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諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた1千万円の貯金とともに蒸発してしまった。人生に躓き挫折した夫、妻も仕事も金も希望も、すべて失った中年男を救うのは、ヤクザ者の義弟とソープ嬢!? 胸を打ち、魂を震わせる「再生」の物語。吉川英治文学新人賞受賞作品。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
最高!何が最高って上手く説明ができないけれど、とにかく良い小説だった。
内容はそんなことあり得るか?ってくらい陳腐なのだが、人物描写が上手く、登場人物がイキイキしている。特にアキラ。最初は厄介な存在だなぁと思っていたのだが(その時点で物語に入り込み、主人公の視点になっていた)、途中からは、ヤクザでさえ手に余るアキラの凶暴さながらにも徳雄に心を許していく様や、実は物事をよく考えていて、突飛な行動の裏にある優しさとかがたまらなく良い。物語が終わりに近づくにつれ、アキラとはもう会えないのかと寂しくなったほどだ。
さて、物語は実直なおっさんである徳雄が『みんな、月でした。がまんの限界です。さようなら』という意味深なメモを残し蒸発してしまった妻を、妻の弟であるアキラとソープ嬢と一緒に探すという話なのだが、初めは、みんな月ってどういう意味だろう?と、その答えを知りたくて読み進めていたが、途中からはそんなことを忘れ、登場人物たちに入り込んでいた。
ラストも良く、素敵な小説を読んだなぁという実感だけが強く残った。
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小説・文芸
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