垣根涼介のレビュー一覧
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ネタバレ宇喜多直家の歴史小説。一族を滅ぼされ、福岡の豪商・阿部善定のもとで過ごすことになった幼少期から、武士になり、城を持ち、戦に勝ち、備前において、その地位を固めていく30~40代くらいまでのところまで。
垣根さんの女性観が、この小説でもハッキリ現れていて面白い。紗代さんのキャラクター設定とか。
商人として生きたかった直家の設定も、切ないが面白く読めた。宇喜多直家の事は、正直、あまり知らなかったのだが、とても興味を覚えたし、彼の感覚は、当時としては変わっていたのかもしれないが、現代としては仕事できる人そのものであり、もっと知られていても良いはずなのにな、と思った。
『歴史は、常に勝者の都合によって捏 -
ネタバレ 購入済み
久々痺れた小説
表現することができません。
本書を読む前までは宇喜多直家は真田昌幸と同類という先入観でいましたが、そうではないという感想。
自身の立場と立ち回りの中で求められることを、立ち回った人。
マーケティング力が長けた経営者という印象でした。
マジで面白かったです
ありがとうございました。 -
購入済み
宇喜多直家というお題
宇喜多直家。個人的には大好きな真田昌幸と同等の武将。でも主役として扱われた話が少ない。
そんな中での本書。ましてや幼少時からのお話。面白くない訳がないと思い読み進めたらまじで面白い。
あっという間に上巻読破。
さっさと下巻に行きます。
マジで面白いです。 -
Posted by ブクログ
前作同様、基本的には各章独立した話でさくさくと読みやすい。
前作は真介、陽子の恋の行方に焦点を当てるシーンも多かったが、今作は被面接者やその周囲の人物にスポットが当たる話がより多くなったと思う。
仕事を続けることが幸せとも限らないし、続けることで見えてくることもある…という2つの側面がある。
表題作、借金取りの王子がすごく良かった。
主人公はほぼ何もしてないけど…
陽子の会社に派遣社員を手配する話も、また違った切り口で面白かった。
このシリーズのすごいところは、主人公がカッコつけの三枚目風なのに嫌味を感じないところだと思う。
今後のシリーズも期待したい。 -
Posted by ブクログ
君たちに明日はないシリーズ第三弾。
今回は、英会話学校、旅行会社、自動車ディーラー、出版社の写真週刊誌部門の4本立て。
相変わらず、迫真の退職勧告面接も面白い(不謹慎)んですが、今回は自動車ディーラーの話(みんなの力)が最高でした。
一流の腕を持つが、一方で会社の意向に沿わないところもあり出世が遅れている自動車整備士が主人公の話。延々と興味ないクルマの話が続いて、正直このシリーズもこれでもういいかな・・と思ったところで、終盤オチが見えてきた最後の方、それでも泣かされるという展開に自分でも驚きました。ひとことで言えば情なんでしょうけど、読者の心を揺さぶる筆致に感動しました。
やっぱり続編読みたい -
Posted by ブクログ
リストラ面接代行会社に勤務する主人公と、以前その主人公に面接を受けた年上の女性を中心に、百貨店、保険会社、消費者金融、地方のホテルといった企業のリストラ面接の模様と、その面接された人たちの生き方の話の中編集。
シリーズ2巻目ということで、設定も頭に入っているし、すらすら読めました。そして面白いです。やっぱり自分が早期退職勧告されたらどうするかな、いくら積まれたら心が揺らぐかなと想像してしまいます。
消費者金融の話はエグみが強く、いくら給料が高くても、絶対こんなところで働きたくないわって思います。まあでも、借りる人がいる限り、成り立つ商売なのでしょうね。。
最後、リストラと違うちょっと面白い展開 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
ブラジルに半ば騙される形で移民して地獄を見た日本人が日本政府に四半世紀ほど経ってから復讐をするというストーリー。フィクションといえども戦前のブラジル移民の事情など事実を元にして書かれていたので勉強になった。そんなひどい移民政策が昔日本で行われてたとは。気になってネットで調べたらドミニカへの移民がまさにこの小説で描かれている地獄に近いんだとわかった。臨場感のある文章が素晴らしい。特に下巻の方で松尾がマリオを助手席に乗せたままFDで狂ったように速度を上げていくシーンは息を呑んだ。小説とは思えないような緊迫感があった。あと語彙力もだいぶ上がった。難しい言葉も多く使われてて勉強になった。しかし、こん