垣根涼介のレビュー一覧

  • ワイルド・ソウル(上)

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    アツすぎる。
    壮大な映画を一本分観るくらいの面白さがあって、非常に濃厚なテーマとストーリーがある。
    著者が書く、登場人物一人一人の心の声やその背景などの表現が好きで読んでいて心を奪われる。
    電車の中はもちろん、家に帰っても、気付けばトイレの中にまで持ち込んで隙間時間を見つけては読み進めていた作品。

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    2022年11月27日
  • ワイルド・ソウル(上)

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    日本史でも、ほとんど日本人の南米移民に関する話題に触れられてこなかった記憶があるが、
    それも政府が関わった負の歴史として未だに隠蔽されていることも沢山あるのではないかとおもった。
    ワイルド・ソウルはフィクションだけれど、
    少なからず似たような経験をされてきた方達が存在すると思うと、自分達の歴史としてもっと深く知っていくべきだと思った。

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    2022年10月30日
  • サウダージ ヒート アイランドIII

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    主人公の耕一が日系ブラジル人ということで、
    自分の今身近にある話題であることからも
    すぐに物語に引き込まれていった。
    コロンビアputaのDDのわがままぶりも、
    南米ではありそうだと思ったし、
    感情豊かで、耕一への想いが溢れているところは
    羨ましいとも思った。
    対照的に、アキとその彼女の和子は少し自分に重なるところがあった。彼が違う世界の人間だと言うことに切なさを感じながらも一緒にいたのだろうなぁ、とおもったし、最終的に海外に仕事で行ってしまうことは自分の中での落とし所だったのだと思う。最終的にはあの2人は一緒になれない、というかなっても和子は幸せにはなれないと思った。
    切ない。
    耕一の最期は

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    2022年10月23日
  • サイドストーリーズ

    購入済み

    しゃれた構成のアンソロジー

    煙草をテーマに有名作家の有名小説の番外編ばかりを集めたという大変にしゃれた構成のアンソロジー。
    もとの小説を読んでいれば読み返したくなるし、読んでいなければ読みたくなるという、出版社 作家の術中にはまってしまうたちの悪い本。
    番外編ではあるが元の本の色合い香りを程よく保った佳作が多い。

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    2022年10月03日
  • ワイルド・ソウル(下)

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    上巻後半からのスピード感と熱量のまま、一気に駆け抜ける展開。
    緊迫する場面が続いているはずなのに、ブラジル的な陽気さというか能天気さがずっとあって、完璧で周到なはずの作戦がフラフラ蛇行している感じがおもしろい。
    ラストについても、日本で生まれ育った者ではないな、と思わせる納得のものでした。

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    2022年09月19日
  • ワイルド・ソウル(上)

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    戦後、日本政府の募集でブラジルに渡った約4万人の人たちは入植先で極めて過酷な運命に遭った。
    上巻の前半では、未開拓の入植先がいかに過酷な環境だったが記される。道路、電気、水道のインフラはなく、土地は酸性で痩せていて、開墾した側から洪水で流される。マラリアなどの伝染病が襲いかかる。
    中盤から後半ではそんな過酷な環境をなんとか生き抜いた者たちのある企みが記される。
    下巻で何が起こるのか。なんとなく想像はつくがハラハラが止まらない。

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    2022年09月19日
  • 室町無頼(下)(新潮文庫)

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    才蔵の強さが際立った下巻。読みやすくて歴史小説の入門にもってこい。才蔵が亀仙人前後の悟空ばりの成長を遂げ、男の子としてはワクワク。兵衛と道賢はトラとライオンのようにカッコ良いけど、下巻は才蔵を楽しむためのもの!

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    2022年06月16日
  • 信長の原理 下

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    初歴史小説でした、面白かったです。信長と家臣たちとの関係、それぞれの気持ちが絡み合い、天下統一に向かっていく。信長だけでなく裏切る家臣や成り上がる武将の駆け引きが面白くて引きこまられました。スピード感もありあっという間。

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    2022年06月04日
  • 信長の原理 下

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    面白いです
    純粋な歴史小説としても読み応えがあり
    信長やその家臣たちの心の動きが鮮明である

