垣根涼介のレビュー一覧

  • ワイルド・ソウル(上)

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    代表して上巻だけ本棚に置きます。
    ブラジル移民の話に、いつも惹かれます。
    過酷な現実と向き合いながら生きていかざるを得なかった方々の生活に触れることで、自分の生き方を見直したいのかもしれません。
    日本と違う文化を背景に、底抜けの絶望と底抜けの明るさを感じた本でした。

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    2026年07月14日
  • 蜻蛉の夏

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    垣根涼介さんの『蜻蛉の夏』を読んだ。「止」は波立つ水面を静めること。「観」は静まった水面に映る真実の月を見ること。揺れる濁り水では月は見えず乱れた心では真理は見えない。まず「止」で静め、次に「観」で見抜く。現実を超越した世界のようでいて、描かれたのはやはり人間そのものだと感じた。

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    2026年07月12日
  • 蜻蛉の夏

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    感想
    人外の力を持つには半死半生の努力が必要。その割には報われないのが痛い。

    炎観と信長が出てきた時から最後はこういう風になるんだろうなと思っていたが、最後にちょっぴり裏切られる展開だった。


    あらすじ
    円四郎は子供の頃に伊賀下忍に拾われ、死にそうな厳しい修行を受ける。ある日、承元という僧に拾われる。そこでも厳しいながら充実した修行を積み、幻術の一種である止観と水観を習得する。

    時は戦国時代、織田信長が勢力を伸ばしていた。円四郎が18歳になる頃に師匠から独立して英気を養えと言われ、師匠に呼び出される時を待つ。

    娼家に生まれ、湯屋掘り出された平助は果心居士に弟子入りして炎観を習得する。平助は山で月観を操る桂月に精気を吸われて死にかける。京にて円四郎と対峙し、取り逃がす。

    円四郎と平助は、自ら死にそうな体験をすることで行法を体得していく。桂月は双子の義母に習い、月観を習得する。自分に会いに来た円四郎を寝殺し、記憶を読み取る。円四郎は生かして返す。

    松永弾正に付いた果心居士は信長に平助を差し出す。平助は十兵衛付きとなり、戦の手助けをする。円四郎は承元が長島で一向一揆の手助けをしていることを知り、承元の頼みで信長に水観を試みるも通じない。

    平助は里芋平助として信長に好かれる。叡山の焼き討ちに参加して功をあげる。桂月は岩村城に武田の患者として潜り込むが織田方のお艶と情念を交わしてしまう。岩村城は武田に寝返り、桂月もそこを離れる。円四郎は一乗谷の殲滅戦に参加し、風観の風我を倒す。しかし信長の苛烈なやり方に納得が出来ずに出奔する。出奔したところを果心居士に襲われるが、承元に救われる。その後、二人は桂月のところで手当てされる。

    承元と円四郎は伊勢に手助けに行くが、承元は死ぬ。円四郎と平助と桂月は反織田を掲げて、一向一揆を支援する。桂月と平助は石山本願寺の伽藍を焼失させるのに一役かう。桂月と平助は、光秀が本能寺を襲う際に月観を使って、光秀隊が本能寺に近づくのを気づかせるのを遅らせる。

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    2026年07月11日
  • 蜻蛉の夏

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    相変わらず織田信長周りの話は本当に面白い。超能力使いがいて、あの乱世を陰で支えていたという感じだが、その時代の有名な出来事にその超能力者がすんなり絡んでいて、構成のうまさを感じる。

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    2026年06月28日
  • 極楽征夷大将軍 下

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    下巻になると、足利直義と高師直のダブル主人公で物語は進みます。→尊氏のキャラは強いが存在感の薄さが際立ちます。

    楠木正成や新田義貞を抱える後醍醐天皇派と全国の武士の代表足利尊氏軍の戦は大詰めを迎えます。
    更に、幕府開闢後の直義、師直の苦悩と二人を悩ませる周囲の展開が関係性の良かった二人の関係に一個一個亀裂を打ち込んでいきます・・・
    ここからの見所は

    ・新田・楠木にボコられた後にどう逆転の道筋があるのか?
    ・尊氏の長男嫌いは何処まで師直達を悩ませるのか?
    ・この苗字は戦国時代以降に登場するあの人の先祖?
    ・大器晩成、成長著しい足利尊氏!

