垣根涼介のレビュー一覧

  • 張り込み姫-君たちに明日はない3-

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    君たちに明日はない3。

    リストラ請負業社『日本ヒューマンリアクト』・村上真介。
    リストラなのに暗さはない。
    みんな、次の一歩を自ら決めて、踏み出している。

    『ビューティフル・ドリーマー』 夢想家もしくは虹を追いかける人。
    英会話学校教師・優子、居場所を探し続ける。
    『心のままに生きよ。そうすれば最後はきっとうまくいく』

    『ヤドカリ人生』 旅行会社で年収の3倍は収益を出すが、それ以上の仕事はしない古屋陽太郎。
    彼には彼の生き方が…
    結末にはびっくり。まさか…

    『みんなの力』 車好きでサービスのレベルを超えて整備する宅間。真介の親友・山下が…
    車好きが集まり、みんなの力で、宅間が。

    『張

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    2023年12月08日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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    2007年刊。退職召喚のアウトソースを生業とする30代男性主人公。なにやら、いけ好かない主人公かな…と思いつつ読み進めていくと印象が大きく変わって行くように書かれていて面白い。仕事的にかなり心気臭く泥臭い、殺伐とした内容だなぁと思いつつ読み進めるが、様々な登場人物の置かれた上記・視点で描く事で泥沼にハマらずに読める。生身の人間臭さプンプンなので、それが苦手な人には勧められない。それこそ共感・間接体験の面白さがある!と感じる人にはお勧め。私は中間なので「4」としました。

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    2023年12月03日
  • 信長の原理 下

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    読み応えがあった。
    上巻は少し中弛みを感じたが、下巻の原理に向かって一人一人が向かって行く描写が面白かった。

    結局光秀も信長も貫いてカッコいい。
    個人的に秀吉と家康は変わらずいまいち。

    歴史小説は今のところ4冊だそうなので、他の
    2冊も読みたい!
    『室町無賴』『涅槃』

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    2023年11月28日
  • 極楽征夷大将軍

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    最初の方は、尊氏もノロノロしていて、なんか焦ったい感じだったけど、尊氏が当主になってから直義と高師直が尊氏を押し立てて、そこからはいつの間にか、幕府を倒していてあっという間だったなーと感じていたら、すぐに直義派と師直派に分かれて内部で内乱が起きて、あんなに協力していたのに、醜いなっと感じながら読んでました。最後まで三人の意見を貫いて、別々に分かれてしまったけど、それぞれの想いがとても伝わって、とても深くて面白かったです。【中1】

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    2025年07月28日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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    クビ切り面接官のお話かと書いてあったので人事や法律のお話かなと思ったけど、働く人への応援小説でした!
    個性豊かな人物がたくさん出てきて、ワクワクします。
    人生の半分以上を占める『労働』とうまく向き合うきっかけになりそうな小説!

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    2023年11月08日
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-

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    リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト』の面接官・村上真介。

    百貨店外商部の稼ぎ頭の女子社員、女性恐怖症の生命保険会社の係長、消費者金融のイケメン店長、新潟の旅館の女性従業員…

    あまり真介の出番はなかったような…
    それぞれが自分で考え、自分が選んだ道へ。
    リストラの話なのに、全然暗さを感じない。

    『借金取りの王子』、よかったな。
    宏明と美佐子。
    普通の親なら、反対するよな、美佐子との結婚は。
    それを諦めずに、両親を説得し続けた宏明。
    宏明の仕事の大変さを理解し、いつ辞めてもいいように、自らも働き、お金を貯めていた美佐子。
    ここまでやれる女性がいるなんて。

    しかし、この時代の消費者金融

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    2023年11月03日
  • 張り込み姫-君たちに明日はない3-

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    リストラ請負会社で働く者を主人公にしたシリーズものの3作目。退職を提案されることで皆、最初はショックを受けるも、これまでの自らの仕事への向き合い方やこれからの人生を考えるきっかけになる。今の会社に居続けるか、覚悟を持って新しいことにチャレンジするか、その選択の背中を押してくれる作品。4編どれも面白かったが『みんなの力』が特に良かった。

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    2023年10月30日
  • 迷子の王様-君たちに明日はない5-

