垣根涼介のレビュー一覧

  • 極楽征夷大将軍

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    大河ドラマ、鎌倉殿の13人の続編のような運びで、ドラマにハマったのでとても楽しめました。とにかく大作なので、読み終えるのに時間がかかりました。あと、逃げ上手の若君も登場しますよ。

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    2025年08月05日
  • 極楽征夷大将軍

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    なんだ。
    やればできるではないか。


    死の直前。尊氏によって幽閉と言う名の保護下にあった直義が、精力的に動き、南朝との交渉、反幕府軍との戦争、幕府の運営と、今まで決してやらなかった源氏の棟梁、征夷大将軍としての役目を立派に果たしている兄の姿をみて、ポツリ、と浮かんだ言葉が、なんとも可笑しいけれども、なにやら切ない。

    やる気がない、すぐに丸投げする、丁寧に家臣を思いやることもなければ、手を尽くしてやることもない。
    そんな『極楽』征夷大将軍を、必死に支えてきた足利直義と高師直。
    浮かぶ瀬もないというか、できるなら、最初から自分でやってくれればよかったのにと思っただろう。
    いや、足利一族いや兄の

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    2025年08月04日
  • 武田の金、毛利の銀

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    今までの筆者の歴史モノの中では1番ユーモラスな作品だったかな。
    光秀、新九郎、愚息そして長安の旅路を理路整然と描いているだけでなく、珍道中のような軽妙なやり取りでも描いているのでとてもメリハリがあって読みやすかった。
    そして信長の深淵さもサクッと描いていてスパイスが効いているように思われる。
    でもって、わかる人はわかっていたのでしょうが長安がまさかあの大久保長安だとは知らなんだ。
    実際、彼らにこんな出会いがあったら夢があるなと思わせる作品。

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    2025年07月26日
  • 信長の原理 下

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    垣根氏がどのような意図を込めて描いたかは別として、結局のところ明智光秀の謀反は信長が織田陣営の全ての人を自分の都合のいいように動かせる手駒としてしか見ていないことに尽きると感じました。つまり、信長が発見したつもりになっている定理も、根底にある彼の傲慢さによる勘違いかもしれません。
    謎のままである本能寺の変の真相がこれだと言われれば納得します。

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    2025年07月05日
  • 信長の原理 上

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    一般的に言われているところの信長の長所短所はそのまま採用したうえで、配下の行動原理として2-6-2の法則を持ち出すとは、そしてそれが信長の逸話と妙にマッチしているところが確かに独創的です。
    良く知られている戰や出来事の扱いがさらりとしているところも良い。下巻が期待できます。

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    2025年06月28日
  • 極楽征夷大将軍

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    やっと読み終わりました。長かったです。さすが直木賞、物語としてダレることなく、時間はかかりましたが最後まで面白く読むことができました。
    読んでいてようやく自分でわかったことがありました。小生、戦国時代の物語などがあまり得意ではなく、本作も直木賞作品でなければ手に取っていなかったと思いますが、要は合戦の描写がぼやっとして上手く頭に描けないから苦手なんだと思いました。味方と敵が、どちらからどちらへ動いて、どうなっているのかが混沌としてわからない。どちらが勝ったのかは分かる。いっそのこと合戦場面を読み飛ばして、勝ち負けだけ把握すればいいとも思いましたが、それだと合戦ものを読む意味がないなと。よって距

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    2025年06月27日
  • 極楽征夷大将軍

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    大作であったが、読み始めたら止まらなくなり、2日で読み終わった。尊氏をこんな風に描いたのが新鮮だった。

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    2025年06月18日
  • 午前三時のルースター

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    旅行代理店に勤める長瀬は取引先の社長に頼まれて、社長の孫のベトナム旅行に同行することになる。実は少年の父親は、ベトナムで行方不明になり、恐らくは何かの事件に巻き込まれて亡くなっていたはずなのだが…

    ベトナムを舞台とした、冒険小説。

    長いこと積読状態で、なんで本棚にあるのかも思い出せないくらいでしたが、読み始めたら、まぁ止まらないこと。スピード感が半端じゃない。

    多少ご都合主義というか「あり得ないだろう!」なところがありましたが、小説ですから、いいんです。

    タイトルの理由がわかるラストはお洒落ですね。

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    2025年06月14日
  • 室町無頼(上)(新潮文庫)

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    久々、旅中にエンタメ小説を楽しみたくて垣根涼介を手に取る。室町時代のこと。登場する蓮田兵衛や骨皮道賢は実在したと言われていて、舞台となる寛政の土一揆に関しても史実として残るもの。だが勿論そこは自在に想像を膨らませて脚色され、非常に楽しく読める仕立てになっている。

    少し違うが武士の時代が重なる事もあって、漫画の『バガボンド』を思い出す。強くなるための修行、その力を用いる意義、正義とは何か。

    時代背景としての「租税や飢餓」。権力と民衆における対立構造があり、その攻防の延長に一揆があるが、どちらに正義があるか。そのストーリー展開が楽しい。

    映画では、蓮田兵衛を大泉洋が演じているが、最近読んだ『

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    2025年06月14日
  • 光秀の定理

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    作中の言葉を用いるなら、
    「敗者は、歴史の中で沈黙するのみである。」

