あらすじ
信長絶頂期。嵐で破壊し尽された離島に巨大南蛮船が漂着。船内には無数の棺、そして一人の赤子がいた。島の網元・利兵衞はその赤子を「姫」と名付け育てる。たちまち美しく育った姫は人外の存在であり、特殊な能力が備わっていた。姫は利兵衞の小さな夢を叶えるべく、自らの力で信長、秀吉、家康ら、時の支配者たちを操り、異形の仲間と各地で凄絶な戦闘を繰り広げていく――。史実と伝説が織りなす狂瀾の戦国活劇、開幕!
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Posted by ブクログ
戦国✖️吸血鬼だイェーイ!と思ったら宇宙を創った意識?だとか予想外な方向に行った。
超能力集団バトルは楽しい。
あと黒田官兵衛が出てこない!なぜだ!
Posted by ブクログ
颱風と火事により、壱岐の儺島(おにやらいじま)の支倉は壊滅する。
ただ一人生き残った網元の利兵衛は、颱風によって漂流してきた巨大な南蛮船に乗り込むが無人だった。
その船底に多くの棺が並んでいて、「異国人の死体らしきもの」が収められている。
さらに一際目立つ黄金の棺を開けると「赤ん坊らしきもの」が横たわっていて、思わず利兵衛が抱き上げると同時に「赤ん坊らしきもの」は息を吹き返す。
利兵衛は「赤ん坊らしきもの」に『姫』と名付け、何故か自らの指を切り裂き、己の血を『姫』に吸わせながら、今後娘として育てることを決意する。
その後『姫』は見る間にこの世のものとは思えぬ程の麗しき美女に成長し、利兵衛との関係は父と娘の関係を超えて男と女となり、そしてお互いは強い絆で結ばれて行く。
やがて二人は島を出ることとなり、後に『姫』の摩訶不思議なチカラで信長、秀吉、家康を天下人に導くのだが、その真意は⋯⋯。
物語が進むにつれ、利兵衛は『姫』から多くの「真」を学ぶことにより、『姫』は人間を遥かに超えた大きなチカラを擁した存在であることを悟る。
Posted by ブクログ
戦国の世、信長、秀吉、家康を裏で操るのはビッグバンより生き続ける美しき吸血鬼。姫のキャラは物語シリーズの忍野忍を想起させる。やりようによってはもっと面白くなった気がする。惜しい。
Posted by ブクログ
花村萬月の戦国物といえば道三を描いた「くちばみ」があるが、本書はさらに吸血鬼物でもある。
中盤のキリストと出会うまでの展開は緊迫感もあり面白いが、明らかにされる姫の正体や終盤の対決はやや荒唐無稽。
ユダよりキリストを低く見る立場は「百億の昼と千億の夜」を思い起こす。