あらすじ
旅行代理店で働く長瀬は、得意先の社長に「孫の慎一郎のベトナム旅行に添乗してくれ」と頼まれる。少年の本当の目的は、失踪した父親の消息を尋ねることだった。4年前、商用先のサイゴンで父は姿を消し、血染めの上着が見つかったという。母が再婚する前に父に会いたい! 無事を信じる少年のため、現地の娼婦やカーマニアのタクシー運転手と共に父親を探す一行を、何者かが妨害し続け……そして辿りついた真実とは。サントリーミステリー大賞・読者賞ダブル受賞作!
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Posted by ブクログ
骨太な主人公がかっこよくて、疾走感もあり、一気に引き込まれる作品。ベトナムやタイなどの、ちょっと雑然とした町に旅したくなる。ストーリーをすっかり忘れたころに、繰り返し再読したい。
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垣根涼介さんは光秀の定理から興味を持ちそれから少しずつ読んでいってます。
歴史小説や時代小説がほとんどですが、この本を手に取り冒頭を少し読むと凄く興味の湧く内容に驚き、買って帰り2日で読みました。
時代小説以外を読むのはかなり久しぶりで、且つ本当に楽しめたのは初めてでした。
自分にとっては思い入れのある作品となりました。
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去年、ワイルドソウルを読んで知った著者。新千歳空港の本屋で発見して購入。
ワイルドソウルを彷彿とさせる、手に汗握る常に次が気になる展開。旅行先が自分も東南アジアだったということもあってか、楽しくサクサク読めた。と同時に、どんなレールが敷かれていても、人生の価値観って人それぞれだよねと思わせる作品。
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ややご都合主義な感もあるが、デビュー作でこのクオリティは凄い。
ベトナムの様子がリアルに描かれてると思う。行ったことないが。
ブルーバード510の描写は冗長。
オチは予想できたが、ちょっとアッサリしすぎかも。
「もうちょっと、こう、そのぉ、何かあるだろ」と。
勝手に
西島秀俊
神木隆之介
安田顕
伊勢谷友介
鈴木保奈美
津川雅彦
でキャスティングして読んでました。
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旅行代理店に勤める長瀬は取引先の社長に頼まれて、社長の孫のベトナム旅行に同行することになる。実は少年の父親は、ベトナムで行方不明になり、恐らくは何かの事件に巻き込まれて亡くなっていたはずなのだが…
ベトナムを舞台とした、冒険小説。
長いこと積読状態で、なんで本棚にあるのかも思い出せないくらいでしたが、読み始めたら、まぁ止まらないこと。スピード感が半端じゃない。
多少ご都合主義というか「あり得ないだろう!」なところがありましたが、小説ですから、いいんです。
タイトルの理由がわかるラストはお洒落ですね。
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ずっとハラハラドキドキする展開で面白かった。
だからこそ、最後むなしい気持ちになってしまって、登場人物のみんなが救われて欲しいというか、幸せになって欲しいと思った。人それぞれ何かを抱えて生きていて、ずっと幸せな人生の人っているんだろうか…
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面白かったー!
登場人物が魅力的に描かれてるのがまず良かった。主人公の長瀬は器用で何でもそつ無くこなす感じ。でもそんな自分について理解もしてるからたまにちょっと嫌になるという人間らしさもある。
もう1人の主人公とも言える少年、慎一郎も16歳とは思えない冷静さで子供ならではのうるささ、青さみたいなのがほとんど感じられず(彼の生まれ育った境遇によるもの)もしかしたら不自然というかこんな子供いないのかもしれんけど…読んでるぶんには無茶なことしたりせんからイラつかされんで良かった。
ベトナム現地の運転手のビエンや娼婦のメイ、長瀬の友人(と素直に言えるのか分からんくらいには仲良しこよしって感じの関係性ではないけど)の源内…皆それぞれ個性的で好感持てた。
魅力的なのはキャラクターだけじゃなくて話の内容も。次々先が気になってあっという間に読めた。時間としては3時間近くはかかったけど体感としてはあっという間。
スリルもあるし長瀬の機転をきかせる場面もあるし、うっすらロマンス的な要素もある。
