垣根涼介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大分前に購入「積ん読」状態だったのをなぜか読みました。
正直楽しかったです。
作家さん達の代表作のスピンオフというか表題通り「サイドストーリー」。読んだことの無い作品もありましたが、丁寧に作者の横顔やメインのストーリーも書いてあるというサービス付。すべて「煙草」や「一服ひろば」に関連して書いてありますが、上手くからめてあるお話もあれば、やや無くてもいいんじゃない?的なお話も。
冲方丁の「天地明察」は読んでみたいと思っていた本だったので、ますます読みたくなりました。
貴志佑介の「鍵のかかった部屋」からのお話はドラマで見ていた佐藤浩市の芹沢がメインになったのには驚きましたが、まんまでしたね。
限られた数の本しか読むことができないわけですから、
こういう本から情報をもらうのも面白いですね。 -
Posted by ブクログ
リストラ請負人・村上真介が主人公の「君たちに明日はない」シリーズの第4作。
物語を通じて仕事や会社との向き合い方についていつも考えさせられ、また勇気づけられてきた、大好きなシリーズ。今度も文庫になるのを待ってた。
希望退職に応募した人を引き止めたり、会社が印をつけた優秀層を思い留まらせたり、山一証券の破綻を思わす団塊の世代を登場させたり、これまでと趣向は変わっているけれど、やはり仕事との向き合い方について考えさせられた。
もう2年したら60歳で定年になるけれど、私の世代では年金をもらえるのは62歳からで、今から会社を辞めてどこかに転籍し年金をもらえる歳まで働くにはもはや手遅れで、60歳まで働いても次の働き扶持を紹介してもらえる可能性もかなり低く、こんなことならこの前の希望退職の際に辞めておけば良かった思ったりもしながら、いやいや、あの時はそういう風には思っていなかったじゃないかと気を取り直して働く毎日。
そういう心持ちの時にこの本を読むと、色々思うところがあり、ついウルっと来てしまうところにぶち当たり、電車の中で読んでなくて良かったと思う。
「勝ち逃げの女王」は、会社と自分の関係について。
『個人のプライドというのは、仕事における誇りというものは、意識的にも実質的にも、その基盤が盤石であってこそ持ち続けられるものだ』85
『どんな企業に勤めてどんな役職になっているかっていうことより、そこまでやってきている仕事の、自分にとっての意味のほうが大事なんじゃないかなって』100
「ノー・エクスキューズ」は、サラリーマンとしての矜持について。
『人間、もう必要とされなくなった場所に居てはいけないんだよ。だったら、そんな場所はとっとと捨てて、新たに必要とされる場所を探したほうがいい』123
『結局は何のために仕事をやっているんだっていう、自覚がないんだよ。自分と、自分のお客のため以外には、本当には頑張れないんだっていう自覚がさ』135
『自分の人生がどう転んでも、言い訳をしない。泣き言を言わない。家族にも、むろん他人にも。たとえ痩せ我慢でも、です。つまりは「ノー・エクスキューズ」-潔さ、ということでしょうか』149
『それぞれに、自分の家でも口に出せない孤独と不安を背負って、これまで生きてきたのだ』150
「永遠のディーバ」は、実力と才能について。
『結局は、気持ちなんです。次々と見せつけられる実力の差やセンスの壁に、それでも挫けずにその行為をやり続けるに値する、自分の中の必然です』218
『自分はどうありたいのか。何を表したいのか。何を、どう伝えたいのか。それを真摯に見極め、追求していく気持ちの強さ。それこそが、才能なのだ』264
「リヴ・フォー・トゥデイ」は、長い人生の生き方について。
『観念的な正しさなんて、本当は実体がない。ただあるのは、こういうのが好き、こういう生き方がしたいっていう、単にそれだけの気持ちだ。気持ちの方向性だ。そしてそれを、現実とどう折り合いをつけていくかっていう問題だけだ』307
『たとえ明日のことを考えていなくても、懸命に日々を生きてさえいれば、そのうちに何かが見えてくる。人。意思。モノ。時間。どこかで、何かが繋がってくる……』347
毎日を目の前の課題をこなすのに精一杯で過ごしている身だけれど、自分なりのささやかな矜持は持ってやっているつもり。今回もまたハッとさせられもし、勇気づけられもした。 -
Posted by ブクログ
垣根さんの小説を読み漁るようになり彼の紡ぎだす世界観に魅力され
いつしか彼自身にものすごく興味を抱くようになりました。
これは小説の舞台になる南米の取材をまとめた紀行文!
いわば彼の初となるエッセイ集なわけです。
私が喉から手が出るほど読みたかった一冊で本屋で見つけた時は目が輝きました!
内容はもうほんとによかった!
引き込まれてあっという間に読み切るほどです。
私の文章力ではこの感動を伝えきれないので心に響いた一部を抜粋させてもらいます
『あたしはこの世界を愛しているよ。ぜんぶ、全部好きだよ。
だからあなたもそうすればいい。』
『あんたがもし今が楽しかったら、その楽しかった思いを、いつか誰かに分けてあげればいい。
そういうふうにして、世界は繋がってゆくもんだよ。』
南米の人の温かさや大きな愛が伝わってきました。
『大事なものほど明確な言語にはなりにくい。なぜならそれは意識の彼岸にあるものだから。』
垣根さんが南米で感じた心の何かがひゅっと抜け落ち、代わりに新しい何かが入ってきた、あの感覚。
私は読み終えたあとこの本から同じような感覚を味わうことができました。
さらに垣根さんが好きになったのは言うまでもありません。