測してたけ -
Posted by ブクログ
『ななつのこ』に続く〈駒子〉シリーズ第二弾。広がる女子短大生の世界がリアル。ただし1990年代前半だが……。
駒子を中心とした女子短大生たちの日常描写が心地よい。舞台が1990年代前半ごろなので、登場する固有名詞が懐かしかったり。いくつかの短篇が最後につながって長編になるという構造が今回は前作以上に強化され、ラストの驚きがすごい。各短篇ごとの謎解きの楽しさ、さらにその裏で密かに進行しているより大きな物語を推理する楽しさ。少女時代に別れを告げようとする、大人になる一歩手前の切なさを感じさせるラストシーンには見とれてしまった。さらに有栖川有栖さんの解説が感動的で、これも含めて作品の一部といってい -
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かぁらーす~なぜなくの からす…… 童謡「七つの子」を題材にした童話集「ななつのこ」を題材にした短篇集?
加納朋子のデビュー作。1992年刊、女子短大生が遭遇するほっこり不思議ミステリー。作中で登場する童話集「ななつのこ」の内容と、作中での現実が交錯する入れ子構造が面白い。謎解きミステリーでありながら、扱われるのは主に日常で遭遇する出来事であり、殺人などの殺伐した事件は起きない。一つ一つの物語における謎解きの鮮やかさに感嘆しつつ、7つの短篇が最後につながって長編になる、カタルシスを得たような清浄感にうっとり。読後感は見事で、本を手に取る前の予想を完全に超えた一作。こういう出会いがあるから読書 -
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駒子シリーズの第2作、「ななつのこ」の続編となる連作短編ミステリ。短大生駒子が身近に起きた話を手紙に書くことで、その謎が解かれていく。
タイトルにもなった「魔法飛行」は学園祭の話で、とにかく暖かく、そして少し幻想的なシーンがとても印象的で、昔も今もお気に入りの話です。
アメリカのチャレンジャー号のことが過去の事実として書かれており、もうそんなに経つのかと感慨深かったです。
作品全体の構成も前作に比べ、ミステリ要素よりが強いものとなっています。
有栖川有栖氏のあとがきがとてもわかりやすく、よく比較される北村薫作品との違いも丁寧に描かれています。