あらすじ
※本作品は 2015年3月25日まで販売しておりました単行本版『勝ち逃げの女王-君たちに明日はない4-』の文庫改題版となります。
本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。
「おれはただ、ずっと自分を誤魔化(ごまか)してきただけだ」。リストラ面接官・村上真介の今度の相手は、航空会社の勝ち組CA、楽器メーカーでくすぶる元バンドマン、ファミレスの超優秀店長、おまけに、破綻した証券会社のOBたち。企業ブランドも価値観も揺らぐ時代、あなたは明日をどう生きる? 全ての働き人たちにパワーを届ける、人気お仕事小説第4弾! 『勝ち逃げの女王』改題。
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早くもシリーズ4作目。読み進めていく上での安定感が半端ない。残り1作で完結してしまうのが惜しい、長編でこの感覚は久しぶり。
話が進むたびに、「人生人それぞれ」「価値観人それぞれ」というメッセージ性が強くなっているように感じる。そしてそれらが、おそらくは誰もが直結する「働く」ということ。自分にとっての働くとは何か、楽しいと感じるのであればどういうことに対してか。何かのタイミングでそれを掴むことができれば、おのずとその後の生き方は変わってくるのだろうし、そのタイミングでってやっぱり仕事を変えるタイミングなのだろう。自分は一度そのタイミングを少し実感できたので、あと一歩という感じかな。
いずれにせよ、最後に出てきたお釈迦様の言葉は印象的でした。「過去を追うな。未来を願うな。過去はすでに捨てられた。未来はまだやって来ない。ただ今日のすべきことを熱心になせ。誰か明日の死のあることを知らん。」これまで少なからずそうしてきた自信はあるし、これからもそうしていきたいなと改めて。
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リストラ面接官第4弾。今回1と4はリストラ面接だけど対象者を引き止めるのが仕事。でもどっちもやめられちゃうのね。パレートの法則は聞いたことあった。真介がが知らないのが意外。高橋社長の過去は結構色々あったのね。
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リストラ請負人、村上真介主人公のお仕事小説第4弾。
相変わらず様々な職種に切り込み、物語にわびさびあり、心地よい。
第1巻君たちに明日はない、の頃と比べると、会社員と面接官の1対1の心理描写が少なくなったのは、若干物足りないが、もっと大きい括りでリストラとサラリーマン人生を語りはじめている。勝ち逃げの女王、以外は、今までと違う。違うけど、悪くない。
CAをテーマにした勝ち逃げの女王、定番な感じ。
だいぶ前に、現ヒューマンリアクト社長の高橋により、山三証券をリストラされた昭和のサラリーマン2人から人生を学ぶ、ノーエクスキューズ。各論感がないが、染み入る。
永遠のディーバ。プロのライダーを目指した村上、プロのミュージシャン、サッカー選手を目指した男、そして才能豊かな歌姫とその再生。コレも各論感がなく、今までと違うけど、染み入る。
一流大学をでた男が、学生の頃からの継続でファミレスで働く、リブフォートゥデイ。コレも悪くない。
今までのシリーズとは、趣が異なる作品だけど良い。
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リストラ請け負い業者に勤める主人公が、色々なリストラ対象者とやりとりするシリーズの第4作目。段々と中身が薄まっていくシリーズ物が多い中、僕的には今作4作目にして一番胸に来ました。下手な自己啓発本読むならばこれを読んだ方が色々自分を見つめなおす機会になるような気がします。リストラの悲哀ではなく、人の生き方と仕事の関係性が描かれた本でした。僕は仕事よりも音楽と本に生きてるのでちゃんと給料貰えていればありがたいですが(^∇^)
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リストラ請負人・村上真介が主人公の「君たちに明日はない」シリーズの第4作。
物語を通じて仕事や会社との向き合い方についていつも考えさせられ、また勇気づけられてきた、大好きなシリーズ。今度も文庫になるのを待ってた。
希望退職に応募した人を引き止めたり、会社が印をつけた優秀層を思い留まらせたり、山一証券の破綻を思わす団塊の世代を登場させたり、これまでと趣向は変わっているけれど、やはり仕事との向き合い方について考えさせられた。