    なにより光秀が謀反を起こすに至った経緯をロジカルに表現している
    なるほど
    そういうことなら、あり得る
    と思える

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    2022年03月23日
  • 涅槃 下

    購入済み

    渾身の一作

    歴史上悪役とされる人物は数多い。宇喜多直家もその一人。彼に興味を持ち、関係する城跡をめぐったりして情報を手に入れようとしても人物像を明確にできていなかった。情報量が少なすぎる。
     本書で彼の人間形成、業績の過程をここまで綿密に書き上げられたことに敬意を表するとともに、描き出された直家の人生に感動した。最後のページで彼の継室に語らせる言葉は重く、ゆえに歴史への興味は尽きない。

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    2022年03月11日
  • 涅槃 下

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    少し読み進めただけで、これは間違いない!と思わされた。他の方の評価はいまいちなようですが、私にとっては過去に読んだ歴史小説の中でもトップクラスの面白さだった。宇喜多直家、こんなに面白い武将がいたなんて。

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    2022年03月10日
  • 涅槃 上

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    少し読み進めただけで、これは間違いない!と思わされた。他の方の評価はいまいちなようですが、私にとっては過去に読んだ歴史小説の中でもトップクラスの面白さだった。宇喜多直家、こんなに面白い武将がいたなんて。

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    2022年03月10日
  • 涅槃 上

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    初期作品から、歴史小説転向後も読んでます。
    読みやすいタッチでスラスラ進みます。
    今回は結構なボリュームで濡れ場があり驚き…。

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    2022年02月20日
  • 涅槃 上

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    完全に歴史小説の名手になったように思う。上巻だけで既にお腹いっぱい楽しませてもらっている。前半から中盤までは直家の人となりが醸成していく様を丁寧に筆致していて、後半は当主としての振る舞いを鮮やかに描写している。幼少期からの苦労した経験が活かされ、更に善定や紗代などの一角の人物との出会いを通して名君になっていったのがよくわかる。色事に多くのページを割いていたが、単純に事象を書いているわけではない。蒙古タンメン中本の辛さの向こう側が見えるのと同じような感覚を味わえて驚いた。情報と経済を極めて重視しており、そして事前の準備と最悪の状況も想定して行動している点、そして言葉に嘘がないという点は非常に魅力

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    2022年02月20日
  • 室町無頼(下)(新潮文庫)

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    過酷な鍛錬を積み、圧倒的な棒術で荒くれ者らを次々倒す兵法者となった才蔵。一方、一揆を謀る兵衛は、道賢に密約を持ちかける。そしてついに蜂起の日がやってきて…。無頼たちの運命を描いた、大胆不敵な歴史巨編。

    (再読)
    文庫版のあとがきで、道賢の最後などは実際に記録に残っていることを知った。垣根涼介は執筆にあたって文献をかなり詳しく調べたようだ。

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    2022年01月27日
  • 室町無頼(上)(新潮文庫)

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    応仁の乱前夜。骨皮道賢に見込まれた天涯孤独の少年、才蔵は、百姓の信頼を集め、秩序に縛られず生きる浮浪の徒、兵衛に預けられ…。史実を鮮やかに跳躍させ混沌の時代を描き切る、記念碑的歴史小説。

    (再読)
    本作は5年前に読んだことがあるのを忘れて読み始めたけれど、再読してもやはり面白かった。

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    2022年01月27日
  • 涅槃 下

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    久々に良かった時代小説。武門が栄えるには富力が必要。大河ドラマ軍師官兵衛を観てたことが理解にとても役立った。

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    2022年01月10日
  • 室町無頼(下)(新潮文庫)

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    難しいことを考えずに楽しめる描写力に、室町から戦国へと移り変わる大きな時代の流れが加わり、骨太な時代活劇を堪能できた。道賢と兵衛そして芳王子の生き方には、どこか幕末の志士達に通ずるものが感じられたが、才蔵は、現代の若者を見ているようだった。

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    2022年01月10日
  • 涅槃 下

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    備前国(現在の岡山県)の宇喜多直家の物語。この時代は、大河ドラマ「麒麟がくる」や「官兵衛」で予備知識はあったが、宇喜多直家についてはほとんど知らなかった。

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    2022年01月24日
  • 光秀の定理

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    光秀の愛すべき人柄が分かる。
    だからこそ、なぜ光秀は信長を討つことになったのか。そして滅びることになったのかを考えさせられる。
    学校の歴史の授業を通しては、本能寺の変という事実のみに捉われ、裏切り者という理解をしていたが、この本を通じ、光秀がどれほどの信念をもち、世を変えようとしたのかということ、その中にどれだけの苦悩と、葛藤があったのかに理解を深めることができる。歴史小説の史実を元にどういう人だったのか想像を広げる面白さを知った。

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    2022年01月08日