あらすじ
渋谷で会員制ファイトパーティーを開き、トップにのし上がったストリートギャング雅(みやび)。頭(ヘッド)のアキとカオルは、仲間が持ち帰った大金を見て驚愕する。それはヤクザが経営する非合法カジノから、裏金強奪のプロフェッショナルの男たちが強奪したばかりの金だった。大金をめぐって、少年たちを追う強奪犯、強奪犯を追うヤクザ、そのヤクザを追う別の組……息詰まる攻防を描いた傑作長篇ミステリー。アキを主人公とするシリーズ第一作。
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渋谷でファイトパーティを開きトップにのし上がったストリートギャングの雅、その雅の頭アキと相棒のカオル、順調に売上げを伸ばしていく中、仲間の2人が酔った挙げ句、大金を仲間の元へ持ち帰る。
それは非合法カジノの売上で奪った相手はプロの窃盗団、アキとその仲間はプロの暗殺者とヤクザを敵に回す羽目に。
この境地をどう乗り切る!!
この作者の作品を始めて読む。
一瞬で虜になってしまった。
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垣根涼介さんの修羅場が男を磨くという信念がふんだんに取り込まれていた。
これから完成に向かう男を完成された男は見抜き、パートナーに加える。そして共に修羅場をくぐることで、完成に近づく機会を与えてやるのだ。
男社会特有の挫折と輝きを垣間見れた。
ノワール系ではないから、爽快に読み続けられるのかもしれない。
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過日読んだ『ワイルド・ソウル』(2004年)があまりにも面白かったので、垣根涼介さん2作目に本書を選びました。2001年のデビュー第2作で、シリーズ化(4作)の第1作です。本作では、ストリートギャング、裏金強奪団、ヤクザの三つ巴の攻防を描いています。
いやはや、本作も期待以上に面白かった! 垣根涼介さん、凄いです。何なんでしょう、この熱量!
さらに他作品を読んでみたいと思わせますね。"垣根沼"に引き摺り込まれそうな予感が‥。時代ものも沢山あり、最近そっちで直木賞ですもんねー。悩む〜‥"o(-_-;*) まぁ追々、少しずつかなぁ。
本作の行間から、表題通りの夜の渋谷に満ちあふれる高い熱や空気感が伝わりますが、なぜかじっとりした湿気感がなく、サラリとした印象です。
何よりも、後半に進むほど、物語のスリリングな展開、巧妙な駆け引きに惹きつけられます。さらに、個々の魅力あふれる人物造形の為せる技か、暴力シーンもありますが、グロくはなく、疾走感・爽快感を与えます。ずーっと、先が気になり続け、ページをめくる手が止まりません。人呼んで"カッパえびせん状態"です⁇(゜д゜)
そもそも、アウトローの若者たちに共感は無理、と仰る方もいるでしょうが、そんな議論を超越したクライムノベルとして、大いにワクワク感を楽しめるエンタメ作品に仕上がっています。アキの今後が、ますます興味深くなりました。
最近は、日本全土で温暖化・異常気象が半端ないくらい顕著で深刻ですね。地球はどうなっちゃうんでしょう‥?
そういう意味では、「ヒートアイランド現象」って、もはや死語? 都市化の進展と人工的な構造物や排熱で、周辺郊外に比べ都市部の気温が高くなる現象‥‥。 でも本作の、23年前のネーミングとしては秀逸です。
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タイトルどおり、若者の、男の、ギャングの熱量を感じられる作品。特にクライマックスシーンは、読み始めたら止まらないこと間違いナシ。個人的にもここまでワクワクドキドキするラストは珍しい。そして続編を読まずにはいられない。
しかしそれも、自身が渋谷やギャングに無縁の人間だからかも? 渋谷ってやっぱり怖い街なんだな近づかないようにしようという感想も同時に抱きました(笑)
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一回読んだことがある本だったね。
途中で気が付いたから止めようと思ったけど、面白かったのでそのまま最後まで読んだ。
文章も短く、勢いだけで進む展開は渋谷という場所柄なのか、またヤクザだからいいということはなく、銃撃戦での人の死の扱いも軽い感じだね。
続編もあるみたいなので、この本を売るついでに手に取ってみたい。
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2010年、一冊目。
ハードボイルド。なかなかシビれた。
最後まで、楽しめた。良作。
唯一、難癖をつけるならば、主人公は19歳にしては頭がキレすぎる。そんな19歳はずるい。ずるいほどカッコいい。
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いろいろな組織やグループが訳ありのヤバイ大金を巡って繰り広げる争奪戦に、ハードボイルドの味付けがたっぷり・・・。緻密な計画とその裏をかこうとする別グループの絡み合いが面白い。(*^_^*)
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イマイチ、主人公達に共感できなかった。
どうしてもオッサン側の目線で読んでしまい、
オッサン達を応援してしまう。
これちゃんとオチつくのか?
