垣根涼介のレビュー一覧

  • 武田の金、毛利の銀

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    けっきょく、誰が主人公だったんだろう。信長と光秀の関係が、こんな角度から描かれた作品は初めて読みました。歴史小説なのに、ずっとユーモラスな雰囲気が流れているのは、筆者の才能の感じられるところです。どこまでが史実なのかははっきりしませんが、歴史に残る人物を、ここまで肉付けさせて、物語を膨らませるところ、すごいと思います。

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    2024年10月12日
  • 極楽征夷大将軍

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    なんとも読み応えのある作品でした。
     自分の歴史感の中でも、
    まだ未知の世界の「南北朝時代」
    終始、戦っているので、始まるまでも長いな~と言う感じで、 足利一族が、兄弟をまつりあげて幕府を作っていき、右腕となる、高一族が後世に残っていないのが、とても気になりながら読んでいました。
     権力のシーソーが、あちらに流れたり、こちらに流れたりで、乗っている人も変わってしまうのですね。
    直義と師直の袂が分かつ辺りから、引き込まれていきましたが、同時に読んでいてとても辛かった。

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    2024年10月10日
  • 武田の金、毛利の銀

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    明智光秀と友垣である愚息、新九郎、そして土屋十兵衛がメインキャラ。
    信長の命を受けて武田の金と毛利の銀の算出量を調査しにいく。愚息の倭寇だった経歴とかモンティホール問題を使った賭け事とか、それから信玄が海を目指したのは塩じゃなくて港と交易だという見方とか、土屋が武田の直臣として出てきたほぼその瞬間から大久保長安っぽい匂わせかたとか、ちょっと知っている人間の「おれ知ってます」って思いたい欲を満たす仕掛けがいろいろ。
    甲斐の湯之奥金山は土屋十兵衛との取引で情報を得て、その後スリリングな展開になるのは石見銀山。うまく忍び込んでなんとか脱出もできて結局はめでたし。小説の舞台になった土地のことはもちろん

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    2024年10月02日
  • 武田の金、毛利の銀

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    光秀。友垣大切にするイイ奴だったんだ。軽妙洒脱な垣根さんの持ち味が出た時代小説。でもワイルドな垣根さんにも戻ってほしいな。夕暮れに歩いた石見銀山の町並み。活気はなかったがいにしえの繁栄は偲ばれた。

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    2024年09月20日
  • 武田の金、毛利の銀

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    もともと歴史は苦手なのだが、垣根作品は現代を取り上げている頃から読んでいて好きなので、今も読み続けている。
    歴史小説になってから、明智光秀を取り上げることが多いように感じることから、作者は相当に明智光秀に傾倒しているように思う。
    今回は光秀と以前よりの友垣である愚息と新九郎との三人が織田信長の命を受けて、武田家の金山と毛利家の銀山に潜入する話である。
    これまでの時代小説と少し違った毛色の話だと思った。
    武田の金山の潜入の際に出会った武田信玄の家来である土屋十兵衛とひょんなことから同道することになる。
    この四人の道中が意外に軽妙に描かれながらも、ハラハラドキドキする場面もあり、歴史小説ではあるが

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    2024年09月19日
  • 武田の金、毛利の銀

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    信長の命を受けた光秀と朋友の愚息、新九郎。そして武田への道中に知り合った十兵衛の4人が甲斐国から毛利の石見銀山へ偵察に行くロードムービーの様なもの。サクッと読めて楽しかった。特に毛利勢から逃げるシーンはハラハラものだった。広島に住んでいるので吉田城の様子や温泉津と言う歴史ある温泉地など飽きなかった。
    信長の怖さも健在だった。

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    2024年09月09日
  • 武田の金、毛利の銀

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    ネタバレ

    信長から命じられたのは、武田の金と毛利の銀を調べ、地力を知ること。命じられたのは明智十兵衛光秀、愚息(一瞬、名前と思わなかった笑)、新九郎の3名。
    最初は詐欺まがいの博打をやっていた愚息と新九郎が光秀と馬が合うのか不安ではあったが、最後にはバディか?と思うほどの仲になっていた。人は自分が持たないものを持つ者と惹かれ合うというが、光秀と愚息・新九郎がまさにそれにあたるのかもしれない。

    途中、土屋十兵衛が同行するとなったときは、3人の度量の広さに驚いた。敵意はなさそうとは言え、土屋は完全に武田の者なので、いつ裏切られるか分からないのに。でも何だか憎めない人物だし、現代でこういう人物がいたら上司に

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    2024年08月29日
  • 午前三時のルースター

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    ずっとハラハラドキドキする展開で面白かった。
    だからこそ、最後むなしい気持ちになってしまって、登場人物のみんなが救われて欲しいというか、幸せになって欲しいと思った。人それぞれ何かを抱えて生きていて、ずっと幸せな人生の人っているんだろうか…

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    2024年08月25日
  • 涅槃 下

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    正に、作者の言葉の通り「歴史は、常に勝者の都合によって捏造され、喧伝される。」もので、宇喜多直家も、多分に、実像を曲げられて伝えられている、と思われる。ただずる賢いだけで、人徳の無い人間に、大勢の部下が着いてくるとは思えない。多分、徳川幕府が汚名を着せたのだろう。そう言う僕も、かなり偏見を持っている?!