もう2年したら60歳で定年になるけれど、私の世代では年金をもらえるのは62歳からで、今から会社を辞めてどこかに転籍し年金をもらえる歳まで働くにはもはや手遅れで、60歳まで働いても次の働き扶持を紹介してもらえる可能性もかなり低く、こんなことならこの前の希望退職の際に辞めておけば良かった思ったりもしながら、いやいや、あの時はそういう風には思っていなかったじゃないかと気を取り直して働く毎日。
そういう心持ちの時にこの本を読むと、色々思うところがあり、ついウルっと来てしまうところにぶち当たり、電車の中で読んでなくて良かったと思う。
「勝ち逃げの女王」は、会社と自分の関係について。
『個人のプライドというのは、仕事における誇りというものは、意識的にも実質的にも、その基盤が盤石であってこそ持ち続けられるものだ』85
『どんな企業に勤めてどんな役職になっているかっていうことより、そこまでやってきている仕事の、自分にとっての意味のほうが大事なんじゃないかなって』100
「ノー・エクスキューズ」は、サラリーマンとしての矜持について。
『人間、もう必要とされなくなった場所に居てはいけないんだよ。だったら、そんな場所はとっとと捨てて、新たに必要とされる場所を探したほうがいい』123
『結局は何のために仕事をやっているんだっていう、自覚がないんだよ。自分と、自分のお客のため以外には、本当には頑張れないんだっていう自覚がさ』135
『自分の人生がどう転んでも、言い訳をしない。泣き言を言わない。家族にも、むろん他人にも。たとえ痩せ我慢でも、です。つまりは「ノー・エクスキューズ」-潔さ、ということでしょうか』149
『それぞれに、自分の家でも口に出せない孤独と不安を背負って、これまで生きてきたのだ』150
「永遠のディーバ」は、実力と才能について。
『結局は、気持ちなんです。次々と見せつけられる実力の差やセンスの壁に、それでも挫けずにその行為をやり続けるに値する、自分の中の必然です』218
『自分はどうありたいのか。何を表したいのか。何を、どう伝えたいのか。それを真摯に見極め、追求していく気持ちの強さ。それこそが、才能なのだ』264
「リヴ・フォー・トゥデイ」は、長い人生の生き方について。
『観念的な正しさなんて、本当は実体がない。ただあるのは、こういうのが好き、こういう生き方がしたいっていう、単にそれだけの気持ちだ。気持ちの方向性だ。そしてそれを、現実とどう折り合いをつけていくかっていう問題だけだ』307
『たとえ明日のことを考えていなくても、懸命に日々を生きてさえいれば、そのうちに何かが見えてくる。人。意思。モノ。時間。どこかで、何かが繋がってくる……』347
毎日を目の前の課題をこなすのに精一杯で過ごしている身だけれど、自分なりのささやかな矜持は持ってやっているつもり。今回もまたハッとさせられもし、勇気づけられもした。
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著者、垣根涼介さんはバイクや車、音楽にかなり精通していることがわかる。
いろんな業種の内部事情が垣間見れるのも楽しみの一つ。
世の中の8対2の法則も面白い。例えば国民には5%の富裕層と、高給与所得者を含む15%の小金持ち、そして残る80%のなんとか生活している層に分かれる。
パレートの法則と言って、利益集団の中では必ず、2割の優秀者と、残る8割の可もなく不可もない層に分類される。そしてその2割の優秀な人材だけが、実は組織全体を実質的に動かしているそうだ。
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君たちに明日はないシリーズ第四弾!
すでに本シリーズを読んでいる方は、本作の主人公村上真介がリストラ面接官である事をご存知かと思う。今回の真介の受け持つリストラ対象者は
航空会社の勝ち逃げCA
CAの給料が思ったほど高くない事に驚き!
楽器メーカーの元バンドマンの課長
才能、技術、努力、持ってるものと、持ってないもの何かを続けるための努力と姿勢に考えさせられた!
潔い証券会社のOB達
昭和の時代のエリートサラリーマン達との雑談が心地よい
接客業の神の夢はバスの運転手
先を見据えなければならない仕事というのはストレスである事に違いない!
色んな業種の色んな話、再就職を考えている人、今の自分に不満な人達へ、自分を見直す一冊として読んで欲しい!
