垣根涼介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
数年前に日経か何かで、
お仕事小説特集ページで紹介されていて、
気になっていた一冊。
直木賞受賞作家ということで、
近くの書店で発見、綺麗な状態の本を購入できました。嬉)
リストラ請負会社に勤める村上真介の面談を中心に描かれています。
面談者(リストラ候補者)に恋をしてしまったり、
学生時代の友人と面談で再会することになったり。
私だったら、精神もたなくなりそうですが、
真介は迷いながらもタフにこなしていきます。
解決策が力強かったり、容赦なかったり。
面談者が社内の人間だと、
どうしても私情、社内政治、派閥などが影響しそうだし、
後々のしこりを最小限にするためには、
外部に委託する、という選択はありなのかもと思います。
以前読んだジェーンスーさんのエッセイにも、
自己責任という言葉が最近頻出することに違和感を覚える、みたいなことが書いてあったのを思い出しました。
生きてくためには生活費が必要だし、
もちろん自己研鑽だって必要だと思います。
結婚していれば、自分だけの問題ではないし、
日々の中で全員が全員勝ち組に回れるわけではなくて。
もし自分が真介だったら…
もし自分が被面談者(リストラ候補)だったら…
考えな方読むと、もやもやが止まりませんでしたが、
小説として、とても面白い一冊でした!
リストラというテーマは重たいですが、
真介のひょうひょうとした感じとか、
ちょっとダメな男っぽいけど、
結末はどうよ、みたいな感じとか、
読後は良かったです。
垣根さんの作品を初めて読みましたが、
もう少し読んでみたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
本能寺で信長が光秀に討たれるまでが下巻。働き蟻の原理は信長は以下の六人の武将にも適用されると考える。佐久間信盛、柴田勝家、丹羽長政、滝川一益、羽柴秀吉、明智光秀、落ちていくのは誰か。
結論としては佐久間信盛が落ち明智光秀が裏切る。他にも荒木村重や松永久秀が裏切るが、何故裏切ったかの考察として現代風にすると効率化を進めすぎる社長(信長)に着いていけなくなったというのが面白いが身に沁みる。キチンと出世している分ブラック企業では無いが、常に全力疾走させられるのはキツい。
最後の方は信長自身が働き蟻から外れて来たように感じた。だからこそ働き蟻であった光秀に裏切られたのではないか。それこそがタイトルにある「信長の原理」だったのだと思う。 -
Posted by ブクログ
つらい。
消費者金融の、内面の闇がすごい。さすが首都圏。怒声しか飛ばない営業報告会議はまだしも、来期のプレッシャーのかけられ方が半端ない。えずきたくなるレベル。
そこにクビ切りに入るというシビれる展開。2作目に入り、主人公チームの色もはっきり出てきた。若いのに老練した社長。アシスタントの舌足らずなお嬢さんにも癒される。実は一芸があり、かなり細かい変化に気づける、人読みの才能を持つ。この意外性がうまくストーリーにからんで深みを出していると思う。
垣根涼介さんの作品は男性が男性らしく、女性が女性らしく描かれていると感じる。今の価値観からはとかく否定されがちだが、自然と読める、という側面も見過ごすべきではない。
それを一言でエロい、といってしまうと言下に否定されるだろうから、言わない。(言った) -
Posted by ブクログ
垣根涼介さんの犬を題材とした作品!
過去の作品や本人の風貌からは意外としか言いようがない。と思いきや、主人公は三十代の独身で建築士事務所を開いている個人事業主!毎度お馴染みのハイスペックな車も登場します。
これは、やはり垣根涼介!と思いきや犬の正体が・・・?
解説にも書いてありましたが続編が出たらいいなぁと思います♪
建築家の太刀川は真夜中に気晴らしでドライブ!
その途中、犬を轢きかける!!?
犬は車との衝突とは違う大きな傷があり、病院に連れていく事に・・・
太刀川と謎の犬の共同生活が始まる・・・
犬を飼うって良いなぁと思ってしまいました。
躾は大変そうだけど・・・ -
Posted by ブクログ
本書で特に印象に残ったシーンが三つ。
一番印象に残ったシーンは、父親を見つけながらも、日本に戻らないとする父親から何かの資金にもなると貰った高級腕時計を成田空港から自宅に帰る車中から息子が投げ捨てるシーン。
二つ目は、エピローグの最後にある一番鶏ルースターの鳴き声に「この国、日本で鳴き声を聞かなくなってから久しい」と述懐するシーン。主人公の父親が妻子と過去を捨て、「動かせる明日がここにあるから」とベトナムに身を投じたいわくを暗示するシーンでもある。
最後は、プロローグにある成田空港のパーキングに乗り捨てられた車に駐車場の親父が「日本に戻るより楽しいものを見つけたんだろ」「今の生活を放り出して手に入れたいものなんて想像もつかない」と述懐するシーン。
混沌とした熱いエネルギー漂うベトナムを舞台とした謎解きの物語りに印象的なシーンを上手く配置した小説だなあと感じ入りました。
父親がベトナムで描きたい人生は、妻子を捨てなくても出来たはずではないかとも思いつつ⋅⋅⋅⋅⋅ -
Posted by ブクログ
明智光秀がメインではない。
愚息という世捨て人の坊主と、剣術の達人である新九郎、このコンビがメインです。(架空の人物かな?)
私は戦国の歴史はとんと疎いので史実をおって正確な感想は言えないが面白い一冊でした。
長良川の争いで明智家が離散したあとから朝倉家、のちに信長に仕え、かの有名な本能寺の変まで。
歴史小説は本の中での言動にどこまで感情移入してよいかわからないけれど光秀の苦労心労はこの時代では特に辛かったであろう。
それはともかく、とにかく愚息の考え方、身分の上下に関係なく我の通すのがかっこよかった。
本当にそこまで曲げられない信念があってもこの時代大変そうに思えるけれども。
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Posted by ブクログ
「『こころ』『ノルウェイの森』そして」
武術に関する垣根先生のネーミングセンスは個人的に絶品だと思う。
「吹き流し才蔵」といい、「光秀の定理」の「笹の葉新九郎」といい。道を究めた行く先は何か「さらさら」とか「ゆらゆら」みたいな物になるのかもしれない。
それはさておき、いよいよ兵衛の武装蜂起が始まる。
「世の中には、銭で買えぬものもある」と云う。兵衛の暮らしぶりを見るに上辺のきれい事ではなく、本心であるのだろう。そして、この乱れた世でのうのうと蓄財に励む既得権益をぶち壊すというのもまた真意であるには違いない。
しかし、兵衛には、何か損得の奥のその更に奥に「自らの器量を世に問う」みたいな衝動があるように感じられた。それが無謀な一揆を始めさせたのではないか。
そう考えると、兵衛、道賢さらには才蔵が芳王子と関係を持ったこと。また、幕府側の道賢、一揆側の兵衛、才蔵が敷いた陣を底辺とした三角形の頂点に東寺の五重塔、そして相国寺の大塔が聳えていること。どちらもとても「象徴的」に自分には思われた。
(読み方は自由かと思いますので悪しからず。)