花村萬月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とても、おぞましい物語だ。
読んでいて気分が悪くなるところもあったのだけれど、それだけ文章力があってリアルだということなのだと思う。
山城は芸能というものの本質を直感的に理解しているのだ。芸能というものは、やはり畸型なものなのだ。(p.42)
借りっぱなしのスイート。巨人のボディガード。そういったものは、愛といった抽象では手に入れられない。経済力という現実がなければ、永遠に手に入れられないものだ。(p.198)
沢村は指を喪ってみて、はじめて障害者の直面する本質的な屈辱を知った。善意の人々は、障害を持つ者が人並みになにかするのを笑顔で迎え、あたたかい拍手を送る。しかし、絶対にその行為の実質を