    と言ったところでしょうか!

    いずれに致しましても、現代の日本では三大悪人
    の一人として数えられる足利尊氏ですが本書を読むと後醍醐天皇側に大きな問題があるような気がします。
    器から溢れる水には新たな器が必要なように、政治機構の能力を超えた権力からは不満が溢れるもので、世間というものはどんな器であれ、溢れたり溢れたりしない器を待ち望んでいるという事なのでしょうか。

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    2026年06月21日
  • 信長の原理 上

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    垣根さんの著書である「光秀の定理」の方が私は読んでいて楽しいなと思いながら、上巻を読み終えた。

    ここで出てくる「パレートの法則」は、私も実生活で感じることが度々あった。
    職場で優秀な人は、職員の中の2割程度。この職場で何かを動かそうとする時は、この2割の人に働きかけると、動きやすくなる。他の8割の人は、上司に言われたことしかできないか、言われたことさえできないか…

    この本を読みながら、この8割の人たちをどう扱っていくのかを思いながら、下巻を読みたいと思っている。

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    2026年06月11日
  • 光秀の定理

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    ネタバレ

    信長の原理が面白かったので、こちらも読んでみた。
    本能寺の変に至る光秀の心理や、人間関係がわかりやすく、説得力があり面白かった。
    もし、光秀が勝利していたら…や信長が天下を統一していたら…という想像をかきたてられる読後感で、とても良かった。

    大河ドラマの麒麟がくるのときも思ったけれど、本当に光秀は現代の中間管理職で苦労したんだな、と同情してしまう。
    しかも、部下の命がかかっている仕事ばかり抱えていると思うと、気が狂わないほうがおかしいのかも、と思う。

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    2026年06月10日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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    ネタバレ

    リストラ請負会社で働く30代の主人公が様々な会社のリストラ候補の社員と面談をベースに話が進んでいく。
    特に印象に残ったシーンはfile5の音楽プロダクションを経営している会社のリストラ候補者との面談シーン。リストラ候補A(石井)は会社に安定的に利益貢献することを第一に考えているため、実績のあるベテランミュージシャンを優先して、堅実に淡々と利益を積み上げていくスタンス。対して、リストラ候補B(黒川)は売れるか分からない若手ミュージシャンの起用に力を入れているため、利益にバラツキはあるものの、所属ミュージシャンへの思いが溢れていた。この両者の人物像の対比が面白かった。
    本文の中で、「(黒川は)親切とか、優しい、ということではない。イメージングなのだ。相手の立場になって付き合えるかどうか。そうすれば自然と涙は出る。飯だって奢る。その共感性の高さがつながりを密にする。相手を信用させる」という内容は腑に落ちた。

    PS:最後のシーンで陽子が急に泣きたくなった理由について分かる方教えてください…。

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    2026年06月09日
  • 極楽征夷大将軍 上

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    室町幕府を開いた足利尊氏は、かつては天皇に逆らった「極悪人」とされていたのが、現代になって諸々再評価されてきていたのを、もう一つ踏み込んで、極楽とんぼの「やる気なし、使命感なし、執着なし」のぼんくら男だったとして、尊氏を支えた高師直と弟の直義の視点から交互に語らせたお話。

    二人の関係も、ここ上巻まではうまく回っているのだが…

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    2026年06月07日
  • 月は怒らない

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    最後まで読んで「月」の意味が分かりました。文庫版あとがきでも著者が書いているように、人格がどこか壊れた1人の女と、4人の男のお話です。面白かったです。

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    2026年05月18日
  • 武田の金、毛利の銀

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    愚息と新九郎がまた活躍。光秀が敵であるはずの武田の家臣と大冒険。面白いけれど、垣根涼介はもっと他のは面白いから星は四つ。

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    2026年05月10日
  • 極楽征夷大将軍 下

