あらすじ
伊賀には表と裏がある。八劔なる裏伊賀の忍者たちは、血を掛け合わせて人材を生み出す謎の集団。元和5年、八劔に美しく能力を備えた赤子・錏娥哢〓(あがるた)が誕生する。忍びの技を修練し、見目も麗しく成長。いくつかの旅で男たちと交わり、ますます妖しく輝きを放つ。寛永14年、錏娥哢〓(あがるた)は天草四郎時貞を追って島原に潜入する。島原の乱異聞ともいうべき、破天荒、前代未聞の忍者小説、ここに見参!
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Posted by ブクログ
初・花村萬月。本書は確か、トヨザキ書評から。まずは前半だけど、イメージとしては池永永一作品。先輩・後輩は逆だけど、自分が読んだ順がそうなんだから仕方ない。キャラ設定にも共通するものを感じた。頻繁に出てくる作者自身による時代背景の説明は、ある一定のオチャラケ感を維持するためには有効だけど、個人的にはあまり好きじゃない手法。東村アキコが『雪花の虎』でもやってるけど、歴史ものを書くに当たっては、専門家からの細かいバッシングを予防するために必要なのかも。島原の乱が物語のピークになりそうな展開だけど、現実離れしたこの世界観の中、どんな展開を見せるのか。後半も気にはなる。
Posted by ブクログ
歴史の表に出てくる忍者ではなく、裏で忍世界から天下をあやつる八劔(やつるぎ)という忍勢力があった。
独自の戒律のもと、蛆神に率いられ、あらゆるところに潜む八劔。
この勢力が一人の赤児を創り出した。
生まれおちた日からすでにその美しさは魔の領域に達し、忍の能力は群を抜いている。
やがて世を統べる命を背負っていた子の名はー錏娥哢奼。
大体こういうスタートです。
忍者らしい術やらが出てくるのは最初の最初のみ。
性的な描写が非常に多く、まぁ、美しさで人を幻惑するのが最大の武器ですから、これは仕方ないとして。
メインの描写が島原の乱で、キリシタン虐殺のシーンなどはグロテスク。
ふわっとした優しいお話に飽きちゃった方にオススメです。