花村萬月のレビュー一覧

  • たった独りのための小説教室

    やけにお高い、お値段が

    作者さんは根がお人よしなのが良くわかりました。
    ディケンズや吉川英治と同じに括られないにしても近い生い立ちなのかもしれません。
    お好みで
  • 父の文章教室

    はじめのところ

    お試しで読める箇所ですが、犬の躾の話があります。
    躾けるつもりが、どつくのを楽しむようになっていた。
    しつけの目的である他人様に悪さをするような事はないので、
    躾はやめた。この辺が偉いと思いました。また、
    親が子供を躾ける際も、同じようなことしてる親がいるのではないか。

    そうして躾けられた子供は、...続きを読む
  • 自由に至る旅 ――オートバイの魅力・野宿の愉しみ

    真似は出来ません

    若い頃からやんちゃして、ちょっと真似できないです。
    ゲルマニウム、、のタイトルは聞いたことありましたが、
    花村作品を購入、読んだのは本作品が初めて。
    若い頃から読んどきゃよかったですね。

    CB750、CB450、GSX250、Z2、ホーク2、XL125あたりが出てきますが、
    そのほかに乗り継いだ、...続きを読む
  • 夜半獣
    不思議な力に導かれて槇ノ原にやってきた省悟君が夜半獣として活躍していく奇想天外なエンタメ長編。エログロ、バイオレンス、ジェノサイドをダジャレのマシンガントークで包んだよう。『槇ノ原戦記』とは少しテイストが異なるが、凄く面白かった。
    『槇ノ原戦記』の登場人物のその後を知れて良かったです。花村さんの他の...続きを読む
  • ワルツ(上)
    昭和20年。戦後の空気感が映像もない、文字だけの世界で情景がリアルに伝わる。
    常に「死」というもが隣り合わせの混沌とした状況。
    戦争の敗北により今まで正解だと思っていたことが不正解になり、不正解だと思っていたことが正解になる。まさに革命元年。
    そんな時代の日本で、懸命に生きようとした3人が織りなすワ...続きを読む
  • たった独りのための小説教室
    好きな作家さんが冒頭の切れ味鋭くぶった切る文章を引用していらして、ものすごく読んでみたくなったので読みました。
    読んで良かったです。あまりに鋭すぎてグサグサ刺さったりその通りですねと苦笑したりしながら読みました。御本人が優れた作家さんであると同時にたくさんの新人賞の選考を行っていたので言葉の重みがガ...続きを読む
  • 対になる人
    二段組で375ページ。なかなかの大作だと思います。にも拘わらず、ほぼ一気読みでした。初の花村萬月の作品。読み応えも大作のそれでした。

    解離性同一性障害のヒロイン紫織と語り手である作家の菱沼逸郎。この逸郎にも「悪い逸郎」という別な自分がいる。
    この逸郎は著者の花村萬月のことであろう、この作品じたい、...続きを読む
  • 弾正星
    今月の二冊目は、花村満月氏の「弾正星」。
    氏の小説はかなり読んでいるが、時代小説は初めてだ。
    戦国大名にのし上がる松永弾正久秀の生き方から、花村氏の基本的テーマである「悪」、「神」が綴られる。
    内容は省くが、相変わらずの激しい世界観が弾正を通じて描かれている。
    茶道具の価値観を生み出す方法などは、現...続きを読む
  • ハイドロサルファイト・コンク

    壮絶

    最後に  「フィクションです」 とある通り、小説ではある。だけど、病気の部分は限りなく真実の壮絶な闘病記。気持ちの揺れの表現がさすがで、じわりと滲みてくる。
    花村氏の未来の幸福幸運を祈らずにはいられない。
  • ゲルマニウムの夜 王国記 I
    思わず吐き気を催しそうな表現に辟易しながらも読み進めてしまえる不思議な感覚。ふと思い出して再読しました。
    他人の言動や行動にふと、謂れのない怒りを彷彿させ冒涜の限りを尽くす姿に何故か愛おしさとか、なんとも言えない感情が出てきます。
  • 対になる人
     実に久しぶりに読む花村萬月作品。花村さんは、ぼくより一つ年上の作家で、ほぼ同世代。最初にお会いしたのは歌舞伎町の文壇バーみたいな店。こちらは文芸評論家・関口苑生氏他とカウンター。花村先生は集英社の方とテーブル席。ハードボイルド作品『眠り猫』が出たばかりだった。
     
     それを機にぼくは花村作品の虜と...続きを読む
  • ワルツ(中)
    有言実行のかっこよさよ。顔の良さってつまんないと思う。肉体的にデリケートで緻密なかんじがするセクシャリティを感じさせる、ようは欲情する男性女性とは精神もまたそうなんでしょ。理解しなくても色気とは肌で感じるものである。
  • ワルツ(上)
    憎しみいっぱいに人を愛すとはどういうことか。花村先生の本を読むたび思う。愛されたいと思わない恋愛はフィクションでしかない。リアルな恋愛はえげつない。憎しみと向き合えるのか。
  • 皆月
    エグいのは苦手だ。でも目が離せなかった。頑張って読んで良かった。満足だ。本を読む楽しみを心の底から実感できた。
  • ブルース
    タンカーのスラッジ清掃を請け負う村上は、船内で仲良くなった崔を、ボスである徳山に殺される。それは面白半分や恨みではなく、村上をめぐる嫉妬からであった。横浜に戻り、ドヤ街からふとしたきっかけで、ライブバーMOJOで実力はシンガー綾と出会うが、綾もまた徳山の可愛がる1人であった。

    花村萬月だねえ。ボリ...続きを読む
  • ワルツ(上)
    知人と同時に読み始め、大興奮の小説だった。
    主要人物三人の熱い魂に胸揺さぶられた。
    作者の戦争への洞察が鋭い。
  • 萬月な日々
    花村萬月。20代初頭に心を鷲づかみにされた作家だ。

    きっかけは、芸人笑い飯の西田さんが好きというのを何かで読んだことだった。

    当時(今でもか)、自己顕示欲が人一倍強いのに結果何一つできていなかった自分に
    花村萬月の小説は、前に星空が広がりくらくらするようなメガトンパンチを食らわせた。

    ナイーブ...続きを読む
  • 父の文章教室
    花村萬月流の素養の遍歴と言った感じ。現役作家の素養の遍歴を開示することが、読者にとっての参照点になるのかなという感じ。花村さんの思う小説とか文章を成り立たせるものはなにかを変に謙遜すること無くスパッと言っていてスッキリする。反撥してもいいと思うし、頷いてもいい。個人的にはわかりやすくて面白かったかな...続きを読む
  • ゲルマニウムの夜 王国記 I
    ピカレスクロマンとジャンル分けはできるのかもしれないけれど、ジャンル分けって不毛だなと思うだけの中身があるような気がする。読まれるべき毒のある小説だと思う。
  • 皆月
    ホントに遅ればせながら萬月氏初読。暴力とエロスのようなイメージだったので避けていたのだが、損した気分になりました。もっと早く読んでおくべきでした。読後の何と清々しいことでしょう。少し書き過ぎな部分や会話が弱い点もあるが、人物描写の力強さでそんなことは些末なことに感じました。阿刀田高氏の文庫本解説の冒...続きを読む