あらすじ
紫、赤、黄、白、黒、青、緑、茶、そして灰――。九つの色を九つの物語のタイトルにした短篇集。物語の中で滲み、流れ、炸裂し、そしてまた収斂してゆくそれぞれの「色」。染められた祖母の髪、流れる血液、咲き乱れる連翹、爪にたまる垢、真横に疾る雪、合法ハーブ、そして音楽が醸し出す「色」とは――。
作者に英才教育を施し、自らも創作者たらんとした父親を描いた「黄」、母親との間の深いコンプレックスに敢えて分け入り、自らの深奥ぎりぎりまで潜って描いた「茶」など、短編小説の極みを集めた作品集。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
色をタイトルにした9の短編。「青」はギター弾きならもっと楽しめただろうな。自伝的短編集なんだけど、「自分」の見方がすごくうまいというか説得力が半端ない。
「紫」と「灰」が好きかな。
Posted by ブクログ
2025.1.10断念
タイトルに惹かれて手に取ってみたが、序盤の色はエロ、中盤の色は作家の思いが強いのか個性が強い。あまりすんなり入ってこないので紫で断念。残念。
Posted by ブクログ
九色の色をタイトルにして自叙伝的な短編。花村萬月という人、百万遍のときから感じていたけどかなりハードな人生体験をなされているようで今回の「色」でもちょっと理解しがたい。そら恐ろしさを感じながら読んだ。