と心配になる展開だが、ちゃんと丸く収まる。
そのロジックはよく練られており唸らされる。
土地勘のないかっぺには、東京の地理がよくわからん。
地名や店舗名を出されても全く映像が目に浮かばん。
今回も例にもれず車の描写がくどい。(クルマ好きとしては褒め言葉)
今回はインプレッサとユーノス500。
エピローグで次回作を匂わされるのだが、それがまた胸熱。
まさかそうくるとは思わなかったが、読み手としては大歓迎な最後。
いつか続編を読もう。
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3.5
渋谷でファイトパーティーを開くストリートギャング雅のトップ、アキとカオル。裏カジノから強奪された大金を巡って、2つのヤクザ、裏金強奪のプロ柿沢達との4つ巴の攻防を描いたハードボイルド。カオルの生い立ちも面白い。官僚の次男だが、独学を選び大検へ。自分で考えることの大切さ。アキも含め、どのグループでも各々の思惑が蠢き垣根小説らしく面白い。最終的に、アキとカオルは他の3つのグループをやり合わせ難を逃れたが、柿沢らとの力の差も。アキを誘うシーンも良い。欲望と焦燥が都市で熱を持つヒートアイランド。
解説の大沢在昌曰く大藪春彦の後継者だろうとのこと。
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ヤクザを相手に、チームの仲間が冒した失敗を綿密な計画と度胸で切り抜ける19歳のアキのカリスマ性が光る。終盤のシーンは息付く暇もない緊張感で一気に読んでしまい、柿沢と桃井もかっこよく敵ながら生き残ってほしいと思ってしまう。終わり方もよく続編も気になった。
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垣根さんって物語を練って、そして魅せていく天才なのかなと思っている。ワイルド・ソウルも、午前三時のルースターもそうだけど、話の種を蒔いてそれを成長させ、盛り上がりをつくる。そして何をおしてもクライマックス以後が秀逸なのだ。つくりがうますぎて叫びだしたくなる(実際に叫んだ)。
主観的な話をすれば、この人の本は長編なのにだれないのだ。テンポがよくて話がぐいぐい進む。リーダビリティ溢れるので途中で息継ぎせずにクライマックスに入れる。クライマックスに入ってしまうと息つくひまもないので気づいたら終わっている。話がまとまっていて面白いのでそのスピードで読むと疾走感があり、読後の爽快感もすさまじい。
あえて苦言をていするならば、人物の深みがもっとあってもいいような気がする。しかしながらこれを要請するとこのくらいの分量ではおわらないのだろうな。
あとメインキャラの老成がすごいので、こいつら何歳だろうか、となるときもある。
本作はシリーズものだそうである。
すでに続編は購入済みである。
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著者の作品を初読み。ならず者達が入り乱れての暴力と知略が絡み合い弾けるハードな群像劇。途中から緊迫感がすごくてドキドキしながら読んだ。たまにはこういう世界観の作品も楽しい。
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渋谷でファイトクラブを経営する若手ギャングの下っ端2人が、ヤクザのカジノ金を奪った窃盗団から、偶然コレを強奪してしまうところから始まる複雑なギャング小説。
こんなことありか!というストーリーだが、主人公アキの存在感が際立っていた。
最後の渋谷の事務所での攻防は迫力あり、想像力を掻き立てる名シーンだ。
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最近ほっこり系ばかり読んでいたのもあって、久しぶりのハード系小説で面白かった!
