垣根涼介のレビュー一覧

  • 涅槃 下

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    武門の棟梁たるものはかくも孤独なのだろうか?
    考えの麾下に伝わる部分のみを伝え、また伝え方も相手からそれとなく引き出すことを心がける。

    自分には到底できそうもない…。

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    2026年09月28日
  • ワイルド・ソウル(下)

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    上巻の終盤ぐらいからの疾走感に乗せられてこんな時間まで1000ページ一気に読み切ってしまった。移民政策という教科書には乗ってない史実を元にしたフィクションのハードボイルド復讐劇で、読み応えもあって良かったです。

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    2026年09月27日
  • 涅槃 下

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    歴史とは勝者の歴史と言われるがその通りだなと思う。この宇喜多直家しかり松永久秀しかり。現在の岡山の繁栄の基礎を作った男が梟雄と呼ばれる理不尽さ。それが本作で変われば良いが。

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    2026年09月26日
  • 涅槃 上

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    過去は変えられぬ。されど、その昔を思う今はこれからでも変えていける。その時々のありようによって、来し方の色彩は違って見える。
    我らは思い出を美しくするためにも、今を生きている。

    この考え方を大事にすれば、いつどんな時も前向きに生きられる。

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    2026年09月24日
  • 極楽征夷大将軍 下

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    なるほどー。最後はこうなるのかー。
    こんなに大動乱になるとは思わなかった。しかも一門の派閥抗争から。もう既に戦国時代やん。室町時代に平穏な時代なんてほんの一瞬しかなかったのかも知れない。
    それにしても尊氏はやればできる男なのに、ずーーっと本気出さんな。現代にもこういう人いるよな、と思ってしまった。

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    2026年09月12日
  • ヒート アイランド

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    とても面白かった。特に、裏金を奪ったプロの強盗たちとアキの生き方が好きだ。もちろん彼らはアウトローなのだけれど、誰彼構わず金を奪うわけではなく、汚いことをして得た金を狙う。そして仲間は絶対に大切にする。頭脳と度胸があり、自分なりの美学を持って生きているところが格好いい。悪いことをしているのに、なぜか応援したくなってしまう。単純な善悪では割り切れない人間の魅力を描くところが、垣根涼介氏の作品の面白さなのだと思う。

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    2026年09月05日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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    この本で垣根先生のファンになりました。
    リストラのアウトソーシングの会社で働く主人公と退職面接を受ける魅力的な登場人物。
    登場人物の生い立ちや立場等で感情移入させられ、「必ずしも今の仕事に拘らなければならない訳ではないのかなぁ?」と仕事との向き合い方を考えさせられるとても楽しい作品でした。
    因みに2周目です。

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    2026年08月23日
  • 蜻蛉の夏

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    戦国時代の止観の道士たち。3人の個性も際立っていて面白かった。月と水と炎と風。それぞれの修行の凄まじさもヒシヒシと伝わる。そして桂月が多数の織田兵を寝殺す場面は美しかった。本当にこんな人達が影働きをしていたのかも、と思えるくらいに生き生きと描かれていた。
    垣根さんの時代物に現れる、神仏に意味はなし、強欲むき出しの人間すらいっそ清々しいという見方は、こちらの肩の力が抜けるようで、改めて好きだなぁと思った。

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    2026年08月21日
  • 光秀の定理

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    明智光秀がなぜ織田信長を裏切ったのか、非常に納得のいく形で描かれていて面白かった。
    信長は先見性があり、次々と勢力を広げていく一方、家臣を人としてではなく「使える者」として扱う面がある。そのため、信長の天下になれば、人々の自主性が失われ、信長の好悪だけで世の中が動く息苦しい社会になってしまう。その未来を光秀は恐れたのではないかということだった。
    一方、光秀は家臣にも誠実で優しく、その人柄が軍の強い結束力につながっている。また、利害関係なく心を通わせられる二人の友人がいたからこそ、理不尽な状況でも純粋な心を失わずにいられたのだろう。
    「本能寺の変」は謎の多い事件だと思っていたが、この作品を読んで、「光秀なら、そうしたのかもしれない」と初めて納得できた。

