加納朋子のレビュー一覧
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ネタバレ前半は女の子に宛てた手紙。
後半は送り主の女の子目線のお話。
(間にまた、仕掛けが入るが。)
最初置いてけぼり感があって、もやもやしながら読み進めるが
再読すると、散りばめられた伏線にナルホド、と。
タイトルのスペース、余白 というキーワードも物語の核になっていて、
時系列を確認する為シリーズ1作目も読み返したくなる。
シリーズ1作目に恋バナ好きな方はきゅんきゅんするのでは、という感想を抱いたが、
今作もなかなかな運命的展開でした。
出会いが無い、とよく言うけれど、出会いは溢れているけれど、出会い方が重要なのかもしれない。。。
若しくは出会いを一瞬にするか、特別なものにするか、惚れやすい子がこの才能が特化しているのではないだろうか。。
またしても、やはり中高生の女の子に読ませたいな、と思った。
主人公の見え方は他人の目を通すとこうなるのか、と驚き。
友人も、やりすぎでは。。。
『同じとき、同じ場所にいて、同じ空気を吸っていても、やはりそれぞれの世界は全く違うのだと、何だか不思議な気持ちになる。』
また、手紙の送り主の子の 仲良かった子と疎遠になる水を足していったスープのたとえ話になるほど、と。
矢印の太さが違う、若しくは違って行ってしまう事を考えると、仲が続いている子がいることは奇跡なのかもしれないな、と。
4月で新生活を始める子にも読んで欲しい。 -
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大好きな加納朋子さんの短編集。
相変わらず安心して読める優しい話が多いです。
幻想的な話かと思いきや、現実的な話で、だけど結末はファンタジーと言えなくもない。
真面目な人が報われる、親切な人達が沢山いる、こんな優しい世界だったらいいなという希望と、そうなるかどうかは自分次第という叱咤激励と。
そして最後の「この出口の無い、閉ざされた部屋で」で泣かされてしまった。
加納朋子さんの書くお話は一貫しています。
生きているものは、生き続けなければならない。
逃げても迷っても立ち止まってもいいけど、いつかは前に歩き出さなきゃいけない。
読み終わるといつも、世界がほんの少し明るくなったように感じられます。
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ばりばりのキャリアウーマンの陽子が一人息子の小学校入学と同時にPTAをはじめとする様々な困難に巻き込まれていく。これに戸惑いつつも果敢に立ち向かう痛快ストーリー。陽子のキャラクターが良い。男勝りのブルドーザー(通った後にはぺんぺん草も生えない!)、頭が良くて仕事ができる。しかし、女性の集団の空気を読んだり察したりすることが苦手で、まぁ色々たいへん。保護者会の役員決めの場面からあるある!わかるわかる!が満載でした。陽子は色々とやらかしてしまうんだけど、やっぱり強いです。子どもを人質に取られてるという表現になるほど。かわいいわが子にかわいそうな思いはさせられないと。それでも私はここまでできないわ。子ども会、自治会は関わらないようにしてるし、PTAは最低限の任期を満了して無難にやり過ごすつもり。陽子のストーリー、すかっとして読むのは面白かったぁ。でも実際にこのキャラがそばにいて一緒に仕事するのは大変かも。まぁ裏表なくて頼もしいからいいのかな。
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浪費家の両親の借金でせっかく受かった高校にも行けず
夜逃げをすることになった照代。
遠い親戚の久代おばあちゃんのいるこの街「佐々良」にやってきます。
ささらシリーズの続編
前作のメンバーももちろん出てくるけれど中心はこの
照代の成長物語かな?
とにかく最初は嫌な女の子です。
久代おばあちゃんも厳しいし、なかなかお互いの距離が縮まらない。
照代とユウ坊にだけ見える少女の幽霊
今回も日常の中のちょっとしたミステリーを交えながら
そっと包み込むような優しさを散りばめたとっても
読後感よし!の作品です。
やっぱりこのシリーズよいわ。
久代おばあちゃんグッドです。 -
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短編集。
人生とは思いがけないことが起こるものだ。
ニュースを見ても他人事にしか思えなかった出来事が、ある日突然我が身にふりかかる。
サヤの夫も、まさかカツオのたたきを考えている最中に死ぬとは思っていなかっただろう。
サヤにとっては、夫はようやく巡り会えた特別な人だった。
この人なら…と思い、やっと心から安らげる家庭を持てたと思っていたのに。
運命って残酷だな、と思わずにはいられない。
そんなサヤを不憫に思ったからなのか、それとも現世に未練がありすぎたのか。
サヤの夫は幽霊?となってサヤを見守り続ける。
純粋で優しくて、馬鹿正直で口下手で、不器用な生き方しかできないサヤ。
でも、意外に頑固な一面もある。
実はサヤはとても強い人なのでは?と感じた。
何て言えばいいのかわからないけれど、柔らかな強さみたいな。
サヤとユウ坊をめぐって起こるいろいろな出来事。
母親として成長しながらも、周りの人たちにめぐまれ、夫に見守られながら日々を過ごす。
寂しさも、やがては薄れていくのだろう。
ユウ坊が、きっと寂しさも哀しみも、すべてをその笑顔で包み込んで消してくれるはずだ。
あたたかで、優しくて、ほんの少しの可笑しみもある物語だった。
それにしても、母親ってなんて強いんだろう。
電車内でのエリカとおじさんとの対決では、「お見事!」と思いながら「怖っ!」とも思った。
子供連れってそんなに冷遇されてないように感じるのは当事者じゃないから?
