【感想・ネタバレ】皆月のレビュー

あらすじ

諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた1千万円の貯金とともに蒸発してしまった。人生に躓き挫折した夫、妻も仕事も金も希望も、すべて失った中年男を救うのは、ヤクザ者の義弟とソープ嬢!? 胸を打ち、魂を震わせる「再生」の物語。吉川英治文学新人賞受賞作品。(講談社文庫)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

エグいのは苦手だ。でも目が離せなかった。頑張って読んで良かった。満足だ。本を読む楽しみを心の底から実感できた。

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2020年07月15日

Posted by ブクログ

ホントに遅ればせながら萬月氏初読。暴力とエロスのようなイメージだったので避けていたのだが、損した気分になりました。もっと早く読んでおくべきでした。読後の何と清々しいことでしょう。少し書き過ぎな部分や会話が弱い点もあるが、人物描写の力強さでそんなことは些末なことに感じました。阿刀田高氏の文庫本解説の冒頭の通り「よい小説は、よい」でした。

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2017年11月11日

Posted by ブクログ

最高!何が最高って上手く説明ができないけれど、とにかく良い小説だった。
内容はそんなことあり得るか?ってくらい陳腐なのだが、人物描写が上手く、登場人物がイキイキしている。特にアキラ。最初は厄介な存在だなぁと思っていたのだが(その時点で物語に入り込み、主人公の視点になっていた)、途中からは、ヤクザでさえ手に余るアキラの凶暴さながらにも徳雄に心を許していく様や、実は物事をよく考えていて、突飛な行動の裏にある優しさとかがたまらなく良い。物語が終わりに近づくにつれ、アキラとはもう会えないのかと寂しくなったほどだ。
さて、物語は実直なおっさんである徳雄が『みんな、月でした。がまんの限界です。さようなら』という意味深なメモを残し蒸発してしまった妻を、妻の弟であるアキラとソープ嬢と一緒に探すという話なのだが、初めは、みんな月ってどういう意味だろう?と、その答えを知りたくて読み進めていたが、途中からはそんなことを忘れ、登場人物たちに入り込んでいた。
ラストも良く、素敵な小説を読んだなぁという実感だけが強く残った。

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2016年12月26日

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ネタバレ

初めて読んだ花村萬月でした。
ものすごく好き。時々思い出しては何度も読みなおす再生の物語。
オッサン、アキラ、由美。
この3人はそれぞれが全く不完全で、どちらかというとかなり残念な部類の人たちなのかもしれない。でもお互いを必要とし、必要とされ、まるで真円を描くかの様に見える。
どうやったらこんな人間関係を築けるんだろう。3人の、微妙なバランスの上に保たれてるその完全すぎる絆がうらやまし過ぎて、眩し過ぎて、憧れることすら不遜に感じる。
それと、由美のキャラクターが素晴らし過ぎ。
こんないい女になりたかった。
「哀れんで、許す」
負けるでもなく、媚びるでもなく、あきらめるでもなく。
自分と反するものを、こんな風に受け入れて生きていく方法もあるんだ、と思った。

ちなみに、この後読んだ萬月作品はバイオレンスすぎて辛いものが多かったです(笑

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2013年01月20日

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性や暴力の描写が多い小説ですが、描いている世界やテーマはとても美しいと感じました。
エロやグロにより、返って小説自体の美しさが際だっているような気がします。
欲望や暴力性といった負の部分を認める事で初めてこの小説にあるように、人は月ではなく太陽になれるのかもしれません。

