花村萬月のレビュー一覧

  • 決戦!桶狭間

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    『天祐は信長にあり』シリーズは長篠の戦いまで読み進めてしまったが、時を遡り『決戦!』シリーズで桶狭間を読みたいと思った。冲方丁が信長を語り、並み居る作家が今川義元、氏真を語る構成の妙。当たり前だが、正義はそれぞれの立場にあるのだ。元康(家康)は義元を慕っていたが、氏真は嫌っていた。だから信長に与した……そう考えるのが自然なような気がした。最後に首だけになった義元の思念「漸く、見えた。」は、句点なし、段落なしの長文で筒井康隆を彷彿とさせる文章だった。良し悪しは別としてだが……

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    2025年12月10日
  • たった独りのための小説教室

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    ☆3.5 毒に充ちた本
     良い本だ。
     だけど、一息に読まうとすると疲れてしまふ。花村が治療時にベッドのうへで書いたものだからかもしれないけど、それにしても息がつまるのだ。

     小説の具体的な書きかたぢゃなくて、精神上。いや具体的な話はあるのだけど、ここをかうしろああしろとかいった、細かいことは書いてない。すくなくとも虚構を売り物にしたいのなら、こころにとどめておけ。といったもの。
     比喩を減らせ。とか、セックスは起承転結だからセックスを書け。とか。

     それはさうだよな。私もいぢはるになるけど、この本はやはり全面的にただしい。ただ文学志望者を打ち砕く。

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    2025年10月26日
  • なかで、ごめんね

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    ネタバレ 購入済み

    花村版、夏子の冒険

    夏子の冒険は、三島由紀夫のラノベです。
    とんがった話ばかり書いていたら、書き手も飽きますわね。
    でJKが主役のラノベと、多分男性向け。
    エロもそこそこ、ラノベですから。
    AMGとスバルで終わってるのが残念。
    カブにも出てきて欲しかった。
    お好みで。

    蛇足
    三島の作品は、日本語版は遺族が差し押さえしてるそうで、電子化されてないようです。
    但し、英語版まで版権を押さえるおつむが遺族には無いようで、英語版なら入手は可能らしい。
    三島は英語で読もうとは思わないけど。
    漱石の草枕の英語版は見事でしたがね。元が良い上に翻訳家の腕も良い。
    グルードが惚れ込むわけです。

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    2025年10月09日
  • たった独りのための小説教室

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    これを読んで、私は小説家にはなれないと理解しました。この本を読むに相応しい「たった一人」が現れることを切に願います。

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    2024年09月15日
  • 姫

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    戦国✖️吸血鬼だイェーイ!と思ったら宇宙を創った意識?だとか予想外な方向に行った。
    超能力集団バトルは楽しい。
    あと黒田官兵衛が出てこない!なぜだ!

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    2024年08月24日
  • 帝国

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    約3億年前、国境線を示す高い壁に守られていたミスボラ帝国。超絶虚構の世界を舞台に描かれていくのは、物理に言祝がれた男が会得する宇宙と生命のリアルなヴィジョン…。

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    2023年11月12日
  • 槇ノ原戦記

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    羣馬県の僻地である上槇ノ原が舞台となる。
    その上槇ノ原で生まれ、神がかった力を持つ美しい双子の姉妹、靜と綾が主人公となって、上槇ノ原を戦いから守るために凄惨な生き方を先導して行く物語だ。
    
舞台となる静かな上槇ノ原に、突如ボーキサイト鉱が発見された。
    戦争に向かって突き進む日本は、戦闘機の材料需要から大規模な鉱山開発を行うため、多くの兵隊と鉱夫としての囚人を上槇ノ原へ送り込む。
    その後日本は開戦を迎え、戦況の悪化に伴って徐々に配給物資も途絶えがちになり、やがて僻地の上槇ノ原は飢餓地獄に陥る。
    双子の姉妹である靜と綾は、上槇ノ原の人達を守るため、長年対立していた隣の下槇ノ原と鉱山の兵隊・囚人達と

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    2023年08月08日
  • 夜半獣

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    気付けば無人の車両に乗り、不思議な郷・上槙ノ原にたどり着いた省悟。やがて上槙ノ原と下槙ノ原の抗争に巻き込まれた省悟は、「夜半獣」として圧倒的な力を得て、村民から敬われる存在となり…。

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    2023年04月20日
  • 決戦!桶狭間

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    『どうする家康』桶狭間の戦い!面白さを増幅するストーリー揃い。オススメのアンソロジー。決戦!シリーズの第5弾。桶狭間の限定された時空に凝縮された義元の首を巡る七つの物語。どれも傑作です。七つ目の物語が首になった義元の語りになっていますが、こちらの読む気力が無く、評価できませんでした。
     六つの物語を評価すると5点満点中、平均は4.8点になりました。
    ①覇舞謡 幸若舞の敦盛をバックミュージックに信長公記を素直に解釈した作品。斬新性は有りませんが、冒頭にあることで、桶狭間の戦いのガイドストーリーになっています。 4点
    ②いのちがけ 信長の勘気を被っていた前田利家の主従の物語。ネタバレ出来ない傑作。

