【感想・ネタバレ】室町無頼(上)(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

応仁の乱前夜。天涯孤独の少年、才蔵は骨皮道賢に見込まれる。道賢はならず者の頭目でありながら、幕府から市中警護役を任される素性の知れぬ男。やがて才蔵は、蓮田兵衛に預けられる。兵衛もまた、百姓の信頼を集め、秩序に縛られず生きる浮浪の徒。二人から世を教えられ、凄絶な棒術修業の果て、才蔵は生きる力を身に着けていく。史実を鮮やかに跳躍させ混沌の時代を描き切る、記念碑的歴史小説。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

あまり、歴史的になじみのない応仁の乱前であるものの、とにかく人物描写が巧みで、主人公のとある少年の成長が、手に取るように明瞭に現れてくる。何でもっと早よ読まんかったんやろ。
すぐ、下巻読む!!

0
2025年11月12日

Posted by ブクログ

映画を愉しく観たので、原案になった小説を読んでみようと思い付いた。上下巻から成る小説の上巻を手にして、愉しく読んだ。
本作は複数の視点人物が入れ替わりながら綴られるという物語であると思う。有名な「応仁の乱」に突入する少し前の時期を背景にした物語である。
主要視点人物は17歳の少年である才蔵、才蔵と出会う骨皮道賢や蓮田兵衛、道賢や兵衛と関わる女性の芳王子だ。蓮田兵衛に関しては、寧ろ他の主要視点人物達との関りで言動が見える感なのだが、本作で描かれて行く事態の鍵を握る人物として大きな存在感を示している。
上巻に関しては、才蔵が主人公的に感じられる。完全に零落した武家の出で、子どもの頃から苦労が絶えない生き方であったが、土倉の用心棒をするようになっていた。その土倉で骨皮道賢と出くわす。連れて行かれるのだが、結局は蓮田兵衛に貰われる。その蓮田兵衛は、才蔵が独習していた六尺棒を使う武術に関して、その道を究めるべく修行をせよと唐崎に在る師匠の下に送り込む。
この才蔵の物語の合間に、骨皮道賢の動きや、来し方を振り返りながら骨皮道賢や蓮田兵衛と関わる芳王子の様子が描かれるというような様子だ。
上巻は室町時代の半ばを過ぎたような頃の世相という中で、骨皮道賢や蓮田兵衛と出会って行く才蔵や、独特な生き様の芳王子を掘り下げるようなことで、「人生と共に在る社会」ということ、逆に「社会の状況故の人生ということがじわりと伝わるような物語になっているという気がした。
また蓮田兵衛が才蔵に色々と語る場面が在るのだが、そういう場面が何か好い感じだと思った。この蓮田兵衛が未だ17歳の才蔵に向って語る「世の中」という話しは、現代に在っても「言えている…」ということかもしれない。
映画で描かれた“事態”が発生して行く前の時期というような上巻である。下巻が愉しみだ。

0
2025年04月11日

Posted by ブクログ

時代小説を読むのは中学時代ぶり(?)ですが、先日観た上映中の『室町無頼』が思いのほか面白く、衝動的に原作を購入。
少年才蔵のやり場のない怒り、哀しみといった感情や、芳王子の出自の苦労多きエピソードなどの背景にある室町社会の実相が巧く投影されており、時代考証がよく練られた大変読み応えのある作品だと感じました。まだ上映中なので、興味のある方はぜひ映画館へ。

0
2025年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大泉洋主演とのことで気になっていた時代劇もの。
ガンダムジークアクスや忍たまと並んでたのでこっちも見てみようかと思ったものの、どうやら原作がある様子、しかも著者がなんか聞いたことある垣根涼介さん。

何を読んだのかと著者近影を見てみても、最近の作品には全然ピンとこない。名前を覚えてたのは午前三時のルースター、2000年の作品だった… 25年前、だと…
高校卒業したときじゃないか。若い。そしてもちろんその本の内容は全く覚えていない。

とはいえ、これも縁だし、映画より小説のほうが好きなので、映画は見るかもしれないがとりあえず原作を読んでみることにする。これに関してはネタバレとかは気にしない。
原作第一だからむしろ映画を見てしまうことの方がネタバレ判定なのだ。

