加納朋子のレビュー一覧

  • てるてるあした
    浪費家の両親の借金でせっかく受かった高校にも行けず
    夜逃げをすることになった照代。

    遠い親戚の久代おばあちゃんのいるこの街「佐々良」にやってきます。

    ささらシリーズの続編

    前作のメンバーももちろん出てくるけれど中心はこの
    照代の成長物語かな?
    とにかく最初は嫌な女の子です。
    久代おばあちゃんも...続きを読む
  • モノレールねこ
    加納朋子さん、「無菌病棟より愛をこめて」に続く2冊目の本は、読み友さんに紹介いただいた「モノレールねこ」(2009.6 文庫)です。失くしたものを再び取り戻すまでの物語8話が収録されています。小学5年生の「サトル」と「タカキ」が「ねこ」の首輪につけた手紙のやりとり、今度会おう、いいよ、の後、ねこは車...続きを読む
  • ささら さや
    短編集。
    人生とは思いがけないことが起こるものだ。
    ニュースを見ても他人事にしか思えなかった出来事が、ある日突然我が身にふりかかる。
    サヤの夫も、まさかカツオのたたきを考えている最中に死ぬとは思っていなかっただろう。
    サヤにとっては、夫はようやく巡り会えた特別な人だった。
    この人なら…と思い、やっと...続きを読む
  • コッペリア
    やっぱり読みやすくて好きな加納朋子。
    終わり方が好み。
    どうしても人形のイメージが等身大になってしまうのだけど・・・60㎝位のものよね??
  • ささら さや
    子供が生まれた直後に夫を亡くしたさや。
    それを取り巻く、近所のばあさんたち、シングルマザーのえりか。
    そして、無念を残して成仏できない夫。

    ピンチになると成仏できない夫が誰かに乗り移って助けにくる物語ですが、最終的にはさやが成長していく過程が描かれています。

    特に心に残るところはありませんでした...続きを読む
  • てるてるあした
    面白かった。泣かされた。素直じゃない女子高生(になるはずの子)がいろんな優しさの形で接してくる人々に囲まれて成長していく姿が微笑ましかった。その後も知りたい。「ささらさや」も読んでみたい。
  • はるひのの、はる
    「ささらさや」から始まる佐々良シリーズの3作目にして最終巻。前2作で赤ん坊だったユウスケが成長して、主人公に"昇格"しています。「はるひの」って小田急線みたいだなあと思っていたら、本当にそこがネーミングの由来だそうで。そう言えば加納作品って、町田や相模大野辺りの風景が出てくる事が多々ありましたね。
    ...続きを読む
  • ささら さや
    和製ゴースト、との評をよく見かけます。僕の場合は映画の方を見てませんので、「へぇ、ゴーストってこんな話なんだ」と感心してしまうわけですが。

    どこまでもどこまでも優しいお話。ただし、誰も悪意を持ってないぶん、"悪役"側の人達の怖さがいっそう際立っている気もします。いい話だねぇ、ホロリとくるねぇ、で終...続きを読む
  • 七人の敵がいる
    主人公ほど仕事もできないし、
    頭もよくないけれど、
    私が初めてPTAに対して持った思いと
    ほぼ同じことが書いてあった。

    そして、あの頃を思い出して、
    「やっぱり嫌だよなぁ」と思った。

    学童保育の役員を皮切りに学年役員、
    学校の地域役員、スポーツクラブの役員。

    毎年毎年、よくもまぁというくらい回...続きを読む
  • てるてるあした
    ササラシリーズ第二弾。今回は不実な親のせいで高校進学を断念せざる負えなくなった照代の話。安易に慰めるのではなく、自ら強く生きることでしか本当の幸せを掴むことができないのだと語りかけてくる。皆、傷を負いそれでも懸命に生きている逞しい姿が心に残る。
    あらすじ(背表紙より)
    親の夜逃げのため、ひとり「佐々...続きを読む
  • コッペリア
    加納朋子初の長編。
    「ガラスの麒麟」を上回る暗さで、彼女らしくない作品だと最初は思っていたのですが、この読後感は間違いなく加納作品のそれですね。

