加納朋子のレビュー一覧

  • 七人の敵がいる

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    かなり面白かったです!

    小学生くらいのお子さんをお持ちの方が読まれたら思わず頷いてしまう場面が多々あると思います。

    全ての文章に無駄がなく、かつ説得力もあり著者の頭の良さが文面から滲み出ていて面白い、そして第5章では驚き、感動し、エピローグに至るまで飽きる事無く一気に読めました。

    子供を持つ方が読んでも良し、子供を持たない方が読まれても面白い内容になっていますが、絶対的に読んで頂きたいのは小学生くらいのお子さんを持たれる父親でしょうか。

    完成度が高く満足した作品です。

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    2021年01月24日
  • てるてるあした

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    本当に心温まる作品
    はじめは主人公にイライラしてたけど、途中からどんどん惹き込まれていって、ラストは涙腺崩壊
    ぜひいろんな人に読んでほしい

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    2021年01月18日
  • 七人の敵がいる

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    ネタバレ

    働く女性の子どもの学校・PTAにおける不条理を突き詰めた。クラス、学童保育、地域自治会、スポ小、登校班の旗振り等の役割り。夫は「仕事を休めないよ、忙しいから」と妻に押し付ける。しかし、兼業主婦には切実な問題だ。専業主婦だろうと兼業主婦だろうと子どもを思う気持ちは変わらない。でも兼業主婦は役員となる時間がないのだ。PTAの役割は重要だが、いっそのこと、学校業務を委託業者に任せれば良いと昔から感じていた。主人公・陽子の立ち居振る舞いは爽快感のみ残った。これまでの妻への感謝と、子を持つ日本の夫が読むべき本だ。

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    2021年01月10日
  • 少年少女飛行倶楽部

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    しっかり者中学一年女子が飛行クラブとういう変なクラブに入ることになってしまい、周りの変人と関わりながら青春する話。とにかく個性的な面々と関わった主人公海月の心の叫びが面白すぎ。
    最後までスカッと読める。映画にできそう。小学生でも大丈夫な内容なので、青い鳥みたいなふりがな付文庫にならないかな。
    解説の金原瑞人の文も良かった。

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    2020年08月27日
  • モノレールねこ

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    ネタバレ

    登場人物みんな(人間じゃないのもあったけど)が、良い意味でも悪い意味でも人間らしい。
    人間のいろんな部分や感情を見ることができる。

    全部で8編。読み終わるとそれぞれ違った感情が溢れてきた。
    個人的なお気に入りは「バルタン最期の日」
    まさかザリガニに感動させられるとは...。

    後はタイトルのセンスが素敵。簡単に読める。

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    2020年08月22日
  • 我ら荒野の七重奏

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    「七人の敵がいる」の続編。さらに言えば「月曜日は水玉模様」~「レインレイン・ボウ」から作品世界は繋がっていますが、まあ「七人~」だけ読んでおけば大丈夫かと思います。

    さて、前作はミステリ作家異色のPTA奮闘記だったわけですが、お子さんも無事!?進学し、今回は部活小説です。より正確には、部活"母親"小説。文化部の中でもとりわけ体育会系と言われる吹奏楽部ですが、いやあ親御さんも大変ですね。自分は中学の時、母親の第一希望だった吹奏楽部を蹴って科学部に引きこもりましたが、母にはその選択に感謝して欲しいものです(笑)。

    前作が「PTAなんてワーキングママには絶対無理!でもそれ口に

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    2020年08月08日
  • 無菌病棟より愛をこめて

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    突然の病。本書で著者夫妻が言うようにひと昔前ならドラマでよく見た病気。でもその治療がどのようなものか、骨髄移植は知ってても実際どんなことをするのか知っている人は当然中々いない。こんなに詳しい闘病記、しかも移植ドナーの記録まで読めるなんて!最初の頃はユーモア溢れる表現も多くてちょっと吹き出すこともありましたが、読み進むに連れて深刻な内容になり、読みながら何度も何度も涙を堪えました。著者が昨年も新作を発表されたと知り、お元気そうで嬉しいです。

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    2020年07月31日
  • いちばん初めにあった海

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    人と、過去と、自分と向き合うことはすごく辛くて苦しい時もある。だけど逃げててはなにも始まらないし時間は止まったままになる。
    こんなに心温まるミステリーははじめて。読み終わった後はなんだかスッキリ。

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    2020年07月30日
  • モノレールねこ

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    全ての短編が思いもつかない設定で面白かった。
    内容はグッとくるものが多く、ホロッとしながらも色々と考えてしまった。

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    2020年07月29日
  • モノレールねこ

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    NHK FMのラジオ文芸館だったか,番組名は不明なのだが,1週間前か2週間前に「モノレールねこ」の朗読を聞いて,小説を買ってみた.

    短編集,ということを知らなかったが,全体的にほっこりというか,文体も今までにない(いい意味で)感じでよかった.『バルタン最期の日』は解説者が4回読んで4回泣いたとあった.

    「人間なんてものはね、笑えている間は大丈夫だって。どんなに辛いことがあっても、お腹を抱えて笑うことができれば、きっと乗り越えていけるって。(以下略)
    が響いた.

    『モノレールねこ』
    ラジオ文芸館で聞いたとおり.ねこを失ってしまった後に偶然ながら(?)出会うふたり.