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    2024年08月21日
  • 涅槃 下

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    黒田官兵衛、小西行長など知ってる人物が出てくるのが面白い。城を追われ、孤独だった幼少期を送った宇喜多直家だが、出会った大人たちが彼の能力に惹かれ、彼を支え、復興を遂げる。三大悪党と言われているが、家臣を決して裏切らず、実直な姿が描かれている。この本を読んで、歴史の知識が増えたことがよかった。ただ結局、次代の秀家で断絶してしまうのがとても残念。

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    2024年08月23日
  • 涅槃 上

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    室町無頼で直木賞作家垣根涼介の本なので読んでみた。宇喜多直家が没落した幼少期から大名になる話。無名な登場人物ばかりだが、黒田官兵衛が出てくるので読んでみた。

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    2024年08月18日
  • 涅槃 下

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    謀略の限りを尽くしたと喧伝される宇喜多直家の弱さや人間味、商人の視点に立った感覚を描き、物語として筋が通った内容に見えた。

    面白く読めた。

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    2024年08月02日
  • 涅槃 上

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    宇喜多直家の生涯を描く。

    城を追われた幼少期から城持ちになり、三村家親の大軍勢を退けるまでを描く。

    最初は以前読んだような内容であったが、紗代と出会い、柿谷に槍術を学びという点から書き手によって異なる直家像が楽しい。

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    2024年08月02日
  • ゆりかごで眠れ(下) 新装版

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    最初はいまいち入り込めなく最後も呆気なかったが、トータルでみると面白く読めた小説だった。
    やっぱり垣根涼介の犯罪小説はとても面白い。
    仁義をひとつのテーマとしたのか。パトとパパリトのお互い嫌い合っている中でも相手を助けてやるっていう関係性が良かった。

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    2024年07月24日
  • ギャングスター・レッスン ヒート アイランドII

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    2作目もとても面白かった。
    1作目ではギャング団のリーダーだったアキが、ギャング団を解散し裏金強奪グループの一員として一人前になるために修業するという話。
    リーダーだったアキが下っ端として鍛えられていくという、アキ自身の立ち位置が前作とは正反対になっているというのも興味をそそられる設定だと思った。銃の撃ち方や車の運転の仕方、ヤマの予行練習などを経て実戦に突入するのだが、はたしてうまくいくのか。
    なお、今作で登場する憎めないキャラの柏木は『人生教習所』で再登場する。柏木のその後の人生がどうなったか気になる人は『人生教習所』もぜひ。

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    2024年07月11日
  • ボーダー ヒート アイランドIV

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    シリーズ全体を通してだけど、柿沢の仕事に対する考え方や姿勢が好きだし勉強になる。
    今作では柿沢達がやっている仕事で一番大事なことは何かという話をしていたが、それは決して柿沢達の仕事だけでなく、一般の仕事においても最も大事なことのひとつであると自分は思っている。

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    2024年07月09日
  • 涅槃 上

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     宇喜多直家が家を再興し、中国地方で毛利家に次ぐ武門に成り上がっていく物語。
     上巻と下巻に分かれていて、両方とも450ページを超える大作。宇喜多家の名前は関ヶ原で少し見るぐらいで、ほとんど知らなかったため、すごく興味深く、また面白く読めました。
     直家の生い立ちが到底武士とは言えないくらしだったことに驚きました。どこまで史実でどこまで創作がわからないですが、垣根先生の武将好きと、徹底した取材が成せる大作で、下巻も楽しみになりました。

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    2024年06月27日
  • 涅槃 下

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     宇喜多直家が家を再興し、中国地方で毛利家に次ぐ武門に成り上がっていく物語。
     宇喜多家の名前は関ヶ原で少し見るぐらいで、ほとんど知らなかったため、すごく興味深く、また面白く読めました。直家の生い立ちや町造りの考え方、黒田家や毛利家との関わりなど、どこまで史実でどこまで創作がわからないですが、その場面をありありと思い浮かべながら読めました。
     垣根先生の武将好きと、徹底した取材が成せる大作だと感じました。

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    2024年06月27日
  • ゆりかごで眠れ(上) 新装版

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    コロンビアの日系マフィアが孤児だった少女とともに来日。真の来日の目的は…
    悪役側も魅力的。警察側はクセありすぎ。下巻に期待!

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    2024年06月27日
  • 光秀の定理

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    初垣根。明智十兵衛光秀と聞いて、一番に思い浮かぶことそれは「本能寺の変」だ。というかこれしかない…。作品を通し"明智光秀"に想いを馳せる——この瞬間がたまらなく好きだ。これは実在した人物だからこそだと思う。敗者の歴史を知ることこそ、本当の歴史を知ることだ。

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    2024年06月22日