花村萬月のレビュー一覧
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この作者にしてはおとなしめ
刺激的で過激な作品ばかりのこの作者にしては低刺激の作品。
しかし内蔵している反骨精神や破滅へのあこがれは健在。ややコミカルな文章のそこかしこにこの作者らしいフレーズを見つけ出すことができる。
しかし全体的な印象は、少しぼんやりしているな と感じた。 -
購入済み
聖職者+殺しの組織、というのはもはやありふれたモチーフなのかもしれないけれども、その中で育った「箱入り」の少女の純真な美しさに焦点を当てた作品としてはかなり早い時期のものではないかと思う。市東氏の絵はしをんの繊細な感じなどには合っているが、あまりに広いマンションの部屋など、ちょっとおかしなところもあるような印象。これが原作のVシネマもあったように思うがまあ別物だ。
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Posted by ブクログ
著者の芥川賞受賞後の第一作ということで、文庫本で1000頁を越えるヴォリュームに、著者らしいエロスとヴァイオレンスの濃密な雰囲気が横溢する小説世界を堪能できる作品です。
大学卒業後に出版社に務めるも退職し、家庭教師として働いている27歳の鷲津兵輔という男は、暴力団乾組の組長の娘である乾倫子の勉強を見ることになります。彼は、組長の乾十郎の住んでいる世界を垣間見ることになり、その世界をつらぬいている掟に心を惹きつけられながらも、堅気の世界にとどまりつづけます。しかし、倫子から好意を寄せられ、やがて関係をもつにいたって、鷲津はしだいに乾たちの世界に入り込んでいくことになります。
登場人物たちの会 -
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