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普段の首切りから一転、今回は引き留めの話から始まる。逆なので簡単なようで難しいですね。
それから、社長の高橋の過去が語られる会。そして、いつもの首切りの話と、また引き留めの話。
いずれの話にしても、面接の対象となった人たちが、また新たな人生に向けて一歩踏み出す感じが良いですね。
相変わらず、自分が面接に呼ばれたらどうだろうと考えてしまうな。たぶん、SSE(職場測定アンケート)の内容は可もなく不可もなくといったところだろうから、やめろと言われてお金もらってやめるかなあ。その後どうすんのよってあたりが切実になりそうだけれども。
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リストラ請負い「君たちに明日はない」シリーズ第4弾
今回は「辞めさせる」より「できれば辞めてほしくない」人材への面接
対象者たちがより自分に正直に、新しい1歩を踏み出すのが特徴的
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面白かった。同じテンポの短編小説であるが、
いろいろな職種と人間模様があっておもしろかった。飽きずに読めているシリーズです。
今回は「勝ち逃げの女王」がすきだったかな。
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リストラ「君たちに明日はない」シリーズの第4作。
過去3作と違い、高橋社長の過去がある程度わかる。
4作品ある中、勝ち逃げ女王が一番私の記憶に鮮明。
(他作品も面白かったのは間違いないが)
フライトアテンダントのリストラ。日本では女子のあこがれの職業ということだが、海外ではこの職業に対する評価はファミレス店員レベル。
海外へ飛び回る、ブランド力による社会的優越感という以外、それほどやりがいもキャリアもない。
キャリアは、高収入男性と知りあり、結婚すること。
小説で、ホテル・旅館との違いが記憶に残った。
ホテル・旅館では良いサービスによりリピーターはあるが、飛行機は移動手段。良いサービスを受けても、次の搭乗で巡り合う可能性はかなり低い。
良いサービスを提供し続ける意義に疑問をもつ。
今の時代でもこのブランド力も低下しているようだし、航空業界もかなり難しい。
各職種の実情がわかるから、なかなか面白い小説です。
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シリーズ4作目。今回は、被面接者が「すごい人たち」。真介さんの思惑をも、斜め上を行く展開や結論に、若干圧倒されて読みました。
File2.「ノー・エクスキューズ」では、団塊世代の働き方、昭和から平成に入りバブル崩壊から不況へ突入していく中での社会の変化、仕事観の変容を感じました。
さていよいよシリーズ完結。(目の前にありますがまだ読んでいません( ̄ー ̄)ニヤリ
平成が終わろうとする今。「正規雇用」「正社員」であることの方が珍しい時代になっています。ということは、リストラ自体は減っているのかも…どうする『日本ヒューマンリアクト』
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相変わらずサクサクっと読めてしまう気楽な一冊。
最後のリヴ・フォー・トゥデイが
なかなか好みだったな。
外食産業で働く、仕事の出来る男性の話し。
生き方が潔くてカッコいい。
人から求められる、あるいは必要とされる。そんな場所にいるのが、一番幸せなかとなんじゃないかと・・・
本当。
だからやる気になるし、明日が楽しくなるんだよなぁ。
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「君たちに明日はない」シリーズ4作目
今回は圧倒的に"勝ち逃げの女王”が印象に残った
あのふわっとした美代ちゃんの一言、
「勝ち逃げの人生、アリかも」
本当にそう思う。いや、これって最高の人生でしょ!
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シリーズ4巻目の本作。今回もリストラ面接官の主人公 村上真介が対峙する個性的リストラ候補者とのやり取り集の短編4編の構成で、相変わらずのサラリーマンとして心に刺さる内容ばかりで面白かったです!
村上の上司の高橋社長の過去を描いたエピソード話も、なかなか良かったです!
次いで5巻目いきます!