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2012年05月29日

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ネタバレ

映画「皆月」の原作。北村一輝が好きで、この作品のアキラ役がとっても良かったから、こちらも読んだら...良かった!思わず一気読み。
原作と映画はかなり違う設定もあるけど、原作のアキラの心理描写を読むと、堪らなく愛しい人だった。脳内では、アキラ=北村さんです!映画でもハマってたから、もっとアキラの描写を原作に近付けて欲しかった...
とっても頭が良いのに、とんでもないことばかりさらっとしてのける。「なにをするかわからない、正常じゃない男」、表情も変えず、義兄に暴行を働き前歯を折った男探し出して、同じように歯を折る...いや、それ以上の暴力をふるう。義兄が新しく暮らし始めたソープの女が詐欺に遭ったとしって、その相手を表情も変えずに鉄棒で滅多打ちにして殺す。
そんな男なのに、家族愛に飢えていて、義兄にははにかんだ笑顔を見せる。アキラの幼馴染の極道やソープの由美から言わせれば、義兄の気を惹きたい、好きなんだと。疑似父子のようなものにあこがれていたのかもしれない。
とにかく、アキラがたまらなく愛おしかった。

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2012年01月31日

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花村萬月にしては、エロと暴力の描写が大人しい。花村作品を初めて読む人にいいかも。それでも、読んでいると、自分の弱さとずるさに向き合わされるようで、心が波立つ。

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2012年01月22日

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これは何だかすごい
人間のどうしようもない生々しさをつきつけられて 自分の醜いところまで暴かれたような気持ちになるのに なぜか強烈にひきつけられる 読むのをやめられない
すばらしいです

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2011年11月08日

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先が全く読めない展開の中、所々で顔を出すアウトロウながら確固とした自分の生き方を持った人々の描写が秀逸だった。

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2021年08月15日

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エロスと暴力で主人公が奈落に落ちる
イヤミスタイプかと思いきや。。
義弟のアキラが当初嫌なやつでこいつが皆
不幸にするのかと一旦読むのを止めようか
と考えたが読み進めていく内意外な展開に。
女性が読んだらどう感じるかなあ。

終盤のロードムービー的な所楽しかったです。

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2020年07月24日

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奥さんに貯金を持ち逃げされたコンピュータおたくのダンナが、なぜかヤクザ者の義弟とソープ嬢とともに奥さんを捜すドタバタのような小説。おもしろかった。

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2016年02月11日

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ダメ人間達の人生再生物語。挫折あり 破壊行為あり 愛も裏切りもあり 人も死ぬ。

失なうものが何もない彼らの行動は社会性がなく はちゃめちゃだけど その分 子供のように単純で純粋と感じ うらやましくもなりました。
自分がリアルにそうなれるかと言われたらなれないと思うけど 読んでいる間 彼らと同化し そういう意味では小説ならではの体験、醍醐味を味わいました。

ストーリーは非現実的なところもあったけど 純粋で切なく 理屈では割り切れない部分を美しく読ませてくれました。

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2015年08月21日

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「みんな、月でした。がまんの限界です。さようなら」。この言葉を残して妻が突然いなくなります。 しょぼくれた40男が、新しい自分を発見していく物語です。中年版ビルドゥングスロマンというところでしょうか。自己再生ものの定番ですが、ロードノベルでもあります。

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2012年10月29日

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花村萬月の本は、暴走している。アウトサイダーの視点で、社会を破壊するような迫力がある。
この皆月は、物語として妙な雰囲気が漂っている。この主人公の諏訪徳雄は橋の建築設計士で、コンピュータ・オタクである。いわゆる真っ当なかたぎの人だ。その妻沙夜子は妙に影が薄い。沙夜子がコツコツ貯めた1千万円の貯金とともに蒸発してしまった。
 主婦がつまらなくなったのか。お金に目がくらんだのか。よくわからないが離れていく。
理由がわからないというのは、作者自身が意図したものだろう。しかし、なぜ追いかけねばならないのだろう。
 花村萬月は、セックスの場面の描写がうまいのである。官能小説の描写ではなく文学的なのだ。
しがない 中年の目線からのセックス。妻にうらぎられてソープの女に恋をする。純情なのだ。白い下着に欲情をおぼえて、自分で戸惑う。ニンゲンっておろかな生き物であることを自覚しても、どうしようもなくおろかなのである。人が好きになるということは、かくもおろかなことだと丁寧に説明するのにはなんともいえない。言い訳がましく、正当な生き方だと思い込もうとする。
 沙夜子の弟アキラはヤクザである。花村萬月の物語には、欠かせないキャラクターなのだろう。作者自身の投影がアキラなのかもしれない。そしてアキラを丹念に描く。
 アキラという青年のはにかみ、はじらい、なさけなさ、凶暴さ。いまどきこういう青年がいるかと思うほどの直情さ。直情があふれかえっている。問題を暴力的なチカラで解決しようとするところが、満月的なルールとして素敵としている。青年は暴力的でなければならないのだ。
 花村萬月の描き出す破天荒な世界が、文字できちんと構成されていることにたぐい稀な才能を感じる。萬月の言葉の豊饒さを堪能しつつ、自分がましな生き方をしているなぁという安心感を与えてくれる。