そして読み終わった。上下別だけど、上巻の方に全部感想書いちゃうぜ。
ただ、感想というと「面白かった!」だけになってしまうのが我ながら浅くて情けない。が、娯楽小説ってそういうもんだし…

とはいえ、これまで読んできた歴史小説とはなんか違う感じがした。特に違うのは、ときに触れ現代の知識と比べて補足してくれるという読みやすさ。
例えば京都の地理だったり、その当時の文化は今の文化で言うとこれこれ、みたいな。最初は急に頭を現代に戻されてびっくりするが、慣れると注釈が本文に入っているような感じに読める。

そしてもう一つ違うのは、修行シーンが長い!上下巻あるのだが、上巻ではその修業が終わりすらしない。主人公の才蔵はもともと強くはあるのだが、まだ全然無敵ではなく、なんか偶然強かった純朴な若者で、下巻の中盤くらいでようやく強いシーンが描かれ始める。
それまでは主人公以外の二人のメインキャラについて描かれる方が長く、まあこの二人もかっこいい。本人が言っているように、「人としてどこか欠けている」のだが、社会のために命を賭けて動いている。そして大局を見ている。

また、舞台が京都ということで地理に疎いが関西人の自分には案外場所がわかる。まあ、出てくるのが鴨川や伏見稲荷とかなので、関西人でなくても分かるとは思うが。

なので、その頃の京都では餓死者が鴨川に浮かび、その腐肉をカラスがついばんでいた、みたいな描写があると、今飛んでいるカラスはそんなカラスたちの子孫なんだなぁとかエグい想像をしてしまったりする。地理関係ないけど。

フィクションなのかなと思ったけど、才蔵はともかくかっこいい大人たち二人は実在していたらしく、それを膨らませて書いたのがこの小説らしい。

しかし映画版、もしかして才蔵が大泉洋なのか?なんかイメージがだいぶ違うが、それはそれで結構気になる。見てみたくなった。

0
2025年01月27日

Posted by ブクログ

室町時代が舞台であり、歴史背景を細かく描写しているわりにすごく読みやすいと思う。
上巻は兵衛というよりも、才蔵と道賢を中心に描かれてる割合が多い気がしますが、面白かったです!
下巻も楽しみ!

0
2025年01月10日

Posted by ブクログ

新しく、どハマりする作家さんに出会えた。
最高の展開。人物描写。いずれもお見事。
そして、何より、何でも与えられる、安全、丁寧、優しい、今の風潮とは一線を画し、自ら考えることの大切さをこれでもかと、伝えてくれる。

与えられたもの、既存のルールに盲目に従うのではなく、ゼロベースで、自分の足で立つことの大切さを描く。浪漫。ネガティブケイパビリティについても言及する。

努力、友情、勝利、夢は叶うという、幻想に毒されない、リアルを生きることが描かれる。
そして、成長のメカニズム、心の動きも具に描写されている。

珠玉のものがたり。


聞くだけでなく、たまには自分で考えろ
おのれでこの世の仕組みを考えぬ者は、死ぬまで他人の遣い走りで終わる

分からぬことはわからぬこととして、当座は受け入れておく。留保する勇気だ

謙虚であれ。未熟な自分を受け入れ、人に盲従することなく、信じよ。間合いを測りつつも、相手を敬え



0
2024年09月04日

Posted by ブクログ

映画化が決まったので原作を購入しました。

歴史物ですが、才蔵の成長や人間関係に重きが置かれており、とても読みやすかったです。

0
2024年06月21日

Posted by ブクログ

室町時代、没落武士の子で天涯孤独の少年才蔵は用心棒として土倉を営む法妙坊暁信に雇われる。
ある日土倉は盗賊に襲われるが、頭目骨皮道賢に見込まれ、百姓からの信頼を集める浮浪の徒蓮田兵衛に預けられ、棒術の修行を経て生きる術を身につける。

応仁の乱前夜を一揆側の視点から描いた歴史小説であるが、歴史に従いながらも一つのドラマの様な読み方ができる。歴史があまり好きじゃ無い人にもお薦めの作品。

0
2024年03月30日

Posted by ブクログ

たった1回の予告編で「観たい」と思わせる映画は久しぶりかもしれない。そのまま原作を読む運びとなった。
映画の方(来年1月公開)はエグい描写もあるようだが、不思議なもので原作版だとそこは何の気なしに読み進められる。(※あくまで!個人の感想です) (下)で全てをまとめようか迷ったけど、(上)から凄かったので各々書いていくことに決めた!