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    君たちに明日はないのシリーズ最終本。
    今まで他人の退職を促してきた真介が、今度は自分の将来を考えることになる。人との出会い、それが一期一会てあろうとも、その人達と関わり続けてきた彼の人柄が滲み出る。
    年上の彼女とはその後どうなるのかも気になる。

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    2023年10月28日
  • 永遠のディーバ-君たちに明日はない4-

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    著者、垣根涼介さんはバイクや車、音楽にかなり精通していることがわかる。
    いろんな業種の内部事情が垣間見れるのも楽しみの一つ。
    世の中の8対2の法則も面白い。例えば国民には5%の富裕層と、高給与所得者を含む15%の小金持ち、そして残る80%のなんとか生活している層に分かれる。
    パレートの法則と言って、利益集団の中では必ず、2割の優秀者と、残る8割の可もなく不可もない層に分類される。そしてその2割の優秀な人材だけが、実は組織全体を実質的に動かしているそうだ。

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    2023年10月17日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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    直木賞作家・垣根涼介、初読み。

    リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト㈱』で、リストラ対象者の面接官を担当する村上真介。

    真介は、リストラ対象者のこれまでをじっくり調べて、どの選択が幸せかを考えて、対象者を導こうとしている。
    対象者も、人生を振り返り、どうすればいいかを考えている。

    陽子も、緒方も、池田も、日出子も。
    日出子は結局、実家のとんかつ屋を継ぐんだろう。

    音楽プロダクションの石井だけはまだ考えられてはいないだろうけど…

    リストラって、敗者って感じが強いが…
    やり方なんだろうなって感じる。
    それだけでネガティブなリストラがポジティブに。

    リストラ請負会社って、実在するんだ

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    2023年10月10日
  • 信長の原理 下

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    ネタバレ

    天下統一で絶対的な地位を確立しながらも、組織が大きくなることによる弊害も、、織田家臣 羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、羽柴勝家、滝川一益の熾烈な出世争い。裏切者は誰か。そして『本能寺の変』まで。現代の経営者、サラリーマンが抱える悩み、問題がまさに戦国時代でも!歴史は繰り返す、、、。

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    2023年10月07日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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    数年前に日経か何かで、
    お仕事小説特集ページで紹介されていて、
    気になっていた一冊。
    直木賞受賞作家ということで、
    近くの書店で発見、綺麗な状態の本を購入できました。嬉)

    リストラ請負会社に勤める村上真介の面談を中心に描かれています。
    面談者(リストラ候補者)に恋をしてしまったり、
    学生時代の友人と面談で再会することになったり。
    私だったら、精神もたなくなりそうですが、
    真介は迷いながらもタフにこなしていきます。
    解決策が力強かったり、容赦なかったり。

    面談者が社内の人間だと、
    どうしても私情、社内政治、派閥などが影響しそうだし、
    後々のしこりを最小限にするためには、
    外部に委託する、とい

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    2023年09月10日
  • 信長の原理 下

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    本能寺で信長が光秀に討たれるまでが下巻。働き蟻の原理は信長は以下の六人の武将にも適用されると考える。佐久間信盛、柴田勝家、丹羽長政、滝川一益、羽柴秀吉、明智光秀、落ちていくのは誰か。
    結論としては佐久間信盛が落ち明智光秀が裏切る。他にも荒木村重や松永久秀が裏切るが、何故裏切ったかの考察として現代風にすると効率化を進めすぎる社長(信長)に着いていけなくなったというのが面白いが身に沁みる。キチンと出世している分ブラック企業では無いが、常に全力疾走させられるのはキツい。
    最後の方は信長自身が働き蟻から外れて来たように感じた。だからこそ働き蟻であった光秀に裏切られたのではないか。それこそがタイトルにあ

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    2023年09月09日
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-

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    つらい。
    消費者金融の、内面の闇がすごい。さすが首都圏。怒声しか飛ばない営業報告会議はまだしも、来期のプレッシャーのかけられ方が半端ない。えずきたくなるレベル。

    そこにクビ切りに入るというシビれる展開。2作目に入り、主人公チームの色もはっきり出てきた。若いのに老練した社長。アシスタントの舌足らずなお嬢さんにも癒される。実は一芸があり、かなり細かい変化に気づける、人読みの才能を持つ。この意外性がうまくストーリーにからんで深みを出していると思う。