きっとおじさんのような人は、虫の居所が悪ければ誰にでも八つ当たりするんじゃないのかな。
エリカのあの切り返しは、もう身についた処世術のようなものなのだろう。
母親ってやっぱり強い。 -
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「ささらさや」から始まる佐々良シリーズの3作目にして最終巻。前2作で赤ん坊だったユウスケが成長して、主人公に"昇格"しています。「はるひの」って小田急線みたいだなあと思っていたら、本当にそこがネーミングの由来だそうで。そう言えば加納作品って、町田や相模大野辺りの風景が出てくる事が多々ありましたね。
さて、内容はと言えば、丁寧に散りばめられた伏線、ハートウォームなファンタジー、ちょっとした謎、パッチワークがはまっていく終盤の爽快さ、そして涙がホロリ。まったくもっていつもの加納先生です。大病から無事復帰をされて、またこんな素敵な作品に出会えた事を嬉しく思います。
ただ、正直に言ってしまうと、この作品は佐々良シリーズじゃなくても良かったような気がします。他作品の設定をあえて引きずらなくても、一からキャラクターを造形して生き生きとした物語を紡ぐ事が出来たのではないでしょうか。中学編のテンポ良いやり取りが大層お気に入りなのですが、前2作ってこんなノリだったっけ…?という疑念がかすめた事も確かです。個人的には、シリーズに組み入れた事で星ひとつ損した感が。うーん、贅沢な注文でしょうか。 -
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主人公ほど仕事もできないし、
頭もよくないけれど、
私が初めてPTAに対して持った思いと
ほぼ同じことが書いてあった。
そして、あの頃を思い出して、
「やっぱり嫌だよなぁ」と思った。
学童保育の役員を皮切りに学年役員、
学校の地域役員、スポーツクラブの役員。
毎年毎年、よくもまぁというくらい回ってくる。
楽しんでやりましょう!なんて言われても
楽しくないんだものと
とことん後ろ向きだった私は
主人公とは思いは同じでも真逆を向いてたなぁ。
シフトの休みはすべて役員のためにとることになり
自分の休みを取れるのは3か月に1回くらいだった。
そしてどれだけ役員をやっても
先生同士、母親同士の力関係を掴めず、
まったくもって向いていなかった。
ホントに申し訳ないくらい、いい思い出はない。
しかし、不思議なもので
役員のお役目が回ってくるのはほとんど長男の時だった。
くじを引いても、じゃんけんしても
当たりを引く。
小中高の12年間、娘の役員をやったのは小学校でたったの一回。
息子は小学校で4回、中学校1回、高校1回。
一番イヤだったのは
うちの子どもがまったく興味を示さない地区運動会の手伝い。
一番面白かったのは、中学で課題図書を読んで
中学生と感想を述べあう、読書会だった。
でも、役員すると学校の細部が見えてくるのは事実だった。
あ、全然本の感想でなかった。
いや、陽子さんのような人は
いたら面白いけど、一緒には役員やりたくないなぁ。。
ということで。 -
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ササラシリーズ第二弾。今回は不実な親のせいで高校進学を断念せざる負えなくなった照代の話。安易に慰めるのではなく、自ら強く生きることでしか本当の幸せを掴むことができないのだと語りかけてくる。皆、傷を負いそれでも懸命に生きている逞しい姿が心に残る。
あらすじ(背表紙より)
親の夜逃げのため、ひとり「佐々良」という町を訪れた中学生の照代。そこで彼女が一緒に暮らすことになったのは、おせっかいなお婆さん、久代だった。久代は口うるさく家事や作法を教えるが、わがまま放題の照代は心を開かない。そんなある日、彼女の元に差出人不明のメールが届き始める。その謎が解ける時、照代を包む温かい真実が明らかになる。 -
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日常派ミステリの旗手、加納朋子の本領が存分に発揮された1作。筆致はかなり軽く、肩肘張らずに楽しむことが出来ます。陶子と萩の、どちらが探偵役がハッキリしていない点が面白いですね。2人の掛け合いがなんとも絶妙です。
ちなみに陶子は町田、萩は愛甲石田から小田急線で丸の内に通勤しているという設定になっています。「魔法飛行」その他の記述から、加納さんが町田か相模大野辺りに縁があることは間違いないのですが、あの界隈の住人が相模川以西をどう見ているか、良ーく分かる作品でもあるんですよね(苦笑)。
朝ラッシュ時に座れるほど、愛甲石田は甘くないぞー!
…と、愛甲石田よりさらに奥に実家がある僕としては叫びたい気分です。