垣根涼介のレビュー一覧

  • 張り込み姫-君たちに明日はない3-
    君たちに明日はない第3作。
    読むたびに主人公村上真介の人柄に惹かれる。
    リストラ請負人の仕事に加えて、リストラされた人たちのやる気と実力の方向性に合った会社と仕事で、ふたたび社会復帰して欲しいという思いから、人材派遣業務も請け負うことに。突き詰めていけば、リストラと採用は裏表だからだ。そして面接した...続きを読む
  • 午前三時のルースター
    本書で特に印象に残ったシーンが三つ。
    一番印象に残ったシーンは、父親を見つけながらも、日本に戻らないとする父親から何かの資金にもなると貰った高級腕時計を成田空港から自宅に帰る車中から息子が投げ捨てるシーン。
    二つ目は、エピローグの最後にある一番鶏ルースターの鳴き声に「この国、日本で鳴き声を聞かなくな...続きを読む
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-
    君たちに明日はない第2シリーズ。
    真介と陽子のナイスカップも好感が持てるし、2人の仕事に対する真摯な向き合い方も小説に重厚感を持たせている。
    リストラ請負人にも誇りと愛があってこその仕事だと思うと救われる。 
    続編もすぐに読みたくなる。
  • ワイルド・ソウル(下)
    戦後の愚策、南米への棄民政策によって人生を狂わされた者達の復讐の話。詳しく知らんかったから勉強になった、読んでよかった!復讐者に肩入れして、先が気になり息をつく間も無く読み切った、圧倒的疾走感と爽快感。
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)
    企業から委託され一定数をリストラする仕事。人の人生を良くも悪くも変えてしまう。主人公真介は、一見冷徹そうでもあり軽薄そうにも見える優男風だが、その実まるで正反対の熱い人。
    著者、垣根涼介さんの本は初めてだったが、読んでる最中になんと直木賞受賞されたとかで偶然にびっくり!
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-
    君たちに明日はないの続編っていう事で手に取った。
    本作も面白かった。中でも消費者金融の話しで描かれた純愛が良かった。そこに出てくる女性がカッコ良すぎる。
    まだ、続編があるって事で、主人公カップルがどうなって行くのかが楽しみ。
  • 光秀の定理
    明智光秀がメインではない。
    愚息という世捨て人の坊主と、剣術の達人である新九郎、このコンビがメインです。(架空の人物かな?)
    私は戦国の歴史はとんと疎いので史実をおって正確な感想は言えないが面白い一冊でした。
    長良川の争いで明智家が離散したあとから朝倉家、のちに信長に仕え、かの有名な本能寺の変まで。...続きを読む
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)
    こんなリストラ首斬りに特化した会社って、きっとどこかにあると思う。今のような細分化された社会では、見事な隙間産業だ。 でも首斬り専門にするって、メンタルを保ち続けることは一般人には難しいはず。それを冷静にこなし続けられる真介は、かなりな猛者なんだろう。
    もっともバイクライダーに情熱を上げた経験がある...続きを読む
  • 光秀の定理
    時代を変えた謀反人ともされた明智光秀は一体どんな人物だったのか。自分の信念から独自の世界観を持った坊主と技を極める兵法者から見た光秀とその時代を描き出した小説はなかなか面白いストーリーだった。
    愚息という名前もとぼけていて妙だが、そんな奴らが時代を冷静に見ていたなってありそうな、なさそうな。人を食っ...続きを読む
  • 真夏の島に咲く花は
    若い頃、垣根さんの作品をよく読みました。思いがけなく、久しぶりに垣根さんの本を読みました。
    色々な読み方はあるのでしょうが、個人的には、垣根さんなりのカラマーゾフの兄弟かなと。
    チョネを無垢のモチーフにヨシとサティを対置したと読みました。裏にアコさんかな。しかし、カラマーゾフ同様、最終的に福音には至...続きを読む
  • 午前三時のルースター
    旅行代理店勤務の長瀬。中西社長に頼まれ、孫の慎一郎のベトナム行きに付き添うことに。実は慎一郎は、かつてベトナムで失踪した父親を探す目的だった。単なる人探しに思えたが、いろいろな事件に出くわして。。。というお話。異国の地で人探しをするだけの、のんびりした話かと思いきや、なかなかドキドキハラハラのサスペ...続きを読む
  • 室町無頼(下)(新潮文庫)
    「『こころ』『ノルウェイの森』そして」

    武術に関する垣根先生のネーミングセンスは個人的に絶品だと思う。
    「吹き流し才蔵」といい、「光秀の定理」の「笹の葉新九郎」といい。道を究めた行く先は何か「さらさら」とか「ゆらゆら」みたいな物になるのかもしれない。

    それはさておき、いよいよ兵衛の武装蜂起が始ま...続きを読む
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-
    「君たちに明日はない」の続編
    主人公の人なりを理解するためには、やっぱり1作目から読み始めた方がよいだろう。
    と紹介するぐらいに、お勧めで楽しめる本。

    第3作目も出版されているので、また、今度読もう。
  • 午前三時のルースター
    ガチガチじゃなく、程々のハードボイルド感で、どんどんストーリーに引き込まれた。主人公がウルトラスーパーマンじゃなく、拳銃やマシンガンが飛び交わないのがいい。他の作品もぜひ読んでみたい。(^_^)v
  • ヒート アイランド
    いろいろな組織やグループが訳ありのヤバイ大金を巡って繰り広げる争奪戦に、ハードボイルドの味付けがたっぷり・・・。緻密な計画とその裏をかこうとする別グループの絡み合いが面白い。(*^_^*)
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)
    短編集のようでありながらきちんと話がつながっており、それぞれの長さが丁度良く読みやすいし、話も面白い。ただ途中官能小説でも読んでるのかと錯覚するほどの男女のシーンがある。
  • ボーダー ヒート アイランドIV
    大人になっても青春って良いですよね。色々あってヒートアイランドに戻った感がありました。午前三時のルースターにも… →次を期待
  • 涅槃 下
    垣根節を堪能した。
    滅亡の淵に会った宇喜多の家を一代で50万石まで持って行った直家の話し。下巻は信長、秀吉、小早川、吉川、安国寺恵瓊、黒田官兵衛など戦国のスターたちが登場して直家と絡んでくる。
    最初は信長に付いたがその後毛利との軍事同盟、結局信長に付くという2大勢力の狭間で自国を大きくしながらも綱渡...続きを読む
  • 信長の原理 下
    終盤、信長の何かに急き立てられるような心理と、光秀の追い詰められ具合に手に汗握ります
    謀反に至るまでの心境、後に引けなくなってしまった現実との擦り合わせもぴたりと嵌っていてドキドキしました
    面白かったです

    でも、上巻程の勢いは無かったかな
    戦況と結果の羅列も多くて、中弛み感はありました

    終盤は楽...続きを読む
  • 午前三時のルースター
    垣根さんらしいキザな物語。かなりハリウッド的な大味な割には所々大事なもののインパクトが弱い気がする。
    やっぱ車が大好きなんだな。