時は室町時代後期、応仁の乱前夜。
土倉の用心棒として雇われていた天涯孤独の青年 才蔵は、ある事件をきっかけに骨皮道賢に見込まれる。道賢(恐らく姓名ともに偽名…)は市中のならず者を率いる頭目でありながら、幕府直々に市中警護役を任されている。
やがて才蔵は蓮田兵衛(こちらも多分偽名…)という男に預けられ、戦闘に必要な技術を身につけるための修行へと身を投じていくこととなる…

「そもそも善悪など、見る側の都合によって決まる。それだけのものじゃ」

京都人が言う「先の戦争」とは応仁の乱を指す…と言うのは有名な話。
それによって市中は荒れ果てたのだと自分も授業で聞かされていたが、乱よりも前から荒廃していたというのは目新しい情報だった。建物は焼き払われずとも、人々の暮らしが荒廃していたのだ。

当時の京は政治経済の中心地であると同時に貧富の差も激しかった。鴨川や四条大路は大量の餓死者で溢れ返り、他方では金融業や輸送業で私腹を肥やす者がいた。才蔵が守っていた土倉も貸し付け後に不当な額の利子をつけていく、いわば闇金だった。
その地獄から道賢に拾われた才蔵は、幸運でしかなかったのだと思わずにはいられない。

「自分の居場所というものは、自らの手で作っていくしかないのか」

生きるためには手段を選ばない。道賢と出会う前の才蔵然り、遊女の芳王子然り。自分のやりたいことを優先する現代とは大違いだ。
先述で「才蔵が幸運でしかなかった」と書いたのは、彼が食い扶持を確保しただけでなく夢よりも命を繋ぐことで精一杯の世の中で、志を持った道賢と兵衛に出会えたことでもある。(芳王子も2人の確固たる自分を持ったところに惹かれたのだろう)
世間にとって自分は塵芥でしかないと思っていた才蔵が、2人から世の中や生き方の心得を説かれ自分の進む道を見極めようとしている…。そこから才蔵が自我に目覚め、自分の居場所を確立していくと想起させるような流れである。

(上)では道賢や兵衛以外の人物らにスポットが当たっていたが、終盤にかけての才蔵の修行にも注目したい。(修行の描写が鮮明に頭に焼きついていた影響もあって、冒頭にて「凄かった」と書いた)
棒術を極めるための修行なのだが、特訓メニューがなかなかにユニーク。そのため才蔵同様戸惑うこともあるとは思うがそれぞれがちゃんと意味をなし、繋がっていることが後々分かってくる。
これが映像化されるとどうなるのか、今から楽しみ!道賢役が堤真一さんなのはちょっと引っかかるけど笑(本書に書かれているビジュアルから渡辺謙さんくらいの迫力を想像していたもんで汗)

0
2024年03月14日

Posted by ブクログ

無頼。
手元の辞書を引いてみると(一回やってみたかったやつ)
1 正業に就かず、無法な行いをすること。また、そのさまや、そのような人。
2 頼みにするところのないこと。
とある。

思うに「無法」とは世のルールではなく自らの流儀に従うことなのだろう。
世が乱れている時代は、法の正しさを担保する政権の権威が弱まり、役人や寺社は腐敗する。そういう時代には自分以外に恃む物のない無頼の徒が多く出るのではないか。
道賢、兵衛、芳王子、唐崎の古老らを見るにそう思う。
才蔵を育てることになったのも、自分が受けた物を次に繋ぐという仁義なのかなと。

0
2023年04月09日

Posted by ブクログ

応仁の乱前夜。骨皮道賢に見込まれた天涯孤独の少年、才蔵は、百姓の信頼を集め、秩序に縛られず生きる浮浪の徒、兵衛に預けられ…。史実を鮮やかに跳躍させ混沌の時代を描き切る、記念碑的歴史小説。

(再読)
本作は5年前に読んだことがあるのを忘れて読み始めたけれど、再読してもやはり面白かった。

0
2022年01月27日

Posted by ブクログ

最初は読むのが辛かったがどんどん引き込まれていく。才蔵の理詰めで考えるのを破天荒で壊していく師匠ら。過酷な訓練で何を得ることができるのか下巻がたのしみ。

0
2022年01月03日

Posted by ブクログ

あっという間に読んでしまった。

応仁の乱直前の不安定な情勢。

この史料が少ない時代を、生々と描く。

下巻も期待したい。

0
2021年02月06日

Posted by ブクログ

(読んだのは文庫版ではないけど検索で出てこなかったので)