長瀬は仕事もできるし人間的に頼りになるところが異性として魅力的やと思うから、最後メイとどうにかなるかな…とちょっと期待したけど実は彼女いましたーって言うのも妙にリアルやった。
慎一郎の周りの大人たちは皆勝手やな、、
皆親ではなく「男」であり「女」のままで…慎一郎なら大丈夫やと思って甘えてる。慎一郎だけは自分で自分の人生を選択することもできず雁字搦めになってて。
最後は父親が彼に逃げ道を多少与えたけどそれだって死ぬ思いでこっちから会いに行ったからこそで本来は息子には一生会うつもりなかったみたいやし。父も母も愛情が薄いというか慎一郎を息子ではなく個々の人間というか守るべき相手としては見てない感じと言うか。
それは今現在祖父が大きな力を持ってて経済的にも社会的にも十分に彼を守ってあげられると分かってるからこそでもあるんやろうけど…。
全てを知った慎一郎の胸の内を思うとひたすら切ない。そして最後に父から渡された腕時計を窓から投げ捨てたのはちょっとスカッとした。
慎一郎の今後の人生が幸多からんことを…と願わずにはおれんかった。
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本書で特に印象に残ったシーンが三つ。
一番印象に残ったシーンは、父親を見つけながらも、日本に戻らないとする父親から何かの資金にもなると貰った高級腕時計を成田空港から自宅に帰る車中から息子が投げ捨てるシーン。
二つ目は、エピローグの最後にある一番鶏ルースターの鳴き声に「この国、日本で鳴き声を聞かなくなってから久しい」と述懐するシーン。主人公の父親が妻子と過去を捨て、「動かせる明日がここにあるから」とベトナムに身を投じたいわくを暗示するシーンでもある。
最後は、プロローグにある成田空港のパーキングに乗り捨てられた車に駐車場の親父が「日本に戻るより楽しいものを見つけたんだろ」「今の生活を放り出して手に入れたいものなんて想像もつかない」と述懐するシーン。
混沌とした熱いエネルギー漂うベトナムを舞台とした謎解きの物語りに印象的なシーンを上手く配置した小説だなあと感じ入りました。
父親がベトナムで描きたい人生は、妻子を捨てなくても出来たはずではないかとも思いつつ⋅⋅⋅⋅⋅
Posted by ブクログ
旅行代理店勤務の長瀬。中西社長に頼まれ、孫の慎一郎のベトナム行きに付き添うことに。実は慎一郎は、かつてベトナムで失踪した父親を探す目的だった。単なる人探しに思えたが、いろいろな事件に出くわして。。。というお話。異国の地で人探しをするだけの、のんびりした話かと思いきや、なかなかドキドキハラハラのサスペンスだった。筆者が車やバイクが好きなんだろうなあ、とおもわせる描写もあり、面白かった。
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ガチガチじゃなく、程々のハードボイルド感で、どんどんストーリーに引き込まれた。主人公がウルトラスーパーマンじゃなく、拳銃やマシンガンが飛び交わないのがいい。他の作品もぜひ読んでみたい。(^_^)v
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ベトナムで死んだことになっているはずの父親が、海外ドキュメンタリー番組の風景の一部に映っていた・・!
父親を探しに行く少年と、それを手伝う旅行代理店所属の主人公とその仲間たち(現地調達含む)のお話。現地でドタバタと父親探しを進め、やがてある事実に辿り着く。
父親は家族と仕事(宝石店の跡取りになるはずだった。。)を捨て、ベトナムで少し危険を伴いながらもやりがいのある仕事をしていた。それでも少年の心は晴れたのだろう。
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旅行代理店勤務の主人公が、ジュエリー会社の社長に孫息子をベトナムに連れていってほしいという依頼を受ける。孫息子の真の目的は行方不明になった父を探すこと。一方、社長は未亡人となった娘を、提携先の会社と子息と政略結婚させようと画策する。父を探す手がかりは、テレビのベトナム特集でチラと映っていた姿のみ。元テレビマンの主人公の友人を加えた3人で行方不明になった父を探す。
というわけで、なかなか手の込んだ設定になっていて面白かったです。相変わらず著者の好きなバイクと車のディテールの話が盛り込まれていて、この方面に興味のある人にはたまらないかも知れません。
今はコロナでなかなか海外に行きたくてもいけないので、こういう異国情緒を感じる小説は良いかも知れませんね。ベトナムはなかなか行きたいところじゃないかも知れませんが。
