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Posted by ブクログ
「なんで俺の紋が、丸に三柏だってことを知ってるんだ」
尾津組親分、尾津喜之助が定めたマーケットにおける販売価格の取り決めは〈仕入れ価格×一・二=小売価格〉というものであった。
「要は、日本の家族制度はヤクザの親分子分にみられるように、世界にとってもっとも危険な存在なんだとさ。親分に対する絶対的な服従、すなわち父親に対する絶対的な服従だな。その究極に天皇制があるというんだ」
林さんは謎多き修羅である──。そんなことを思うと、雨に濡れて冷えた軀の奥が熱くなってきた。
「今日、九月二十六日仏滅の日に、ようやく姐さんの仇を討つことができました。親分、腑甲斐ない我々をお許しください。申し訳ありませんでした」
紘子といいましたか。城山組姐です。とっさに城山の前に立ちはだかり、銃弾をその身に受けたそうです。身を挺して弾よけとなったわけですね。
「はい。踊り子です。単純に賽と略す場合も多いのですが、栗山の兄貴は昔気質の博徒ですから踊り子と仰ったのでしょう」
「いま、広間で準備しているのは通し盆茣蓙と呼ばれるものでございます。盆茣蓙中央北側に中盆と壺振りが並んで座ります。その向かいに姐さんが、つまり親分が座ります。中盆壺振りの左右に半座と呼ばれる半方の座る席があり、親分側の左右に丁方の座る丁座がございます」
丁半賭博は古来より九半十二丁と称されてきた。賭場に出入りして最初に教えられるのが、賽子の四角六面は天地東西南北をあらわすということと、九半十二丁である。
つまりふたつの賽がだす目は全部で二十一あって、そのうち丁が十二あり、半が九つあるというのだ。
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占領下の新宿。城山は彼を慕う血気はやる若者に担がれ、城山組をたちあげる。新宿へと流れ着いた百合子は博徒・館岡組に身を寄せ、組長と結ばれる。一方、己の暴力衝動が抑えられなくなった林は米兵狩りを始め、彼らに襲われた百合子を助けたことが縁で、館岡組の食客となる。城山と林は百合子の凜とした美しさに惹かれていく――。極上の三角関係が奏でる闘争と恋情の瞬間。魂揺さぶるエンタメ巨編、いよいよ佳境へ!
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