垣根涼介のレビュー一覧

  • 極楽征夷大将軍
    大作。一冊で数冊分あります。尊氏と直義、そして師直を巡る室町幕府成立期のお話。この時代の歴史を良く知らなかったので、大変勉強にもなったし、小説としても傑作でした。前半は足利家vs後醍醐天皇、後半は直義vs師直、そして最後は直義の最期。戦国大名の元がこの頃にあることも良く分かります。まだ朝廷の存在が大...続きを読む
  • 極楽征夷大将軍
    元来,時代小説はあまり読まないけれど、読み始めたらグイグイ引き込まれました。長編なので相当読み応えある作品ですけど、飽きることはありませんでした。史実ではどうか知りませんが、足利尊氏はじめ登場人物のキャラクターがそれぞれ立っていてそれぞれが生き残りをかけて暗躍しますが,一番茫洋といている尊氏が征夷大...続きを読む
  • 極楽征夷大将軍
    室町幕府の初代征夷大将軍となった足利尊氏と、
    彼を身近で支えていった、実弟・直義と
    足利宗家執事・高師直の生涯を描く。
    極楽殿と揶揄され、やる気の無い、しかしカリスマな尊氏に
    振り回される二人の、運命は如何に。
    第一章 庶子 第二章 波上 第三章 朝敵 最終章 敵対
    ・主な登場人物 ・参考文献有り。...続きを読む
  • 極楽征夷大将軍
    極楽トンボの足利尊氏を弟である直義と足利家の執事である高師直が補佐し室町幕府を開く。エンタメ風の長編時代小説だが感動作。直義、師直の献身、そして敵対。実質的な主人公は直義と師直 。2023年上期直木賞。お勧めの一冊。物語の最終盤に登場する楠木正成の嫡男、正行が朝日新聞の連載小説、今村翔吾『人よ、花よ...続きを読む
  • 極楽征夷大将軍
    バチクソ面白かった

    歴史好きと言っても
    幕末と戦国時代に知識が偏ってるので、
    尊氏が新鮮だった

    ただな〜
    長い、もう大河ドラマ

    万人には進められないな

    歴史好きで
    読書家を自称するなら
    挑戦してみては!?
  • 室町無頼(上)(新潮文庫)
    室町時代、没落武士の子で天涯孤独の少年才蔵は用心棒として土倉を営む法妙坊暁信に雇われる。
    ある日土倉は盗賊に襲われるが、頭目骨皮道賢に見込まれ、百姓からの信頼を集める浮浪の徒蓮田兵衛に預けられ、棒術の修行を経て生きる術を身につける。

    応仁の乱前夜を一揆側の視点から描いた歴史小説であるが、歴史に従い...続きを読む
  • 室町無頼(下)(新潮文庫)
    過酷な修行を経て六尺棒の使い手となった才蔵は腕試しを通じて人を見る目、器量を上げる。
    一方で蓮田は蜂起を計画し身内の武士だけが優遇される室町の体制に一石投じようとする。
    道賢、兵衛、才蔵とその仲間達の行く末は、、、
  • 極楽征夷大将軍
    めちゃくちゃ面白かった。間違いなく直木賞。
    観応の擾乱についても勉強になった。
    所詮人と人はわかりあえない。みんな己の都合で生きているし、それぞれに譲れない正義がある。その都合や正義という波に武士たちがのまれていく様が巧みに描かれている。