オチはなんとなく読めてしまったので、ミステリーとしてはふつうかも。
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登場人物がみんな魅力的 サイゴンは行ったことないけれどその喧騒や混沌とした雰囲気や色彩やにおいまでしてきそうな 一言で言うと痺れました かっこいいなーいつか行きたいところがまた増えた
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初めての垣根さん作品。
ハードボイルドでスリル満点の面白い一冊だった。
宝飾を取り扱う会社の社長から、孫で跡取りの少年・慎一郎の卒業旅行に添乗して欲しいと頼まれた旅行会社営業マンの主人公・長瀬。行き先はベトナムのサイゴン。
4年前に新拠点の下見にベトナムへ出かけた慎一郎の父親が失踪していた。サイゴンの市場を映したドキュメンタリー番組で父親を見つけた慎一郎は、父親を探し出し日本に連れ戻したいと思っていた。
長瀬の悪友・源内と3人でサイゴンに乗り込み、現地で運転手役のビエンとガイド役のメイを仲間にし父親の足跡を追うが、予想外の危険が待ち受けていた。
遂に再会できた父子。
父親はベトナムの地で事業を成功させており、人生を謳歌するには日本に帰るわけにはいかないと信じている。
そして慎一郎は、しがらみに苦しむことになると分かっていても日本に戻り、大人になると決心した。
男同士だからなのか、妙に物分かりがよく冷静にやり取りする親子の姿が切なかった。
Posted by ブクログ
垣根先生の文章はとても読みやすく、スッと中に入ってくる。現地の空気感や匂いまで伝わってきそうな描写が素晴らしい。
「ワイルドソウル」でハマった作者のデビュー作ということで読んだが、既に作者の世界観が出来上がっているように感じた。
まるで自分も現地にいるようなわくわく感。途中で仲間になってくる現地人も良い味を出していた。
内容の濃さに、ほんの数日の出来事なのだということを忘れてしまった。プロローグ、エピローグがとてもきいた一冊だった。
Posted by ブクログ
ある程度以上好きになった作家さんの初期作品やデビュー作を読む場合は、いつも身構えてしまう。
粗削りさ(稚拙さ?)にガッカリしてしまうことが何度かあったから。
垣根涼介のデビュー作は・・・・
すっごく面白かった♪
冒頭の十数ページでぐいっと物語に引きずり込まれたかと思うと、その勢いで最後まで一気に読まされてしまった。
巻末解説者や、受賞時の選評者が絶賛するわけが、よく解る。
"垣根節"が効いた登場人物造詣…は、この時点で既に出来上がってたのね。
★4つ、8ポイント半。
2019.11.21.新。
※「ボーダー」を読んだ際、、、
初出のキャラ(しかも主要な役どころではない)のエピソードに随分とページを割くなぁ…と思いつつ読み終えた際の皆のレビューに
「……ルースター」の彼のその後が見れて嬉しい♪
的な感想をちらほら見かけた。そっか、あの「慎一郎」が、今作での彼だったのね。と、納得。(読み返したくなってしまったが…既に手放した後(苦笑))
※既に多作に友情出演している慎一郎義兄妹はもちろん、長瀬も源内も、十二分にキャラが立っていた。シリーズ化しても良かったんでないかい?
Posted by ブクログ
物語の出だしから父親は生きていると思っていましたが、やむにやまれぬ事情でも記憶喪失とかでもなく、逞しいギラギラした感じの印象を受けました。ページが進む毎にあとこれだけしかないけど、本当に会えるのか実は会えない設定か!?等々思いましたが「じゃあな」なんですね。
退路を断って新しい人生を進む慎一郎君のその後をいつか読んでみたい気がします。
Posted by ブクログ
面白いとは思うが何か物足らない所がある。
話の展開が大きい感じがした割には、結末が小さいというのが感想だ。
ルースターとは雄鶏の意味なんだ、、、、
Posted by ブクログ
まぁまぁ。
細かいところは想像に任せて読みやすい。
ライトな部類。
もうちょと海外の喧騒を暗部をディープに感じたかった。
たびの目的を果たした後もあっさりして、それで終わり?って感じだった。
Posted by ブクログ
ぼちぼちですかね。
読みやすくてよいのですが、少し展開がありふれていて面白味にはかけているかもしれませんね。
垣根さんの期待値が高いせいかもしれないです。
登場人物がみんなかっこよく描かれていて、
ほんとにハードボイルドな感じでした。
Posted by ブクログ
たまたま覗いた方の本棚でたまたま目についた作家 一切知らない状態でとりあえず読んだ ザ・ハードボイルドなんてえらく久しぶり そう言えばえらく昔にチャンドラー読んだっけな〜