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さまざまな人の人生観を見ることができるこのシリーズは本当におもしろいですね。作者がよく調べているのだろうと思います。リストラというネガティブな話題ながらも、読後感は爽やかで、新しい人生を応援したくなります。ほんのりと力をもらえる作品です。
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仕事に対する自分の向き合い方を、再チェックしたくなると読みたくなるシリーズ。リストラ請負人としては、当然会社の資源としての人と接していくわけですが、資源の側にいる私も、エピソード毎にしみるものがあります。でも、なんだか非常な感じが薄れてきているような気も・・・
解説の「必要とされなくなった場所にいてはいけないんだよ」っていう言葉がしみました。理不尽だとかいう前に、資源側としては、どのようなヒトが必要とされているのかをちゃんと把握しておけってことですよね。
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表題の短編が一番心に残りました。新たな一歩を踏み出すラストは自分も頑張ろうと思わせてくれます。優秀な人材を逆に会社に残そうとする2編は今までと毛色が違うパターン。ただ主人公たちも達観している感じで緊張感はあまりなく、ちょっと残念な感じ。今回は特に真介の活躍する場面があまりなく相手の方が一枚上手のような話ばかり。初期の頃のほうが面白かったなと思っていたら次作で完結との事。最後期待してます。
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「君たちに明日はない」シリーズ第4弾。リストラ請負人・村上真介が今回も人生の選択に関わっていく。
本作に登場する業界は、航空会社、証券会社、楽器メーカーにファミレス。このシリーズは業界の内情を知ることができるのが人気の秘訣だろう。
表題作は、シリーズ屈指の名作。その道を突き進むことができるのは、技術じゃなくて気持ちだ。とても大切なことを教わった気がする。
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これまでの作品と比べ、人生観・仕事観の要素が強くなってウエットさが増した印象。
それはそれで悪くなく、自分としては満足しています。
特に社長の過去に纏わるエピソードが良かったです。
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日本航空や山一証券、すかいらーく・・・
もちろん、実際の社名のまま記されているわけではないが、
おそらくはそれをベースにしているであろう実例がいくつか出てきていた。
ファミレス店長の話はとてもよかった。
このちぐはぐな感じが、本人のなかでは一貫していて、
読み進めているうちに読者にもわかってくるというのが素敵。
Posted by ブクログ
垣根涼介のこのシリーズは、最初はこんなにロングヒットになるとは思わなかった。ややマニアックなところもあるし、推定読者層はビジネスパーソンであろうし、彼らは移り気であるから。
意外にも、ヒット作品となって、いまや代表作なのかもしれない。
音楽の趣味が顔を出すが、マーヴィン・ゲイなど、やや古いな。
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『君たちに明日はない』第4弾
リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト』面接官・村上真介。
『勝ち逃げの女王』 AJAの勝ち組CA。
ただCAの給料の安さにびっくり。こんなに安かったの…
会社は残って欲しいって、思うんだろうが。
辞めてもいいよ、家族のために。
特に子どものために。
『ノー・エクスキューズ』 破綻した山三証券OBたち。『日本ヒューマンリアクト』社長・高橋がリストラした元山三証券社員。
『もう必要とされなくなった場所にいてはいけないんだよ』と。
確かにそうだ。
ならさっさと新しい道を探すべきだ。
『永遠のディーバ』 楽器メーカー『ハヤマ』管弦打事業部営業課長でくすぶる元バンドマン。
元バンドマンとして、音楽から離れられない…
離れようとしても…
『音楽はテクニックじゃない』
結局は…
ひと握りのひとたちだけがつかめるスターの座。
『リヴ・フォー・トゥデイ』 ファミリーレストランチェーン『べニーズ』店長。
結局は教師になりたかったんだろうか…
母親に対する反発からバイトを始め、教員免許が取れず、そのまま『ベニーズ』へ。
母親は何を思っているのか…
中学受験の成れの果てなのか…
我々の親の世代は、『いい大学』から『いい会社』に入れれば、『いい生活』が送れるって、考えるのが普通だった…
一部上場企業が倒産するなんて、夢にも思わなかっただろうし…
母親の気持ちもわかるな。
みんな自分で考え、自分で選んだ道へ進んでいく。
真介も何か考えているのだろうか…
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内容(「BOOK」データベースより)
リストラ面接官・村上真介の今度の相手は、航空会社の勝ち組CA、楽器メーカーでくすぶる元バンドマン、ファミレスの超優秀店長、おまけに、破綻した証券会社のOBたち。企業ブランドも価値観も揺らぐ時代、あなたは明日をどう生きる?全ての働き人たちにパワーを届ける、人気お仕事小説第4弾!
Posted by ブクログ
2の王子、3の張り込み姫、そしてこの4を
連続して読んだせいか、素直に面白がれない自分がいる。
感動に慣れたというか、作り込みすぎだろというのが
目についてしまった。
あいだ10冊くらい空けて読んだほうがいいかんじ。
面白いのは面白いので、残念。
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君たちに明日はないの4作目。人生と働くことについて教訓めいた話しが多く、心にあまり響く話しはなかった。憧れのCAになっても悩みは尽きない人の性を感じた。