    由比ヶ浜で始まり由比ヶ浜で終わる直義の人生が切なくて切なく...続きを読む
  • 極楽征夷大将軍
    大河ドラマを読んでいる感じ。兄弟、側近たちのやりとりにクスッと笑えるものがあり、そこが良かった。日本史を再び勉強し、時代小説をよりよく味わいたいと思えた。
  • 室町無頼(上)(新潮文庫)
    たった1回の予告編で「観たい」と思わせる映画は久しぶりかもしれない。そのまま原作を読む運びとなった。
    映画の方(来年1月公開)はエグい描写もあるようだが、不思議なもので原作版だとそこは何の気なしに読み進められる。(※あくまで!個人の感想です) (下)で全てをまとめようか迷ったけど、(上)から凄かった...続きを読む
  • 極楽征夷大将軍
    信長の原理と同じ作者。ユーモアがあふれる大作で、鎌倉時代の歴史言葉など検索しながらで読むのに体力が必要だが、史実に基づいた感動巨編。直木賞。
  • 涅槃 下
    極楽征夷大将軍が良作だったので、勢いそのままに作者の別作品にトライ。大作である極楽征夷大将軍を凌ぐ、上下巻合わせて900ページ強の超大作。ただ読みやすさは極楽征夷大将軍以上で、こちらも引き込まれるように読めた。
    私はそもそも知らなかったが、悪名高いと評判の宇喜多直家が主人公。武士の家に生まれながら幼...続きを読む
  • 極楽征夷大将軍
    これまでも小説や映像作品等で歴史モノはいろいろと見てきたが、このあたりの時代に触れる機会はなかった。「太平記」がベースになっており、そこに作者なりの解釈やオリジナリティを加えている作品となっている。
    かなり長い(550ページ、かつ2段組構成)ので中だるみは多少あるものの、一言で言えばめちゃくちゃ面白...続きを読む
  • ワイルド・ソウル(上)
    昔の移民政策の当事者達の復讐劇のお話。移民後の政府の説明とかけ離れた現地での惨状から始まり、時間は経ち、日本での当時の政府関係者達への報復へと移り変わっていく。
    章ごとに視点が切り替わり、登場人物それぞれにストーリーがあり、皆んな何かを抱えており、全員に魅力を感じた。
    前半では、移民後の凄惨な実態が...続きを読む
  • 極楽征夷大将軍
    臨場感溢れる描写で、歴史が苦手だった自分も興味深く読むことができました。子供の頃に読んでたら歴史が好きになってたかも。
  • ゆりかごで眠れ(上) 新装版
    垣根涼介さんのハードボイルドな小説!

    ヒートアイランドやワイルドソウルとは少し違う話。

    コロンビアの移民の話や、子供の精神医学の話は少し興味が湧きました。

    私の子供の頃の話ですが、学校の授業で母の似顔絵を描くという課題があったのですが、ほとんどの生徒がバストアップや顔だけの似顔絵を描くのに対し...続きを読む
  • 極楽征夷大将軍
    足利尊氏と足利直義の兄弟の人生を、直義と高師直の視点から描いた物語。室町幕府成立までは、兄上の憎めないキャラやら何だかんだ仲良しな兄弟関係やらにほのぼのしながら読めたのに、幕府ができた途端に内輪揉めの連続で、終盤はかなり重い展開だった。みんなが幕府を守りたいはずで、誰が悪いわけでもないのに殺し合いに...続きを読む
  • ワイルド・ソウル(下)
    面白い!おもしろすぎる!
    ブラジルを中心とした日系人の苦労、言葉では言い表せない悲哀、日本政府のひどさが描かれているにもかかわらず、登場人物のキャラクター・ストーリー展開のスピード感に圧倒された。文庫上下巻1,000ページ?を一気に読まざるを得ない内容だった。
    垣根涼介さん、初めて読んだが1冊で虜に...続きを読む
  • 極楽征夷大将軍
    室町幕府の開祖、足利尊氏、その弟
    直義の物語である。またはその家族(兄、尊氏も)
    の物語でもある。

    日本史の中で苦手だった辺り〜
    後醍醐天皇、建武の新政、高師直、
    そして南北朝時代。
    この本を手にして少しは理解できた…とも言えない
    自分に気が付く。
    歴史の波に呑まれ揺す振られザンギリ頭に惑わされそ...続きを読む
  • ワイルド・ソウル(下)
    本のバックボーンは極めてシリアスなのだけど、入念に練られた復讐劇そのものは、最高のエンターテイメントだった。ほぼ一気読み。こんなに面白い本があるのか、という感じだった。

    ブラジル棄民日系二世ケイとテレビ局報道部貴子の恋愛は、外務省襲撃事件の犯人とそのスクープ者というありえないような緊張関係の中での...続きを読む