花村萬月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ長いが読んで損はない。
まさに読書の良い部分である知らない世界、知らない心情を知ることができる。
尚且つならないのだが、憧れる要素がある。それが二進法で生きる世界であった。
そんな世界の中で主人公の生き方は危なっかしく緊張感が常にある、長い物語で何重にもなって擬似体験できるから恐ろしさも増す。賭博、妊娠、死期を渡りながら成長する度合いも見える。
「リアリズム絵画は意味や現実に奉仕する。人間が主ではなく従であるという態度。ゆえに謙って自然と現象を模写する。物を描く。ところがニヒリズムの絵画は自分自身が現実であり、新しい意味であるという自覚をもった絵画であるわけだ。だから画家は意志的に世界と意味、現象と現実を描き換える」
アクティブやパッシヴなニヒリスト。わかったようで、わからぬが物語の締めとして腹落ちせざるを得ない論理でよかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1000ページ!なかなか読み進まんわけや。。
”花村萬月”といえば”性と暴力”なイメージのとおり、濃密な性描写が多かったり残虐シーンもマジで気分が悪くなるので”エログロ”には要注意
ただ、全体としてはどちらかといえば”静的”な印象で、熱くなるシーンでもどこか褪めているような一歩引いたところから見ているような感じがある
博徒の話を中心に哲学的なお題も含め蘊蓄山盛りだけど、会話形式も多いためか、あまりくどく感じないのがよい
”虚無(偽の無)”の考察とか”写実と抽象”の話とか興味深いテーマもたくさんで読みごたえのある一冊
自業自得とはいえ鷲津のこれからを思うと、生きている方が辛いと感じることも多いのだろうけど、”虚無”を抱えながら死ぬまで生きていくんだろうなぁ、、、まったくハードボイルドやで
あー、京都に行きたくなったよう -
Posted by ブクログ
主人公の病気、睡眠時無呼吸症候群、原因は、老化と肥満にある。体重落とせば、大体の病気は、無くなる。
作家の博学、まさか自動車、安全性、スバル、ボルボの事すごい、それと、エロの語りが凄い。
車中できつく腕組みしていた。睡眠時無呼吸症候群の次は、退却神経症ときた。睡眠時無呼吸はまさにそのとおりだ。けれど退却神経症は承服できない。
「舌の根元っていうのは、牛に限らず脂肪が蓄積しやすい場所なんです。舌の根が肥満すると、睡眠時に下がって喉をふさぎ、狭くなった気道が呼吸で震えて鼾が発生して、さらに気道が閉ざされると、息が止まる」 「それが睡眠時無呼吸」
幸福の絶頂から不幸のどん底まで転げ落ちた男の
最後の旅が始まる
吐き胼胝 (はきだこ)
自分から嘔吐を繰り返した際にできる手の甲の皮膚にできる「たこ」のこと。
『群書類従』は、塙保己一(はなわほきいち)が編纂した国学・国史を主とする一大叢書。 国史の研究において貴重な文献の散逸を危惧した塙保己一がそれらを叢書にまとめようと、1779年、菅原道真を祀る北野天満宮に刊行を誓った。江戸幕府や諸大名・寺社・公家などの協力を得て、収集・編纂した。
「見事に人工の退却神経症だよ。編集長という立場のせいかな。鬱や退却神経症といった具体的な症状じゃなくて、夜更けの薬物摂取でどうにか心の平静を保っているんだ」
幸せな家庭がありながら、薬の過剰服用と、部下との愛欲に溺れた男。
その行き着く先は――。
文芸編集者の澤野逸郎は、妻と双子の娘と四人で幸せに暮らしていた。編集長に昇進し順風満帆かと思われたが、いつの間にか編集部には鬱が蔓延し、自身も薬の過剰服用がやめられなくなっていた。部下の豊嶋との不倫も始まり愛欲に溺れる逸郎だが、あってはならない悲劇をきっかけに、すべてが暗転する――。生と死を描き続ける著者の真骨頂! -
購入済み
やけにお高い、お値段が
作者さんは根がお人よしなのが良くわかりました。
ディケンズや吉川英治と同じに括られないにしても近い生い立ちなのかもしれません。
お好みで
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購入済み
はじめのところ