ストリートギャングや裏社会の話であり人もたくさん死ぬけれども、目を背けたくなる暴力的な描写は思ったよりも少なくて楽しく読めた。
主人公たちの頭の切れっぷりと、裏の裏を描く駆け引きがスリル満点で一気に読破。
シリーズ物みたいなので続きも楽しみ。
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只々、面白い。ヤンキー漫画にならずに、若い頃の葛藤を丁寧に織り混ぜて、スリリングな展開となっている。
リューイチやカオルのスピンオフを読みたい。
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内容(「BOOK」データベースより)
渋谷でファイトパーティーを開き、トップにのし上がったストリートギャング雅。頭のアキとカオルは、仲間が持ち帰った大金を見て驚愕する。それはヤクザが経営する非合法カジノから、裏金強奪のプロフェッショナルの男たちが強奪した金だった。少年たちと強奪犯との息詰まる攻防を描いた傑作ミステリー。
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お盆で帰省中、実家の本棚に見つけて読み始めました。前半はカラーギャングのビジネスの話で若干失敗したかなぁと思いつつ惰性で読み続け、、、いつの間にか作者の素晴らしいストーリーテリングに巻き込まれ、真ん中以降は一気読みでした。
視点が切り替わると、名前がわからない設定が守られて外見で語られるので、頭がついていかず、どっちが誰だっけ。。。となるけれど、あんまり大きな問題にならなかったです。
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そもそも登場人物が全員ろくでなしのアウトロー。前半のストリートギャングの描写であまり読む気がなくなったのだが、そこはそれ垣根氏だから期待を裏切りません。柿沢・桃井が登場してきてから俄然面白くなって、最後まで一気に読ませます。救いようのないクズばかりの話ですが、全体に清涼感が漂う垣根氏ならではの小説。
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ストリートファイトしていた少年たちがあるきっかけで大金を手にしてしまう。
その大金はやくざから強奪したお金だったということもあり、強奪犯とやくざから追われることになり、なんとか逃げ切る方法を模索するというストーリー。
垣根さんの小説はワイルドソウルからはじまり、三作品目。
車好き、日系移民系、暴力系の小説が軸になっているかな。
この小説はそういうチップスが非常に多い。
そんなに車に関心がないので、よくわからないことが多い。
ストーリーとしては、面白かった。
少年たちが試行錯誤で作戦を練っているところや、追い詰められたところからどう抜け出そうとするかを読むのは面白かった。
ただ、ストーリーはいいが、小説から得るものはあんまりなかったかな。
新しい知識が得たわけでもないので、ただの物語として楽しむのにはよい。
Posted by ブクログ
3
結局こーゆーストーリーは好きですね
若者が中心に活躍するバイオレンスな小説
自分は今40歳なんですけど、ここに出てくる世の中に出回らない金をふんだくるメンバーの2人が自分より年下だと思うと、まだ子供だなぁっ、落ち着いてないなぁと思うし、こーゆー人間を描く時にこんぐらいの年代なのかと思ってショックを受けました
小説と関係ない事書いちゃったけど、カッコいい、余裕のある若者、中年が良き
Posted by ブクログ
垣根さんの作品は初めてです。
渋谷のストリートギャングとプロの強盗、ヤクザが絡むテンポのよい抗争劇。
主人公はストリートギャングのリーダー・アキなのですがどの登場人物も魅力的で、引き込まれるように読むことが出来ます。
プロの強盗がヤクザの営むカジノバーの売上金を盗み、その盗んだお金を、うっかりストリートギャングのメンバーが奪ってしまったことから展開されるお話。
男性好みだろうと思いますが私は楽しめました。
渋谷を中心とした地理描写がかなり細かいので情景が目に浮かぶようでした。
逆に言うと、都内の地理に疎い方には非常に読みにくいかもしれません。
エンターテイメント性の高い作品です。
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登場人物の誰に感情移入するかで感じ方が変わりそうな一冊。
渋谷の真ん中でガキと強盗とヤクザが金をめぐってドンパチ。頭を使うヤツに注目したくなるところだけど、引退おじさんの哀愁が一番印象に残ったなあ。
Posted by ブクログ
この手のミステリーは作者の気の向くまま疾走するか、理詰めでじっくりと物語をすすめるか、どちらかだと思う。
疾走感を得られる場面は少なく、ヤクザと強盗とチーマーの頭脳戦、肉弾戦が続く。
ちょっと細かい描写が多すぎなように感じた。
Posted by ブクログ
男が熱くなる要素が多分に散りばめられた本書。ファイトパーティーを開きトップに君臨するアキとカオル。非合法カジノから金銭強奪するプロフェッショナル達。そこに絡む裏社会のヤクザ多数。出てくる人間はハードボイルドなのに各人思考は緻密で、生い立ちや想いは熱く繊細。死者は多数出るのだが残忍さよりもかっこよさや憧れを魅せられる。ラストで一年後の再開を望む敵とそれを了承する仲間。最後までかっこよさを貫いた作品。