垣根涼介のレビュー一覧

  • 蜻蛉の夏

    Posted by ブクログ

    極上の歴史エンタメをたっぷりのページ数で楽しめた。幻術使いというフィクションが実際の歴史の中の事件で影響を与えているという設定は面白い。また、信長の戦いでもメジャーなものだけでなくあまり有名でない戦いも取り上げているところがマニアックで自分には嬉しい。止観の道士達の最後がそれぞれに寂しい。

    0
    2026年08月30日
  • 極楽征夷大将軍 上

    Posted by ブクログ

    鎌倉末期から南北朝時代の混沌とした時代を駆け抜けた「足利兄弟」、尊氏と直義は正反対のキャラクターだけにお互いを認め合う。時に敵対しながらも(弟は兄に呆れ続けながらも)兄弟の信頼関係だけは失われないのだが、命懸けの権力闘争の中でその「兄弟愛」が戦局に災いしたり味方したりするのが面白い。二人に権力欲が無いからこそ別の価値が頭をもたげる。戦国時代とはまた違った、少し緩い空気感が心地よく、上下巻1000ページも長さを感じずに読めた。
    何より尊氏の「極楽」ぶりが緩さの主役。平時は無気力、無責任、優柔不断で何も為さない尊氏が、戦時には不思議な魅力でカリスマとなり勝ち続ける姿は、リーダー論としても考えさせら

    0
    2026年08月21日
  • 蜻蛉の夏

    Posted by ブクログ

    信長や光秀といったこれまでの垣根作品で描かれた人物がぶれずに登場します。
    そんな戦国期に止観といったいわば陰陽師みたいな魔術の使い手たちがこの作品の主人公です。

    ファンタジーに振り切った作品と作者が仰る通り、読み応えがあって面白い。どうしたらこんな発想で物語りが出来るのか不思議でならない、というのが読み終えたあとの感想ですね。

    0
    2026年08月18日
  • ヒート アイランド

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2000年初頭ってこういうストーリーが流行ったよね。ストリートギャング系。前半はギャング、ヤクザ、強盗、などなど色んな目線から事件が絡み合ってくる。それぞれのバックグラウンドとか、同情したくなるエピソードを添えて。後半は一気に大戦争。いやこれ爪が甘いでしょ!とか、なんでこの行動するのかわからない!(まあでも物語を動かす上では仕方ない)などもありつつ、何よりも、ガキの集団が一枚上手だっていう設定がなんだかなぁ、だけどそれも物語上仕方ない、と後半戦ちょっと冷めた目で読んでたけど、結末は良かったかな。こーゆーのはやっぱり映像で見ないと〜って思ってたらまんまと映画化してた。今度見てみよう。

    0
    2026年08月15日
  • 蜻蛉の夏

    Posted by ブクログ

    ぶ厚い本で、第1章には結構苦労したんだけど、やはり信長が出て来てから盛り上がる。どういう結末になるかは分かってるんだけど、そこにうまく止観の道士を絡ませている。凄い作品です

    0
    2026年08月11日
  • 極楽征夷大将軍 下

    Posted by ブクログ

    室町幕府の創成期の有様が少し分かった。
    それにしても状況がコロコロと変わる。
    まるでシーソーゲームの様だ
    最終的な状況になる前に何か打つ手があったと思うが、それについて後からは何とでも言える事だ。
    時代の流れが感じられる。
    この作品を読み終えると次に「応仁の乱」に書かれた小説が読みたくなる。
    出来ればこの作家が書く様な、面白みのある作品を読んでみたい。

    0
    2026年08月04日
  • 涅槃 下

    Posted by ブクログ

    宇喜多直家は好きでも嫌いでもなかったがとても魅力的に書かれているので好きになれる。この時代の話は三英傑の視点で読むことが多いが織田と毛利に挟まれた宇喜多直家の視点で見る面白さもある。お福も魅力的でよかった。