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    2026年08月09日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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    読み始めたら止まらない一冊だった。人物描写が素晴らしく、一人ひとりが生き生きと描かれ、すっかりのめり込んでしまった。
    主人公はリストラを告げる仕事をしているが、相手を冷たく切り捨てるのではなく、その人の人生や性格を丁寧に見極め、公平に向き合いながら、新たな一歩を踏み出せるよう背中を押していく(本当に酷いことをした人はフェアに切っていくが)。その姿勢には厳しさだけでなく、人への深い愛情を感じた。
    重いテーマでありながら温かさにあふれ、仕事や人生について考えさせられる作品だった。垣根涼介さんの巧みな人物描写に引き込まれ、あっという間に読み終えてしまった。

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    2026年08月01日
  • 極楽征夷大将軍 下

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    足利尊氏、直義兄弟について、二人の兄弟関係の機微と世の中の醜悪さ、煩雑さが同時に描かれていて、根底にニヒリズムがあり、見事でした。室町時代の歴史小説あまり読んだことなかったので、勉強になりました。直木賞納得、おすすめです。

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    2026年07月24日
  • ワイルド・ソウル(下)

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    下巻は振り上げた拳を下ろすだけで期待していなかったが、最後まで飽きさせず面白かった。

    警察の捜査が優秀なのが現実的。
    山本の意外な過去に運命を感じる。
    松尾の後を付けるやつのミスリード。
    及川が何かやらかしそうでやらない。


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    2026年07月20日
  • ワイルド・ソウル(上)

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    政府や権力者は危機に陥れば平気で弱者を切り捨てる。騙された人たちのブラジルでの生活は壮絶であり考えさせられるものがある。
    当時の日本やブラジルの経済状況や国民性も見所である。

    終盤は冴えない報道記者を巻き込み最高な形で復習劇の舞台が整った。
    下巻も波乱が予想されるが希望が持てる平穏な日常を取り戻してほしい。

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    2026年07月16日
  • 武田の金、毛利の銀

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    垣根涼介さんの『武田の金、毛利の銀』を読んだ。ここ最近で読んだ本では一番面白かった。歴史物がお好きな方には自信をもってお勧め。個人的には直木賞を受賞した前著より好き。戦国武将では織田信長、その次に明智光秀が好きな僕。この2人の描き方がとても好みだった。なので過去の関連作も読むよ!

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    2026年07月12日
  • ゆりかごで眠れ(下) 新装版

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    コロンビアマフィアが題材。アル・パチーノの『ゴッドファーザー』の朧げな記憶から、麻薬で大金を稼ぎ、人殺しも厭わない一方で、身内への愛は絶対──そんな世界を思い浮かべながら読み始めました。久しぶりに触れる世界だなぁ、と。
    主人公はマフィアのボス。貧困や暴力が当たり前の環境で育ちながらも、家族への愛情は驚くほど深く、ボスになっても心根の優しさを失いません。どんな時も身内を守り抜くからこそ、周りも彼を心から信じてついていく。私もすっかり主人公を応援していました。カーサと妙子と産まれくる子が共に生きていく後日談も読みたいと思いました!!

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    2026年07月04日
  • 極楽征夷大将軍 下

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    直義、、、師直、、、切ない。。。。
    各々が悪人という訳でもなく、また、憎しみあってるという訳でもない。なんなら、死ぬ寸前ですら相手を想っている感すらある。

    逃げ若では完全に悪役だった足利尊氏は、本作では真逆。メチャクチャ人情派で野心などおくびにも出さない。しかし、なんだかんだで天下をとるのは歴史的な事実。深掘りしたくなるなぁ。

    それにしても、後醍醐天皇は本当に破格の天皇だったんだなぁ。生命力の塊、、、

    そして、楠木正成の子供達。またしても、逃げ若との対比だが、メチャクチャ才能を引き継いでたんだね。
    メチャクチャ、足利陣営を苦しめていた。
    直冬、、、九州を制圧。猛将だったんだなぁ。
    義詮、、、なんか、お利口さんかと思ってたが、
    後半はなんというか、足掻いていたなぁ。

    そして、最後の尊氏の辞世の句、、泣けた、、、

    みんなに読んでほしい一冊!!

