あらすじ
諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた1千万円の貯金とともに蒸発してしまった。人生に躓き挫折した夫、妻も仕事も金も希望も、すべて失った中年男を救うのは、ヤクザ者の義弟とソープ嬢!? 胸を打ち、魂を震わせる「再生」の物語。吉川英治文学新人賞受賞作品。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
初めて読んだ花村萬月でした。
ものすごく好き。時々思い出しては何度も読みなおす再生の物語。
オッサン、アキラ、由美。
この3人はそれぞれが全く不完全で、どちらかというとかなり残念な部類の人たちなのかもしれない。でもお互いを必要とし、必要とされ、まるで真円を描くかの様に見える。
どうやったらこんな人間関係を築けるんだろう。3人の、微妙なバランスの上に保たれてるその完全すぎる絆がうらやまし過ぎて、眩し過ぎて、憧れることすら不遜に感じる。
それと、由美のキャラクターが素晴らし過ぎ。
こんないい女になりたかった。
「哀れんで、許す」
負けるでもなく、媚びるでもなく、あきらめるでもなく。
自分と反するものを、こんな風に受け入れて生きていく方法もあるんだ、と思った。
ちなみに、この後読んだ萬月作品はバイオレンスすぎて辛いものが多かったです(笑
Posted by ブクログ
映画「皆月」の原作。北村一輝が好きで、この作品のアキラ役がとっても良かったから、こちらも読んだら...良かった!思わず一気読み。
原作と映画はかなり違う設定もあるけど、原作のアキラの心理描写を読むと、堪らなく愛しい人だった。脳内では、アキラ=北村さんです!映画でもハマってたから、もっとアキラの描写を原作に近付けて欲しかった...
とっても頭が良いのに、とんでもないことばかりさらっとしてのける。「なにをするかわからない、正常じゃない男」、表情も変えず、義兄に暴行を働き前歯を折った男探し出して、同じように歯を折る...いや、それ以上の暴力をふるう。義兄が新しく暮らし始めたソープの女が詐欺に遭ったとしって、その相手を表情も変えずに鉄棒で滅多打ちにして殺す。
そんな男なのに、家族愛に飢えていて、義兄にははにかんだ笑顔を見せる。アキラの幼馴染の極道やソープの由美から言わせれば、義兄の気を惹きたい、好きなんだと。疑似父子のようなものにあこがれていたのかもしれない。
とにかく、アキラがたまらなく愛おしかった。
Posted by ブクログ
リズムが良く最後まで一気に読み切れた。
終盤のテンポは特に秀逸で一気に読み進めた。
少し話は反れるが213ページ、我孫子の発言は本当に頷かされた。
Posted by ブクログ
評価は3。
内容(BOOKデーターベース)
諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた1千万円の貯金とともに蒸発してしまった。人生に躓き挫折した夫、妻も仕事も金も希望も、すべて失った中年男を救うのは、ヤクザ者の義弟とソープ嬢!? 胸を打ち、魂を震わせる「再生」の物語。吉川英治文学新人賞受賞作品。(講談社文庫)
非常に評価の良い作品なのだが個人的には今ひとつ。
最後まで諏訪が魅力的に思えなかった。
元ソープ譲の彼女や、アウトローでやんちゃなアキラが入れ込むほどの懐の大きさも見えず、かといって情けない男性から出る守ってあげたいオーラも感じられず・・・妻が出て行った「私の周囲の人は皆月だ。」の理由も全く理解出来ず。人騒がせにも程があるわ!