    明智十兵衛光秀について、彼にかかわる周りの人物の視点からを中心に描かれる物語。敗者の側の世界から、現在表となっている世界が描かれていました。

    十兵衛が信長に取り上げられるきっかけとなった理は、凡人の私には理解が追いつかないけれど、変わっていくことの意義は感じることができました。

    あと、仏教の釈迦の教えについて、知りたいと思いました。恥ずかしながら仏教徒で葬式に出たりしてるのに、本質は知らない‥まさに、これがこの国の性なのでしょうか、自分が不勉強なだけなのでしょうか‥

    いずれ、じっくりもう一度読みたい、と思う一冊でした

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    2025年05月25日
  • 室町無頼(下)(新潮文庫)

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    面白く読めた。室町時代というあまり知らない時代ながらも戦国時代でも江戸時代でもない戦国時代前夜みたいな感じかな。
    飢饉なんか誰のせいにも出来ない中で支配的な仕組みは残っててそれの限界期。
    立ち上がる無頼のお話。
    ヤクザじゃなくて無頼。
    いつの時代もこういう人がいたのかもなと思わせる作品だった。

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    2025年05月22日
  • 極楽征夷大将軍

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    長い小説だったー。
    3週間くらいかかったんじゃないかな。
    それでも室町時代を知らなさすぎて、面白く読めました。飽きずにグイグイ読んだよ、このスピードですが。

    舞台は鎌倉末期、北条宗家の御家人の中でも格上の足利家。
    正妻の子ではなく、後継問題にも関わらないはずだった尊氏と直義兄弟。
    この2人があれよあれよという間に御輿に乗せられ、前に出ると朝敵になってしまい、上皇を担ぎ出し、南北朝時代が始まっちゃう。

    やっぱり戦国の世ですね。
    鎌倉から続く血塗られた時代。
    尊氏の性格は呑気で人当たりが良く魅力的で、戦上手な武将たちに好かれる。
    一方仲が良い弟直義は、兄をきっちりサポートして、ずっと裏方で差配

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    2025年05月20日
  • ヒート アイランド

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    一回読んだことがある本だったね。
    途中で気が付いたから止めようと思ったけど、面白かったのでそのまま最後まで読んだ。
    文章も短く、勢いだけで進む展開は渋谷という場所柄なのか、またヤクザだからいいということはなく、銃撃戦での人の死の扱いも軽い感じだね。
    続編もあるみたいなので、この本を売るついでに手に取ってみたい。

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    2025年05月14日
  • ワイルド・ソウル(上)

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    旦那に勧められてたやつやっと読んでみた。
    上巻は事を起こす原因の方ー設定がいい。戦後間もないブラジル移民のコミューンを取り扱った社会派サスペンス。
    壮絶。この人達がどうなるのか気になって仕方がない。

    下巻は本格的な復讐劇だろう。
    マフィアのエログロやハードボイルド系はお腹いっぱいだし、サスペンスはあまり好きではないが

    この小説には
    その復讐劇に至る心理過程に強い衝撃と丁寧な説得力がある。人間の闇と生命力に魅せられ、夜を徹して読んでしまうくらい

    印象的だったのは
    「白米が食べたい」って言葉…
    切実に遺伝子レベルに訴えてきた

    棄民の事は詳しくは知らないが事実ではある。ルポや歴史本を読もうと

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    2025年05月07日
  • 信長の原理 上

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    会社の上司から勧められて『光秀の定理』を読み、今回はその第二弾として本書を購入。
    戦国時代を「組織」の切り口で描かれていている一冊。結局は組織として機能した側が勝つ。そのためにリーダーができることは何か。

    今回の学びはリーダーの役割は戦略を自分が立てること。具体的な戦術については、自分が完璧だとは思わずに皆んなに議論をさせた上で判断すること。2・6・2の法則は根拠は分からないけど確かにあるからこそ、下の20%の底上げすることで当たり前の水準を引き上げることが大事だということ。最後に、自然の摂理に逆らわないこと。

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    2025年04月30日
  • 光秀の定理

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    愚息と新九郎という架空の?登場人物との接点により明智光秀を描いた作品
    作中にある博打の手法に興味を持った
    終盤は本能寺の変を架空の2人が分析しているが、少し尻すぼみな感じになってしまったのが残念
    ただ時代小説にしてはとても読みやすい作品でした

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    2025年04月15日
  • ヒート アイランド

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    2010年、一冊目。

    ハードボイルド。なかなかシビれた。
    最後まで、楽しめた。良作。

    唯一、難癖をつけるならば、主人公は19歳にしては頭がキレすぎる。そんな19歳はずるい。ずるいほどカッコいい。

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    2025年04月06日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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    面白い。

    垣根涼介さんの作品は初めて読んだが、面白い。
    タイトルは君たちに明日はないだが、登場人物全てに明日がある感じで前向きにそれぞれのストーリーが終わっていく展開も読んでいて心地良い。

    続編も読みたい。

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    2025年04月06日
  • 室町無頼(下)(新潮文庫)

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    垣根涼介らしい、漢の描写。
    たぶんにもれず「光秀の定理」から、時代小説に入ったが、この人が書くそれはいつも面白い。
    時代はどこに行っても、外道、バードボイルド、その中の美学や信念が心地いい。

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    2025年04月01日
  • 涅槃 上

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    何を読まされているんだ、という描写が続き辟易したが、それを補って余りあるストーリーにページを繰る手が止まらなかった。直家を導く年長者たちの温情とそれに応える直家の敬慕。戦国武将の駆け引きを商人の目線で描いているところも新鮮で面白かった。どなたかのレビューにもあったが新たな直家像の大河が観たい!

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    2025年03月27日