【感想・ネタバレ】君たちに明日はない(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

「私はもう用済みってことですか!?」リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが……。恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸きたつ人間ドラマ。山本周五郎賞受賞作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

キャラが魅力的で物語もサクサク!
首切り交渉部隊をとりまく人間ドラマが読んでて心地よかった。

一般論ではなく自分がどうしたいかが大事。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

仕事、とその後、を考える今日この頃の自分には良いタイミングの本だったかも。陽子さん、素敵ですね。「相手の立場になって付き合えるかどうか」。共感性の高さ。確かに。

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2025年05月22日

Posted by ブクログ

昌男はリストラ面接をきっかけに自分がどうして経済学部を選んだのか。何故企業精査部での仕事にこだわっていたのかゆっくりと思い出す。
出世競争に負け会社での立場が悪くなるとともに、自分の仕事に対する本当の気持ちを見失っていた。
実家の建具屋をシスティマティックな会社に変え、親父に仕事の誇りを持たせ、お袋にはもっと生活を楽にさせたいというささやかな思いが自分にはあった。
基本に戻れば、いつだって物事はシンプルになる。
なら、そういうチョイスをすればいい。それが自分にとっての仕事の幸せだ。
これがやりがいに繋がっていくのだろう。
つまるところイメージングなのだ。相手の立場になって付き合えるかどうか。そうすれば自然と涙は出る。飯だって奢る。その共感性の高さが繋がりを密にする。相手を信用させる。

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2025年04月13日

Posted by ブクログ

村上真介が主人公。

冷徹な中にも暖かさがある主人公。リストラのアウトソーシング会社に勤める。

リストラされる側の人生が垣間見える

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2024年07月30日

Posted by ブクログ

とても読みやすくておもしろい。
首を切っていく仕事をしている人の話で、いろんなエピソードの中で「仕事とは」というテーマを何度も考えさせられるものでもあった。
どこかのエピソードで「知的背景(チテキハイケイ)」という言葉が出てくるが、なんとなく人間関係において言語化できていなかった価値観がここで言語化された。
夫の好きなシリーズで、今回再読してみたら、夫の思考の原点がここだったんだな、と感じる点が多くて個人的にはそういった再発見もできた良書。

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2023年06月04日

Posted by ブクログ

面白い。

垣根涼介さんの作品は初めて読んだが、面白い。
タイトルは君たちに明日はないだが、登場人物全てに明日がある感じで前向きにそれぞれのストーリーが終わっていく展開も読んでいて心地良い。

続編も読みたい。

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2025年04月06日

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企業の代わりにリストラ業務を代行する会社に勤める主人公と、リストラを言い渡される人々を描いた物語
まず、設定が巧い。その上でリストラという重いテーマながら後味スッキリと明るく読める仕立てが面白い
オムニバス的に構成されており、主人公はさまざまな会社でリストラ代行業務を進めていくが、各登場人物の背景や心理描写、とりわけ無意識下にある感情を言語化して表現する巧さが凄い
何よりも各話のストーリーが面白く、テンポよく楽しく読めたので、続編もぜひ読んでみたい名作

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2025年02月12日

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 垣根涼介さん3作目。本作はビジネス小説です。主人公は村上真介33歳、「リストラ請負会社」で辞職勧告を促す有能面接官‥、恐ろしい設定です。

 そもそも、人減らしの首切り専門会社なんて、あり得ませんよね。社員の個人情報を社外へ提供しているし、会社の経営難による人員削減や優遇条件での退職勧奨が適法でも、下手をすれば不当解雇にもなりかねません。
 現実社会でも、不景気やコロナ禍の相次ぐ企業倒産など、余りにも身近で切迫感があり、リアルな描写になっています。

 真介は、人の運命を預かる仕事ゆえ、手を抜かず用意周到な面接により、リストラ候補者を希望退職に追い込んでゆきます。当然、恨みを買うことも多々あるし、成果を上げることは相手会社社員のクビの量と同義で、やり切れなさも感じています。

 あまり共感を得られないような主人公ですが、不思議な魅力を醸し出しています。血も涙もない冷酷人間ではありません。好きな仕事を続けるためになりふり構わない男との面談で、かつての自分を投影し、何とか救いと願いを持つのでした。

 登場人物たちも、家族や生活を抱える生身の人間であり、リストラに怯え苦悩する様子と、葛藤しながらどう折り合いをつけていくかが絶妙に描かれています。首を切る側と切られる側の人間ドラマは、興味深いものがありました。