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    2026年07月04日
  • 午前三時のルースター

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    本棚にあったので再読で既視感はあるものの結末は覚えておらず、夢中になって一気読みしました。処女作とは思えない完成度で、やはり垣根さんは天才です。
    父と子の愛、目の前の仕事は人生をかけてやりたいことなのか?と葛藤する気持ち。すごく伝わりました。読み終えた後は「慎一郎くん、頑張って!」と応援したくなる、力強い作品でした。

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    2026年06月13日
  • 室町無頼(下)(新潮文庫)

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    足利尊氏・直義が築いた室町幕府も、八代将軍の頃には飢饉が相次ぎ、幕府や朝廷と民衆の間に大きな隔たりが。そんな苦しい時代に、理不尽な世の中を変えようと立ち上がった蓮田兵衛の知恵、行動力、愛情に感動。また、兵衛を信じてまっすぐに成長していく才蔵の姿にも心を打たれました。歴史の大きな流れの中で、人々の希望や勇気を描いた、とても読み応えのある作品でした!

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    2026年06月13日
  • 極楽征夷大将軍 上

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    足利尊氏と言われても
    ・室町幕府の初代将軍
    ・昔の教科書の足利尊氏は別人
    ・太平記
    ・敗れた楠木正成や新田義貞の方がエピソードが強い
    など、心惹かれるトピックスと私は出逢っていませんでした。

    少し前に少年ジャンプで連載していた『逃げ上手の若君』では北条時行を主人公としており、足利軍団は悪者で描かれておりました。
    その時の尊氏の描かれ方は神のような運気を持っており、何故か強いでした。

    本作の尊氏は、気配りは出来ないけれど人は良く、仕事は出来ないけれど戦場に立てば軍神!?
    掴みどころなく、イラっとくるけど憎めない!??

    いつもは助けられてばかりの弟を助ける場面が何度かあるのですが、涙が出てくる名場面となります!!!

    何れにしても下巻が楽しみです!



    主人公は足利兄弟!?
    ボンクラの尊氏と緻密に積み上げる弟の直義!
    そして、仕事の鬼の家宰高師直!!
    尊氏のボケに直義と師直のWツッコミ!!!
    上巻は尊氏らの幼少期を経て家督相続、鎌倉滅亡から後醍醐天皇と袂を分つまでとなります!!

    それと、本作を読むと後醍醐天皇、嫌だなぁと思っちゃいます。
    それと、北条家の面々も・・・

    『逃げ上手の若君』とは百八十度視点が違うので、コミックスを読んだ方にお勧めしたい!

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    2026年06月11日
  • ワイルド・ソウル(下)

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    ネタバレ

    とんでもなく面白い!!2003年の本、面白いものは20年以上経っても面白いし、語り継がれて今の私が読めることに感謝したくなる。
    ブラジル移民。日系ブラジル人の背景にこんな歴史があったとは知らなかった。しかもそれが戦後のことだなんて。第一章を読み終え、ここからどんな悲惨な復讐劇になるのだろうかと思ったら……コミカルなツッコミを混じえつつ、周到に進んでいく様子に思わず応援?したくなる。うまくやったれ!!と思う。
    間違いなくダークな世界だし、凄まじいほどの怨念に縛られているのに、“抜け作”やら“極楽トンボ”と何度も罵られるケイの軟派なキャラクターが話をシリアスにしすぎない。全てを飲み込むような凄みとブラジル流の軟派さ、どちらが彼の本質なのか、いやきっとどちらも本質、貴子と一緒になって惹かれてしまう。
    他のキャラクターについても書きたいことは沢山あるけど書ききれない!最後の最後まで全部面白かった!!

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    2026年06月08日