花村萬月のレビュー一覧

  • 皆月

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    最高!何が最高って上手く説明ができないけれど、とにかく良い小説だった。
    内容はそんなことあり得るか?ってくらい陳腐なのだが、人物描写が上手く、登場人物がイキイキしている。特にアキラ。最初は厄介な存在だなぁと思っていたのだが(その時点で物語に入り込み、主人公の視点になっていた)、途中からは、ヤクザでさえ手に余るアキラの凶暴さながらにも徳雄に心を許していく様や、実は物事をよく考えていて、突飛な行動の裏にある優しさとかがたまらなく良い。物語が終わりに近づくにつれ、アキラとはもう会えないのかと寂しくなったほどだ。
    さて、物語は実直なおっさんである徳雄が『みんな、月でした。がまんの限界です。

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    2016年12月26日
  • 武蔵(三)

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    2年ぶりの続編では前回よりエロ度がアップ。読む場所は考えた方がよさそうです(笑。道林坊のキャラにはそこはかとなく既視感があるなぁと思ってたら、「ラブだねぇ」の人でした。

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    2014年03月11日
  • 二進法の犬

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    えぐいシーンが強烈すぎて辛いんだけど、結局、泣かされた。小説で泣かされるのは滅多にないから、ものすっごい揺さぶられたんだなと思う。が、辛すぎる……。シーンごとに読み返したくなるところも沢山あるけど。中嶋、中嶋愛しいよーー!!!

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    2013年09月28日
  • 色

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    色をタイトルにした9の短編。「青」はギター弾きならもっと楽しめただろうな。自伝的短編集なんだけど、「自分」の見方がすごくうまいというか説得力が半端ない。
    「紫」と「灰」が好きかな。

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    2013年08月17日
  • 皆月

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    ネタバレ

    初めて読んだ花村萬月でした。
    ものすごく好き。時々思い出しては何度も読みなおす再生の物語。
    オッサン、アキラ、由美。
    この3人はそれぞれが全く不完全で、どちらかというとかなり残念な部類の人たちなのかもしれない。でもお互いを必要とし、必要とされ、まるで真円を描くかの様に見える。
    どうやったらこんな人間関係を築けるんだろう。3人の、微妙なバランスの上に保たれてるその完全すぎる絆がうらやまし過ぎて、眩し過ぎて、憧れることすら不遜に感じる。
    それと、由美のキャラクターが素晴らし過ぎ。
    こんないい女になりたかった。
    「哀れんで、許す」
    負けるでもなく、媚びるでもなく、あきらめるでもなく。
    自分と反するも

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    2013年01月20日
  • ゲルマニウムの夜 王国記 I

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    良い意味でクレイジー。宗教的な題材ゆえ、うまく説明できないが、聖性と暴力という、対極に位置する要素を結節している点が巧みである。本作の舞台「王国」は宗教施設=聖域なのであるが、そこに漂うのは聖性ではなく暴力性である。また、主人公・瓏はタブーを犯し、神父にも神を愚弄するような質問をぶつけている。あきらかに「反宗教的」な人物ではあるが、しかし不思議なことに、どこか宗教的・哲学的な匂いもしている。暴力で宗教を描き、宗教で暴力を描いているのである。このようなアンビヴァレンツにうんと唸らされてしまった。また、巻末の対談も非常に興味深い。本文は人を選ぶ内容だと思うので、受けつけない場合はこちらだけでも読む

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    2013年01月10日
  • 犬・犬・犬 4

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    生まれながらに人間性と言うものが欠落してる事に因って非情な人間として描かれる人物を読むと、どうしても彼がどうしてこう言う人間なのか、と言う事を理屈で理解したくて悶々と考えてしまう。痛いと感じるのは、彼の周辺の人間が破滅へ向かって行く様が読者の自分には見えてしまうからだろうなぁ。

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    2013年01月08日
  • 犬・犬・犬 5

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    とても痛かった…読んでる方が感じる痛さを感じられないマヒケンが更に痛かった。何も感じないと言う事は、愛情すら感じられないと言う事なんだなぁ…