 元々『CHOKER』タイトルで小説新潮に連載、改題し2005年に刊行。同年、山本周五郎賞を受賞。第5作までシリーズ化。チョーカーは、首にピッタリのネックレスだが、"首を絞める"意味もあり、改題した本タイトルも頷けます。

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2024年10月26日

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リストラ請け負い会社に勤める村上。クビにするのもされるのも嫌だけど、物語として読むのには新鮮で興味深かった。

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2024年06月17日

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主人公の仕事は実質「首切り屋」。働いてる人を調査し、話し合うことで自主退職に追い込む。正直大抵の小説では敵キャラだろう。だが、この作品ではそのキャラが主人公となって、いろいろな人たちとドラマを紡ぎながら生活していく。話し合い相手と恋に落ち、同級生と出会いそれでもなお仕事をこなしていく。印象的だった事は、主人公はこの仕事に誇りこそ持っているけれど、人の首を切ると言う仕事を楽しんでいるわけではないと言うことだ。誠心誠意面接担当者と向き合い、話を深めていくからこそ、読者は心を動かされるのだろう。

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2024年04月30日

Posted by ブクログ

2007年刊。退職召喚のアウトソースを生業とする30代男性主人公。なにやら、いけ好かない主人公かな…と思いつつ読み進めていくと印象が大きく変わって行くように書かれていて面白い。仕事的にかなり心気臭く泥臭い、殺伐とした内容だなぁと思いつつ読み進めるが、様々な登場人物の置かれた上記・視点で描く事で泥沼にハマらずに読める。生身の人間臭さプンプンなので、それが苦手な人には勧められない。それこそ共感・間接体験の面白さがある!と感じる人にはお勧め。私は中間なので「4」としました。

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2023年12月03日

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クビ切り面接官のお話かと書いてあったので人事や法律のお話かなと思ったけど、働く人への応援小説でした!
個性豊かな人物がたくさん出てきて、ワクワクします。
人生の半分以上を占める『労働』とうまく向き合うきっかけになりそうな小説!

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2023年11月08日

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直木賞作家・垣根涼介、初読み。

リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト㈱』で、リストラ対象者の面接官を担当する村上真介。

真介は、リストラ対象者のこれまでをじっくり調べて、どの選択が幸せかを考えて、対象者を導こうとしている。
対象者も、人生を振り返り、どうすればいいかを考えている。

陽子も、緒方も、池田も、日出子も。
日出子は結局、実家のとんかつ屋を継ぐんだろう。

音楽プロダクションの石井だけはまだ考えられてはいないだろうけど…

リストラって、敗者って感じが強いが…
やり方なんだろうなって感じる。
それだけでネガティブなリストラがポジティブに。

リストラ請負会社って、実在するんだろうか?
あった方がいいな。
人事だけに任せておくとできるものもできなさそうで…
たぶん、自己都合退職パックを出して、はい、さよなら、だろう。
辞めていくひとのこれから先のことなんて、考えてないだろう。
それが真介たちリストラ請負会社との違いで、リストラをネガティブなものにしてしまうんだろう。

真介と陽子はどうなって行くんだろう。
最後に出てきたのは、順子??

『借金取りの王子』、読まなければ。


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2023年10月10日

Posted by ブクログ

数年前に日経か何かで、
お仕事小説特集ページで紹介されていて、
気になっていた一冊。
直木賞受賞作家ということで、
近くの書店で発見、綺麗な状態の本を購入できました。嬉)

リストラ請負会社に勤める村上真介の面談を中心に描かれています。
面談者(リストラ候補者)に恋をしてしまったり、
学生時代の友人と面談で再会することになったり。
私だったら、精神もたなくなりそうですが、
真介は迷いながらもタフにこなしていきます。
解決策が力強かったり、容赦なかったり。

面談者が社内の人間だと、
どうしても私情、社内政治、派閥などが影響しそうだし、
後々のしこりを最小限にするためには、
外部に委託する、という選択はありなのかもと思います。

以前読んだジェーンスーさんのエッセイにも、
自己責任という言葉が最近頻出することに違和感を覚える、みたいなことが書いてあったのを思い出しました。

生きてくためには生活費が必要だし、
もちろん自己研鑽だって必要だと思います。
結婚していれば、自分だけの問題ではないし、
日々の中で全員が全員勝ち組に回れるわけではなくて。

もし自分が真介だったら…
もし自分が被面談者(リストラ候補)だったら…
考えな方読むと、もやもやが止まりませんでしたが、
小説として、とても面白い一冊でした!