    「パズルの中の犬』

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    2020年04月11日
  • てるてるあした

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    「ささらさや」の姉妹編です。
    両親の夜逃げにより、高校進学すら叶わなかった雨宮照代(15)がひとり遠い親戚の鈴木久代さんをたよって埼玉県の田舎町「佐々良」に降り立つところから始まるお話です。

    こんな境遇にあっては性格がヒネてしまうのも無理はないとは思いながら、なぜこんなにも久代さんは厳しくあたるのだろうと不思議でなりませんでした。
    今にして思えば、他人とは思えないほど照代と同じ気持ちでいたからなのかも知れません。(私も自分のことが嫌いでしょうがないので…)

    てるてる あした。きょうはないても あしたはわらう。
    この言葉を胸に抱いて明日も頑張ろうと思います。

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    2020年04月05日
  • ささら さや

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    「モノレールねこ」がとても面白かったので、この人の書く長編はどうだろうかと手ににしたのがこの本でした。

    事故で夫を亡くしたサヤは生まれて間もないユウスケを連れて、生前親しくしていた伯母の住んでいた「佐々良(ささら)」という街に移住します。
    気弱でお人良しで頼りないサヤの周りには数々の事件が起こりますがその度に亡くなった夫が他人の姿を借り助けてくれます。
    それに加えて気の良い「佐々良」の街の人たちの支えもあり、サヤが人間的に成長していくというお話です。

    ひとつの事件を乗り越えるたびに強くなっていくサヤを見て「子を想う母の強さ」というものを感じました。

    涙腺が弱くなったためか、5章目「ダイヤ

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    2020年04月05日
  • はるひのの、はる

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    これで完結となる「ささら」シリーズですが締めくくりにふさわしい良いお話でした。ものすごく語りたいのだけど、ネタバレするのが勿体無いから一言だけ。読んだ誰もが二度読みすること間違いなし!!

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    2020年04月05日
  • 我ら荒野の七重奏

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    中学の吹奏楽部のお話ではなく、その親の会のお話。運動部には親の会の活動があるらしいけれど、文化部にも??
    そうか、集団で活動し部員が多ければ先生の手だけでは足りず親の活動も有りなのか。親といえどもできる親ばかりではないのは当然で……中心になって活動していただいている親御さん方にはお世話になります。お疲れ様です。陽子さんのようなグイグイ引っ張っていただける人がいると助かりますよねきっと。
    ありがとうございます!!!

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    2019年10月27日
  • ななつのこものがたり

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    「ななつのこ」を子供の寝物語にお話ししているお話

    「ななつのこ」そのものではない
    でも、だからこそこれは駒子シリーズなんだよなぁ
    息子の名前が「はやて」だったり、お母さんの名前が回文だったり、羊のぬいぐるみが出てきたりね

    うむ、よかったよかった

    で、完結編の長編が待ち遠しい

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    2019年07月17日
  • 少年少女飛行倶楽部

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    わー、これはいい。すごくいい!
    青春だなあ。青春だよなあ。
    青春時代をこれほど郷愁を持って感じさせてくれるお話はそうはない。
    それぐらい傑作だと思う。

    もちろん自分の好きな部活モノということもある。
    変な連中が集まってひとつの目標に向かっていくさまはとてもステキだ。
    主人公のぼやきながらも結局やってしまう頼もしさも、さりげなく育っていく恋心も、なんて眩しいんだろう。
    そんな頑張っている青春の真っ直ぐさがとても好ましい。
    先生への主人公の啖呵と言うかマジギレも楽しかった。

    そしてクライマックスでのハプニングと、ラストの先輩とのさりげないやり取り。
    いや、完璧だな。
    うん、とても面白かった。

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    2019年05月22日
  • 螺旋階段のアリス

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     またやってしまった……。
     シリーズものは発表順に読むのが正しい。ミステリにおいて、その傾向は顕著。
     にも関わらず、自分は「魔法飛行」→「ななつのこ」の順に読んでしまった。
     今回の失態は「虹の家のアリス」から先に読んだこと。アリスを取り巻く謎を知った上で「螺旋階段〜」を読むのは問題外。嗚呼!

     ひとつ嬉しかったのは柄刀一による解説。「本書の主人公の一人である仁木順平が目覚めるのは、四月のある日です。四月の何日なのでしょうか? それは恐らく一いや、間違いなく"二十五日"でしょうね。」
     今日その日ではないか。仁木とアリスが邂逅した日に読み了えるなんてセレンディピティ!

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    2019年04月25日
  • ななつのこものがたり

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    菊池健による挿し絵がよい。なかんずく「ななつのこ」に添えた絵は素晴らしい。
    追記:加納作品のカバーイラストのほとんどを菊池健が手掛けていることに後で気づいた。1枚絵で上手さが判らぬ自分が情けない。

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    2019年03月16日
  • 七人の敵がいる

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    面白い!
    男は外に七人の敵がいるというが、女性はもっと多いのではと思わせる話。
    主人公の女性が常に強く物事を進めていくので痛快な話になっている。
    ひさびさに面白いエンターテイメントでした。

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    2019年02月08日
  • トオリヌケ キンシ

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    短編集なので、感想文を書くのが難しいのですが...
    一冊通しての印象は、やはり「心ほっこり系」かな(^ ^

    全編通して、割と淡々とした文体で、
    さらりと読めるが内容は意外と重い。
    巻末の解説を読んで初めて気づいたが、
    通底する共通項は「珍しい病気・障害・体質」。
    ネガティブなだけではないので、病気とは限定できず。

    物語の主役たちは、ちょっと変わった症状を抱えていて、
    そのおかげで「社会」とちょっと普通じゃない
    関わり方をしている。
    そのおかげで、ちょっと普通じゃない事件とか
    「現象」とかに遭遇することになる。

    本作で重要なのは、主人公の「周辺人物」の存在。
    それぞれに活躍したり、別の障害

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    2019年02月04日