垣根涼介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
直家の変わらない部分と変わっていく部分、それぞれを見ながら時代の流れを感じた。
生と死が隣る合わせで、日々緊張感を持って生きていた戦国時代で、生き残る道をひらすら考えて動く。今では考えられない心情です。私たちが日頃気にするようなことは、おそらくこの頃の人にとっては、とても細やかで、もしかしたら、そんな悩みや概念は存在すらしていなかったのではないか、と思うと少し勇気が出ます。
この本では、宇喜田直家が主人公ですが、当然ながら、登場する武将それぞれに直家のような人生があり、考えがあると思うと、もっと知りたいと思います。
最後のお福の言葉の通りで、私たちが知りうる歴史はある一面だと感じました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ気がつけば読み終わっていた、そんな表現が似合う引き込まれる作品だった。
本作は5つの短編で構成されており、それらは繋がっているが、きちんと区切りが存在している。その上でひと息に全体を読んでしまったのは、疑いようなくこの作品のパワーに因るものだった。
この作品の色は、巻末の解説にも触れられるが、フィクションを素知らぬ顔で通せる表現力にあると考える。
「リストラ請負会社」、「偶然に繋がるファンドとの縁」、「企業の創設メンバーの首を斬る仕事」、「業界団体へのステップアップ」、こうして言葉に並べるとあまりにも都合のいい舞台設定が、いざ読んでみると違和感なく納得できる。
結果、都合のいい舞台は一貫性の