垣根涼介のレビュー一覧

  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-

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     『君たちに明日はない』の感想でほぼ書き切ってしまったのだが、二年後になって、その続編として本書が発売された。前作は、なんと山本周五郎賞を受賞してしまっているのだが、もちろん本書も同じレベル、同じ空気、同じ筆圧で書かれた一冊である。

     というよりもむしろ、リストラ請負という稼業に徹するプロフェッショナルな主人公という設定だけで、よくぞ書き続けているものだと思う。

     二冊とも、連作短編集である。雑誌「新潮」では個々に読み切り作品として隔月連載されてきたようだ。だから、いつもリストラの対象法人も違えば、リストラの理由やリストラ対象者たちも違う。しかし、どの作品でも退職希望を募るという主人公

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    2019年03月28日
  • 迷子の王様-君たちに明日はない5-

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    5巻まで続いたシリーズもついに最終巻。
    終身雇用という労働形態が必ずしも当たり前ではなくなってきた時代の流れと共に、作品としての役割も終わりを迎えたということでしょうか。
    リストラ請負というのは見も知らない人の人生を変えてしまう仕事だけに、余程特殊な心を持つ人でない限り相当キツイだろうと想像します。ようやく解放された真介が、伸びやかで前向きな人生を歩むことができたらいいなあと思いました。

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    2019年02月04日
  • サウダージ ヒート アイランドIII

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    垣根氏がDDを媒介として描き出す究極の場末感が堪らなくゾクゾクさせてくれる。バカでまっすぐでとてつもない生命力を俗悪的にこれでもかとかましてくる。新大久保の猥雑なバーで読みたくなるような本。

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    2019年01月15日
  • ヒート アイランド

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    そもそも登場人物が全員ろくでなしのアウトロー。前半のストリートギャングの描写であまり読む気がなくなったのだが、そこはそれ垣根氏だから期待を裏切りません。柿沢・桃井が登場してきてから俄然面白くなって、最後まで一気に読ませます。救いようのないクズばかりの話ですが、全体に清涼感が漂う垣根氏ならではの小説。

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    2019年01月09日
  • ボーダー ヒート アイランドIV

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    ヒートアイランドシリーズ4作目。2019年1月で最新ですね。もう続編はないのだろうか。
    かなり面白かったです。
    4作目になるので、主人公たちの性格・特徴は知り尽くしているので、その期待感をもって読みました。
    今回は、1作目でコンビを組んでいた薫がでてくる。
    やはり1作目が魅力的に夢中にされるから、そのストーリーをからめてきて、懐かしさを感じ、面白かった。
    1作目の作品もかなり個性的なキャラクターが多かったので、4作目もかなりよかった。

    そんな過去に暗い影をもっている人たちが集まるものだろうかっと思ったり、気が強すぎる女性はそんなに勇敢に首を突っ込んでくるのか?っと思ったりもする。
    200km

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    2019年01月09日
  • ヒート アイランド

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    ストリートファイトしていた少年たちがあるきっかけで大金を手にしてしまう。
    その大金はやくざから強奪したお金だったということもあり、強奪犯とやくざから追われることになり、なんとか逃げ切る方法を模索するというストーリー。

    垣根さんの小説はワイルドソウルからはじまり、三作品目。
    車好き、日系移民系、暴力系の小説が軸になっているかな。
    この小説はそういうチップスが非常に多い。
    そんなに車に関心がないので、よくわからないことが多い。

    ストーリーとしては、面白かった。
    少年たちが試行錯誤で作戦を練っているところや、追い詰められたところからどう抜け出そうとするかを読むのは面白かった。
    ただ、ストーリーは

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    2018年12月11日
  • 迷子の王様-君たちに明日はない5-

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    「君たちに明日はない」シリーズの第5話。そして完結編。
    最終的に主人公もリストラされる側になってしまうというお話。

    短編小説で一シリーズずつが別会社の話になっていて、各業種のキャリアをしれて勉強になる。
    また、各人の思いや、退職へのアプローチ方法の話術など、面白い内容を含んでいる。

    ただ、やはり短編は記憶に残りにくいなっと思う。
    一冊読書後、どんな話があったかというのが記憶に残りにくいな。
    また、最終話の最後のシーンは何を思わせていたのかな。
    山下の行動がよく理解できなかった。
    今後の展開が想像つかないというか、???っという状況。
    シリーズとして面白かっただけに、個人的に少し残念。

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    2018年12月04日
  • 永遠のディーバ-君たちに明日はない4-

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    リストラ「君たちに明日はない」シリーズの第4作。
    過去3作と違い、高橋社長の過去がある程度わかる。

    4作品ある中、勝ち逃げ女王が一番私の記憶に鮮明。
    (他作品も面白かったのは間違いないが)
    フライトアテンダントのリストラ。日本では女子のあこがれの職業ということだが、海外ではこの職業に対する評価はファミレス店員レベル。
    海外へ飛び回る、ブランド力による社会的優越感という以外、それほどやりがいもキャリアもない。
    キャリアは、高収入男性と知りあり、結婚すること。

    小説で、ホテル・旅館との違いが記憶に残った。
    ホテル・旅館では良いサービスによりリピーターはあるが、飛行機は移動手段。良いサービスを受

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    2018年12月03日
  • クレイジーヘヴン

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    性と暴力、日常に潜む非日常、スカッとするピカレスク小説、嫌いじゃないです。奥田英朗の「ナオミとカナコ」と同じぐらい読後の気分がいい。

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    2018年11月29日
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-