戦国時代に突入する直前の室町幕府末期ごろの話。
なかなか物語で描かれない時代だが、その時代の殺伐とした雰囲気をありありと思い描けるように表現する筆致はさすが。
幕府が弱体化し各地の大名同士で領土争いが起き、重税に苦しむ農民がたびたび一揆を起こし、混沌としていた時代。
武士の末裔才蔵が、骨皮道賢に命を拾われ蓮田兵衛に見込まれて、苛烈な修行を経て兵法者として身を立て時代を生き抜く。
目の前に提示された選択肢しか生きる術のないこの時代ならではの厳しさ、それを受け入れる潔さが気持ち良い。

昔から垣根涼介好きだけど、時代小説もこの人の手にかかればこんなに人物が生き生きとしておもしろくなるのかーと感服。

0
2021年01月12日

Posted by ブクログ

映画が観たかったので先に原作を。
映画がマカロニウエスタン風と呼ぶにも軽すぎるBGMのせいで残念な出来となっていたので、先に読んでおいて本当に良かった。
上巻では才蔵の成長を中心にワクワクする展開で読み進めながら、一揆が起こるまでの時代の流れを理解できて良かった。
なんとなく、男性の夢が詰まった物語の流れのような気もしたりして。

0
2025年09月13日

Posted by ブクログ

映画に触発されて気がつけば2度目の原作読みであった。
道賢、兵衛との立場を超えた友情と因縁。
そこに映画で描かれていない才蔵の生い立ちからの成長物語。
才蔵の師匠も含め登場人物の台詞に含蓄深いものがあり、折を見て振り返りたくなる上巻であった。

0
2025年08月10日

Posted by ブクログ

久々、旅中にエンタメ小説を楽しみたくて垣根涼介を手に取る。室町時代のこと。登場する蓮田兵衛や骨皮道賢は実在したと言われていて、舞台となる寛政の土一揆に関しても史実として残るもの。だが勿論そこは自在に想像を膨らませて脚色され、非常に楽しく読める仕立てになっている。

少し違うが武士の時代が重なる事もあって、漫画の『バガボンド』を思い出す。強くなるための修行、その力を用いる意義、正義とは何か。

時代背景としての「租税や飢餓」。権力と民衆における対立構造があり、その攻防の延長に一揆があるが、どちらに正義があるか。そのストーリー展開が楽しい。

映画では、蓮田兵衛を大泉洋が演じているが、最近読んだ『こんな夜更けにバナナかよ』も同氏の配役だった。まだ見ていないが、いずれも面白そうだなと思う。

0
2025年06月14日

Posted by ブクログ

無法化した無茶苦茶な時代を駆け抜けた人たちを描いた作品。

道端には死体が普通に転がっていて、明日の自分を彷彿させる。いつも死を意識しながら生きるその覚悟とは…。

短い命を輝かせるため、生きる目標に突き進み、愛する喜びを精一杯に感じる。そんな生き様を垣間見た気がした。

0
2025年03月23日

Posted by ブクログ

再読。

映画を観て、「こんなんだっけ?」と思い、再読。
映画も面白いが、小説ももちろん面白い。

0
2025年03月03日

Posted by ブクログ

「光秀の定理」「君たちに明日はない」に続き、3作目です。
(「信長の原理」は積んでます。苦笑)

映画ポスターの大泉洋が格好良すぎて。
ずっと気になってましたが、
社内の人のおすすめということもあり、
手に取りました。

歴史が詳しくない私ですが応仁の乱以降は、
戦国時代に突入というイメージがあり。
その直前ということで、
腐敗、荒廃、飢餓、閉塞感のある雰囲気です。

食べるものにも困り、
あちらこちらで搾取され、
戦に敗れれば浮浪者に。

冒頭で登場するのは才蔵という青年。
この人が大泉洋?と思ったら、違いました。苦笑
大泉洋が演じる兵衛が登場、納得でした。

自分で考えて決断し、答えを出すこと。
それぞれが辿る道。

下巻を読みます!

