垣根涼介のレビュー一覧

  • 信長の原理 下

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    ネタバレ

    有名な垣根さんの歴史もの初読。手垢がついた織田信長の人生を「原理」で括って騙りなおした長編。正直なところ今さら感があって手が出ずにいたがとても面白かった。駆け足だが一通りエピソードを押さえてて抜け落ち感は少ない。この原理自体は読んでてそれなりに納得はできるし、基本目新しいものではなく、人への応用も史実と組み合わせて物語の予想もついたので、まあ普通の信長ものの一つかと思っていたが、ラストにかけての原理展開は驚いた。作中で何度も繰り返される「原理」が、本能寺の変のKey Controlとなった展開は圧巻。

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    2025年05月21日
  • 武田の金、毛利の銀

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    愚息と新九郎という個性派に土屋が絡み話の先が気になってしょうがなかった。金は何者にも縛られずに自由を得る為に必要と言った所は共感できた。
    さて、愚息と新九郎は変わらずそれぞれのその才覚は凄い。土屋はある意味有能だったが、最後まで読むと女好きが仇となり、脇が甘かったか。光秀は有能だが、信長からするといつでも用無しになるかも知れない田舎サムライなんだな。組織とは利害関係のみと思うと今も昔も大差は無いのかなあ。

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    2025年05月12日
  • サウダージ ヒート アイランドIII

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    けして人には言えない。
    裏社会の仕事、奪っても被害届が出せない、そんな相手から金を奪うプロの強盗団3人、柿沢、桃井、アキに一度は仲間だったが追放された耕一が持ちかけた、仕事の話に乗る。
    齢の近い2人、アキと耕一にはそれぞれに想いを寄せる女性がその存在が読み続ける程、大きくなっていく。
    二人の男がとった決断は?
    スピード感溢れる物語であった。

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    2025年05月01日
  • ギャングスター・レッスン ヒート アイランドII

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    渋谷のチームを解散し、裏金強盗のプロにスカウトされ鍛錬の日々にくれる、アキと仲間であり決して被害届けが出されない、裏金を狙う先輩になった柿沢と桃井。
    厳しい訓練に明け暮れ、護身術と射撃を取得。
    ついにアキがデビューする。
    ヤクザが襲名披露を行う、熱海の孤島のリゾートホテル、結末は襲名披露で集めた1億を超える裏金を手にする事ができるか?
    奇想天外のストーリーが待ち受ける。
    一気に読破した!

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    2025年04月27日
  • ヒート アイランド

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    渋谷でファイトパーティを開きトップにのし上がったストリートギャングの雅、その雅の頭アキと相棒のカオル、順調に売上げを伸ばしていく中、仲間の2人が酔った挙げ句、大金を仲間の元へ持ち帰る。
    それは非合法カジノの売上で奪った相手はプロの窃盗団、アキとその仲間はプロの暗殺者とヤクザを敵に回す羽目に。
    この境地をどう乗り切る!!
    この作者の作品を始めて読む。
    一瞬で虜になってしまった。

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    2025年04月21日
  • 涅槃 下

    匿名

    購入済み

    上巻の最後の章で、婚家が滅ぼされ、宇喜多家に保護されたお福が、直家と結ばれるのが冒頭。

    「一殺多生」を信条とし、なるべく味方を殺さずに領地を護ったうえ、拡大していく宇喜多直家は、戦闘よりも領地経営を好み、商家の目をもって本邦初の「城下町」を今の岡山に造り上げる。

    東の方で勢力を拡大してきた織田についたり、その織田に領地を脅かされると感じるようになると毛利についたりするが、最後には旧知の黒田満隆(官兵衛の父)に説得されてまた織田側につく。

    その間の葛藤が細かく描写され、また、備前や美作などの地名や領主の名がたくさん出てきて少々混乱させられたが、その中で生き残っていくのは難しかっただろうなと

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    2025年04月20日
  • 涅槃 上

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    5~6歳の宇喜多家の嫡男八郎は、両親とともに城を追われて備前福岡の寺に隠れ住んでいたが、その噂を聞いて訪れた豪商・阿部善定に、家族ごと引きとられ養育されることになる。
    そのためか、八郎は、武士としてより商人になりたいと思うようになるが、宇喜多家の再興を期待されていることもわかっており、また使命であると思いながら成長していく。

    上巻は、そんな八郎が、主家である浦上家に仕えて初陣を迎え、兜首を上げて城と領地を得、元服して直家と名乗り、その領地の経営と周辺との戦に乗り出していくところまで。

    戦で親を失い遊女屋に売り飛ばされ、そこから逃げ出した過去を持つ年上の女性・紗代に恋をし、「男女のこと」を教

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    2025年04月20日
  • 涅槃 下

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    人は死力を尽くして死を迎える。残された守るべき者たちの事を第一義に考え、突き進んで行く。そして涅槃で待つ。

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    2025年04月16日
  • 君たちに明日はない(新潮文庫)

