垣根涼介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんだろう?
犬(のような生き物)と主人公との関係が徐々に変化して行く様子が描かれていて、物語の中にすーっと引き込まれて行った。
犬の思考と主人公の思考が対で交互に書かれていく形式でした。
私も自営業者。主人公も彼女も共に自営業者で感情移入しやすかった。
ところで弁当屋の女の子はどうしたのかな?
彼女の気持ちも痛い程よくわかる。家に行ったら彼女がいたなんて学生の頃のシチュエーションにそっくり。
ジョンはどうなるんだろう。
うーん。色んな点で面白い小説だった。
私はもう犬は飼えない。
大好きだった犬が老体になり家を抜け出して川で溺れて死んだ。河原で見つけた時の衝撃は忘れないし、今でも悲 -
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Posted by ブクログ
なんか登場人物がバブルっぽい。めっさイケメンの男と金髪のラテン系美人の組み合わせが、でも俺日本の女とかもう興味ねーよとか、言ってたりして、なんぞこれ、30年前のリボンかマーガレットに出てくる花沢君レベルだよ、超イケてるよ。マジで。
しかし実はそういう設定も狙ってるんではないかと思わせるほどに、しつこく、男どもに、俺かっこ悪いな、と言わせ続けるのは、なんだろうか、見た目とは裏腹に心は弱い男の気持ちをなんとやら、とかそういうやつか。
まぁなんだかんだと言いながらも、最後の方とか、ほら言わんこっちゃないよ!という予定調和の世界ながらも、それゆえのドキドキ感が意外や悪くなかったわけでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ単行本発売が2012年の割には、どうも初期の垣根涼介氏っぽい文章だな…、と思っていたら、実は「ワイルド・ソウル」よりも以前に原型が書かれた作品だった、と著者あとがきで明かされており、合点がいった。
神社の狛犬が何かの拍子で生身の体を得、生命体として動き回る、という設定がまず面白い。
その狛犬と濃厚に絡む2人の登場人物も、いかにも垣根氏らしい書き込みで、充分に魅力的に造形されている。
狛犬を含む各キャラクターたちの行動原理については、ちょっと首を捻ってしまうくだりもあるが、作者の膂力でねじ伏せ、"読ませる"物語に仕上げている。
狛犬を、"帰る場所を持たない何者か& -