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    リストラ請負会社シリーズの第二作。
    各章で違う会社をリストラしていくので、いろんな会社の実情を会話見れるので面白いかな。

    タイトルにもある借金取り王子は、消費者金融関係の会社。
    慶応卒の男性が入社して10年程度頑張り、上司の女性とくどく。
    ただ、そういう会社だから、上司の女性の人生が波乱万丈で周囲がなっとくしないよ。っという状況を打破していく。
    作風の印象ではやさしさを感じる男性。そんな人が消費者金融で長年頑張れるのだろうか。
    疑問にも思いながらものめりこんでいけるので、面白いです。

    通勤が1時間程度なら、1話ずつ読めて、ちょうどよいかな。

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    2018年11月29日
  • 迷子の王様-君たちに明日はない5-

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    あとがきに、自分の仕事にやりがいを感じていない人は仕事のストレスからその分だけ散財してしまい精神的に火の車になってしまう…みたいなことが書いてあってはっとした。

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    2018年11月07日
  • 永遠のディーバ-君たちに明日はない4-

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    ネタバレ

    シリーズ4作目。今回は、被面接者が「すごい人たち」。真介さんの思惑をも、斜め上を行く展開や結論に、若干圧倒されて読みました。
    File2.「ノー・エクスキューズ」では、団塊世代の働き方、昭和から平成に入りバブル崩壊から不況へ突入していく中での社会の変化、仕事観の変容を感じました。

    さていよいよシリーズ完結。(目の前にありますがまだ読んでいません( ̄ー ̄)ニヤリ
    平成が終わろうとする今。「正規雇用」「正社員」であることの方が珍しい時代になっています。ということは、リストラ自体は減っているのかも…どうする『日本ヒューマンリアクト』

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    2018年11月03日
  • 張り込み姫-君たちに明日はない3-

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    ネタバレ

    シリーズ3作目。続けて読むと見えてきた。この作品では、真介さんの面接場面が熱い!相手のことを様々な情報から読みアプローチの切り口を探る。面接する者もされる者も、お互いが自分と向き合い「自意識のフレームが変容する」(筆者あとがき)。すごい面接。
    そして、美代子さんのひとことがいい。

    真介さんと陽子さんの関係は、安定期に入ったのかな。記述少な目になってますね。

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    2018年11月03日
  • 狛犬ジョンの軌跡

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    確かにファンタジーですが、変に特殊能力を披露するのではなく、人間サイドから見れば少し変わっているかなという程度に抑えた塩梅が良い。
    ジョンの独白パートがなくても充分面白いと思います。
    ただ、尻切れトンボの終わり方は少々物足りないかな。

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    2018年10月20日
  • 迷子の王様-君たちに明日はない5-

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    「会社を辞めて、これからどうするつもりなんですか?」リストラ面接官として村上真介が今回対峙するのは―鼻っ柱の強い美容部員、台湾に身売りした家電メーカーのエース研究員、ペースを狂わせる不思議ちゃん書店員。そして最後にクビを切られるのは、なんと真介自身!?変わりゆく時代を見据え、働くこと=生きることの意義を探す人々を応援する人気シリーズ、旅立ちの全四話。

    シリーズ第五作にして最終作。みんな幸せになってほしいと切に願っています。

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    2018年09月07日
  • 張り込み姫-君たちに明日はない3-

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    リストラ会社社員村上真介が主人公。それぞれリストラされても希望のある一歩を踏み出している。自動車ディーラーの宅間はそれまでの誠実な仕事が報われたんだなぁ。現実はこんなにうまくいかないだろうな、とは思う。本編とは関係ないけど、真介と陽子(というか作者)の避妊に対する知識に唖然。いやいや、全然避妊になってませんから。

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    2018年08月19日
  • 張り込み姫-君たちに明日はない3-

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    面白かった。
    同じような展開ですが、飽きることなく楽しめるのがさすがですね。今回はリストラのお話ばかりだったので、一つぐらい違うほしい気もしましたが。でも、よかったです。

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    2018年08月15日
  • 迷子の王様-君たちに明日はない5-

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    君たちに明日はない シリーズの最終巻。

    首切り面接官の村上が、この巻では何と本人が!?

    仕事とは何か?
    このシリーズで色々考えさせられた。

    まぁ、答えが導き出されたわけでもないが、自分にとってプラスになった小説シリーズだったことに間違いはない(*^^*)

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    2018年08月05日
  • 永遠のディーバ-君たちに明日はない4-

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    相変わらずサクサクっと読めてしまう気楽な一冊。

    最後のリヴ・フォー・トゥデイが
    なかなか好みだったな。

    外食産業で働く、仕事の出来る男性の話し。
    生き方が潔くてカッコいい。

    人から求められる、あるいは必要とされる。そんな場所にいるのが、一番幸せなかとなんじゃないかと・・・

    本当。
    だからやる気になるし、明日が楽しくなるんだよなぁ。

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    2018年07月29日
  • 張り込み姫-君たちに明日はない3-

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    君たちに明日はない③

    表題の[張り込み姫]よりも、[みんなの力]が一番好みだった。
    ワンピースじゃないけど、一人一人の力は弱くとも、みんなが集まると大きな力がって展開がとても好み(*^^*)

    どの物語でもそうだが、このシリーズに出てくるそれぞれの短編の主人公は、どこか必ず魅力のある人物で、いろいろな輝き方があるもんだと感心させられる(*^^*)

    二作連続で読んで、少々食傷ぎみなので、次は全く別の作品を読もう(*^^*)

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    2018年06月17日