垣根涼介のレビュー一覧

  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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    数年前に日経か何かで、
    お仕事小説特集ページで紹介されていて、
    気になっていた一冊。
    直木賞受賞作家ということで、
    近くの書店で発見、綺麗な状態の本を購入できました。嬉)

    リストラ請負会社に勤める村上真介の面談を中心に描かれています。
    面談者(リストラ候補者)に恋をしてしまったり、
    学生時代の友人と面談で再会することになったり。
    私だったら、精神もたなくなりそうですが、
    真介は迷いながらもタフにこなしていきます。
    解決策が力強かったり、容赦なかったり。

    面談者が社内の人間だと、
    どうしても私情、社内政治、派閥などが影響しそうだし、
    後々のしこりを最小限にするためには、
    外部に委託する、という選択はありなのかもと思います。

    以前読んだジェーンスーさんのエッセイにも、
    自己責任という言葉が最近頻出することに違和感を覚える、みたいなことが書いてあったのを思い出しました。

    生きてくためには生活費が必要だし、
    もちろん自己研鑽だって必要だと思います。
    結婚していれば、自分だけの問題ではないし、
    日々の中で全員が全員勝ち組に回れるわけではなくて。

    もし自分が真介だったら…
    もし自分が被面談者(リストラ候補)だったら…
    考えな方読むと、もやもやが止まりませんでしたが、
    小説として、とても面白い一冊でした!

    リストラというテーマは重たいですが、
    真介のひょうひょうとした感じとか、
    ちょっとダメな男っぽいけど、
    結末はどうよ、みたいな感じとか、
    読後は良かったです。

    垣根さんの作品を初めて読みましたが、
    もう少し読んでみたいと思いました。

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    2023年09月10日
  • 信長の原理 下

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    本能寺で信長が光秀に討たれるまでが下巻。働き蟻の原理は信長は以下の六人の武将にも適用されると考える。佐久間信盛、柴田勝家、丹羽長政、滝川一益、羽柴秀吉、明智光秀、落ちていくのは誰か。
    結論としては佐久間信盛が落ち明智光秀が裏切る。他にも荒木村重や松永久秀が裏切るが、何故裏切ったかの考察として現代風にすると効率化を進めすぎる社長(信長)に着いていけなくなったというのが面白いが身に沁みる。キチンと出世している分ブラック企業では無いが、常に全力疾走させられるのはキツい。
    最後の方は信長自身が働き蟻から外れて来たように感じた。だからこそ働き蟻であった光秀に裏切られたのではないか。それこそがタイトルにある「信長の原理」だったのだと思う。

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    2023年09月09日
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-

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    つらい。
    消費者金融の、内面の闇がすごい。さすが首都圏。怒声しか飛ばない営業報告会議はまだしも、来期のプレッシャーのかけられ方が半端ない。えずきたくなるレベル。

    そこにクビ切りに入るというシビれる展開。2作目に入り、主人公チームの色もはっきり出てきた。若いのに老練した社長。アシスタントの舌足らずなお嬢さんにも癒される。実は一芸があり、かなり細かい変化に気づける、人読みの才能を持つ。この意外性がうまくストーリーにからんで深みを出していると思う。

    垣根涼介さんの作品は男性が男性らしく、女性が女性らしく描かれていると感じる。今の価値観からはとかく否定されがちだが、自然と読める、という側面も見過ごすべきではない。
    それを一言でエロい、といってしまうと言下に否定されるだろうから、言わない。(言った)

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    2023年09月09日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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    クビを切るのは、本当に難しい仕事だと聞いた。私のいる会社でもクビ切り課長と呼ばれる人物がいて、その人はなぜか尊敬されていたことを思い出す。
    その難しさの中身がしっかり書かれている良著。

    そこに垣根涼介さんお得意のイケメンスケコマシ野郎(死語)要素が掛け合わされ、なんだかマグロの解体ショーを見ている気分になった。マグロに申し訳ない。

    会社に切られる人間に敢えて同情はしないが、切られる側に立ってついつい先の人生を考えてしまうのは、ダメサラリーマンの性かな。
    いや、反面教師とすべき。
    面白いコンセプトなので先を追いたくなる。

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    2023年11月07日
  • 信長の原理 上

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    ネタバレ

    2:6:2の割合。どんなに優秀な兵を登用しても2割が懸命に働き、6割が流される日和見、残り2割は逃げ出す。
    信長少年が幼い頃に観察した蟻の働きと全く同じ、、、。何故だ?孤独と怒りを抱えながら、家臣に疎まれ、自身の思いを理解されず苛立ちながらも独特の思想と思考が徐々に家臣からも一目置かれる存在に。
    仕事の任せ方、意思決定のための情報収集など今に通ずる話題が盛り沢山。

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    2023年09月07日
  • 狛犬ジョンの軌跡

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    垣根涼介さんの犬を題材とした作品!