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2018年03月10日

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ネタバレ

リズムが良く最後まで一気に読み切れた。
終盤のテンポは特に秀逸で一気に読み進めた。
少し話は反れるが213ページ、我孫子の発言は本当に頷かされた。

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2012年07月18日

Posted by ブクログ

先に『ゲルマニウムの夜』を読んでいたので、アブノーマルなイメージが強かったが、『皆月』は爽やかな青春小説のような一面があった。

読後も依然として登場人物が頭の中で生きている。他者を思い浮かべる上で、その人が今現在、生きているか/いないかで相当な違いがあり、その人が生きているということは、その人の未来を想像できるということ。
『皆月』の主要三人物は未来に生きている。

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2012年06月12日

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先に、映画を観ていた。映画がかなり印象的だった。

小説は、映画とは多少異なっていた。最後のシーンとか。

花村萬月の作品は、好みはわかれると思われるけど、面白い。

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2011年11月18日

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『だが、納得したい。できうることなら、心の底からあきらめたい…だから…』

『高価な物など求めてはいなかったと思う。欲しいのは気持ちだ。それが夫婦というものではないか。』

『セックスは、終わる。私が射精をすることによって完結してしまう。しかし、こうしてふたりで支えあって歩いているぶんには、当分持続するだろう。』

『私を必要としている人間がいる。これほどの幸福が他にあるだろうか。』

『法律とかは関係ないの。なにをやろうとあたしの勝手よ。基本的にそう思ってるもん。』

『人間の性は、性欲を発散するためでもなく、子孫を残すためのものでもない。性の根元にあるのは、孤独だ。この世界にたった独りでいることに対する不安だ。だから、他人を求めるのだ。』

『世の中の馬鹿な人をいちいち相手にしていたら、何もできなくなっちゃうよ。』

『かまわない。生きている。問題ない。さあ、行こう』

『 ー わたしも、あなたも、アキラも、あのころわたしのまわりにいた人間は、みんなお月様だった。自分では光ることができず、他人の光を反射するのがやっと』

『あなたは嘘さえつかずに、ひたすら誠実な月だった。いつもおなじ面だけをわたしに向け続けた。あなたは自分の裏側、月の裏側を決してわたしに見せようとはしなかった。』

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2011年09月20日

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妻に逃げられた中年男、ソープ嬢、やくざ、、、、「暴力」「セックス」、、、萬月ワールドの原点がここにあり。

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2010年11月06日

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冴えないオッサンが人間臭くて、生きていると感じさせる。
SEXと尊厳と引きつった笑い顔。人間なんてそんなもんだと思う。情けない生き物だと思う。

月には月の良さがあると思う。

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2025年04月06日

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ある日突然妻に失踪された中年オヤジが妻を探す旅に出る。
その中で出会う非日常な人間たちと関わり合って行く中で本当の人との繋がりを見つけて行くヒューマンミステリー。
妻はなぜ失踪したのか、本当の理由を知った時、心が揺さぶられる気がした。
他人にはどうでも良いことでも、その人には全てであることもある。