リストラというテーマは重たいですが、
真介のひょうひょうとした感じとか、
ちょっとダメな男っぽいけど、
結末はどうよ、みたいな感じとか、
読後は良かったです。

垣根さんの作品を初めて読みましたが、
もう少し読んでみたいと思いました。

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2023年09月10日

Posted by ブクログ

クビを切るのは、本当に難しい仕事だと聞いた。私のいる会社でもクビ切り課長と呼ばれる人物がいて、その人はなぜか尊敬されていたことを思い出す。
その難しさの中身がしっかり書かれている良著。

そこに垣根涼介さんお得意のイケメンスケコマシ野郎(死語)要素が掛け合わされ、なんだかマグロの解体ショーを見ている気分になった。マグロに申し訳ない。

会社に切られる人間に敢えて同情はしないが、切られる側に立ってついつい先の人生を考えてしまうのは、ダメサラリーマンの性かな。
いや、反面教師とすべき。
面白いコンセプトなので先を追いたくなる。

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2023年09月09日

Posted by ブクログ

企業から委託され一定数をリストラする仕事。人の人生を良くも悪くも変えてしまう。主人公真介は、一見冷徹そうでもあり軽薄そうにも見える優男風だが、その実まるで正反対の熱い人。
著者、垣根涼介さんの本は初めてだったが、読んでる最中になんと直木賞受賞されたとかで偶然にびっくり!

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2023年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こんなリストラ首斬りに特化した会社って、きっとどこかにあると思う。今のような細分化された社会では、見事な隙間産業だ。 でも首斬り専門にするって、メンタルを保ち続けることは一般人には難しいはず。それを冷静にこなし続けられる真介は、かなりな猛者なんだろう。
もっともバイクライダーに情熱を上げた経験がある、という設定はエスカレーター人生とは違う、野生味を感じさせるものだ。一度でも本気で何かに賭けたことのある人生って、天国も見ただろうし地獄も見ている分、深さもあるのだろうか。

物語として展開も面白く、こんな風に世の中を見られるのか、と感心した。これならドラマ化もあるのではないか。何人かそれぞれの会社員人生を自分目線で体感できる、楽しい小説だったり

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2023年06月25日

Posted by ブクログ

短編集のようでありながらきちんと話がつながっており、それぞれの長さが丁度良く読みやすいし、話も面白い。ただ途中官能小説でも読んでるのかと錯覚するほどの男女のシーンがある。

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2023年04月10日

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登場する人物一人一人にストーリーがある。
皆、それぞれの思いを背負って生きている。

何故か夢中になって読んでしまう。
村上真介が今後どのような展開を迎えていくのか、彼がこの仕事を続ける上で何を思うのか、続きが気になる。

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2022年11月29日

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リストラを代行する会社に勤める男性・村上真介が主人公。
会社の依頼でリストラ候補者に面接し、人数分を依願退職へと持っていく。

嫌われ役を買って出る?
判断力と説得力は必要とされる仕事でしょう。
リストにある対象者のこれまでの人生を考慮して、どういう道へ進むのがいいのかを考える姿勢があるのは、良い所
他人事と思えなくなってきた相手もいたりして。

まったく知らない世界の話なので、かなり疲れました。
それだけに、垣間見る面白さはありました。
この辺は常識? これは例外的なのか?と迷いつつ~
会社と一口に言っても色々だから、業種による違いもあることでしょうが。

人の人生を大きく変える役割、と思えば重いですよね。
でも一人が全てを背負っているわけじゃない、それぞれ社会の歯車の一つ。
そして、人はもともと千差万別。
しまいには、そう思ったのでありました(笑)

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2025年04月12日

Posted by ブクログ

極楽征夷大将軍は読む予定は今のところないのですが、
2005年第18回山本周五郎賞 受賞作

リストラ請負会社に勤める主人公
依頼のあった会社のリストラターゲットとなった社員達と面談し、依願退職に持ち込むのがお仕事

そのリストラ対象者の会社人生と人柄を描く
File1から5
そこそこ人間ドラマが面白かったのですが
多少中途半端感が残るかなと思いました
ですが、やっぱり思い直し この面談のその後は
想像してくださいというスタンスが
この作品の良さだと思いました
リストラ対象者だった女性とこの主人公が
お付き合いを始めるのですが
まあ、お似合いのふたりですのでよろしいかと

リストラ依頼の業種は多方面で それぞれの職種で現実感があります
特に合併後の大手銀行の内部事情は、うなずける方が多いのではないかしら

「君たちに明日はない」としながらも
明日がある時もある
「俺たちに明日はない」は、本当に無かったけれど
ロードショーでは見てないですよっ
テレビの洋画劇場とかで見たんですっ