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    ハードカバーがかなり読みづらそうだったので、文庫化を待っていた作品。
    室町幕府の成立から観応の擾乱までが丁寧に描かれている。この時期、同じ人物が味方になったり、敵になったりを繰り返していた理由がよく分かった。
    尊氏だけでなく、直義や師直のキャラクターも魅力的で、飽きることなく読み終えることが出来た。

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    2026年05月07日
  • 光秀の定理

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    光秀の本能寺の変に至る心情と確率論を融合させ、そこに狂言廻し的な、あるいはもう一つの主人公というべき破戒僧と若き兵法者の生き様や友情が加わって、一味違う歴史物となっている。

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    2026年04月29日
  • 極楽征夷大将軍 上

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    自分が想像していた人物像とはかなり異なるが、確かにこういう解釈もあり得ると感じた。
    どこまでも滑稽な尊氏に親近感を覚えた。

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    2026年04月29日
  • 南米取材放浪記 ラティーノ・ラティーノ!

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    ワイルド・ソウルを読みたいと思いつつ、上下巻の分厚さにためらっている中、古本屋で遭遇。ワイルド・ソウルをもっと読みたくなった。旅行中に読むのに適した本。

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    2026年04月28日
  • 信長の原理 下

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    こちらも再読完了
    新しい切り口での歴史小説。
    本当にこんな話があったのかもしれないな〜っと思ってワクワクした。

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    2026年04月26日
  • ワイルド・ソウル(下)

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    いわた書店の1万円選書でチョイスされた本。

    楽しく読めましたが、個人的には上巻と下巻で印象が大きく異なる作品でした。ブラジル移民の過酷な現実や歴史の歪みを描いた上巻は、細部の描写や思想的な厚みが際立っており、社会派小説として強く引き込まれました。

    一方、貴子とケイを軸にした下巻は一気にエンタメ感が増し、痛快な展開の面白さはあるものの、上巻で感じたリアリティや重みはやや薄れた印象です。

    それでも、「人が人へと恩をつないでいく」というテーマや、国家やシステムに翻弄される個人の姿には一貫した力強さがあり、十分に読みごたえのある作品ではあったと思います。

    全体としては、重厚な歴史小説と復讐劇の両面を併せ持つ作品であり、その振れ幅の大きさこそが評価の分かれどころであると同時に、本作の魅力でもあると感じました。

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    2026年04月25日
  • ワイルド・ソウル(上)

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    いわた書店の1万円選書でチョイスされた本。

    楽しく読めましたが、個人的には上巻と下巻で印象が大きく異なる作品でした。ブラジル移民の過酷な現実や歴史の歪みを描いた上巻は、細部の描写や思想的な厚みが際立っており、社会派小説として強く引き込まれました。

    一方、貴子とケイを軸にした下巻は一気にエンタメ感が増し、痛快な展開の面白さはあるものの、上巻で感じたリアリティや重みはやや薄れた印象です。

    それでも、「人が人へと恩をつないでいく」というテーマや、国家やシステムに翻弄される個人の姿には一貫した力強さがあり、十分に読みごたえのある作品ではあったと思います。

    全体としては、重厚な歴史小説と復讐劇の両面を併せ持つ作品であり、その振れ幅の大きさこそが評価の分かれどころであると同時に、本作の魅力でもあると感じました。

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    2026年04月25日
  • 極楽征夷大将軍 上

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    室町幕府の成立はあまり興味がなかったが、輪郭はちょいわかった。足利尊氏、直義の解釈は面白い。それにしても後醍醐天皇の悪の強さには驚く。

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    2026年04月25日
  • 武田の金、毛利の銀

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    織田信長の命により、明智光秀が4人チームで武田の金山と毛利の銀山の産出量を調査しに行く物語。明智光秀が友垣たちと金山に向かうと、武田の重臣が現れ銀山への調査には同行したいと申し出て旅を共にすることに。四人の珍道中はユーモアがありとても面白かった。また厳重に警戒された銀山に忍び込む場面は特に緊張感があり引き込まれた。場面が目に浮かぶほど筆者の筆力が凄くて、最後までドキドキ面白かったです!!

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    2026年04月25日