    過去の作品や本人の風貌からは意外としか言いようがない。と思いきや、主人公は三十代の独身で建築士事務所を開いている個人事業主!毎度お馴染みのハイスペックな車も登場します。

    これは、やはり垣根涼介!と思いきや犬の正体が・・・?

    解説にも書いてありましたが続編が出たらいいなぁと思います♪


    建築家の太刀川は真夜中に気晴らしでドライブ!
    その途中、犬を轢きかける!!?
    犬は車との衝突とは違う大きな傷があり、病院に連れていく事に・・・

    太刀川と謎の犬の共同生活が始まる・・・

    犬を飼うって良いなぁと思ってしまいました。
    躾は大変そうだけど・・・

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    2023年09月02日
  • 張り込み姫-君たちに明日はない3-

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    君たちに明日はない第3作。
    読むたびに主人公村上真介の人柄に惹かれる。
    リストラ請負人の仕事に加えて、リストラされた人たちのやる気と実力の方向性に合った会社と仕事で、ふたたび社会復帰して欲しいという思いから、人材派遣業務も請け負うことに。突き詰めていけば、リストラと採用は裏表だからだ。そして面接した人のことをよくわかっている。彼にピッタリの仕事。
    彼の素敵なセリフ
    真実。たぶんそれは、石ころのようにさりげなく道端に転がっている。

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    2023年08月29日
  • 午前三時のルースター

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    本書で特に印象に残ったシーンが三つ。
    一番印象に残ったシーンは、父親を見つけながらも、日本に戻らないとする父親から何かの資金にもなると貰った高級腕時計を成田空港から自宅に帰る車中から息子が投げ捨てるシーン。
    二つ目は、エピローグの最後にある一番鶏ルースターの鳴き声に「この国、日本で鳴き声を聞かなくなってから久しい」と述懐するシーン。主人公の父親が妻子と過去を捨て、「動かせる明日がここにあるから」とベトナムに身を投じたいわくを暗示するシーンでもある。
    最後は、プロローグにある成田空港のパーキングに乗り捨てられた車に駐車場の親父が「日本に戻るより楽しいものを見つけたんだろ」「今の生活を放り出して手に入れたいものなんて想像もつかない」と述懐するシーン。
    混沌とした熱いエネルギー漂うベトナムを舞台とした謎解きの物語りに印象的なシーンを上手く配置した小説だなあと感じ入りました。
    父親がベトナムで描きたい人生は、妻子を捨てなくても出来たはずではないかとも思いつつ⋅⋅⋅⋅⋅

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    2023年08月20日
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-

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    君たちに明日はない第2シリーズ。
    真介と陽子のナイスカップも好感が持てるし、2人の仕事に対する真摯な向き合い方も小説に重厚感を持たせている。
    リストラ請負人にも誇りと愛があってこその仕事だと思うと救われる。 
    続編もすぐに読みたくなる。

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    2023年08月18日
  • ワイルド・ソウル(下)

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    戦後の愚策、南米への棄民政策によって人生を狂わされた者達の復讐の話。詳しく知らんかったから勉強になった、読んでよかった!復讐者に肩入れして、先が気になり息をつく間も無く読み切った、圧倒的疾走感と爽快感。

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    2023年07月30日
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-

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    君たちに明日はないの続編っていう事で手に取った。
    本作も面白かった。中でも消費者金融の話しで描かれた純愛が良かった。そこに出てくる女性がカッコ良すぎる。
    まだ、続編があるって事で、主人公カップルがどうなって行くのかが楽しみ。

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    2023年07月13日
  • 光秀の定理

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    明智光秀がメインではない。
    愚息という世捨て人の坊主と、剣術の達人である新九郎、このコンビがメインです。(架空の人物かな?)
    私は戦国の歴史はとんと疎いので史実をおって正確な感想は言えないが面白い一冊でした。
    長良川の争いで明智家が離散したあとから朝倉家、のちに信長に仕え、かの有名な本能寺の変まで。
    歴史小説は本の中での言動にどこまで感情移入してよいかわからないけれど光秀の苦労心労はこの時代では特に辛かったであろう。
    それはともかく、とにかく愚息の考え方、身分の上下に関係なく我の通すのがかっこよかった。
    本当にそこまで曲げられない信念があってもこの時代大変そうに思えるけれども。