    0
    2026年07月28日
  • 極楽征夷大将軍 上

    Posted by ブクログ

    時代小説と言えば圧倒的に織田信長・豊臣秀吉・徳川家康を中心とした戦国時代の作品が多いと思う。
    自分もその類を読んできたので、室町幕府を扱う作品は初めて読む。そもそも楠木正成や新田義貞の名は知っているが、何を成した人物かは日本史で習ったが忘れている。
    読む事が学びであり新鮮だった。
    そしてこの作者の文章は面白い。
    時代物の言い回しの中に、少し現代的な表現を差し込み読んでいて心地良い。
    この時代の人々が自分の中でしっかりと見えてきた感じだ。

    0
    2026年07月28日
  • 極楽征夷大将軍 上

    Posted by ブクログ

    初めて読んだ歴史小説。歴史の授業でなんとなく知っていた足利尊氏、弟直義の幼少期からの生い立ち、人となりを知ることができて非常に面白かった。直義の、多々兄に失望しながらも自分のことは二の次で足利家と兄尊氏のことを思って生きる姿に感動した。いつまでも純粋な気持ちを持ち続ける尊氏の性格は、成長するにつれて大きな弱みとなる反面、多くの人を惹きつける魅力となることに、なるほどな、確かにそんな上司の元で働くのも案外楽しいのだろうなと思わされた。

    0
    2026年07月25日
  • 人生教習所(下)

    Posted by ブクログ

    免許停止処分を受けた男女7人が、再教育のために合宿形式の「教習所」で5日間を共に過ごすという物語です。
    ありがちな成長物語かと思いきや、それぞれの事情や背景が丁寧に描かれ、人はそう簡単に変われない、でも変わろうとする意志は誰にでもある、という視点に共感しました。
    テンポよく読ませながらも、不器用な大人たちの姿が沁みてきて、思わず自分に重ねながら読み進めていました。
    人生に正解なんてないけれど、立ち止まって振り返る時間も悪くないと思えます。
    やや説教臭く感じる場面もありましたが、それすらも年齢を重ねた今だからこそ素直に受け取れましたし、読み終えて、少しだけ姿勢を正したくなる一冊でした。

    0
    2026年07月22日
  • 人生教習所(上)

    Posted by ブクログ

    免許停止処分を受けた男女7人が、再教育のために合宿形式の「教習所」で5日間を共に過ごすという物語です。
    ありがちな成長物語かと思いきや、それぞれの事情や背景が丁寧に描かれ、人はそう簡単に変われない、でも変わろうとする意志は誰にでもある、という視点に共感しました。
    テンポよく読ませながらも、不器用な大人たちの姿が沁みてきて、思わず自分に重ねながら読み進めていました。
    人生に正解なんてないけれど、立ち止まって振り返る時間も悪くないと思えます。
    やや説教臭く感じる場面もありましたが、それすらも年齢を重ねた今だからこそ素直に受け取れましたし、読み終えて、少しだけ姿勢を正したくなる一冊でした。

    0
    2026年07月22日
  • 涅槃 上

    Posted by ブクログ

    司馬遼太郎の国盗り物語の斎藤道三のパートを意識してそうな性描写の多さだけど狙ってか狙わずかエロさはあまり感じられない。この著書の歴史ものを何作か読んだ限りいずれも主人公が理系っぽい思考で感情で動かないので読んでいておもしろい。

    0
    2026年07月21日
  • ワイルド・ソウル(上)

    Posted by ブクログ

    代表して上巻だけ本棚に置きます。
    ブラジル移民の話に、いつも惹かれます。
    過酷な現実と向き合いながら生きていかざるを得なかった方々の生活に触れることで、自分の生き方を見直したいのかもしれません。
    日本と違う文化を背景に、底抜けの絶望と底抜けの明るさを感じた本でした。

    0
    2026年07月14日
  • 蜻蛉の夏

    Posted by ブクログ

    垣根涼介さんの『蜻蛉の夏』を読んだ。「止」は波立つ水面を静めること。「観」は静まった水面に映る真実の月を見ること。揺れる濁り水では月は見えず乱れた心では真理は見えない。まず「止」で静め、次に「観」で見抜く。現実を超越した世界のようでいて、描かれたのはやはり人間そのものだと感じた。

