花村萬月のレビュー一覧
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ネタバレ勢いで読みきりました。桜の成長物語としては面白かったのですが、メイン題材の音楽に関するところはかなり冷めた感覚でしか読めませんでした。
端的に言うと"オールド・ファッション”。スマートフォンが登場するような2000年代以降の時代設定なのに、語られている音楽のほとんどが60年代、70年代のもの。バンドメンバーの言動もヒッピー的なイメージのそれ。
書き手の好みが現れているのでしょうけれど、比較的最近のバンドが好きな自分としては(被害妄想かもですが)それを否定されている気がしてしまいますし、登場人物たちに今の若い人っぽくない非現実さを強く感じてしまいました。
また、著者は音楽の造詣が -
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ネタバレ信長視点での歴史小説。
5年前、信長私記を酷評してしまいました。
その後、続信長私記が文庫本で出たのは知っていたのですが、この度、両編を収録した完本版を読むことができました。
信長私記で物足りなかった分は、続でだいたい補完されていましたが、後述する不満は残りました。。
特に夕庵や石斎との会話が良いです。
信長公記に対しての私記なので、信長の独白と会話だけで構成されていて、当然、本能寺の変の前で終わるのですが、最後が端折りすぎかなと思います。
武田家滅亡から本能寺の変までの信長視点の詳細な語りが読みたかったです。
特に、執拗な光秀への折檻、家康の京での饗応など、それと茶や香以外の文化への興味も -
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ネタバレ評価は3。
内容(BOOKデーターベース)
諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた1千万円の貯金とともに蒸発してしまった。人生に躓き挫折した夫、妻も仕事も金も希望も、すべて失った中年男を救うのは、ヤクザ者の義弟とソープ嬢!? 胸を打ち、魂を震わせる「再生」の物語。吉川英治文学新人賞受賞作品。(講談社文庫)
非常に評価の良い作品なのだが個人的には今ひとつ。
最後まで諏訪が魅力的に思えなかった。
元ソープ譲の彼女や、アウトローでやんちゃなアキラが入れ込むほどの懐の大きさも見えず、かといって情けない男性から出る守ってあげたいオーラも感じられず・・・妻が出 -
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上巻よりも自由さが増してます。
設定が忍者でほとんど人外なので、エログロスプラッタなんでもありみたい。
首をちょん切らないと死なないらしいしねぇ。
どういうことだよ!ま、いっか。
作者の口調もチャラかったり、かしこまっていたり、たまに「編集が~と言ったから」みたいな挿話もあったりして、「なに?ふざけてるの?」と感じたりもしました。
違和感ありまくりで、なぜこの本の評価が一定程度あるのかわからなかったのですが、結局最後までどんどこ読んでしまった。
文章が読みやすいのだろうなぁと思ってたんですが、最後の解説を読んで、なんか納得させられてしまって。
解説により★が増えた感じです。
型にはまった小 -
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歴史の表に出てくる忍者ではなく、裏で忍世界から天下をあやつる八劔(やつるぎ)という忍勢力があった。
独自の戒律のもと、蛆神に率いられ、あらゆるところに潜む八劔。
この勢力が一人の赤児を創り出した。
生まれおちた日からすでにその美しさは魔の領域に達し、忍の能力は群を抜いている。
やがて世を統べる命を背負っていた子の名はー錏娥哢奼。
大体こういうスタートです。
忍者らしい術やらが出てくるのは最初の最初のみ。
性的な描写が非常に多く、まぁ、美しさで人を幻惑するのが最大の武器ですから、これは仕方ないとして。
メインの描写が島原の乱で、キリシタン虐殺のシーンなどはグロテスク。
ふわっとした優しいお話に