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    2023年07月03日
  • 光秀の定理

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    時代を変えた謀反人ともされた明智光秀は一体どんな人物だったのか。自分の信念から独自の世界観を持った坊主と技を極める兵法者から見た光秀とその時代を描き出した小説はなかなか面白いストーリーだった。
    愚息という名前もとぼけていて妙だが、そんな奴らが時代を冷静に見ていたなってありそうな、なさそうな。人を食った描き方ならやはり垣根涼介らしい。

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    2023年06月04日
  • 真夏の島に咲く花は

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    若い頃、垣根さんの作品をよく読みました。思いがけなく、久しぶりに垣根さんの本を読みました。
    色々な読み方はあるのでしょうが、個人的には、垣根さんなりのカラマーゾフの兄弟かなと。
    チョネを無垢のモチーフにヨシとサティを対置したと読みました。裏にアコさんかな。しかし、カラマーゾフ同様、最終的に福音には至れなかったのかなと。
    でも、それが小説であり、文学なのかなとも思えました。いい作品だと思います!

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    2023年05月24日
  • 午前三時のルースター

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    旅行代理店勤務の長瀬。中西社長に頼まれ、孫の慎一郎のベトナム行きに付き添うことに。実は慎一郎は、かつてベトナムで失踪した父親を探す目的だった。単なる人探しに思えたが、いろいろな事件に出くわして。。。というお話。異国の地で人探しをするだけの、のんびりした話かと思いきや、なかなかドキドキハラハラのサスペンスだった。筆者が車やバイクが好きなんだろうなあ、とおもわせる描写もあり、面白かった。

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    2023年05月16日
  • 室町無頼(下)(新潮文庫)

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    「『こころ』『ノルウェイの森』そして」

    武術に関する垣根先生のネーミングセンスは個人的に絶品だと思う。
    「吹き流し才蔵」といい、「光秀の定理」の「笹の葉新九郎」といい。道を究めた行く先は何か「さらさら」とか「ゆらゆら」みたいな物になるのかもしれない。

    それはさておき、いよいよ兵衛の武装蜂起が始まる。
    「世の中には、銭で買えぬものもある」と云う。兵衛の暮らしぶりを見るに上辺のきれい事ではなく、本心であるのだろう。そして、この乱れた世でのうのうと蓄財に励む既得権益をぶち壊すというのもまた真意であるには違いない。

    しかし、兵衛には、何か損得の奥のその更に奥に「自らの器量を世に問う」みたいな衝動があるように感じられた。それが無謀な一揆を始めさせたのではないか。

    そう考えると、兵衛、道賢さらには才蔵が芳王子と関係を持ったこと。また、幕府側の道賢、一揆側の兵衛、才蔵が敷いた陣を底辺とした三角形の頂点に東寺の五重塔、そして相国寺の大塔が聳えていること。どちらもとても「象徴的」に自分には思われた。
    (読み方は自由かと思いますので悪しからず。)

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    2023年05月06日
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-

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    「君たちに明日はない」の続編
    主人公の人なりを理解するためには、やっぱり1作目から読み始めた方がよいだろう。
    と紹介するぐらいに、お勧めで楽しめる本。

    第3作目も出版されているので、また、今度読もう。

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    2023年05月01日
  • ヒート アイランド

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    いろいろな組織やグループが訳ありのヤバイ大金を巡って繰り広げる争奪戦に、ハードボイルドの味付けがたっぷり・・・。緻密な計画とその裏をかこうとする別グループの絡み合いが面白い。(*^_^*)

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    2023年04月29日
  • 午前三時のルースター

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    ガチガチじゃなく、程々のハードボイルド感で、どんどんストーリーに引き込まれた。主人公がウルトラスーパーマンじゃなく、拳銃やマシンガンが飛び交わないのがいい。他の作品もぜひ読んでみたい。(^_^)v

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    2023年04月29日
  • ボーダー ヒート アイランドIV

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    大人になっても青春って良いですよね。色々あってヒートアイランドに戻った感がありました。午前三時のルースターにも… →次を期待

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    2023年04月09日