花村萬月のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
表紙がとても綺麗で手に取りました。
二十四節気は知っていても、それをさらに三等分した七十二候は知らない人が多いのでは?
わたしも今回初めて知りました。
雉始雊(きじはじめてなく)というように、動詞で示されているのが、分かりやすい。
どれも現代人にも理解できるもので、時代が変わっても季節の移ろいは変わらないものだなと思います。
この本では、二十四節気の春夏部分を抜き出し、また、各節気の真ん中の七十二候をタイトルに各自が短編をお書きになっています。
思えば、短い作品は触れてこなかったので、どれも不思議な余韻を残す終わり方で、こちらの想像力や読解力を掻き立てるなぁと短編の面白みを初めて知りま -
購入済み
この作者にしてはおとなしめ
刺激的で過激な作品ばかりのこの作者にしては低刺激の作品。
しかし内蔵している反骨精神や破滅へのあこがれは健在。ややコミカルな文章のそこかしこにこの作者らしいフレーズを見つけ出すことができる。
しかし全体的な印象は、少しぼんやりしているな と感じた。 -
購入済み
聖職者+殺しの組織、というのはもはやありふれたモチーフなのかもしれないけれども、その中で育った「箱入り」の少女の純真な美しさに焦点を当てた作品としてはかなり早い時期のものではないかと思う。市東氏の絵はしをんの繊細な感じなどには合っているが、あまりに広いマンションの部屋など、ちょっとおかしなところもあるような印象。これが原作のVシネマもあったように思うがまあ別物だ。
-
-
Posted by ブクログ
著者の芥川賞受賞後の第一作です。文庫本で千頁を越えるヴォリュームに、著者らしいエロスとヴァイオレンスの濃密な雰囲気が横溢する小説世界を堪能できる作品です。
大学卒業後に出版社に務めるも退職し、家庭教師として働いている鷲津兵輔は、暴力団乾組の組長の娘である乾倫子の勉強を見ることになります。彼は、組長の乾十郎の住んでいる世界をかいま見ることになり、その世界をつらぬいている掟に心を惹きつけられながらも、堅気の世界にとどまりつづけます。しかし、倫子から好意を寄せられ、やがて関係をもつにいたって、鷲津はしだいに乾たちの世界に入り込んでいくことになります。
登場人物たちの会話がやや平板に響いてしまう感