お試しで読める箇所ですが、犬の躾の話があります。
躾けるつもりが、どつくのを楽しむようになっていた。
しつけの目的である他人様に悪さをするような事はないので、
躾はやめた。この辺が偉いと思いました。また、
親が子供を躾ける際も、同じようなことしてる親がいるのではないか。
そうして躾けられた子供は、なにを勘違いしてか自分よりおとなしい子供に対して、
自分が親になったような気になって悪さします。
殴る蹴る、ランドセルぶっ壊すを筆頭に、物壊す。
何処かの2丁目で煎餅焼いてるみたいですが、お客の相手はできるみたいですね。
不思議不思議。
同じように躾けた子供さんが、よそ様に迷惑かけてるとすれば迷惑な話の気もします。
後半関係ない話ですが、読み物としても面白い話なのでお勧めです。
お好みで。 -
購入済み
真似は出来ません
若い頃からやんちゃして、ちょっと真似できないです。
ゲルマニウム、、のタイトルは聞いたことありましたが、
花村作品を購入、読んだのは本作品が初めて。
若い頃から読んどきゃよかったですね。
CB750、CB450、GSX250、Z2、ホーク2、XL125あたりが出てきますが、
そのほかに乗り継いだ、カブを含めた試乗記みたいなものも読みたくなりました。
カブは確かにいいバイクです。間違いない。
お好みで。 -
Posted by ブクログ
タンカーのスラッジ清掃を請け負う村上は、船内で仲良くなった崔を、ボスである徳山に殺される。それは面白半分や恨みではなく、村上をめぐる嫉妬からであった。横浜に戻り、ドヤ街からふとしたきっかけで、ライブバーMOJOで実力はシンガー綾と出会うが、綾もまた徳山の可愛がる1人であった。
花村萬月だねえ。ボリュームがあり、畳み掛ける知識とバイオレンスを覚悟していたが、予想通り最初から最後まで、花村萬月だった。しかし、読みやすい。
ヤクザで下のものに恐れられ、嫌われているが、容赦なく暴力を振るい、仕事を与える徳山という存在が、敵になったり味方になったりと揺れ動くさまは非常に面白い。主人公は村上であり、準主人公は綾なのだが、結局徳山の手の中にいるのだ。徳山は神であり、環境であろう。
暴力シーンは、のっけから日本刀で指を落とされる作業員、スラッジに叩き込まれ、看板で頭を割られる。いつもの花村萬月よりは、ペースが緩やかなので、苦手な人でも割と大丈夫なんじゃないかと思う。
それよりは、後半に進むにつれて、章のタイトルで何が起こるかがわかってしまい、そうだよね、そうなっちゃうよねと思いこんで読んでしまう。読むのが辛いが読ませる文章である。
他の作品よりも、ちょっとマイルドに感じるのは、初期の作品ということもあろうかと思う。だからといって完成度は全く問題なく、初めて花村萬月を読むひとにもおすすめできる作品だ。 -
Posted by ブクログ
花村萬月。20代初頭に心を鷲づかみにされた作家だ。
きっかけは、芸人笑い飯の西田さんが好きというのを何かで読んだことだった。
当時(今でもか)、自己顕示欲が人一倍強いのに結果何一つできていなかった自分に
花村萬月の小説は、前に星空が広がりくらくらするようなメガトンパンチを食らわせた。
ナイーブな青年たちが容赦のない暴力を振るい、性行為に耽溺していく様子に
ただただ眩しいまでの嫉妬を感じ、悶々としていたのを今も覚えている。
幸いパートナーにも恵まれ、人並みに性を営むようになり、だんだん疎遠になっていった。
10数年ぶりに花村萬月の著作を手に取った。
エッセイである。
花村節炸裂の本だった。正確無比かつ縦横無尽に言葉を操りつつ、卓越したワードセンスで味付けられる文章に思わず身を乗り出して笑ってしまう。
そして、やはり今でも身につまされるのは、客観性なき若年層を唾棄すべき存在として、
糾弾してくる姿勢だ。もう痺れてしまう。
かくいう私も誰に頼まれるでもないのに、もてあます気持ちを落ち着かせるべく書評などを偉そうに書いている。
自分が見たものや感じたことをできる限り客観的に捉えて書いていく。
そしてまかり間違っても、勘違いして人におすすめしたりしてはいけない。
自慰行為を人に見せている羞恥の自覚を持ちつつ、
文章を書いていることを忘れてはいけない。と強烈に思う。