あらすじ
渋谷で会員制ファイトパーティーを開き、トップにのし上がったストリートギャング雅(みやび)。頭(ヘッド)のアキとカオルは、仲間が持ち帰った大金を見て驚愕する。それはヤクザが経営する非合法カジノから、裏金強奪のプロフェッショナルの男たちが強奪したばかりの金だった。大金をめぐって、少年たちを追う強奪犯、強奪犯を追うヤクザ、そのヤクザを追う別の組……息詰まる攻防を描いた傑作長篇ミステリー。アキを主人公とするシリーズ第一作。
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Posted by ブクログ
3.5
渋谷でファイトパーティーを開くストリートギャング雅のトップ、アキとカオル。裏カジノから強奪された大金を巡って、2つのヤクザ、裏金強奪のプロ柿沢達との4つ巴の攻防を描いたハードボイルド。カオルの生い立ちも面白い。官僚の次男だが、独学を選び大検へ。自分で考えることの大切さ。アキも含め、どのグループでも各々の思惑が蠢き垣根小説らしく面白い。最終的に、アキとカオルは他の3つのグループをやり合わせ難を逃れたが、柿沢らとの力の差も。アキを誘うシーンも良い。欲望と焦燥が都市で熱を持つヒートアイランド。
解説の大沢在昌曰く大藪春彦の後継者だろうとのこと。
Posted by ブクログ
ヤクザを相手に、チームの仲間が冒した失敗を綿密な計画と度胸で切り抜ける19歳のアキのカリスマ性が光る。終盤のシーンは息付く暇もない緊張感で一気に読んでしまい、柿沢と桃井もかっこよく敵ながら生き残ってほしいと思ってしまう。終わり方もよく続編も気になった。