    垣根涼介さんの作品は男性が男性らしく、女性が女性らしく描かれていると感じる。今の価値観からはとかく否定されがちだが、自然と読める、という側面も見過ご

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    2023年09月09日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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    クビを切るのは、本当に難しい仕事だと聞いた。私のいる会社でもクビ切り課長と呼ばれる人物がいて、その人はなぜか尊敬されていたことを思い出す。
    その難しさの中身がしっかり書かれている良著。

    そこに垣根涼介さんお得意のイケメンスケコマシ野郎(死語)要素が掛け合わされ、なんだかマグロの解体ショーを見ている気分になった。マグロに申し訳ない。

    会社に切られる人間に敢えて同情はしないが、切られる側に立ってついつい先の人生を考えてしまうのは、ダメサラリーマンの性かな。
    いや、反面教師とすべき。
    面白いコンセプトなので先を追いたくなる。

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    2023年09月09日
  • 信長の原理 上

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    ネタバレ

    2:6:2の割合。どんなに優秀な兵を登用しても2割が懸命に働き、6割が流される日和見、残り2割は逃げ出す。
    信長少年が幼い頃に観察した蟻の働きと全く同じ、、、。何故だ?孤独と怒りを抱えながら、家臣に疎まれ、自身の思いを理解されず苛立ちながらも独特の思想と思考が徐々に家臣からも一目置かれる存在に。
    仕事の任せ方、意思決定のための情報収集など今に通ずる話題が盛り沢山。

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    2023年09月07日
  • 狛犬ジョンの軌跡

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    垣根涼介さんの犬を題材とした作品!

    過去の作品や本人の風貌からは意外としか言いようがない。と思いきや、主人公は三十代の独身で建築士事務所を開いている個人事業主!毎度お馴染みのハイスペックな車も登場します。

    これは、やはり垣根涼介!と思いきや犬の正体が・・・?

    解説にも書いてありましたが続編が出たらいいなぁと思います♪


    建築家の太刀川は真夜中に気晴らしでドライブ!
    その途中、犬を轢きかける!!?
    犬は車との衝突とは違う大きな傷があり、病院に連れていく事に・・・

    太刀川と謎の犬の共同生活が始まる・・・

    犬を飼うって良いなぁと思ってしまいました。
    躾は大変そうだけど・・・

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    2023年09月02日
  • 張り込み姫-君たちに明日はない3-

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    君たちに明日はない第3作。
    読むたびに主人公村上真介の人柄に惹かれる。
    リストラ請負人の仕事に加えて、リストラされた人たちのやる気と実力の方向性に合った会社と仕事で、ふたたび社会復帰して欲しいという思いから、人材派遣業務も請け負うことに。突き詰めていけば、リストラと採用は裏表だからだ。そして面接した人のことをよくわかっている。彼にピッタリの仕事。
    彼の素敵なセリフ
    真実。たぶんそれは、石ころのようにさりげなく道端に転がっている。

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    2023年08月29日
  • 午前三時のルースター

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    本書で特に印象に残ったシーンが三つ。
    一番印象に残ったシーンは、父親を見つけながらも、日本に戻らないとする父親から何かの資金にもなると貰った高級腕時計を成田空港から自宅に帰る車中から息子が投げ捨てるシーン。
    二つ目は、エピローグの最後にある一番鶏ルースターの鳴き声に「この国、日本で鳴き声を聞かなくなってから久しい」と述懐するシーン。主人公の父親が妻子と過去を捨て、「動かせる明日がここにあるから」とベトナムに身を投じたいわくを暗示するシーンでもある。
    最後は、プロローグにある成田空港のパーキングに乗り捨てられた車に駐車場の親父が「日本に戻るより楽しいものを見つけたんだろ」「今の生活を放り出して手

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    2023年08月20日
  • 借金取りの王子-君たちに明日はない2-

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    君たちに明日はない第2シリーズ。
    真介と陽子のナイスカップも好感が持てるし、2人の仕事に対する真摯な向き合い方も小説に重厚感を持たせている。
    リストラ請負人にも誇りと愛があってこその仕事だと思うと救われる。 
    続編もすぐに読みたくなる。

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    2023年08月18日