垣根涼介のレビュー一覧
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初代征夷大将軍・足利尊氏の半生を描いた歴史長編。
第169回直木三十五賞受賞作。
欲なし・やる気なしの兄と、しっかり者の弟。
重臣の高師直に、赤松円心など登場人物がとても魅力的。円心とか情に厚くてまさしく理想の「武士」って感じの気持ちの良さ。
反して後醍醐天皇の欲まみれな事…。(どこまで史実に忠実なのかわからないけど)いつの世もこういう身分と人間性が比例しない人いるんだよなぁ…
一番好きなのはP249。私も泣いた。何という胸熱展開。
後半は盟友のようだった人達が袂を別つのが悲しいので余計に。
血の通った人間味が感じられる物語で、とても面白く読めました。 -
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一気読みでした
終わってしまいました…
才蔵が命懸けの鍛錬を終え、
来るべき日に向けて準備を進める。
才蔵、兵衛、道賢、芳王子、暁信
それぞれが、それぞれに苦しんで、戦っている。
この世は苦界。
どの道を進んでも苦しくて、
でも進まずにはいられない。
後半は続きが気になって、
戦に圧倒されて、
展開のスピード感にのまれ、
とても楽しんで読んでいるはずなのに、
同時に胸が苦しくなりました。
人が作るものはいつか寂れ、壊れ、朽ちていく。
それは作り手の人も同様に。
でも繋がっていくものもある。
過去を生き、今を生きる。
読書は楽しいだけでないけど、
自分にとって本作を読む時間は、
とても -
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「光秀の定理」「君たちに明日はない」に続き、3作目です。
(「信長の原理」は積んでます。苦笑)
映画ポスターの大泉洋が格好良すぎて。
ずっと気になってましたが、
社内の人のおすすめということもあり、
手に取りました。
歴史が詳しくない私ですが応仁の乱以降は、
戦国時代に突入というイメージがあり。
その直前ということで、
腐敗、荒廃、飢餓、閉塞感のある雰囲気です。
食べるものにも困り、
あちらこちらで搾取され、
戦に敗れれば浮浪者に。
冒頭で登場するのは才蔵という青年。
この人が大泉洋?と思ったら、違いました。苦笑
大泉洋が演じる兵衛が登場、納得でした。
自分で考えて決断し、答えを出す -
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室町時代、応仁の乱直前期くらいの京都を題材にしたピカレスク。主人公の才蔵が棒術使いとして厳しい修行の末に開花するまでの上巻が特に、修行好きとして超テンション上がった。下巻も一揆衆に参加しバトるのだがどちらかというと才蔵よりも、蓮田と道賢の一揆をめぐる攻防の方がメインとなり才蔵の強さも輝くけどメイントピックではなくなるため★一つ下げたが、しかし最後までとても面白かった。筆者の『ワイルドソウル』はいまだに忘れられない名作で、はまって一時期他の本もまとめて読んだのだが、超久しぶりに手に取ってみたらいまだに一級のエンターテインメントを書いてくれていて嬉しい限りでそれも良かった。
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ネタバレ上下巻を読み終えての感想。やはり、「一気読みできる歴史小説」という評判はその通りだった。
勢いに乗り天下統一に向かって進んでいく上巻に続き、下巻でもその流れは続くものの、信長の最期に向かっていく不穏な空気が流れはじめていくので先が気になって読むのが止められなくなった。
本題の信長の原理についても、上巻の内容から更に深掘りされていく。
そして、その原理に対する信長の向き合い方が、史実である明智光秀の謀反につながったと感じさせ、納得してしまうラストは見事な伏線回収と感じた。
また上巻同様、信長をはじめ戦国武将たちが出世をし自国の領土を増やしていくための働き方、人材育成などが現代のマネジメントにつな -
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一気読みできてしまう歴史小説という触れ込みを見て手に取ってみました。確かにその通りだった上巻は、織田信長の幼少期から京都にのぼるあたりまでのストーリーでした。
どこからどこまでがフィクションかわからないくらい、織田信長という人物について深く考え、その視点になってみると、きっとこの通りだったのではと思えてきて、おもしろい!
歴史上の著名人もたくさん登場しますが、史実とされているそれぞれのその後を知っているだけに今後の展開が気になるところ。個人的には柴田勝家の心理描写や、帰蝶と信長のやりとりなどが読み応えありました。
現代リーダーシップやマネジメントにつながる話も多く、現役の管理職をされている方に