あらすじ
織田と毛利の狭間で生き残りを図る宇喜多直家。彼が夢見た境地とは?『光秀の定理』から直木賞受賞の『極楽征夷大将軍』に到る分岐点となった記念碑的作品、ついに文庫化!
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匿名
上巻の最後の章で、婚家が滅ぼされ、宇喜多家に保護されたお福が、直家と結ばれるのが冒頭。
「一殺多生」を信条とし、なるべく味方を殺さずに領地を護ったうえ、拡大していく宇喜多直家は、戦闘よりも領地経営を好み、商家の目をもって本邦初の「城下町」を今の岡山に造り上げる。
東の方で勢力を拡大してきた織田についたり、その織田に領地を脅かされると感じるようになると毛利についたりするが、最後には旧知の黒田満隆(官兵衛の父)に説得されてまた織田側につく。
その間の葛藤が細かく描写され、また、備前や美作などの地名や領主の名がたくさん出てきて少々混乱させられたが、その中で生き残っていくのは難しかっただろうなと思った。
Posted by ブクログ
お恥ずかしながら初めての垣根作品。上巻の性描写の露骨さにドン引きしたが、下巻では、かなりのめり込んだ。お城の名前と城主、国の名前と位置、関東に住む私には毛利の安芸くらいしかわからず、巻頭の地図を見まくり、人物名もググりまくりだった。それはそれで面白く、心に残る作品だった。
そして、涅槃という単語。わたしも両親を亡くして以降、人が死ぬことについて頻繁に考えるようになった。この作品の中では、亡くなる人たちの涅槃への旅立ちの場面が、とても美しい文章で表現されているなあと印象的だった。
どなたかのレビューに書いてあったが、「宇喜多直家をぜひ大河ドラマの主人公に‼︎」という署名があって、わたしも迷わず賛同してしまった(^^)
続けて、木下昌輝さんの「宇喜多の捨て嫁」を読んじゃおうと思う。
Posted by ブクログ
こんなに魅力的な宇喜多直家のことが知れてよかった。感動する部分も多く、最後の方は泣きそうになった。秀家についても知りたくなった。以前岡山城に行ったことがあるが、宇喜多直家のことを知った上でまた行きたい。先日岡山城のホームページを見に行ったら、宇喜多家を大河ドラマにするための投票みたいなのがあり、投票した。大河でも観たい!
Posted by ブクログ
宇喜多直家は、苦労を重ねてスタートアップから大企業に創りあげた創業社長に思えてしまう。
かなり今までの本とは違う印象を持った。以前読んだ黒牢城ともオーバラップしていて面白く読めた。
Posted by ブクログ
文庫化したら、絶対読もうと思っていた本です。
地元民なので一度はちゃんと知っておきたかった
宇喜多家について、ゼロの知識が深まり
よかったです。
登場人物多いし、
この時代ならではの、裏切り、寝返り等々
後半慌ただしい
上巻は、比較的物語要素多く楽しめ
下巻は、物語要素あるけれど
時を追って駆けていった感があります
心情を描きながらも、人生を描き切った感
直家だけでなく、諸説ある歴史を書き切るのは
大変だと思います。
司馬遼太郎さんの本が一時期とてもはまって
大好きですが
もう少し、直家中心にもっといってもよかったかなーと
思うとこもあるけど
充分楽しめました。
ちなみに上巻の際どい表現も
賛否両論だと思いますが
ほんとかどうかはしらないですぎ
いやらしいというより、
わたしは、同じ女性として
力強さを感じました。
直家を可愛らしく描写できたんじゃないかなーと
とりあえず、宇喜多直家知ってもらいたいなー
Posted by ブクログ
私達は歴史上の人物達を勝手にイメージしてしまいます。
直接会う事も出来なければリアルタイムで情報を得る事が出来ないからかもしれません・・・
モノを伝えるという仕事を行う人達は、歴史という商品を面白おかしくしたり、衝撃的なものにしたりしてしまいます。
それは、時代時代の道徳観念や主権をとろ人達への媚びにより影響は間違いなく受けるモノだと思います。
それ故に読み手は社会が作り出した固定観念に囚われず色んな観点から観察しなければいけないのではと思いました。
でなければ、戦国時代の大悪人、闇属性、趣味:暗殺謀殺などとネガティブなイメージしかない宇喜多直家の物語がこんなに清々しい物になるわけがない!!!
小国から中国になりつつある宇喜多家は宗家の浦上家、近隣の三村家と美作・備前の領土を取り合っていた・・・
戦国時代も末期を迎え西の毛利と機内の織田が大勢力となりその間の国々は靡く先をどちらに向けるかである試行錯誤していた。
本作主人公の宇喜多直家もその一人であったが直家には一つの考えがあった・・・
下巻は毛利家と織田信長に翻弄される宇喜多直家といった感じですが、彼の撮る舵に間違いは無かった!!!
戦国時代最強のビジネスマン!!!!
Posted by ブクログ
圧巻の長編戦国小説。
明智光秀、石田三成、会津藩
そしてこの宇喜多直家。
勝者に歪められ悪とされるのが敗者の常で、それらは書物としても残されていくが、時を経て新たなその人物像や解釈が出てくるのが歴史の面白さでもある。
特に日本人は当座の文書を記すことにはご執心な割に、代替わりしたり都合が悪くなった途端、平気で処分してしまう。
※またこれが丁寧に焼却が多かったりする。
宇喜多は無論、他登場人物の躍動感や激動の戦国時代の読み応えもたっぷり。
当時の各地に分散した文化や繁栄が今も名残として残っていたら、今の東京一極による地方格差はもう少しマシだったかもしれない。
『自分の人生は、存外に自分では決められない。たとえ私がこうであれかしと願っていても、それまで自分と関わってきた人々との流れ、つまりは世間が決めることなのだ。』
Posted by ブクログ
正に、作者の言葉の通り「歴史は、常に勝者の都合によって捏造され、喧伝される。」もので、宇喜多直家も、多分に、実像を曲げられて伝えられている、と思われる。ただずる賢いだけで、人徳の無い人間に、大勢の部下が着いてくるとは思えない。多分、徳川幕府が汚名を着せたのだろう。そう言う僕も、かなり偏見を持っている?!