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2023年09月05日

Posted by ブクログ

初読の作家さん。最後まで読んで、ぶっ飛んだ…。意味深な置手紙を残して消えた妻の、秘密とか真実をいろいろ勘ぐって読んでいたのだが、入り組んだ事情などは何にもなかった…。登場人物誰一人、まともな人がいないのも凄い。終始アキラに振り回されて終わった…。それでストーリー成立するんだから、アキラのキャラクター付けは凄い。ジェットコースターか。酔うわ。

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2017年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

評価は3。

内容(BOOKデーターベース)
諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた1千万円の貯金とともに蒸発してしまった。人生に躓き挫折した夫、妻も仕事も金も希望も、すべて失った中年男を救うのは、ヤクザ者の義弟とソープ嬢!? 胸を打ち、魂を震わせる「再生」の物語。吉川英治文学新人賞受賞作品。(講談社文庫)

非常に評価の良い作品なのだが個人的には今ひとつ。
最後まで諏訪が魅力的に思えなかった。
元ソープ譲の彼女や、アウトローでやんちゃなアキラが入れ込むほどの懐の大きさも見えず、かといって情けない男性から出る守ってあげたいオーラも感じられず・・・妻が出て行った「私の周囲の人は皆月だ。」の理由も全く理解出来ず。人騒がせにも程があるわ!

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2017年03月02日

Posted by ブクログ

ハードボイルドだけど切ない。
暴力とセックス満載だけど切ない。
登場人物の誰にも感情移入は出来ないけれど、
読み物としてはスンナリ入ってくる感じ。
でも不条理さを感じないことはない。
若いソープ嬢が、1~2回客として出会っただけの、
妻に逃げられたさえない中年男に入れこんじゃうものなのか、とか。(笑)

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2014年09月03日

Posted by ブクログ

時速100kmで走り始める→急ブレーキ→時速30kmまで落とす→アクセルをグッと踏む→時速100kmまで上げる→急ブレーキ→時速30kmまで落とす→100→30→100の繰り返し。

退屈なところもけっこう多かったけど、まあ、まあまあおもしろかったよ。

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2014年03月04日

Posted by ブクログ

人から本を借りるというのはいいもので、普段なら手に取らない本を読むことができる。いつも当たりじゃないのがミソだけれど。

というわけで、花村萬月。
再生ーと言ってもいいんじゃない?の作品だが、人は相性とも言える話である。
また他に貸してくれる人がいたら読むかな。

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2012年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めて花村作品を読ませていただきました。皆さんのレビューにもあるとおり全編を通して、「暴力とエロス」の世界観が散りばめられている。暴力のシーンは目を背けてしまうほど、血なまぐさい表現が印象的であった。アウトローな青年アキラと元ソープ嬢由美との出会いを通して、成長、再生していく主人公;諏訪徳雄の物語。

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2011年10月17日

Posted by ブクログ

ストーリーは良いが、文章が読みにくい。くたびれた中年オヤジが二十歳そこそこの女性と恋仲になり、次第にプライドを取り戻していくというストーリーや退廃的な雰囲気が「どうしようもない恋の唄」(草凪優)に似ている気がした。

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2011年06月03日

Posted by ブクログ

萬月の他の作品でも言ったと思うが、これが、萬月でなければ、
エロス、暴力が過ぎて敬遠してしまったろう。

必ずしも心地よくはないのだが引きこまれてしまう、
萬月なんなのだろう?

寂しさ、暖かさ、規格外、はみ出し物、そういったところに共感するのだろか?

初めは、読むのつらくてつらくて、死にたいほどで、
でも、ああ、やっぱり、生きてて良かった
そういう、後味がいいのかも。"

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2021年02月20日

Posted by ブクログ

諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた一千万円の貯金とともに蒸発してしまった。
人生に躓き挫折した夫、妻も仕事も金も希望も、すべて失った中年男を救うのは、ヤクザ者の義弟とソープ嬢!?胸を打ち、魂を震わせる「再生」の物語。

第19回吉川英治文学新人賞受賞作品。

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2016年10月04日

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