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2024年09月03日

Posted by ブクログ

学生時代の同級生を自首退職に追い込む話が一番面白かった。真介の友人である山下の大学名がツボに入ってしまって涙が出るほど笑った。この大学名のどこに笑いどころがあるの?と思われるかもしれないが、小説を読んでてこんなに笑ったのは初めてかもしれない。

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2024年07月22日

Posted by ブクログ



主人公の真介は、リストラ専門のクビ切り面接官。
さまざまな会社から依頼され、面接をしていく。

登場人物のキャラが濃く、特に『オモチャの男』が面白かった。

トラブルで面接が長引き、大事な約束に遅れてしまいそうになるも「この仕事で手を抜くわけにはいかない。人の運命を預かる職業だ。」と真介の仕事に対する姿勢が良い。

クビを切る側も切られる側も、色々な気持ちを抱えて必死で生きているんだなと感じた。

自分があまり読まないタイプの文体だったので、なかなか慣れなかったけども、機会があれば他のシリーズも読んでみたい。

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2024年05月08日

Posted by ブクログ

直木賞受賞作家の出世作、ということで読んでみた。文章のテンポがいいので、普段の倍くらいのスピードで読めた。

内容は、主人公がリストラ代行業の中堅社員(33歳)なので、決して明るい環境ではない筈なのだが、何故か明るく前向きになれてしまう不思議なお話だった。

銀行の中の厳しい出世競走は、「半沢直樹」で業界外の人も広く知るところとなったが、都銀で冷遇されているバンカーがM&Aアドバイザリーの世界でシンドイながらも輝きを取り戻すという設定は、今となっては割と普通の話なのかもしれない。

40代独身女子の恋愛事情に対する好意的な書き振りも、現代的で好感が持てた。

次は、「ワイルド・ソウル」を読む予定だ。

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2023年12月06日

Posted by ブクログ

何年か前にドラマで拝見した。

主人公の村上真介は企業の人事部から、リストラ業務を請け負う会社の社員。所謂リストラを宣告し、自主退職へと誘導する面接官。

様々なリストラ対象者が登場し、言葉巧みに誘導していく。もちろん下調べにもソツが無い。

『気持ち良く、会社を辞めていく』なんてことができたら幸せだろうな。あっそれはリストラではないか…。

兎にも角にもテンポよく読み進める話でした。

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2023年12月02日

Posted by ブクログ

歴史小説の作家として知った作者の現代小説を読んでみた。少し前の時代背景だが、テンポよく読みやすい。全てが繋がってる訳ではない短編なのかな?シリーズモノみたいなので次も読んでみるかな。

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2023年10月01日

Posted by ブクログ

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会社の首切りを宣告する委託業者
相手を納得させるため物凄く労力を要する仕事だと思った
調べに調べ、いざその場になり伝え、終わっても相手からの恨み、報復があるかもしれない
最悪そんな事が起こりうる可能性があるから意識はしてないとはいえ大変だなと思うし、自分だったら耐えられないかも
本の中でも主人公の気持ちが描かれていて、自分が感じてるのとは違うのかもしれないが気持ちが強くないと続けていくのは難しいと思った
主人公の前職、考え方も面白いなと思った
言葉が気障っぽいのがちょっと受け入れにくかったが、この主人公のキャラならマッチはしてたのかなとは思う

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2023年07月11日

Posted by ブクログ

リストラ請負会社に勤める男性のお話。
リストラ候補になった人達に対して、シビアではあるが真摯に向き合い、暗い内容にならないのが良かった。

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2023年03月18日

Posted by ブクログ

シビアな話が軽やかにテンポよく進む。今はもっとえげつなく首切りが行なわれているのでしょう。File5 は、いろいろな点で?

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2024年02月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろいことは、確かにおもしろかった。
クビ切りを仕事とするリストラ請負会社の社員、村上真介の話。
自分が実際にリストラされてたら、読めないだろうなぁと思った。
タイトルだけで読めないよ。
読みやすくて、おもしろかったんだけど、ただ……。
この主人公の村上真介のことが、どうも私は好きになれなかった
絶対友だちにはなれないタイプ。って、向こうも別になりたくなんかないだろうけどさ。
垣根さんは、ご本人も気の強い女性が好きなのかな?と思った。
『ワイルド・ソウル』に出てきた女性も、ケイを蹴飛ばしたりして気が強かった。
あと、きっと車とかバイクとか、そういうものも好きなのね…と思った。

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2023年08月29日

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