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    昌男はリストラ面接をきっかけに自分がどうして経済学部を選んだのか。何故企業精査部での仕事にこだわっていたのかゆっくりと思い出す。
    出世競争に負け会社での立場が悪くなるとともに、自分の仕事に対する本当の気持ちを見失っていた。
    実家の建具屋をシスティマティックな会社に変え、親父に仕事の誇りを持たせ、お袋にはもっと生活を楽にさせたいというささやかな思いが自分にはあった。
    基本に戻れば、いつだって物事はシンプルになる。
    なら、そういうチョイスをすればいい。それが自分にとっての仕事の幸せだ。
    これがやりがいに繋がっていくのだろう。
    つまるところイメージングなのだ。相手の立場になって付き合えるかどうか。そ

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    2025年04月13日
  • 涅槃 上

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    著者の歴史物は総じて面白い。期待以上だった。主人公の思いが非常に伝わって来てストーリーをより興味深いものにしていると思う。下巻はどんな展開になるのか楽しみ。

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    2025年04月11日
  • 室町無頼(上)(新潮文庫)

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    映画を愉しく観たので、原案になった小説を読んでみようと思い付いた。上下巻から成る小説の上巻を手にして、愉しく読んだ。
    本作は複数の視点人物が入れ替わりながら綴られるという物語であると思う。有名な「応仁の乱」に突入する少し前の時期を背景にした物語である。
    主要視点人物は17歳の少年である才蔵、才蔵と出会う骨皮道賢や蓮田兵衛、道賢や兵衛と関わる女性の芳王子だ。蓮田兵衛に関しては、寧ろ他の主要視点人物達との関りで言動が見える感なのだが、本作で描かれて行く事態の鍵を握る人物として大きな存在感を示している。
    上巻に関しては、才蔵が主人公的に感じられる。完全に零落した武家の出で、子どもの頃から苦労が絶えな

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    2025年04月11日
  • 武田の金、毛利の銀

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    相変わらず面白い垣根作品。それぞれキャラクターが立っていてワクワクする。最後には信長の冷酷さが垣間見えて、物語がびしっと締まっていた。
    土屋のことについて、光秀が本当のことをいう胆力がなかったことが、本能寺のあと誰からも支持されなかったことの伏線に思える。愚息と新九郎とぎくしゃくしてしまう不器用さも、仲間思いのところも、何やら切ないような気持ちになる。

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    2025年04月09日
  • 光秀の定理

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    初めての時代小説。
    何のリテラシーもないので、全く偉そうな事は言えないけど、こんなに面白いのか!と思った。

    もう、光秀は多分本当にこうだった。でいいんじゃないw

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    2025年04月01日
  • 室町無頼(下)(新潮文庫)

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    『室町無頼』、やはり面白い。
    未曾有の飢饉の中、その後、頻発する土一揆の火付け役となる蓮田兵衛の損得抜きの命懸けの大規模な蜂起(寛正の土一揆)が、呼び水となり、時代を変えていく。人心荒廃した動乱期にも、我が道を悠々とゆく蓮田や骨皮、才蔵らの生き方はまさしく無頼。

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    2025年03月09日
  • ワイルド・ソウル(下)

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    ラストがとても軽い感じで終わってしまったのは、少し残念。最初からは、想像できないくらい変わってしまった。物語とは言え、事実に即している部分も多いからこの本を読んで勉強になった。

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    2025年03月08日
  • ワイルド・ソウル(上)

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    ブラジルに移民した人達がこのような悲惨な生活をしていたと知って心が痛んだ。どれほど、後悔したことでしょう。こういう事実を知るきっかけとなりました。

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    2025年02月25日
  • ワイルド・ソウル(下)

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    ネタバレ

    すごかった。めちゃめちゃ面白かった。
    ケイと松尾の復讐で終わるだけに過ぎず、その後の二人の命がけのそれぞれの戦いがあったり、貴子が成功した後のあっけなさもあり。解説も良かった。

    とても面白かったなあ

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    2025年02月23日
  • 極楽征夷大将軍

    購入済み

    実に面白い

    本当に読みやすく分かりやすい
    時代小説は読んだことがなかったのですが
    垣根さんの小説は好きなので、初めて読みましたが、一気読みでした
    その他のものも読みたいと思います。

    #ドキドキハラハラ

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    2025年02月13日
  • 狛犬ジョンの軌跡

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    この本は長野県の駅ビルの本屋さんで見つけました。

    約10年前の本なのに
    目立つ所に置いてあったので
    書店員さんの推しなのかなっと思い 買いました。

    飛行機の中で読み上げました。
    イヌの呼吸 鼓動を感じ
    ファンタジー感もあり
    楽しめました。

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    2025年02月12日
  • 室町無頼(上)(新潮文庫)

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    時代小説を読むのは中学時代ぶり(?)ですが、先日観た上映中の『室町無頼』が思いのほか面白く、衝動的に原作を購入。
    少年才蔵のやり場のない怒り、哀しみといった感情や、芳王子の出自の苦労多きエピソードなどの背景にある室町社会の実相が巧く投影されており、時代考証がよく練られた大変読み応えのある作品だと感じました。まだ上映中なので、興味のある方はぜひ映画館へ。

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    2025年03月09日