あらすじ
【第2回小説すばる新人賞受賞】朝子は、活気あふれる19歳のロックシンガーだ。ライブで人気を集めるバンドを率いている。騙されて行った京都で、そんな彼らが遭遇する愛と冒険の日々…。切ない恋心に胸を焦がしたことのある人なら、自分の不誠実な生き方に後ろめたい想いを抱いて生きている人なら、読んで涙せずにはいられない、花村萬月、鮮烈のデビュー作!
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Posted by ブクログ
大好きです朝子さん!!
この本を読むときは、用事や雑事をすっぱり忘れて、携帯もドアチャイムもきちゃってください(笑)
カーテンを閉めてブランケットに包まって紅茶を啜りつつ読むとなおよし。
花村節全開のブルーズロードノベル。
どの登場人物の一筋縄では行かない曲者ですが、時にコミカルに、時に切なく、しかし明るく、いつも間にかみな好きになってしまう。そんな本です。
読んでいるとなぜか耳の奥に音楽が流れてくるような錯覚に陥ります。いや流れているのかもしれません。聴いたことがない曲。懐かしい曲。
心に響くように、軋むように、切なくどこかやさしいメロディー。
続編の渋谷ルシファーもオススメの一冊です。
Posted by ブクログ
私をジャズに開眼させてくれた小説。一時期本気でジャズ歌手になろうかと思ったほど影響を受けた。女の子の一人称なので読みやすく、サクセスストーリーとしても清清しい。
Posted by ブクログ
『ベッシー・スミス。自動車事故だ。血がどんどん流れてるけど、医者は誰も彼女を診ようとしなかった ー 色が黒いからさ。ベッシーは、出血多量で死んだんだ。格好いいことを言わせてもらえば、ベッシーの血の色は、何色だったんだろうな?』
『感じるってさ、いいことか、わるいことかわからないね』
『体は立ち直ってるんだ。いいかげん、心もな』
『そォ。おまえ、最近、香水つけすぎじゃない?』
『欲求不満なのよ』
『やらせもしねえくせして、そんなセリフを吐くなよ』
『文句を言いたいなら、ヨシタケくんに直接言いなよ。あたしからヨシタケくんに伝わることを期待してるんじゃ迷惑だよ』
『どォ? 京都は』
『ひかりもこだまも停まるから、えらい』
『気持ちいいだけ、なんて嘘。いつだって痛みがいっしょで、だからあたしたちは一緒にいるんだ。』
Posted by ブクログ
京都を舞台にした、19歳のロックシンガー朝子の物語。
花村さんは、林檎ちゃんと確かにどこか似ている。
デビュー作だそうだけど、「不誠実な生き方」ということを考えさせられた気分。
京都って、でもこんにぎすぎすした街じゃないと言いたい。笑
Posted by ブクログ
この人の作品は描写が結構きついものが多いですが、この作品はその中でも大分マイルドな方だと思います。
ラストの方が、加速度を増して面白くなる反面、凄く切ない。
Posted by ブクログ
騙されて無償で働かされることに。
信頼した人にこれをやられると堪えますが
相手はこれを狙っていたのか、突発的なのか。
仕事を頑張っていると、バンドメンバーの
人間関係やら性格やら問題やらが
浮き出てきたり沈んでみたり。
連れて行くしかなかった子供についても
子供らしいといえばそれまで、です。
やっていた事については、あれですが。
Posted by ブクログ
第2回小説すばる新人賞。
主人公はハードジャズバンド「ゴッドブレイス」のボーカル・朝子。京都のクラブへ演奏の仕事へ出かけるが…。
やさぐれつつも母性あふれる朝子を中心とした、さまざまなタイプの男たちと、朝子の恋愛感を背景に、さくさく話が進む。ヤクザ者はちらほら出てくるが、花村萬月お得意の暴力とセックスはそれほど色濃くない。
クライマックスの円山公園野外音楽堂での演奏の描写がすごい迫力。
Posted by ブクログ
この著者の作品、好きです!エグイ表現も多いけど、それを補って余りあるパワーがみなぎっている気がします。私の場合作者の経歴とかも、結構気になってしまうのですが、この人もかっとんでて好きだわ(笑)。
Posted by ブクログ
著者のデビュー作。
ジャズとかさっぱりわからないけど、それでも読めました。おもしろい。真実の愛とは?自分を貫く強さ、やさしさ、考えさせられます。