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    2023年01月09日
  • 姫

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    颱風と火事により、壱岐の儺島(おにやらいじま)の支倉は壊滅する。
    ただ一人生き残った網元の利兵衛は、颱風によって漂流してきた巨大な南蛮船に乗り込むが無人だった。
    その船底に多くの棺が並んでいて、「異国人の死体らしきもの」が収められている。
    さらに一際目立つ黄金の棺を開けると「赤ん坊らしきもの」が横たわっていて、思わず利兵衛が抱き上げると同時に「赤ん坊らしきもの」は息を吹き返す。
    利兵衛は「赤ん坊らしきもの」に『姫』と名付け、何故か自らの指を切り裂き、己の血を『姫』に吸わせながら、今後娘として育てることを決意する。
    その後『姫』は見る間にこの世のものとは思えぬ程の麗しき美女に成長し、利兵衛との関

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    2022年08月09日
  • 夜を撃つ

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    臭う。臭う。臭う。
    花村萬月の小説はどれもこれも臭う小説ばかりだ。
    この「夜を撃つ」も飛び切りに人間臭い小説だ。

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    2022年03月05日
  • 續 信長私記

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    続の方は子どもから大人に成長し威厳がありながらも人間らしい嫌悪で人を見ている。心の成長を読んでる気がした。

    心のうちを知る信長も新鮮で面白かった。

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    2021年11月09日
  • 皆月

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    先が全く読めない展開の中、所々で顔を出すアウトロウながら確固とした自分の生き方を持った人々の描写が秀逸だった。

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    2021年08月15日
  • 弾正星

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    主人公は、稀代の戦国大名、松永久秀。

    麒麟が来る!(大河ドラマ)と、重なり、
    とても、面白く読めました。
    やっぱり、花村萬月、凄いなあ。
    信長私記を、思い出させるラスト。

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    2021年01月31日
  • ブルース

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    これは、魂の奥底をくすぐるような秀作(すごい表現)。一気読み。
    これでまた、花村萬月という作家が解らなくなった。というよりも一層のファンになってしまったとでも言おうか。
    エログロがないのもいい。何よりも、タイトルの通りの、殺風景な街角からブルースが流れてくるようなイメージと、巨大タンカーの船底から響くエンジン音と、荒れ狂う海の咆哮を感じる事ができるのだ。そして、村上と徳山のお互い惹かれつつも、距離をおいていく絆、最後のシーンでは涙、涙だった。
    久しぶりに感動本に巡り会えたような気がする。草葉の虫の声にも、じっと耳を傾けることができた、いい秋の夜長だった。

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    2021年01月26日
  • くちばみ

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    エロでグロで冷徹な作者が描く斎藤道三三代記。

    花村萬月が書く斎藤道三が面白くないわけがないと思って手に取ったが、期待は裏切らない。

    最新の学術的発見とは合わないと作中で弁解しているが、題材となる史実をしっかり手をかけて料理している。

    エピローグとなる斎藤義龍と奈良屋を継ぐ異母兄との会談は本書の主題を象徴している。

    それにしてもあと書きにある奈良屋の末裔の正体が気になる。

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    2021年01月19日
  • 日蝕えつきる

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    5人の男女が日蝕の時に生を終わらせる。
    5人はお互い面識はないが、偶然にも、悲惨な境遇で死を迎える。
    この世は何かしら因縁めいたつながりがあるのかもしれない。浅間山の噴火と青ヶ島の噴火が地球の活動で繋がっているように。

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    2020年11月18日
  • くちばみ

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    おもしろかった!!斎藤道三のバイオグラフィ。諸説あるところは、これこれの理由でこの説を採用したというような作者の考えも所々に挿入されているが、違和感もないし、興をそがれることもなく、いいテンポで読める。多くの才能が列挙した時代、道三というとヴァレンティーノ公のイメージ、毒殺王みたいなのが付与されてしまっているが、秀吉とは違うタイプの人誑しの才能が描かれていて、大変興味深い。残念なのは後半、ざっくりと急ぎ足になってしまっていて、ちょっと物足りなさを感じた。
    美男としても有名なのだが、個人的にこの時代の美形というと高貴な容姿というか、引目鉤鼻瓜実顔、いわゆる下膨れで色白な”色男”の想像をしていたが

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    2020年11月10日
  • ヘビィ・ゲージ

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    2020年、26冊目は、完全初読みの花村萬月の短編集。六編収録。

    歓喜の歌:引退を決意したバイクレーサーの話。

    ドランカー:ボクサーとキャバ嬢の恋の物語。

    狐の秋:北海道をバイクでツーリングしている男の話。

    せいじ:ある夫婦の夜の営みの物語。

    さよなら三十分:理屈っぽい高校生の話。

    ナッシング・バット・ザ・ブルース:渡米した邦人、ブルース・ギタリストの物語。

    『ヘビィ・ゲージ』と言うタイトル作はありません。ただ、「ナッシング・バット・ザ・ブルース」に登場する黒人ブルース・ギタリスト、ジョニー・Oのリバース・ファイア・バードに張られている弦のこと。太くて張力の強い弦。しかし、なかな

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    2020年08月04日
  • 皆月

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    エロスと暴力で主人公が奈落に落ちる
    イヤミスタイプかと思いきや。。
    義弟のアキラが当初嫌なやつでこいつが皆
    不幸にするのかと一旦読むのを止めようか
    と考えたが読み進めていく内意外な展開に。
    女性が読んだらどう感じるかなあ。

    終盤のロードムービー的な所楽しかったです。

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    2020年07月24日