花村萬月のレビュー一覧

  • ロック・オブ・モーゼス

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    花村萬月はこういう作品も書くのか、とちょっとビックリ。
    現代を舞台にしているのに、出てくる音楽がやたらと古い。
    (古い音楽が悪いという訳ではなく。ジミーロジャース、私も大好き!)
    いっそのこと、時代設定をもう少し前にしてしまえば良かったのになぁ、と。
    青春と音楽は本当に相性が良く、この組み合わせは大好きなのですが、どちらも上手く活かせていない印象。
    面白くなかった訳ではないが、音楽への熱さが今ひとつ伝わってこず、少し残念。

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    2018年11月29日
  • 續 太閤私記

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    ネタバレ

    秀吉のモノローグで描く太閤記。

    正巻の続きですが、エロスもバイオレンスもグロもなく、作者にしては珍しくおとなしい作品でした。
    前半は、半次郎、官兵衛、小六、秀長との会話を中心に構成され、後半は頭の中の自分の分身との会話が中心になることで衰えを表現していると思います。
    残念なのは、編集者です。
    秀長と長秀の記述間違いをそのままにしていてはいけません。
    「信長私記」「太閤私記」と続いたので、「神君私記」とか書かれるかもしれませんね。

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    2018年06月02日
  • ロック・オブ・モーゼス

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    ネタバレ

    勢いで読みきりました。桜の成長物語としては面白かったのですが、メイン題材の音楽に関するところはかなり冷めた感覚でしか読めませんでした。

    端的に言うと"オールド・ファッション”。スマートフォンが登場するような2000年代以降の時代設定なのに、語られている音楽のほとんどが60年代、70年代のもの。バンドメンバーの言動もヒッピー的なイメージのそれ。

    書き手の好みが現れているのでしょうけれど、比較的最近のバンドが好きな自分としては(被害妄想かもですが)それを否定されている気がしてしまいますし、登場人物たちに今の若い人っぽくない非現実さを強く感じてしまいました。

    また、著者は音楽の造詣が

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    2018年05月28日
  • 太閤私記

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    ネタバレ

    「信長私記」「弾正星」と連なる花村版太閤記。

    小六との出会いから浅井・朝倉掃討戦の途中までが、秀吉の独白で描かれています。
    「信長私記」も続編が出て完了したように、続編が出るようですので、それを読んでから最終的な感想を述べたいと思います。

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    2018年01月21日
  • 完本 信長私記

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    ネタバレ

    信長視点での歴史小説。

    5年前、信長私記を酷評してしまいました。
    その後、続信長私記が文庫本で出たのは知っていたのですが、この度、両編を収録した完本版を読むことができました。
    信長私記で物足りなかった分は、続でだいたい補完されていましたが、後述する不満は残りました。。
    特に夕庵や石斎との会話が良いです。
    信長公記に対しての私記なので、信長の独白と会話だけで構成されていて、当然、本能寺の変の前で終わるのですが、最後が端折りすぎかなと思います。
    武田家滅亡から本能寺の変までの信長視点の詳細な語りが読みたかったです。
    特に、執拗な光秀への折檻、家康の京での饗応など、それと茶や香以外の文化への興味も

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    2017年11月19日
  • ブルース

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    ブルースを読んだ。花村萬月さんは、シカゴでのことを行って書いたのかな?同じ街に住んでるが、会わない。今度知り合いのブルースマンに聴いてみようと思う。ブルースの面白みは、そういうところなのか?と疑問に持つことがある。シカゴのブルースフェスはタダで見れるという。指でリズムを取る、大物ブルースマンが普通にいたりするらしい。一度行ってみたい。
    今年はジェイムズコットンが亡くなった。花村萬月さんは、コットンの話、してるかな?

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    2017年04月23日
  • 皆月

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    初読の作家さん。最後まで読んで、ぶっ飛んだ…。意味深な置手紙を残して消えた妻の、秘密とか真実をいろいろ勘ぐって読んでいたのだが、入り組んだ事情などは何にもなかった…。登場人物誰一人、まともな人がいないのも凄い。終始アキラに振り回されて終わった…。それでストーリー成立するんだから、アキラのキャラクター付けは凄い。ジェットコースターか。酔うわ。

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    2017年03月08日
  • 皆月

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    ネタバレ

    評価は3。

    内容(BOOKデーターベース)
    諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた1千万円の貯金とともに蒸発してしまった。人生に躓き挫折した夫、妻も仕事も金も希望も、すべて失った中年男を救うのは、ヤクザ者の義弟とソープ嬢!? 胸を打ち、魂を震わせる「再生」の物語。吉川英治文学新人賞受賞作品。(講談社文庫)

    非常に評価の良い作品なのだが個人的には今ひとつ。
    最後まで諏訪が魅力的に思えなかった。
    元ソープ譲の彼女や、アウトローでやんちゃなアキラが入れ込むほどの懐の大きさも見えず、かといって情けない男性から出る守ってあげたいオーラも感じられず・・・妻が出

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    2017年03月02日
  • 完本 信長私記

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    最初の頃は信長も若く,挿話も多いし,特に黄蝶とのヤリトリなどはおもわず笑ってしまった.ところが後半最後の方は,ばたばたと駆け抜けるような記述で,あまりにも簡潔すぎて,大味な感じで,物足りない気がした.