0
2025年02月03日

Posted by ブクログ

応仁の乱直前の天涯孤独で棒術を操る才蔵の物語。

幕府から市中警護役を任される、ならず者の頭目である道賢に見そめられ、今度はこちらも素性のしれぬがさりとて百姓からの信頼を集める兵衛に預けられる。さらに唐崎の老人のもとで棒術修行に出ることとなる。

道賢、兵衛、遊女の芳王子、師匠とそれぞれがいいキャラクター。さあ、どうなる才蔵!

0
2025年01月11日

Posted by ブクログ

室町時代の京を舞台にした小説です。
粋な男たちの物語でした。
混沌とした時代において、人の想いが歴史を動かします。
それにしても、才蔵の強さは半端ないです。

0
2024年11月25日

Posted by ブクログ

結構面白いです
室町時代の物語は、だいたいハズレるけど
江戸時代の浪人の立身出世のようなストーリーで
なかなか読み応えあります

0
2024年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

垣根涼介氏の歴史物。ルースターが非常に好きだったので、まさかの歴史物という感じではあるが、何ともスッパリと、そして爽やかな歴史小説。大切なものは歴史を経ても同じであって、本質は何か、頭を使って考えて、決して波に飲まれてはいけない。その強いメッセージを軽やかなセリフに載せていく。武家から落ちぶれた家に生まれ、小さい頃から生きるに必死だった才蔵。それを取り巻く無頼者の道賢と蓮田。ともに、武の使い手でありながら、その世の中の動きを見て、そして変えるべきことに焦点を合わせ始めている。世の中とは何なのか、そういう視点と武という筋を通した生き方と、硬軟をうまく書き、読者をじわじわと世界観に引き込む良作。

0
2021年11月08日

Posted by ブクログ

応仁の乱直前の京で棒術を頼りに生きる青年の物語。マフィアの首領兼警察庁長官の骨皮道賢、なんだか怪しいアジテータ兼関所強盗の蓮田兵衛に振り回されまくる。
途中で司馬遼太郎ばりの生々しくドライなエロスが混じったと思ったら、終盤はベストキッドのような棒術修行。先が読めなくて楽しい。
「銭は回転を繰り返すことによって、初めて世に生きる。銭になる」

0
2021年09月14日

Posted by ブクログ

室町時代の京都が舞台の物語。
蓮田と道賢という少しタイプは違うもののとても魅力的な2人の男と、何故か彼らに可愛がられる才蔵。
少なくとも歴史の教科書に出てくるような表舞台で語り継がれるような存在ではないものの、この先の日本に何か大きな影響を与えそうな匂いがプンプンする。
下巻が楽しみです。

0
2021年09月05日

Posted by ブクログ

応仁の乱前夜。天涯孤独の少年、才蔵が主人公。
世の中をひっくり返そうとたくらむ男たちに拾われ
棒術を極めるための修行を治めるまでが上巻。

男たちが魅力的
主人公の少年がこの先どう成長するのか
下巻が楽しみです

0
2020年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

貴重な室町時代小説、土倉の用心棒という設定で天涯孤独で生き方が歪む時代の落とし子才蔵が骨皮道賢に鎧袖一触叩きのめされ・・・拾われる
室町ビッグネーム道賢の悪党ぶりを描きながら時代の垢をこびりつかせた少年(才蔵)は蓮田兵衛(ビッグネーム②)に預けられた、得意のこん棒技術を磨く修業を丁寧に描く意味があるのかと思いながら読み進んだが、少年以上に読者の神経が研ぎ澄まされた
「自分の居場所というものは、自らの手で作っていくしかないのか」生き方を考える術もない少年は、無法な生き方の道賢や風来坊的な蓮田に出会う事で体も心も出来上がっていく

0
2025年02月03日

Posted by ブクログ

才蔵の人生がこれからどうなっていくのか、惹き込まれていった。道賢も兵衛も師匠も才蔵も、みんな憎めないいいキャラクター。読んでるこちらも才蔵と一緒になって、訳も分からず振り回されている。

0
2024年07月21日

Posted by ブクログ

この作者の歴史小説は他と違って新鮮だ。応仁の乱の前の時代は、あまり知識もなかったが、足軽の誕生や下克上が起きる背景など納得した。 主人公の才蔵以外もカッコいい男達ばかりだ。

0
2022年10月08日

「歴史・時代」ランキング