垣根涼介のレビュー一覧
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リストラ面接官が主人公の「君たちに明日はない」シリーズの第五弾にして完結編。
全四篇のモデルといえそうな会社は、それぞれ、カネボウ化粧品、シャープ、文教堂書店(公文書店という店名と店舗数28という規模感から)、そしてラストでは、主人公の勤務先自体が自主廃業によりリストラの対象となるわけだが、この会社のモデルはよく分からない。たぶんないのだろう。
三篇目の「さざなみの王国」の書店員、佐久間香織が何とも気に掛かる存在だ。極端な人見知りながら、とても誠実に生きている様子が好感が持てる。ラストの作品で、再登場する人物、2の「借金取りの王子」、4の「永遠のディーバ」、5の「さざなみの王国」の3名は、 -
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リストラ面接官が主人公の「君たちに明日はない」シリーズ第四弾。
中篇四篇いづれも、仕事とは何か、を考えさせられるお話で甲乙つけ難いが、敢えて順番をつけると、ノー・エクスキューズ、永遠のディーバ、リブ・フォー・トゥデイ、勝ち逃げの女王の順。
全てフィクションながら、想像するモデルはそれぞれ、山一證券、ヤマハ、すかいらーく、JAL、とある程度はイメージを持ちやすい一方で、その裏ではこんな人間ドラマが本当にあったりするのかも、と思わせる筆力は素晴らしい。
表題作の「ディーバ」は日本語では「歌姫」。20代で売れ、(本作発表の2010年代前半には)40代で小さな箱で細々と演奏している、という、設定 -
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水観、炎観、月観。止観という幻術を操る三人の男女が人知れず歴史の裏面で織田信長と対峙していた、という歴史時代小説。よくもまあこのような術を思いつき描き、史実と絡ませて紡ぐものだ。『室町無頼』もそうだったが、この作家が描いて見せる修行の有様が滅法面白い! またそれぞれの幻術の描写の凄さよ。三人の主役の人物造形も素晴らしい。自分、登場人物に感情移入するような読みはレベルが低いと思っているが、炎観の遣い手平助の鬱屈自意識には大いに感情移入し、大いに泣き笑った。実に愛すべきキャラクターである。読んでよかった! それにしても織田信長のことがかなり嫌いになったな。