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    2016年10月14日
  • ワルツ(下)

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    下巻の中盤過ぎくらいから減速。
    えー!そっちなの!と驚きです。
    不満とまでは言わないけれど、ちょっとガッカリ。

    ドンパチものはお腹いっぱいなので当分は良いかな。
    にしても、上中下巻の3冊を猛スピードで読み終えました。
    この人の書く闇にどっぷりとハマりました。
    戦後の新宿のイメージがありありと目に浮かび、匂いすら漂ってきそう。
    ヤクザものではなく純愛小説だという認識で読みました。
    しかしなぁ、口説い様だけれど、そっちかぁ。

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    2016年06月15日
  • ワルツ(中)

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    中盤になり激しさが増してきました。
    暴力的ではあるけど、何だか透明さが増す。
    しかし映像では絶対に見たくないな。
    指のシーンとか誇張じゃなく気絶しそう。

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    2016年06月13日
  • 永遠の島

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    初めてこの方の本を読みました。
    読み進めていくと花村さんの世界に
    引き込まれてました。。
    ジワジワ怖さが増して来る感じが
    ナカナカ面白かったかな?

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    2016年02月05日
  • 武蔵(四)

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    花村版、宮本武蔵大河小説4巻目。

    いよいよ関ヶ原に参戦するも味方の敗戦の中、小頭との出会い、盟友の然茂ノ介との死別と結構落ち込んでうろたえ、小次郎をはじめとする人々との問答、女性との交情を経て、次のステージに上がってきそうな感じです。
    バイオレンスは少なく、エロもやや抑え気味なので、花村さんらしい言葉遊び的な問答が面白いです。

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    2015年12月06日
  • ワルツ(上)

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    一時期、自分の中でヤクザにものすごく興味があったので読んでみた!なんとも…。続きを飲んだらハマるのかもしれないけど、文章がくどく感じる。

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    2015年09月19日
  • アガルタ 下巻

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    上巻よりも自由さが増してます。
    設定が忍者でほとんど人外なので、エログロスプラッタなんでもありみたい。
    首をちょん切らないと死なないらしいしねぇ。
    どういうことだよ!ま、いっか。
    作者の口調もチャラかったり、かしこまっていたり、たまに「編集が~と言ったから」みたいな挿話もあったりして、「なに?ふざけてるの?」と感じたりもしました。

    違和感ありまくりで、なぜこの本の評価が一定程度あるのかわからなかったのですが、結局最後までどんどこ読んでしまった。
    文章が読みやすいのだろうなぁと思ってたんですが、最後の解説を読んで、なんか納得させられてしまって。
    解説により★が増えた感じです。

    型にはまった小

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    2016年03月08日
  • アガルタ 上巻

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    歴史の表に出てくる忍者ではなく、裏で忍世界から天下をあやつる八劔(やつるぎ)という忍勢力があった。
    独自の戒律のもと、蛆神に率いられ、あらゆるところに潜む八劔。
    この勢力が一人の赤児を創り出した。
    生まれおちた日からすでにその美しさは魔の領域に達し、忍の能力は群を抜いている。
    やがて世を統べる命を背負っていた子の名はー錏娥哢奼。

    大体こういうスタートです。
    忍者らしい術やらが出てくるのは最初の最初のみ。
    性的な描写が非常に多く、まぁ、美しさで人を幻惑するのが最大の武器ですから、これは仕方ないとして。
    メインの描写が島原の乱で、キリシタン虐殺のシーンなどはグロテスク。
    ふわっとした優しいお話に

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    2016年03月08日
  • 自由に至る旅 ――オートバイの魅力・野宿の愉しみ

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    免許もないけれど、バイクに乗ってみたいーと思ってつい手を出してしまいました。上手く乗りこなせるかはさておきですが。花村さんの作品は初読み。かなり変わってるのかもしれませんが、私の旅のスタイルは近いものがあります。計画が目指すポイントだけ。最近は車だけではなく、バスや電車にのることも覚えて、それぞれの恩恵も感じています。公園の東屋で野宿はさすがにできそうもありませんが、精神論としてはお手本にしたいこともたくさん。自分の興味のあることを責任を伴う自由をもって楽しめばいいですよね。

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    2015年06月14日
  • 夜を撃つ

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     常人の感情を欠損している峰岸情がたどり着く果てがあるのだろうか、この少年に関わる者たちが暗い闇に吸い込まれる様をみる。アンダーグランド小説の村上龍と比べても暴力描写では間違いなく勝っている。理屈で理解できない暴力はもの凄く薄気味悪い。

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    2016年09月16日
  • 惜春

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    昭和のトルコ(風俗)のお話。
    童貞の少年がしっかりしていないようでしっかりしているのか?
    ちょっと流されてしまう人生と成長。

    昔の京都のトルコ事情のお話

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    2015年02月28日
  • ブルース

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    まさかこの、
    暴力と性欲と、血と垢と愛憎と、まぁとにかく色んなものにまみれた小説を再読する日が来るとは思ってもみませんでした。

    でもこれぞ正に“名は体を表す”な小説。
    ブルースという音楽を物語で記すとしたら、これ以上にその実体を捉えたものはないんじゃないかと。そんな気もします。
    ドぎつい描写も、そりゃ必要な訳です。
    ブルースは決して陽気で穏便な音楽ではないのです。

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    2014年10月22日