あらすじ
靜と綾。上槇ノ原で生まれた双子の姉妹は人智の及ばぬ力を持つ。戦火の中、二人が人々を導く先は天国か地獄か――。数多の文学賞を受賞し、多くの小説家に影響を及ぼす日本文学の異端児が、太平洋戦争最中の農村の悲喜劇を活写する。
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Posted by ブクログ
羣馬県の僻地である上槇ノ原が舞台となる。
その上槇ノ原で生まれ、神がかった力を持つ美しい双子の姉妹、靜と綾が主人公となって、上槇ノ原を戦いから守るために凄惨な生き方を先導して行く物語だ。
舞台となる静かな上槇ノ原に、突如ボーキサイト鉱が発見された。
戦争に向かって突き進む日本は、戦闘機の材料需要から大規模な鉱山開発を行うため、多くの兵隊と鉱夫としての囚人を上槇ノ原へ送り込む。
その後日本は開戦を迎え、戦況の悪化に伴って徐々に配給物資も途絶えがちになり、やがて僻地の上槇ノ原は飢餓地獄に陥る。
双子の姉妹である靜と綾は、上槇ノ原の人達を守るため、長年対立していた隣の下槇ノ原と鉱山の兵隊・囚人達との凄惨な戦争に突入して行く。
この姉妹が上槇ノ原の人々を導く先は天国なのか地獄となるのか⋯