花村萬月のレビュー一覧
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☆3.5 毒に充ちた本
良い本だ。
だけど、一息に読まうとすると疲れてしまふ。花村が治療時にベッドのうへで書いたものだからかもしれないけど、それにしても息がつまるのだ。
小説の具体的な書きかたぢゃなくて、精神上。いや具体的な話はあるのだけど、ここをかうしろああしろとかいった、細かいことは書いてない。すくなくとも虚構を売り物にしたいのなら、こころにとどめておけ。といったもの。
比喩を減らせ。とか、セックスは起承転結だからセックスを書け。とか。
それはさうだよな。私もいぢはるになるけど、この本はやはり全面的にただしい。ただ文学志望者を打ち砕く。 -
ネタバレ 購入済み
花村版、夏子の冒険
夏子の冒険は、三島由紀夫のラノベです。
とんがった話ばかり書いていたら、書き手も飽きますわね。
でJKが主役のラノベと、多分男性向け。
エロもそこそこ、ラノベですから。
AMGとスバルで終わってるのが残念。
カブにも出てきて欲しかった。
お好みで。
蛇足
三島の作品は、日本語版は遺族が差し押さえしてるそうで、電子化されてないようです。
但し、英語版まで版権を押さえるおつむが遺族には無いようで、英語版なら入手は可能らしい。
三島は英語で読もうとは思わないけど。
漱石の草枕の英語版は見事でしたがね。元が良い上に翻訳家の腕も良い。
グルードが惚れ込むわけです。
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羣馬県の僻地である上槇ノ原が舞台となる。
その上槇ノ原で生まれ、神がかった力を持つ美しい双子の姉妹、靜と綾が主人公となって、上槇ノ原を戦いから守るために凄惨な生き方を先導して行く物語だ。
舞台となる静かな上槇ノ原に、突如ボーキサイト鉱が発見された。
戦争に向かって突き進む日本は、戦闘機の材料需要から大規模な鉱山開発を行うため、多くの兵隊と鉱夫としての囚人を上槇ノ原へ送り込む。
その後日本は開戦を迎え、戦況の悪化に伴って徐々に配給物資も途絶えがちになり、やがて僻地の上槇ノ原は飢餓地獄に陥る。
双子の姉妹である靜と綾は、上槇ノ原の人達を守るため、長年対立していた隣の下槇ノ原と鉱山の兵隊・囚人達と -
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『どうする家康』桶狭間の戦い!面白さを増幅するストーリー揃い。オススメのアンソロジー。決戦!シリーズの第5弾。桶狭間の限定された時空に凝縮された義元の首を巡る七つの物語。どれも傑作です。七つ目の物語が首になった義元の語りになっていますが、こちらの読む気力が無く、評価できませんでした。
六つの物語を評価すると5点満点中、平均は4.8点になりました。
①覇舞謡 幸若舞の敦盛をバックミュージックに信長公記を素直に解釈した作品。斬新性は有りませんが、冒頭にあることで、桶狭間の戦いのガイドストーリーになっています。 4点
②いのちがけ 信長の勘気を被っていた前田利家の主従の物語。ネタバレ出来ない傑作。 -
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颱風と火事により、壱岐の儺島(おにやらいじま)の支倉は壊滅する。
ただ一人生き残った網元の利兵衛は、颱風によって漂流してきた巨大な南蛮船に乗り込むが無人だった。
その船底に多くの棺が並んでいて、「異国人の死体らしきもの」が収められている。
さらに一際目立つ黄金の棺を開けると「赤ん坊らしきもの」が横たわっていて、思わず利兵衛が抱き上げると同時に「赤ん坊らしきもの」は息を吹き返す。
利兵衛は「赤ん坊らしきもの」に『姫』と名付け、何故か自らの指を切り裂き、己の血を『姫』に吸わせながら、今後娘として育てることを決意する。
その後『姫』は見る間にこの世のものとは思えぬ程の麗しき美女に成長し、利兵衛との関 -
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これは、魂の奥底をくすぐるような秀作(すごい表現)。一気読み。
これでまた、花村萬月という作家が解らなくなった。というよりも一層のファンになってしまったとでも言おうか。
エログロがないのもいい。何よりも、タイトルの通りの、殺風景な街角からブルースが流れてくるようなイメージと、巨大タンカーの船底から響くエンジン音と、荒れ狂う海の咆哮を感じる事ができるのだ。そして、村上と徳山のお互い惹かれつつも、距離をおいていく絆、最後のシーンでは涙、涙だった。
久しぶりに感動本に巡り会えたような気がする。草葉の虫の声にも、じっと耳を傾けることができた、いい秋の夜長だった。 -
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おもしろかった!!斎藤道三のバイオグラフィ。諸説あるところは、これこれの理由でこの説を採用したというような作者の考えも所々に挿入されているが、違和感もないし、興をそがれることもなく、いいテンポで読める。多くの才能が列挙した時代、道三というとヴァレンティーノ公のイメージ、毒殺王みたいなのが付与されてしまっているが、秀吉とは違うタイプの人誑しの才能が描かれていて、大変興味深い。残念なのは後半、ざっくりと急ぎ足になってしまっていて、ちょっと物足りなさを感じた。
美男としても有名なのだが、個人的にこの時代の美形というと高貴な容姿というか、引目鉤鼻瓜実顔、いわゆる下膨れで色白な”色男”の想像をしていたが -
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2020年、26冊目は、完全初読みの花村萬月の短編集。六編収録。
歓喜の歌:引退を決意したバイクレーサーの話。
ドランカー:ボクサーとキャバ嬢の恋の物語。
狐の秋:北海道をバイクでツーリングしている男の話。
せいじ:ある夫婦の夜の営みの物語。
さよなら三十分:理屈っぽい高校生の話。
ナッシング・バット・ザ・ブルース:渡米した邦人、ブルース・ギタリストの物語。
『ヘビィ・ゲージ』と言うタイトル作はありません。ただ、「ナッシング・バット・ザ・ブルース」に登場する黒人ブルース・ギタリスト、ジョニー・Oのリバース・ファイア・バードに張られている弦のこと。太くて張力の強い弦。しかし、なかな