    3章にまとめられた構成がやや独特。本格ミステリを期待してしまうと、肩透かしを食う面もあるのかもしれません。だけど、こんなまとめ方ができるってのはさすが加...続きを読む
  • 月曜日の水玉模様
    日常派ミステリの旗手、加納朋子の本領が存分に発揮された1作。筆致はかなり軽く、肩肘張らずに楽しむことが出来ます。陶子と萩の、どちらが探偵役がハッキリしていない点が面白いですね。2人の掛け合いがなんとも絶妙です。

    ちなみに陶子は町田、萩は愛甲石田から小田急線で丸の内に通勤しているという設定になってい...続きを読む
  • 魔法飛行
    日常ミステリとしてもそうですが、どちらかといえば悲しい話が多いはずなのに、温かい気持ちになれる。
    登場人物たちの周りを思いやる気持ちが伝わってくるからな気がします。

    有栖川さんの解説も良かったです。
  • 月曜日の水玉模様
    この人の本が好きなんだと確信。
    連作で日常ミステリー。
    普通のOLだが洞察力のある主人公と、ちょっと間抜けな助手役の彼。
    二人のこの後が気になるところではあるが・・・進展はしないかなぁ(笑)??
  • モノレールねこ
    ちょっと不思議な話を集めてみました、といった感のある短編集。
    各編は完全に独立しているので、加納朋子=連作ミステリという期待をしているとちょっと消化不良かなあ、という印象も正直あります。

    が、1つ1つの作品の出来栄えはやはりさすがの一言。なんでもない日常と、そこからはみ出したちょっと危うい世界の配...続きを読む
  • 螺旋階段のアリス
    連続ものの短編ミステリーの体裁になっていて、
    登場人物は同じだけど、探偵事務所に来るお客さんは
    それぞれに違う、っていうお話だった。
    最後にミステリーが解けると、なんかストンと来ることも
    多くて面白かったと思う。
    あと、それぞれの話は、それぞれの夫婦の形が見えてくるようになってて
    いろいろな夫婦の形...続きを読む
  • 螺旋階段のアリス
    サラリーマンから私立探偵へと転進した主人公。ハードボイルドな世界にあこがれた所で、そこは加納さんの掌の上、やって来る依頼はどこかのほほんとしていて、読者にとってはいつも通りです(笑)。でも「最上階~」は怖かったなあ。電波云々の話はちょっと?ですけど。
     
    非常に良く出来た助手役として登場する安梨沙で...続きを読む
  • 七人の敵がいる
    加納朋子さんはミステリ作家だと認識していましたが、その文脈からすると異色と言って良い、PTA奮戦記。多分、本当に子育てに苦労されているお母さん方には身につまされる部分もあるのでしょうが、基本的には明るく、可笑しく、コメディタッチ。なんと言うか、昼ドラ向きですね、これ(実際、ドラマ化されたそうです)。...続きを読む
  • 少年少女飛行倶楽部
    トホホな経緯で飛行クラブなる謎の部活に入る羽目となった中学1年生、海月。部長を筆頭に変人揃いの彼らは果たして空を飛べるのか?ちなみに具体策ナッシングだ!

    …とライトノベルかと見紛うような設定の本書ですが、加納朋子さんがそんな薄っぺらい話を書くわけはなく、ストンと差し込まれる重い要素や、さりげない伏...続きを読む
  • モノレールねこ
    『にゃんそろじー』に収められている表題作だけ、以前読んだことがあった。
    だから、どんな作家さんか、まだよく知らない。
    本短編集では、何か心に傷を抱えた人が、ひょんなことからそれに気づき、少しずつ乗り越えていく物語ばかりだ。

    家族があっけなく全員死んでしまったとか、驚くべ展開があるので、どんなことに...続きを読む