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    2013年01月07日
  • 二進法の犬

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    かなり面白い
    ヤクザがよく出てくる話。
    男の仁義がよく書かれていて、賭博のシーンも男なら熱くなって読んでしまう。
    そして、中盤にかけてのヌルい恋愛小説が入ったと思ったら....
    終盤は衝撃の連続
    全体的に生臭い。そこが痺れる

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    2012年12月30日
  • 渋谷ルシファー

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    堕天使という言葉に惹かれて買った。
    メディアテークで行われているらしい読書会の課題図書のひとつ。
    Twitterで見つけた本

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    2012年10月21日
  • 私の庭 北海無頼篇(上)

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    浅草篇→蝦夷地篇→北海無頼篇と続く三部作の最終巻。
    色々と超越している権介、元介はともかく、不器用で弱くて人間くさい茂吉がどうなるのか知りたくてずっと読み続けてきた。
    ラストは涙無しでは読めない。間違いなく傑作。

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    2012年08月16日
  • 二進法の犬

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    ネタバレ

    ちょっとエロが多いのが個人的には嫌なのですが、博徒の勝負の緊張感ですとか倫子が倒れてからの緊張感・スピード感は凄いです。読書苦手な私が読む手止まらず徹夜して読破してしまいました。今でもたまに読み直している、とても好きな作品です。

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    2012年08月05日
  • 風に舞う

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    凝り固まった感情を絞り出すようにぶつけてくる小説です。

    方法はけして上品ではないけれど、嫌な部分を全部吐き出したような爽快感があります。

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    2012年07月19日
  • ブルース

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    本の面白さを初めて実感した作品。
    この作品のもつ熱量に圧倒されたのを覚えています。
    子供だったのかな。いま読んだら・・・久々に読んでみるかな。

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    2012年07月11日
  • ゲルマニウムの夜 王国記 I

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    祈りの反復(同じ言葉を同じリズムで唱える)ことと、性行為の反復はイコールではないか。それは自我なき反復、快楽の本質であり至上ではないか。

    果敢な真理探究の姿勢と、思わず唸ってしまうような力強い文章。
    清濁を“ぶちこんだ”ような、「混沌」とした物語を読み終えた後、しばし放心状態でした。

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    2012年06月12日
  • 皆月

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    性や暴力の描写が多い小説ですが、描いている世界やテーマはとても美しいと感じました。
    エロやグロにより、返って小説自体の美しさが際だっているような気がします。
    欲望や暴力性といった負の部分を認める事で初めてこの小説にあるように、人は月ではなく太陽になれるのかもしれません。

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    2012年05月29日
  • 二進法の犬

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    いやー凄い本でした
    俺はこの人の事確かに読まず嫌いでした
    途中ある人を想い出して涙が止まらなくなりました。

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    2012年05月26日
  • ジャンゴ

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    ネタバレ

    「エロス」と「バイオレンス」と言うところでしょうか。

    ほかに花村萬月作品を読んだのが1つしかないのですが、それも同様に「エロス」と「バイオレンス」でした。

    出てくる人物にまともな人がほとんどいないっていうのも面白いです。

    ヤクザや芸能プロダクションのボス、近親相姦しているその妹、巨人症のオカマ、指を失ったギタリスト、ボスを篭絡しようとしてその妹にぼろぼろにされたシンガーソングライターと、比較的一般的なマネージャーの男っていうのが登場人物です。

    脇でチンピラとか出てきますが、そもそも名前も出てこないのでモブです。

    読み始めたところで主人公は沢村(ギタリスト)なのかなと思ったけど、芦原(

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    2012年05月04日
  • 私の庭 蝦夷地篇(下)

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    面白い。

    結構なボリュームなのに飽きさせない。
    すげぇー

    権介&茂吉がめちゃくちゃ気になる。


    あっぱれ

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    2012年04月01日
  • 少年曲馬団(下)

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    少年が大人になる成長譚。

    純粋な少年の視点だからこそ見える、社会の歪みや、人の心のいびつさが心に訴えかけてきます。

    美しい風景描写が、成長過程の少年の世界観をよく演出していました。

    あっぱれです。。

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    2012年02月28日