    0
    2026年07月12日
  • 蜻蛉の夏

    Posted by ブクログ

    感想
    人外の力を持つには半死半生の努力が必要。その割には報われないのが痛い。

    炎観と信長が出てきた時から最後はこういう風になるんだろうなと思っていたが、最後にちょっぴり裏切られる展開だった。


    あらすじ
    円四郎は子供の頃に伊賀下忍に拾われ、死にそうな厳しい修行を受ける。ある日、承元という僧に拾われる。そこでも厳しいながら充実した修行を積み、幻術の一種である止観と水観を習得する。

    時は戦国時代、織田信長が勢力を伸ばしていた。円四郎が18歳になる頃に師匠から独立して英気を養えと言われ、師匠に呼び出される時を待つ。

    娼家に生まれ、湯屋掘り出された平助は果心居士に弟子入りして炎観を習得する。平

    0
    2026年07月11日
  • 蜻蛉の夏

    Posted by ブクログ

    相変わらず織田信長周りの話は本当に面白い。超能力使いがいて、あの乱世を陰で支えていたという感じだが、その時代の有名な出来事にその超能力者がすんなり絡んでいて、構成のうまさを感じる。

    0
    2026年06月28日
  • 極楽征夷大将軍 下

    Posted by ブクログ

    下巻になると、足利直義と高師直のダブル主人公で物語は進みます。→尊氏のキャラは強いが存在感の薄さが際立ちます。

    楠木正成や新田義貞を抱える後醍醐天皇派と全国の武士の代表足利尊氏軍の戦は大詰めを迎えます。
    更に、幕府開闢後の直義、師直の苦悩と二人を悩ませる周囲の展開が関係性の良かった二人の関係に一個一個亀裂を打ち込んでいきます・・・
    ここからの見所は

    ・新田・楠木にボコられた後にどう逆転の道筋があるのか?
    ・尊氏の長男嫌いは何処まで師直達を悩ませるのか?
    ・この苗字は戦国時代以降に登場するあの人の先祖?
    ・大器晩成、成長著しい足利尊氏!

    と言ったところでしょうか!

    いずれに致しましても、

    0
    2026年06月21日
  • 信長の原理 上

    Posted by ブクログ

    垣根さんの著書である「光秀の定理」の方が私は読んでいて楽しいなと思いながら、上巻を読み終えた。

    ここで出てくる「パレートの法則」は、私も実生活で感じることが度々あった。
    職場で優秀な人は、職員の中の2割程度。この職場で何かを動かそうとする時は、この2割の人に働きかけると、動きやすくなる。他の8割の人は、上司に言われたことしかできないか、言われたことさえできないか…

    この本を読みながら、この8割の人たちをどう扱っていくのかを思いながら、下巻を読みたいと思っている。

    0
    2026年06月11日
  • 光秀の定理

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    信長の原理が面白かったので、こちらも読んでみた。
    本能寺の変に至る光秀の心理や、人間関係がわかりやすく、説得力があり面白かった。
    もし、光秀が勝利していたら…や信長が天下を統一していたら…という想像をかきたてられる読後感で、とても良かった。

    大河ドラマの麒麟がくるのときも思ったけれど、本当に光秀は現代の中間管理職で苦労したんだな、と同情してしまう。
    しかも、部下の命がかかっている仕事ばかり抱えていると思うと、気が狂わないほうがおかしいのかも、と思う。

    0
    2026年06月10日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    リストラ請負会社で働く30代の主人公が様々な会社のリストラ候補の社員と面談をベースに話が進んでいく。
    特に印象に残ったシーンはfile5の音楽プロダクションを経営している会社のリストラ候補者との面談シーン。リストラ候補A(石井)は会社に安定的に利益貢献することを第一に考えているため、実績のあるベテランミュージシャンを優先して、堅実に淡々と利益を積み上げていくスタンス。対して、リストラ候補B(黒川)は売れるか分からない若手ミュージシャンの起用に力を入れているため、利益にバラツキはあるものの、所属ミュージシャンへの思いが溢れていた。この両者の人物像の対比が面白かった。
    本文の中で、「(黒川は)親切

    0
    2026年06月09日